だが、空挺部隊と邀撃部隊の前に防空棲姫のかつての教官、「泊地棲姫」が率いる姫級部隊が立ちはだかる。
勝負の行方は…?
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部隊構成
・邀撃、空挺部隊
戦艦:伊勢 日向 扶桑 山城 金剛 比叡 榛名 霧島 大和 武蔵 長門 陸奥 ビスマルク ティルピッツ フューラー ドイッチュラント 戦艦棲姫
重巡:古鷹 加古 青葉 衣笠 妙高 那智 足柄 羽黒 高雄 愛宕 摩耶 鳥海 利根 筑摩 最上 三隈 プリンツ・オイゲン 提督
軽巡:天龍 龍田 球磨 多摩 北上 大井 木曾 長良 五十鈴 名取 由良 鬼怒 阿武隈 川内 神通 那珂 夕張 阿賀野 能代 矢矧 酒匂 大淀
駆逐艦:吹雪以外の全艦艇 防空棲姫 駆逐棲姫
軽空母:鳳翔 龍驤 飛鷹 隼鷹 祥鳳 瑞鳳 千歳 千代田 龍鳳
正規空母:グラーフ・ツェッペリン 空母棲姫
潜水艦:全艦艇
・対シールド部隊
加賀 蒼龍 飛龍 瑞鶴 翔鶴 雲龍 天城 葛城 大鳳
・対ディグ部隊
鈴谷 熊野 吹雪 赤城 ヲ級改F レ級F ル級改F 北方棲姫
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時間軸はおかしくなりますが、決戦は一部隊ごとに書いていくことにしました。つまり今回は姫級部隊が相手です。
~現在・空挺部隊、提督side~
俺は戻ってきた姉さんの表情ですべてを悟った。和解はできず、全面戦争による決着が必要だという事を。
それにしても表情が暗いな…
「姉さん、和解できなかったのは分かるけどそこまで落ち込むことじゃ…」
俺は言ってからハッとした。いくら今敵だとは言えもとは仲間。今の言動はあまりに軽はずみだったのではないか、と。
しかし、姉さんはそれを聞いても嫌な顔はせず、むしろ吹っ切れたような表情になった。
「そうね…やるしかないわ。待ってて教官、私の手で沈めてあげるわ!」
「教官!?」
その場にいるだれもが耳を疑った。姉さんは周りの反応を気にすることなく続けた。
「あの人たちはこれまでの戦力とはかけ離れた強さに進化しているはずよ。だけど私たちもそれと同等レベルで進化はしている…はず!行くわよ皆!」
「待って展開早いって!」
姉さんがみんなを先導して艦隊は前進を始め、俺は
「管制機!敵艦隊の戦力、位置、敵航空部隊の有無、現在よりこれらすべてを定期的に報告しろ!」
俺の無線から数秒ほど遅れて返信が返ってくる。
『了解した。敵の大半は姫級、航空戦艦4、戦艦1、正規空母2、軽空母1、水上機母艦1、重巡洋艦1、軽巡洋艦2、駆逐艦2、潜水艦の有無は判別不可!敵機編隊現在続々と発艦中!発艦機は陸軍機の改造機と思われる!』
無線の調子は良好だ。高高度より無事に指示が出せている。
「全員聞こえたな?それと…」
俺が指示を出そうとしたとき、一本の無線が入った。
「こちら伊勢!敵第一部隊は遁走、水雷戦隊が追撃をかけている。我々邀撃部隊はそちらの支援に参加する!」
思わぬ増援の知らせだった。正直現在の戦力でのこの距離の撃ち合いには火力不足だったのだ。
