ついに訪れた一層の階層ボス攻略の朝ハチは、
残してきた大切な人々の事を思い浮かべていた。
(今日が本当の意味での最初の第一歩になる。みんな、守ってくれよな……必ず帰るから)
もし負けてしまったら…ハチはそれについては考えないようにした。
「お早う、二人とも」
「うっす」
「おはようございま〜す!」
「それじゃまあ、あいつらの後をのんびり付いて行くとしますか。
4人の俺達があんま出しゃばるのもあれだしな」
(まぁ確かにここで難癖つけられても堪らないしな)
ハチはそう考えイロハと共にアスナとキリトの後をついていった。
これだけの人数がいるだけあって、道中は何事もなく進み
途中何度かの戦闘を挟みつつも、ついに一行はボス部屋の前に辿り着いた。
作戦の概要の確認が成された後、ディアベルは何か質問はあるかなと皆に問いかけた。
それを受けて、ハチとキリトが手を上げた。
昨日の印象もあったのだろうか、まずハチが指名された。
「なんや?今更難癖でもつけに来たんか?」
そう言うキバオウをハチは無視して話を続けた。
「戦闘中のボスの挙動が、情報と大きく違った場合の対応を聞いておきたい。
場合によっては撤退も視野に入れるとして、
その判断と指示は、あんたがしてくれるって事でいいのか?」
「もちろん安全第一だ。シミュレーションは完璧だから
誰も危険な目にあわせるつもりは無いけどね」
(完璧ね…)
次にキリトが質問内容を尋ねられたが、内容は同じだった。
「合同演習にも参加せん奴らが偉そうに口出しすなや。
こいつらの事なんぞ相手にせんでええで、ディアベルはん。
あんさんの指揮ぶりを知っとったら、そないな心配あるわけあらへん」
二人はそのキバオウの言葉には反応せず、納得した旨を伝えて引き下がったが、
その後にハチとキリトは、今のキバオウの態度について、ひそひそと会話を交わしていた。
「ハチどう思った?」
「ああ、なんか昨日とちょっと違うな」
「言い方はあれだが、内容は随分と丸くなってるよな」
「まあこれで、戦闘中に仲間割れとかの危険は減ったと思っていいのかね」
「心配事が一つ減ったって感じか?」
「せ〜んぱい!なに2人だけで内緒話してるんですか?
はっ!まさか!…せんぱい…もしかしてキリトさんのことが!?
そんな!確かに戸塚先輩に対する態度が若干怪しいな〜とは思っていましたが!ダメですよせんぱい!いくらキリトさんが可愛い顔してるからって!男どうしはダメです!…まぁでも…ちょっと見たい気も…はっ!やっぱりダメです!」
「お前はホントに何を言ってんだ!?俺とキリトはそんな関係じゃねーし!
それに戸塚は男じゃねぇ!天使だ!トツカエルなんだよ!」
「うっわぁ…せんぱいきもちわるいです。」
「え…なにそれ俺泣いちゃうよ?」
そんなふうに話していたら
ディアベルが、そのキバオウの言葉を受けて全員に言った。
「信頼ありがとう。今回は初めての階層ボス戦に挑むわけだが、
現状考えうる最高のメンバーが集まってくれた。
みんなで勝とうぜ!………さあ、行こう!」
一同は雄叫びを上げ、ボス部屋へと突入を開始した。
エギルはちらっと後ろを振り向くと、4人人に向けて拳を突き出し、親指を立てた。
4人は同じように拳を突き出し、親指を立ててそれに応えた。
「おお、なんか本場の合図って感じだわ」
「そうだな、なんかあいつかっこいいぞ」
「ですね!」
「ええ!」
するとハチはいきなり真剣な顔つきになり3人に言った
「なあ。キリト、アスナ、イロハ。今回のボス戦、犠牲が出る確率が高い。
俺はまだ人が死んだとことか見た事ないから、
もしそれを目にしたらショックを受けてしまうかもしれん。
そしたら俺の頬を引っ叩いて目覚めさせてくれ。
もし4人ともがショックを受けたら、一番最初に気が付いた奴が、
他の3人を引っ叩く。絶対に4人で生き残って、そしてクリアしよう」
「ええ、わかったわ」
「あぁ」
「任せてください!せんぱいを叩くの慣れてますから!」
「え…なにそれ…俺そんなに叩かれた覚えないんだけど」
と、4人は言葉を交わしながら、若干していた緊張を解し合う。
扉が開き徐々に奥に進んでいく攻略組
やがて徐々にボスの姿が見え、誰かがそれを見て呟いた。
「あれが…第1層ボス…でけぇ…」
イルファング・ザ・コボルトロード
さすがは階層ボスとも言うべき威容である。
一同に緊張が走ったが、その緊張は、ディアベルの声によってかき消された。
「右手に骨斧、左手に湾刀。取り巻きは三体。全て情報通りだ、いけるぞ!
