ハチの言葉にここにいる全員が固まった。
「それは一体どういう事や?」
キバオウが問いかける。
「まぁ落ち着けよ。何も俺一人で3体目を討伐するとは言ってないだろ?あくまでもお前らが先の2体を倒すまでの時間稼ぎをするって言ってるだけだ。」
その言葉に対してキリトは
「無茶だ!1人でボス相手に時間稼ぎをするなんて…
ハチ…死ぬ気か?」
「残念ながら死ぬ気は毛頭ない、現実世界に必ず戻らなきゃならないしな。」
「それを聞いて安心した。必ず間に合わせる」
キリトとハチが互いの顔を見合せニヤリと笑った時急にイロハが前に出てきた。
「私もやります!」
それに対してハチは
「ダメだ」
「どうしてですか!私も一緒に時間を稼ぎます!1人よりも2人のほうがいいです!」
するとハチはイロハに背を向けて
「足手纏いはいらない」
「足手纏い?…どういう事ですか…」
「そのままの意味だ。イロハお前は俺にとって足手纏いだ。お前はキリトやアスナに比べて弱すぎる。本来ならこのボス攻略に参加させるべきでは無い位にな」
「な…それは…」
確かにイロハは弱い。ハチやキリトそれにアスナと比べるとレベルはともかくプレイヤースキルが低い
「なぁハチ言い過ぎじゃないのか?」
「なにいってんだ?キリト、足手纏いがいる中でのボスとの戦闘はかなり危険だ、一人でやるよりもさらにな。それこそ命を落とす可能性が跳ね上がる。」
その言葉を聴いたのか
「ずっと…そう思っていたんですか?」
俯くイロハ
「…あぁ」
「そうですか…余計なこと言ってすみませんでした。」
するとイロハはまた来た道を戻り集団の後方へと移動して行った。
そこにはアスナが居りハチのことを睨みつけていた。
「こえーよ」
するとハチは軽く咳払いをして
「え〜それじゃあ他に言いたい事があるやつはいないな?」
当たりを見渡すと全員がなんとも言えないような顔をしている事がよく分かる。
「それじゃあリンド後は頼む」
「あ、あぁ」
そう言い残してハチは集団の外れの方に移動した。
リンドが再確認とここの役割についてもう一度話をして先程下がったであろう士気を高めていると、1人の男がハチにの横に近づいてきた。
「ハチはん、あれはちと言い過ぎだったんとちゃうか?」
「なんの事だ」
「あくまでも恍けるつもりなんやな。」
「だからなんの事だ」
「はぁ…あんさんはあのお嬢さんの事を余程大切に思っとるんとちゃうか?」
「何をふざけたことを」
「まぁ最後まで聞いてくれや。今回のボスはかなり強敵のハズや…まぁボスなんてどこもそんなもんなんやろうけどな。
あの場であのお嬢を自分から離しとかんと危険やと思ったんやろ?2人で時間を稼ぐとなるとあんさんも危険やしかしあのお嬢の方が危険度が高い。そう思ったんやろ?
せやから自分から離しこの攻略組の中で最も安全性の高いキリトはんとアスナはんの所へ追いやった。
アスナはんがあのお嬢のことを慰めることを見越して」
「………」
「そないなことしてホントにええと思っとんのか?」
「俺の近くは危険すぎる。これが正解なんだよ。」
そう話しているといつの間にかリンドの話が終わり攻略組の全員が先に、ボスの部屋に向けて歩き出していた。
「そろそろやな。先行くで?」
「あぁ…」
そして歩き出したキバオウは数歩歩いたところで止まり後ろ頭を掻きながら。
「あんさんのそのやり方…ホンマに誰かを助けたいと思った時、助けることは出来へんと思うで気をつけや」
「…………」
ボス攻略が始まる