「了解した。戦艦と重巡は管制機より敵艦隊の先頭艦の位置データを貰え。敵は文字通りの単縦陣だ。先頭艦を潰して進路をずらさせて各個撃破に持ち込むぞ!」
「了解!」
多数の返事が無線越しに響いた。直後、音を立てて各艦の艤装が動き始める。
その時管制機から報告が入った。
『敵攻撃隊間もなくそちらに到着する。対空戦闘用意を…!』
管制機の妖精さんはどこか慌てているようだったが、俺はいたって落ち着いて返した。
「座標データを送ってくれ。すぐに片づける」
『今送った!』
座標が艤装のECUに読み込まれた。
「一番ハッチ開放、改型シースパロー用意!」
VLS二基のうち一基のハッチが開く。装填弾薬は改型シースパロー、艦対空ミサイルの改良型だ。
『敵艦発砲!』
突如管制機より報告が入った。
「各艦回避機動を取りつつ発砲開始、撃てッ!」
俺は命令を下しつつ、シースパローを発射した。
砲撃の轟音と、それとは異なる音が響き、砲弾は敵艦隊先頭艦に向けて、シースパローは敵航空隊へと飛んで行った。
その時、味方の砲弾が敵へ届くよりも早く、敵の砲弾が俺の後方、伊勢達の戦艦重巡部隊付近に着弾した。
「被害状況報告!」
俺が無線に呼びかけると即座に無線が返ってきた。
「戦艦は無傷、古鷹と羽黒、高雄、筑摩に敵砲弾が直撃、大破判定です!」
「なんだと!?」
初弾命中、しかも大破判定…やるな…
「大破艦は鎮守府に撤退しろ!明石がすべてやってくれるはずだ」
此処にはいない明石が対応に追われる様子を想像して少し申し訳ないと思ったが、そんなことは言ってられないのだ。…無事終わったら明石に何か奢るか…
そんなことを考えていると、シースパローが起爆圏内に入ったことを示すブザーが鳴った。
「吹き飛べ!」
俺は主砲艤装のトリガー脇にあるスイッチを思いっきり押し込んだ。
~数秒前、敵航空隊~
「敵艦隊ヲ視認!…ン?一発ノ飛翔体ガ接近中!」
「対空砲火デハナサソウ…航空隊内部ヲスリ抜ケソウダナ」
深海機が不思議そうな顔をしたとき、それは起こった。
乾いた炸裂音と共にシースパローが散り、無数の子爆弾を撒き散らしたのだ。
「クラスター弾頭ダト!?」
子爆弾が発動機に命中し黒煙を吐きながら高度を下げる機、コックピットに直撃し徐々に編隊から落伍して行く機、主翼を吹き飛ばされて錐揉み状に墜落して行く機など、様々な墜ち方で深海機は次々と海の藻屑と化していった。
「クッ、味方機ガホトンドヤラレタ…引キ返…」
機体を反転させ、母艦に戻ろうとしていた数少ない生き残りの耳に、はっきりと、墳進弾特有の音が聞こえた。
ある機のパイロットが振り返った。
「ジーザス…」
シースパローは、まっすぐ彼のもとへと向かって来ていたのだ。
直後、航空隊は全滅した。
~海上敵艦隊~
「嘘ッ!?攻撃隊全滅…?」
敵艦隊の正規空母の一人、空母水鬼はひどく驚いていた。これまで艦娘どもを散々に虐めてきた自慢の航空隊が一瞬にして全滅したのだから。
「私ノ航空隊モヤラレタワ…一体何ガ起コッタト言ウノ?」
もう一人の正規空母、深海鶴棲姫も前代未聞の事態に戸惑っていた。
「嘘デショ…残リノ航空隊ハ?」
その話を聞いた護衛棲姫は正規空母二人に尋ねた。
「二艦共二マダ居ル。ダガ今出スノハ得策ジャナイト思ウ。イザトイウ時ノタメニトッテオイテモイイ?泊地」
