その姿をたまたま後方で見ていたエギルは、心に希望と余裕が生まれた。
目の前に明るい光が…道を照らす光が見えたように感じた。
同じようにそれを目撃していたキバオウも、最初は他の人と同じようにあっけに取られていたが、
すぐに我に返ると、4人を睨みつつ、再出撃に備えた。
そして再出撃の番が来ると、キバオウはわざわざ4人の横を通り
すれ違いざまに三人に言葉を投げかけた。
「あんま調子こくなよ。ええか、あんましゃしゃり出んと、大人しゅうしとけや」
その言葉に対し、ハチ、キリト、アスナは無視をしたがイロハだけがキバオウに対し満面の笑みを浮かべた
キバオウはその顔を見て少し赤くなりながら
「くそっ、なんやっちゅーねん」
と、吐き捨てて仲間の元へ走っていった。
(よし…今のところ目立った被害もない…このまま行ければいいが…)
要所要所での遊撃隊の活躍もあり、誰一人として死者が出ないまま、ついにボスのHPゲージは、残り一本となった。
そして最後の取り巻きと戦っていた4人が首尾よくとどめを刺し、後方へ下がる
するとそのタイミングで本隊の方から大歓声があがった。
「よし!ボスが武器を変えるぞ!」
「今がチャンスだ!皆!俺に任せろ!」
そんな叫びと共に、ディアベルがボスに突撃していった。
ディアベルがかなりボスに近づいた辺りで、それが何かはっきりと見えた。
ハチはあの武器を知っている…
(あれは…俺が中学の頃にめちゃくちゃ欲しいと思ってた…)
「なぁ…キリト…あの形…まさか刀じゃないよな?」
「なんだって!」
ハチにそう言われてボスの姿を観察したキリトは
慌ててディアベルの方に駆け出そうとしたが、それはキバオウに邪魔された。
「なんやワレェ!おとなしゅうしとけって言ったやろが!」
「馬鹿野郎!邪魔するな!あれは…あれは!」
それでキバオウも今何が起こっているのか悟り、慌てたように振り向いた。
「ディアベル!逃げろ!あれはタルワールじゃない!
あれは…刀!野太刀だ!」
ハチがそう叫び、ディアベルはハチの声に反応して顔を上げた。
見るとボスの手には、新たに刀が握られていた。
そして…一番前にいたディアベルは、ボスの追撃で飛ばされた。
後方で見ていた隊から悲鳴があがる。
「クソ!遅かったか!
……キリト!アスナ!少しだけ前線を支えててくれ!」
キリトとアスナはハチの声を受け、即座に答えた。
「わかった!」
「まかせて!」
「危険な目に遭わせてすまん!イロハは俺と来い!」
そして次にハチは、全員に向かって叫んだ。
「動ける奴は全員キリトとアスナのフォロー!
タンクのやつは絶対に1人で攻撃を防ぐな!必ず2人以上で防ぐんだ!」
すると吹き飛ばされたディアベル以外の全員が戸惑いながらも「お、おう!!」と叫んだ
「キリト!ディアベルの代わりに指揮を頼む!絶対に死ぬな!」
ハチに声をかけられ、キリトは弾かれたように各隊に指示を出しはじめた。
「A隊B隊はスタンしたD隊を運び出せ!C隊E隊はその援護!
F隊G隊はいつでもボスに攻撃できるように準備して側面待機!ボスは俺達が抑える!」
その指示を聞き、エギルが心配そうに声をかけてきた。
「おい!二人とも!そんなに軽装なのに本当に大丈夫なのか!?」
その声に答えたのはハチだった。
「エギル…だったか!キリトとアスナなら大丈夫だ!」
だがさすがにこのクラスの相手の攻撃を、今のキリトが全て封じる事は不可能だ。
何度も敵の攻撃がかすり、その積み重ねで、キリトは徐々にHPを削られていく。
「キリト!絶対に死ぬなよ!死んだら許さねぇからな!」
そしてハチとイロハはディアベルの元へと向かった
するとHPこそレッドゾーンに入っていたがギリギリのところで耐えていた。
「ディアベルは無事だ!」
丁度その時後方からそんな声が聞こえ、キリトは安堵し、あと少しの我慢だと思い、目の前の敵に集中した。
無難に敵の攻撃をさばいていたキリトだったが、
ソードスキル後の一瞬の硬直時に、敵のHPが丁度レッドゾーンに達した。
その為ボスの攻撃がいきなり激しさを増し、無防備なキリトに迫る。
「しまった!」
キリトは、死を覚悟をした。
(すまんハチ!)
その瞬間、先程までディアベルの近くに居たハチが飛び込んできて、ボスの攻撃を弾き飛ばし、アスナがキリトを後ろに引っ張った。
「すまん!遅くなった!まだ生きてるな!」
「…はっ!余裕だったよ!」
「あんなに焦った顔しといてよく言うな」
「見てたのかよ!」
そこにD隊を避難させ終わったエギル達タンク隊が駆けつけ、三人の前に出た。
「あとは俺達が支える!」
「頼んだ!下がるぞ!キリト!アスナ!」
その時突然ディアベルの回復を任せたハズのイロハの叫び声が聞こえた。
「待って下さい!貴方まだ回復終わってません!」
突然ディアベルが前線に飛び出してきたのだ。
「よし!俺がとどめを刺す!」
「は?」
「おい!何やってんだあのやろう!」
見るとディアベルが、丁度ソードスキルのモーションに入ったところだった。
そんな一同の目の前で、ボスがディアベルの声に反応したのか、そちらの方を向いた。
それを受けるディアベルのHPは……まだ三割ほどしか回復していなかった。
「やめろディアベル!ボスがそっちに行っちまう!」
だがハチの叫びも虚しく、ボスの刀が振り下ろされ、
無防備なディアベルに直撃したボスの攻撃は、あっさりとディアベルのHPを全損させ
ディアベルはそのままエフェクトと共に砕け散った。
誰も何もする事は出来ない、それは一瞬の出来事であった。
4人にとって、誰かが死ぬ所を見るのは、これが初めての経験だった。
ハチは、ここでは人はこんなに簡単に死ぬのかと、呆然としつつ怒りを覚えていた。
アスナは、その安っぽいエフェクトを見て
あんまりだ、こんなの人の死に方じゃない、と震えていた。
キリトは歯を食いしばり、ディアベルがいたはずの場所を見つめていた。
イロハは呆然としながらその目には涙を浮かべていた。
一時の楽観ムードは鳴りを潜め、全員が死というものを再認識させられていたのだ。
そんな時離れていて本来ならボスに狙われるはずのないイロハに向かってボスがスキルを発動しようとしていた。
それを見たハチは急速に意識が覚醒していくのを感じる。
ボスの攻撃はイロハに向かって繰り出された。
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