臆するな、声を上げろ!みんな、行くぞ!」
ディアベルの叫びを受け、皆は、応!!!と応じ、突撃を開始した。
編成はABのボス用タンク隊とC~Gの各攻撃隊。
そして4人パーティーの遊撃隊で構成されていた。
最初は4人の出番は無かったが、戦闘が進むに連れ、徐々に押される隊も出てきていた。
「A隊から、B隊にスイッチ!」
「C隊は後退準備を!F隊、スイッチの準備頼む!」
「G隊負傷者二名、一旦下がる!遊撃隊、しばらく支えてくれ!」
「遊撃隊、了解!」
4人は指示を受け、初戦闘に挑む事となった。
4人の戦闘はまだ誰も見た事が無く、やはり人数が少ない事もあって、
他の隊は皆、所詮その程度の部隊だと考えていた。
やがてHPも完全に回復し、その二人は同じ隊の仲間に呼びかけた。
「回復完了!」
「よし!遊撃隊と変わるぞ!」
ちょうどその時、遊撃隊の戦闘を見ていた他の仲間達が息を呑み、驚きの声を上げた。
最初は悲鳴かと思いとうとう犠牲者が…思ったがどうやら違ったらしい。
何かまずい事が起こったわけでは無さそうだと思いつつ、二人は仲間達に尋ねた。
「おい、何があったんだ??」
「あれ……」
仲間が指差す方を恐る恐る見た二人は、遊撃隊に任せた取り巻きの一体が
ガラスが砕けるようなエフェクトと共に消滅するのを目撃した。
「え…おいちょっと待て一体何が起きた?」
「遊撃隊が…倒した」
「はぁ?そんなわけないだろ!他の部隊はまだ戦ってるんだぞ?」
「わかってる!…でも本当なんだ…」
「G隊!そろそろ終わるぞ!!」
G隊のメンバーは放心していたが、ハチに視線を向けられると、慌てたように応えた。
「りょ、了解!こちらは他の隊の援護に入る!」
4人は当初からの予定通り、まずキリトとアスナが前衛に立った。
キリトの攻撃は速く、鋭く、そして重かった。
アスナの突きは、まるで閃光が走ったかのような速度で相手を突き続けた。
「キリト!スイッチ!」
「おう!任せたぞ!ハチ!」
「アスナさん!スイッチ!」
「うん!任せたよ!イロハちゃん!」
次にハチとイロハが前に出た。ハチの戦闘は一見地味に見えたが、
その実、ほとんどの攻撃発動前にパリィしていた。
そしてイロハはハチによって作られた相手の隙を的確に責め続けていた。
するとキリトとアスナからまた声が掛かる
「ハチ!スイッチ!」
「任せた!」
「イロハちゃん!スイッチ!」
「お願いします!」
その声を合図に、ハチとイロハが一旦後退した。
キリトとアスナは、恐ろしいほどのコンビネーション連撃を披露し、そしてほどなく、敵の撃破に成功した。
「G部隊!そろそろ終わるぞ!」
ハチはそう叫んだが、G隊からの反応は無かった。
ハチが疑問に思い、G隊の方を見ると、G隊から慌てたような返事があった。
それを確認した二人は、キリトの元へと集合した。
「どうだイロハ、大丈夫だったか?」
「はい!何も問題なしです!」
「よし…しっかしキリトよ、お前やっぱすげ~な……」
「それはこっちのセリフだよ、ハチ。なんで攻撃を攻撃する前に防げるんだ?」
「あ~…まぁ今までの人生の賜物かな…」
「どんな人生送ってきたんだよ…それにイロハもよくあんなめちゃくちゃなタイミングしかも的確に相手の弱いところつけるなんて…」
「あはは〜まぁ私もせんぱいと同じような感じですかね〜」
「あなた達本当にどんな人生送ってきたのよ…」
前回にも書いたものです!
https://youtube.com/channel/UCfE0PrU16cE6NPJDbreEzgg
クレイジースペースというYouTubeチャンネルです!
ちなみに私はただのファンで動画にとうじょうしてません!
皆さん良かったら見てください!
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