それを聞いた泊地棲姫は一言分かった、とだけ発し、自分はまた砲撃へと戻った。
(制空権がないのは…辛いな…)
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~提督side~
(…たかが航空隊に二発も使っちまった…もっと練習が必要だな)
VLSの弾数は無限ではない。撃ち切ってしまえばそれはもうただの箱に過ぎないのだ。残弾管理をきちんとこなさないといざという時に役に立たなくなってしまうのだ。
俺がそう考えていると、姉さんから無線が入った。
「防ちゃん、敵航空隊のもう一部隊は私が排除しておいたわ。これで制空権は取れるはずよ」
「ありがとう、助かるよ」
俺がそう言って姉さんとの無線を切ると、別の報告が入った。
「提督、敵先頭艦が落伍し、敵全体の隊列が乱れました。各個撃破に持ち込めそうですが…ちょっと距離が遠いですね」
「大和、安心しとけ。この戦いはマジックと一緒だ」
「…?それはどう言う…」
「まぁ見とけって」
そう言って俺は無線を全体無線に切り替え、指示を出した。
「軽空母部隊、艦載機を発艦させろ。俺らは砲撃を中止して待機!」
「了解やで!艦載機のみんな、気張って行ってこいや!」
龍驤を筆頭とした軽空母部隊よりキーンホークやキ64爆装、少数生産にとどまった夕張のY–1や(ここの鎮守府では)旧式化してしまった景山–改や懐かしの景山などが発艦を始めた。軽空母が軽空母らしからぬ搭載量をしているので一斉に発艦して行く様は壮観であった。
「航空隊が敵と接触したら俺らも行動を開始するぞ」
「了解!」
飛来する敵弾を躱しながら俺たちは暫しの休息(?)に入った。
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〜上空、航空隊隊長side〜
「いいか?墜とされても死なずに鎮守府に転送されるが、経験値は引き継がれないからまた最初から訓練をやらなきゃならなくなる。もう一回訓練をやりたいやつは墜ちてもいいぞ?」
隊長が茶化すように言うと部隊から“あの訓練はもう嫌だ”との声がまばらにあがった。
「実戦と違って死なねぇんだから、派手に行くぞ!」
「了解!」
「作戦はこうだ。さっき提督たちが敵をバラバラにしてくれたらしい。つまり孤立気味になっている船が多いわけだ。そいつらを全機で叩くんだ」
「それぞれ一機ずつ対応すれば効率良く済むのでは?」
無線の向こうから若い声が聞こえた。
「馬鹿おめぇ、姫級が爆弾一つで沈むかってぇの。投弾前に一瞬で墜とされて終わりだぞ。知らんのか?」
隊長は半ば呆れ気味に返答した。
「そうなんですか…知りませんでした。姫級相手は初めてなんですよ俺」
隊長は驚いた。
「マジか…気をつけるんだぞ。対空砲火も他の敵の比じゃないからな」
「…了解しました」
ゴクリと唾を飲んだ音が聞こえたような気がした。少し姫級の実力について過剰に言いすぎたかもしれないが…まぁ、慢心するよりマシだろう。
部隊のどの機からか、突如報告が入った。
「敵艦隊発見!味方艦隊へ砲撃中の模様。こちらは発見されてません!」
ついに来たか…!
