広場一帯が急激に静かになった。
口を開かないであろう人物が突然大きな声で叫んだのだ。
すると一人の男が小さく声を出した。
「キ…キバさん?」
するとキバオウは自身の武器を抜き思いっきり地面に刺した。
ガィーーーーーン!!!!!
「オマエらなぁ…いつまでもピィピィ鳴きよってからに
ホンマええ加減にせえよ?」
キバオウは群衆を睨みつけるかのようにして佇んだ。
「他人の意見を受け止めんと自分らの考えだけで行動する。そないの事やっとるからあの人はいなくなってしもうたん違うんか!!!」
イロハは感じた。
おそらくキバオウは過去の事を悔いているのだろう。
第1層ボス攻略の時…ディアベルを止めようとしたキリトをキバオウが止め、ハチの言葉を遮ろうとまでしてしまった事を…。
もしあの時キバオウ自身が、キリトとハチそしてイロハにアスナの4人のことを受け入れていれば…
あの4人のことを信じられるように自分が努力し歩み寄っていたら…
ディアベルは死ななかったかもしれない
キバオウは過去から学び次に活かそうとしている。
二度と間違えないように。
二度と大切なものを失わない為に。
「キバオウさん…」
「すまんかったな、嬢ちゃん。
さぁ教えてもろてもええか?あの男の考えとる事を」
そう言ってキバオウはイロハに優しく促した。
それを聞いたイロハは溢れていた涙を拭き取り今現在の状況を伝えた。
ボスの情報はまだ未発表のものがあるかもしれないという事
第1層の時、ベータからの変更点があったのだから第2層…それ以降にも変更点があってもおかしくはないということ。
そして、ハチがその情報を皆に知らせるために頑張っていること。
「コレが今私の知っていることの全てです。」
話し終えたイロハに近づいていく男性…それはリンドだった。
「情報提供感謝する。なるほどな確かに君の話には一理ある…そうなるとボス攻略の日にちはずらした方が…」
そこまで言うと今度は広場にいる男性から声が上がった。
「そんなこと信じられるか!どうせお前達ビーター共が情報を独占して勝手するつもりなんだろ!」
その言葉が切り口となり様々な罵詈雑言が放たれた。
「た、確かに…」「なんだ?じゃあアイツがここで話をしているのも時間稼ぎなのか?」「まさか攻略を邪魔するつもりだったのか?」「勝手なことばかりしやがって」
様々な憶測が飛び交う
「黙らんか!オマエら!」
「皆!静粛に!」
キバオウとリンドの言葉も届かない
するとフードを深く被ったおそらく男性であろうプレイヤが立ち上がり言った。
「おい皆!あんなやつの話なんか信じる価値なんてねぇ!俺たちだけでボス攻略に行こう!!!そして知らしめるんだ!ビーターなんか居なくても俺たちだけで十分だということをな!」
「「「「おー!!!」」」」
次の瞬間広場にいたプレイヤーのほとんどが一目散に第2層迷宮区に走り出した。
「嬢ちゃんすまん!ワシはあいつら止めてくるさかい!おい!リンドはよ行くで!」
「あ、あぁ」
そしてキバオウとリンドまでもが第2層迷宮区に向かった。
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