食事を終えた4人はあの後、ハチが1人で第2層へ向かったあとの話をしていた。
「とまぁ大体はこんな感じだな。
それにしてもイロハ凄かったな〜、俺もアスナもなんも言えなかった。」
「そうか…ありがとなイロハ」
「いえいえ、私がやりたかっただけなんで!」
「でもホントに凄かったのよ!」
「そっか…」
ハチはその後何も言わずにただただ目の前の机を見ていた。
アスナとイロハはこの後寄りたいところがあるといい先に解散した。
2人残ったハチとキリトはもう少し話すことがあるからと店に残ることにした。
「ハチ…本当にありがとな」
「なんだよいきなり」
「何でもだよ…」
「そうか…」
二人の会話は少ない…言いたいことがあるのを我慢しているようだった。
「あ〜!!!やめだ!」
いきなり叫ぶキリト
「お、おいなんだよ急に。びっくりするだろ!」
するとキリトは意を決したように話す
「なぁハチ…イロハのこと…気づいてるんだろ?」
「なんの事だ…」
「イロハはお前の事…」
そこまで言うとハチは大きな声で
「やめろ!!!!!」
キリトは驚いた、長い付き合いではないにしろ初めて出会ってからキリトが知る限りハチはこんなに大きな声を街中で出したことがないからだ。
それはハチが目立つのを嫌うから、それだけでは無い
ハチは控えめに言っても常識ある人間だ、そんな人が街中しかも店の中で大声を出すなんてことはありえないと思っていたからだ。
「…なんでだ?そこまでわかっているなら」
「きっと気の所為なんだよ…もしくは一時の気の迷いだ。」
ハチはそのまま続けた
「いきなりこんな訳の分からない世界に飛ばされて命の危険がある世界でたまたま俺と会って
たまたま俺がこのゲームのテスターで
たまたまイロハに教えることが出来た。」
ハチは止まらない…まるで自分の中にある不安をぶつけるかのようにして
「たまたまその時近くにいたのが俺なだけだ。
そこに居たのが俺じゃなくてほかのやつだったらアイツの好意は俺じゃなくて別のやつに向いていたはずだ」
その言葉を聞いたキリトは自分の中に湧き上がるものを感じる
「…ふざけるなよ…」
「は?」
「ふざけるなって言ったんだよ!」
「ふざけてなんかねーよそれが事実だ」
キリトは耐えられなかった…
「それがふざけてんだろ!どこの世界に気の迷いで好きになったやつの事を自分を犠牲にしてまで救おうと思うんだよ!」
ハチの言葉にでは無い…
「いいか!イロハはなぁ!言ったんだよ!
誤解されたままは嫌だって!お前の事を考えて、理解して!」
今のハチの表情は…
「あんな事言ったお前のことを信じて!きっと先輩には考えがあるって!必死に考えて!」
とても辛く、悲しい
「自分よりも年上で!異性であるあの攻略組に臆することなく!」
全てを諦めてしまっているような…
「お前の事を心から信じて行動してる奴を!」
そんな表情をしていた。
「お前が否定するな!!!!」
大声を出したキリトは肩で息をしていた。
ハチはキリトの顔を見たまま動かない。
「なぁハチ…頼むから…もっと俺達を…イロハを信じてくれよ…」
キリトは泣きそうになりながらハチに訴えた…
するとハチはそんな表情のキリトを見て口を開いた。
「なぁ…キリト…少し話をしようか…そうだなとあるボッチの高校生の話だ…」