《第1層攻略会議》はトールバーナにある中央広場で行われることになった。
広場と言ってもそこは客席がステージを囲むように配置されだけのところだ。
現在時刻は午後四時前後。
ハチとイロハは攻略に参加するため広場に集まっていた。
そんな広場の端の方に、ひっそりと座るプレイヤーが二人。
片方はハチもイロハもよく知る全身黒ずくめの剣士
そしてもう1人、顔は見えないが深く被った赤っぽいフード、華奢に見える体つき、恐らく女性だろう。
キリトは俺たちに気付くと明らかに安心した表情を浮かべて手招きしてきた。
特に拒む理由もなく、また丁度いい具合に席も空いていたのでキリトの隣へ。
「よっ、キリト。久しぶりだな」
「久しぶり。ハチも来たんだな。イロハも、久しぶり」
「お久しぶりです!キリトさん!」
ホルンカの町を出て以来、俺たちは中々会う機会がなかった。
キリトはキリトで用事があったらしく、俺たちは俺たちでやらなければならないことが多すぎたのだ。
「キリトさん!隣にいる方はもしかして友達ですか?」
イロハが言っているのは、キリトから人一人分離れた位置に座るあの赤いフードの少女だ。
「ああ、お仲間というか、顔見知りかな」
「中々すみに置けませんね〜」
するとその少女?が口を開いた。
「別にそんなのじゃないわ」
(随分やさぐれた女だな・・・どっかの誰かさんを思い出す・・・)
するとイロハがハチにこっそりと耳打ちをしてきた。
「せんぱい、あの人雪ノ下先輩に似てませんか?」
「似ているが別人だろ?少なくともあいつはこの世界にはいない。」
そんなことを話していると誰かがステージにあがってきた。
「はーい! それじゃあ五分遅れたけど、そろそろ始めさせてもらいます!」
声のした方へ振り向くと、そこには青い長髪のイケメンがいた。
(あいつも葉山みたいな感じだな・・・)
「今日は、俺の呼びかけに応じてくれてありがとう! 知ってる人もいると思うけど、改めて自己紹介しとくな! 俺はディアベル!職業は気持ち的にナイトやってます!」
男がそう言うと、近くの集団がどっと囃し立てた。
ディアベルは、集団を制すると真剣な表情になった。
「……今日、オレたちのパーティーが、あの塔の最上階へ続く扉を発見した。つまり、第1層の……ボス部屋に!」
ディアベルの言葉を聞いて広場にいるプレイヤーがざわめく。
ただやはり、「いよいよか」とは思う。
ここまで一か月かかってようやく第1層の終わりが見えてきた。今日に至るまで少なくない死者――犠牲者が出てるし、生きてるプレイヤーの大半もはじまりの街から出られずにいるらしい。
「一か月。ここまで、一か月もかかったけど……それでも、オレたちは、示さなきゃならない。ボスを倒し、第2層に到達して、このデスゲームそのものもいつかきっとクリアできるんだってことを、はじまりの街で待ってるみんなに伝えなきゃならない。それが、今この場所にいるオレたちトッププレイヤーの義務なんだ! そうだろ、みんな!」
拍手喝采。広場にいるほとんどのプレイヤーからだ。手を叩いていないのは俺とイロハ、あとはキリトにその隣の女だけだ。
(義務か・・・)
ディアベルの演説に拍手が続く中、唐突にそれを遮るような声が響いた。
「ちょお待ってんか?」
すると歓声が止まり、全員が声の主へ視線を送る。広場の階段席中央やや左に立つ、トンガリ頭の少し小柄なプレイヤー。
そいつは全員の視線が集まったと見るや、あんまり軽やかとは言えない跳躍で段差を飛び降りていき、ディアベルの横に着地した。
「そん前に、こいつだけは言わしてもらわんと、仲間ごっこはでけへんな」
トンガリ頭の言に、ディアベルは気分を害した風もなく答えた。
「こいつっていうのはなんの事なのかな? まあ何にせよ、意見は大歓迎さ。でも、発言するならいちおう名乗ってもらいたいな」
「………………フン」
尊大に鼻を鳴らして、トンガリ頭が振り返った。
「わいはキバオウってもんや」
するとキバオウは会場の端から端まで届くほど大きな声で叫ぶようにして言った。
「こん中に、五人か十人、ワビぃ入れなあかん奴らがおるはずや」
今回はここまで!
次回もよろしくお願い致します!
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