魔改造提督の鎮守府ライフ   作:Jeep53

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現在時刻は午後一時。日が高く、光線が最も眩しい時刻だ。

本来ならこの眩しい光線と襲い来る熱気のせいで(自分が)溶けている時刻なのだが、今は違う。なぜなら…

「クーラーって強いな」

「それには同感です」

赤城が頷いた。

そう、ついに待ちに待ったクーラーが配備されたのだ。演習中に。

そして今俺の目の前には鎮守府第四航空隊…最後に発艦したはいいものの味方の支援をせずに鎮守府へと帰投していた部隊の奴らだ。

俺はそいつらに向き直って、重い口調で話し始めた。

「今から言う質問にすべて正直に答えろ。嘘を言った瞬間そいつには消えてもらう」

「!?提督、それは…」

「赤城、黙れ。さて、一問目だ。なぜ支援をせずに帰投した?」

俺が質問した直後、航空隊の隊長と思しき人物…もとい妖精が一歩前に出て答えた。

「戦う理由がないと判断しました。こちらには新人も多かったため…」

「ふざけるな!」ダァン!

俺は思わず机を叩いて立ち上がって航空隊の面々を睨んだ。

「ヒッ…で、ですが、あれは演習でしたし、別に勝たなくてもよかったんじゃ…」

「お前ら…俺が何で怒ってるかまだ分からんのか?」

「…演習に勝てなかったからですk

「んなわけねぇだろ!?テメェらのその根性だよ!気に食わねぇのは!」

‥‥‥」

「新人が多いから帰投した?お前らの航空隊は半数以上実戦経験が豊富な奴らばかりのはずだ!もし新人だったとして、その技術を向上させるための場が演習じゃないのか!?おい、違うか!?」

「‥‥‥」

航空隊は黙ったまま何も言わない。俺は続ける。

「戦う理由がない?なぜだ?お前らは何のためにいる?実戦で怖くて逃げだしたのならまだ理解の余地がある。だが今回は演習だぞ!?死ぬことはない。もし演習相手に到達することがなかったとしても隊列飛行の練習などにはなったはずだ…さて、お前らの口から本当のことを話してもらおう。なぜ帰投した?」

俺は言いたいことを言いきり、航空隊に話を振った。

「……怖かったんです…俺らの部隊は実戦経験があると言っても前鎮守府で空を飛んだことはありませんでした。積まれていただけなんです…それで…初めての戦いで…怖くて…」

絞り出すように隊長は言った。

「……え、マジ?だとしたら俺の確認不足じゃん」

「提督今までの風格が台無しですよ!?!?」

赤城が俺の態度の変わりように音速レベルで早いツッコミを入れてくる。

「シリアスとは時に短命なのだよ、赤城」どやぁ

「ドヤ顔しないでください!」

俺は航空隊の方に向き直った。

「……すまんかった!俺の確認不足で怖い思いをさせてしまった…許してくれ…あ、消えてもらうってのはさすがに冗談だったからね?」

その言葉を聞いて胸をなでおろす者が結構いた。相手を脅す時に使えるなこのフレーズ。

こうして謎だった航空隊帰投問題はかなり意外な形で終結した。とりあえず前の鎮守府の責任者は見つけ次第〆ることにしよう。

「提督殿、我々はこれからどこで訓練すれば…」

航空隊が不安そうに発言してきた。

「あ、それについてなんだけど…明石がフライトシミュレーターを作ったらしいから、それで訓練できるそうだ。ゲーム形式にしてあるらしいから、やりやすいと思うぞ」

その質問に対し俺はやさしく返した。

「ご配慮、ありがとうございます。では私らはこれで」ペコ

航空隊の面々は安堵の表情を浮かべ、お辞儀をして出て行った。

「今度埋め合わせになんか奢るからな!」

俺はドアの向こうに言葉を投げかけ、椅子の背もたれに背を預けた。

「……もう少しちゃんと鎮守府の状況を把握するようにしよう」

俺は天井を見上げながら呟いた。

「そうですね。私も知りませんでしたよ…道理で発艦作業が通常より遅かったんですね…あ、それと提督」

赤城が思い出したようにこちらを向いた。振り向いた時にさらさら揺れた綺麗な髪に思わず見とれてしまった。

「な、なんだ?」

見とれていたことを隠すかのように早口で返事をした。

「そのフライトシミュレーターって艦娘でもできます?」

「できるらしいぞ。たしか…ACECOMBATとか言ったk

「それ以上はいけない」

……今のだれの声?」

聞き覚えの無い声に二人して部屋を見渡すが、誰もいなかった。

「まぁいいや、架空の国の戦闘をモデルにした空戦ゲームらしい。見たことない戦闘機たちがあってな、とても楽しそうだったぞ。明石はそれらの戦闘機を作るのが目標とか言っていたな」

「…楽しそうですね、私もやってきます…それと、女性は視線に敏感ですよ?提督」

「えっそれはどういう」

俺の言葉が終わるより早く、赤城は微笑みながら執務室を出て行ってしまった。

 

「えっちょっ…どういう意味…というか執務…俺だけでやるのつらい…」

 

キンキンに冷えた執務室に俺の消えそうな声が虚しく響いた。




今回短いですね、はい。どうも、謎の声の主です。
シリアスにしようとしたけれどしきれなかったんでふざけました。いい加減話を進めたいんで、頑張ります。


エスコンはいいぞ
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