ドイツ艦着任の翌日の朝、鎮守府の執務室にとある人物が(ドアを蹴破って)やってきた。
「admiral!出撃はいつなの!?」ドアバァン!
「ノックをしろ!この脳筋が!」
ビスマルクである。俺がアドバイス(?)をしてからというもの、ビスマルクは仕事モードで過ごすことをやめ、本来の性格で生活することにしたらしい…が…
「で、まだなの?」
普段の性格と仕事モードの性格が違いすぎて二重人格という二つ名を与えられたらしい。まぁ、そうなるな。
「はぁ…この後十時から大規模演習をやるから、それで満足してはくれないか?」
演習、と聞いてビスマルクの表情が引き締まった。
「了解した。ドイツ艦の皆にも演習の旨を伝えておく。では、失礼する」ビシッ
ビスマルクはきっちりとした敬礼をし、機械のような動作で執務室を出て行った。
「ほんっとに…二重人格だよなぁ…」
残された俺は椅子に背を預け、天井を仰ぎ見ながらそうつぶやいた。
「…誰もドイツ艦の演習をやるとは言ってないんだけど…まぁいい、特殊編成でやってやるか…」
俺は机上に視線を戻し、対ドイツ艦用の編成を考え始めた。
~ドイツ艦寮~
ビスマルクが帰還した。
「皆聞け!本日午前十時より鎮守府内での大規模演習を行う!各自入念に準備をしろ!第三帝国の底力を見せる時だ!かかれ!」
「了解!(姉さん…仕事モードだと私は苦労しないんだけどな…)」
「Verstanden!(仕事モードのビスマルク姉さま…かっこいい!普段どのギャップがたまらないわぁ~)(恍惚)」
「了解!”戦艦として”頑張るぞ!(ビスマルク…こういう時はかっけえんだけどなぁ…)」
「腕が鳴るな…(ビスマルク…普段はどうしてああなのだ…)」
「…了解した(仕事モードON)」
「初の実戦が演習か…あまり暴れられなさそうだな…(まぁ、手は抜かないが)」
各自の思いを心の内に秘めながら、ドイツ艦は準備を開始した。
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時刻は午前九時五十分、爽籟の中で演習に参加する全艦が勢ぞろいした。
俺は一歩前に出て、始めの挨拶を開始した。
「本日は、ドイツ艦VS日本艦の大規模演習を行う!ドイツ7艦、日本12艦の戦いだ。ドイツは数的不利ではあるが、最善を尽くしてほしい、以上!準備にかかれ!」
全員がこちらに敬礼してから待機場所へと移動を開始した。
そして十分後、鎮守府前海域に全員が揃った。
ビスマルクが一歩前へ出てきて宣言した。
「ドイツ側、ビスマルク、ティルピッツ、プリンツ・オイゲン、ドイッチュラント、グラーフ・ツェッペリン、U-511、フューラー、以上七隻だ」
「日本側、大和、武蔵、長門、赤城、加賀、利根、神通、北上、綾波、吹雪、伊168、俺、以上十二隻だ」
俺がそう宣言すると、ビスマルクは一瞬不思議そうな顔をしたが、やがて思い出したのか、下がっていった。
昨日のうちに、姉さんのこと、俺のことをほとんど話しておいたのだ。
「今から五分後に開始する。それまでに配置についてくれ」
「了解した。では」
ビスマルクはそう言って、艦隊の方へ戻っていった。
「陣形と作戦を伝えてくれ」
俺が艦隊の方へ戻ると、武蔵が尋ねてきた。
「あぁ、陣形は複縦陣モドキ、先頭に大和、武蔵を置くようにして、二人の後方に長門、その後ろに利根と俺、神通と北上、綾波と吹雪、赤城と加賀、伊168の順に並んでくれ。」
~図解~~~
大和 武蔵
長門
利根 伊吹(提督)
神通 北上
綾波 吹雪
赤城 加賀
伊168
~~~~~~
「作戦は簡単だ。空母による偵察兼攻撃の後、戦艦組と重巡で砲撃を加える。そこらへんで機関に支障をきたす艦を出させる予定だ。速力が遅くなったところに魚雷を叩き込んで沈める。もし速力低下がみられない場合は、一か八かで撃ってくれ」
「了解した。U-511はどうやるつもりだ?」
「それについては問題ない。今回綾波と吹雪には爆雷を多めに積んできてあるから、U-511の対処は大丈夫だろう」
「
「味方が仕留めきれなかった敵を、沈めろ(大破判定にしろ)」
「了解!」
~ドイツ側~
「陣形はグラーフを中心に輪形陣、
「…了解した」
「(仕事モードのお二人…ギャップ萌えですね!)」
「詳しい配置はこうよ。私を旗艦に後ろにティルピッツ、その後ろにグラーフ、その右にドイッチュラント、左はプリンツ、最後尾はフューラーよ」
~図解~~~
ビスマルク
ティルピッツ
プリンツ グラーフ ドイッチュラント
フューラー
(グラーフの真下)U-511
~~~~~~
「作戦はいつも通り、最初は私とティルピッツが長距離射撃、敵が詰めてきた場合はプリンツとドイッチュラントで敵の掃討をお願いする。グラーフを護る事を最優先にするように。敵が後退していったところをフューラー、よろしく頼んだぞ」
「あぁ、任せておけ」
「U-511はプリンツたちと同じ役割。敵艦をグラーフに近づけないように、いいな?」
「了解だ」
五分が経過し、乾いた音を立てて花火が上がった。
両陣営で、それぞれ声が上がった。
「「戦闘、開始ッ!!」」
今回は導入編です。本編は次回書きます。