アルゴとハチが迷宮気に向かって走っている。
「なァハー坊」
走りながらアルゴはハチに尋ねた
「イーちゃんは本当に時間稼ぎ出来てると思うのカ?」
「どういうことだ?」
「正直に言って、イーちゃんはそういったことに向かないとオイラは思ってるんだヨ」
確かにその通りだ。
イロハは1体1…特に歳の近い異性に対してならば、あのあざとさ全開の態度で時間稼ぎ程度の事はいけるだろう。
しかし今回相手にするのは、異性ではあるが1体1では無くあくまでも多対一。
昔のいろはだったならば正直に言って時間稼ぎなんかできないだろう。
だが今のイロハなら出来るはずだとハチは考えていた。
「余計な心配するな。アイツなら何とかするだろ」
それを聞いたアルゴは目を丸くしながら笑った
「にゃはは!なるほどナ」
「何がなるほどなんだよ」
「ハー坊はイーちゃんの事を信じてるんだなナ」
それを聞いたハチは若干顔を赤くしながらアルゴの方を振り向いた。
「なっ!バッ…そういうんじゃねーよ
…信じるとか…信じないとかじゃねーんだよ。
そもそも他人の事を信じるなんてありえねぇよ」
そう言ってハチは顔を俯かせた
「そうカ」
それから2人は少しの間無言のまま走り続けた。
そして迷宮区が近くなって来た時またアルゴが口を開いた。
「なァハー坊、オイラ思うんだガ…攻略組に追いついたとしてソイツらがハー坊の話を素直に聴くとは思えないんだが…なにか考えでもあるのカ?」
「あ〜…まぁ考えがないという訳でもないんだが…正直に言って上手くいかは半々ってところだな」
「ハー坊にしてはやけに自信なさげだナ?」
「おいおい、俺の自信の無さは筋金入りだぞ?むしろ自信が無さすぎて、それが自信だと言えるまである」
「あ〜ハイハイ、わかったから考えってのを教えて貰ってもいいカ?」
「……おう
いいか?まず前提としてアイツらは攻略組だ、攻略組の目標はこのクソみたいなデスゲームを終わらせることだろ?
だったらそれに必要な情報はいくらあっても足りないくらいなんだ。
道は違えどゴールは同じってな。
だからこそ攻略に必要であろう情報はどんなものだあろうと一考の余地はある。
これがまず成功のパターンだ。
だがアイツらは俺の事を意地汚いビーターだと思ってるはずだから、「ビーターが持ってきた情報なんて信じられない!嘘の情報で俺達のことを見殺しにして自分だけいい気になろうとしてるに違いない」とか思ってたら失敗だな」
そう言うとアルゴは事故死考えるような仕草をしたあと
「確かにその二通りの答えには行き着くだろうナ…
でももしオイラがベータ上がりじゃない攻略組だったら、ハー坊の話は聴かないと思うゾ?」
「だろうな…だが可能性にかけるしかないんだ」
そのようなことを話していると二人はいつの間にか迷宮区の入口に到着していた。
するとそこには1人のプレイヤーが立ち尽くしていた。
「そこにいるのは…」