「我々から一番近く、且つ孤立している敵は?」
数秒無線が沈黙し、先ほどとは別の機体から報告が飛んできた。
「防空巡棲姫と思われる個体の孤立を確認。手負いの模様!」
よりにもよって防空系の姫かよ…手負いとは言え…
「…こちらは発見されたか?」
俺は少ない頭をフル回転させて考えた。発見されてなければ先に沈められるかもしれない。
「発見はされてません。かなり高度をとっていますからね」
「…そうか…」
景山の最高速度はたったの550km/h…いや、確か小(?)改修で800km/hになっていたはず…多分だが。そして今景山は爆装中のはず。でなきゃこんな高高度にいるわけがない。キーンホークも同等レベルの速度は出るが、機体形状的に言って急降下時の速度は景山の方がでるだろう。つまり…
「景山に搭乗中のヤツは急降下爆撃によって防空巡棲姫を沈めろ!葬った後は速やかに空域を離脱するように。防空系の姫がいなくなるだけで大分やりやすくなるはずだ!」
「了解!」
無線越しのいい返事と共に複数の景山が機体を180度回転させ、その後急降下して視界から消えて行った。
「さて…吉と出るか凶と出るか…俺らは上空待機だ」
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〜景山隊、隊長機side〜
「…防空系の姫がいなくなるだけで大分やりやすくなるはずだ!」
「了解!」
私は全体無線にて返事をし、即座に部隊無線に切り替えた。
「全機聞こえたな?私に続け!」
そう言って私は機体を反転させ、上昇の要領で下降を開始した。途端にかなりの逆Gがかかり、浮遊感を超えて上から押しつけられるように感じられた。
「ッ…敵艦正面、全機捉えているな?手痛いやつをお見舞いしてやれ!」
「了…解!」
よくまぁこんな逆Gの中で返事ができたもんだ。
そう考えていると、突如コックピットの外が白く霞み始め、音が消えた。
「!?」
初めての感覚だった。これまでかなりの時間航空機に親しんできた私だが、こんな静寂の中を飛ぶのは初めての出来事であったのだ。
やがてその霞は消え、明瞭な視界が戻ってきた。
「おもしろい…未知というものは本当におもしろい!」
私は昂る気持ちを抑えつつ、接近してもなお上空を見上げようとしない防空巡棲姫目掛けて発射ボタンをグイッと押し込み、無音で飛んでいくそれを見届けるとすぐに最大減速をかけ、操縦桿を名一杯引き起こした。
今度はとてつもないGがかかり、体がシートにへばりつく。
私がGの苦痛に耐えているとき、背後で爆発音が轟いた。
なんとか海面に衝突する寸前に機体が上昇を始め、急降下から一転して急上昇の姿勢になった。
私が先程の投弾場所を見やると、そこはただ黒い煙を上げながら燃え続ける海面となっていた。それを確認した私はすかさず無線を入れた。
「景山隊から本隊へ!防空巡棲姫と思われる個体の撃沈を確認!残弾なし。よって味方艦隊の下へ帰還する。あとは頼んだ!」
程なくして無線への返事が返ってきた。
「景山隊、ご苦労であった。あとは任せろ。防空系の姫がいない艦隊の対空砲火なぞ屁でもない…はずだ!」
私は航空隊隊長の隊長らしい返事を聞いたのち、部隊無線へとチャンネルを切り替えた。
「残存機、報告せよ」
私は1番機。15番機までいれば全員生還だ…いや、生きてはいるのか墜とされても。まぁ過去の大戦なら死んでいるところだが。
「2番機、左エンジンが不調ですが飛べてます!」
「5番機、無事生存!」
「6番機…なんとか生きてます」
「9番機、無事…じゃないです対空砲火に晒されてますぅぅぅ」
「11番機、こちらも対空砲火回避中!あっやべ被弾…」
「14番機、無事です」
…結構やられたな…
「9番機、11番、無事か?」
「「無理そうです。お先に鎮守府に行ってます」」
「別れの挨拶がこんなに軽くていいものか…いやまた会えるんだが…そう言えば、今いない機は墜とされちまったのか?」
私は不思議に思った。直前まで敵に気づかれていなかったのに墜とされるものなのか、と。だがその疑問はすぐに晴れることになる。
「あいつら速度超過で引き起こせずに敵に突っ込むか海面にダイレクトアタックしたんですよ。3番機と4番機が護衛棲姫に突っ込んだせいでそっちも沈みましたよ」
5番機に言われて振り返ってみるとたしかに噴き上がっている黒煙の筋が一本多い。これは…予想外の戦果(?)だな。
「とりあえず帰還しよう。あとは他の隊に任せるんだ」
「了解!」
こうして景山隊は当初の「敵の防空系の姫を排除する」という目的を大幅に達成して帰路についたのであった。
すみません、一旦ここまでで。
やる気が最近出んのです。許してくださいまし。
次は…航空隊本隊のやつを書かねば…