勇者リンクS’の人理修復配信RTA   作:はしばみ ざくろ

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いつからこんなに大きな 思い出せない記憶があったか

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上位チャット▼


○うさぎちゃん(光) 帰還ッッ

○いーくん どっか行ってたのか?

○うさぎちゃん(光) エッ配信見てない?結構騒いでたんだけど

○いーくん こっちしか見てない

○ウルフ 知らねーです

○Silver bow 僕が説明します Aチームが生還確定しました

○いーくん やったじゃん

○Silver bow ですがキリシュタリアから「異星の神」から接触があったと申告が

○いーくん だめじゃん

○Silver bow なのでフォーリナー適正のある次元と理に来てもらっていました。今レポートをまとめています

○うさぎちゃん(光) そういうわけで状況が変わった。カルデアも結構調査が進んだみたいだし、合流しますかね。

○海の男 ロマニもダ・ヴィンチにも秘密があるようだ。暴いてやれ

○銀河鉄道123 だめですよ。リボンは優しくほどかないと

○かぜのさかな (°∀°ミэ)Э

○りっちゃん お疲れさまでした 

【ここでジャスガ】人理修復RTA【ジャスガジャスガ】

25人が視聴中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、一晩かけて砂漠を横断した。神王の領地は、外の喧騒など知らないような顔で。

天突き抜ける青空。雲は流れるまま。エジプトの風は熱く、のびやかに吹いている。

 

「……おや、守護獣が出てくると思ったけど」

 

オジマンディアスに使いを送り、返答が来たのはきっかり五分。

大神殿の扉がゆっくりと開き、客人を声なく歓迎した。ようこそ、旅の始まりへ。

 

「君たちを奥で待ち構えているのは確定だろうが、あちらの軍勢は……」

「まだ動きが読めないね。とにかく私たちは中に進もう。ランスロット卿はここで待機を」

「ああ、武運を祈る」

 

 

 

 

 

***

「来た?そう、早かったね」

 

そう言ってリンクは、手元のお茶を飲み干した。う~んおいしい。やっぱり宮殿で出るものはどれも高級だな~。

 

「勇者よ。其方はカルデアがソロモンに勝つと思っているのだな」

「ええ。太陽王。滅びに抗う者にしか、勝利という星は掴めない。彼らの勇気を、ボクたちは後押ししたい」

「滅びを待つか、滅びから逃げるか。獅子王は後者を選択した。――――それは賢明であっても、問題の解決にはならぬ」

 

リンクの正面。椅子に浅く腰掛けた王は、献上されたフルーツケーキを綺麗に食べられた。瑞々しいイチゴ、熱を帯びた体を冷ますヒンヤリメロン。完熟ツルギバナナに採りたてのビリビリフルーツ。ふわふわに仕上げられた生クリームは雲のように軽く甘い。真面目な話をしているのに、思わず笑みがこぼれてしまいそう。

一口一口味わって、自然と綻んでしまう頬を慌てて引き締めた。勇者の前だからこそ威厳を保ち、王としての振る舞いをしなければ。

ちなみにニトクリスはニッコニコしていた。食べる前は「わ、私も頂いてよろしいのですか…!ああっ、なんて甘い香り…!」と震えていて、今は「ん~~~♡」と全身で味わっている。見ていて飽きない娘である。

 

「抗う者……か。余は山の民と不可侵条約を結び、己の民、この国を守ることに専念した。――――もし、臣民が共に召喚されていなければ。不可侵条約が結ばれていなかったら。軍を率いて獅子王に挑んでいただろうな」

「おや、好戦的ですね。――――勝機が、なくとも?」

「ははははッ!」

 

からかうように笑ったリンクに、オジマンディアスは大笑いを返した。

そうして、目の前にいる憧れをどこか眩しそうに見つめた。

 

「当然だろう。男子は皆、勇者リンクに憧れて、世界を救う妄想をするものだ」

***

 

 

 

 

 

マーチのテンポで走り抜け。太陽が影を捕まえる前に。

旅人は門をくぐり抜け、ここから変奏に入ります。

 

「玉座への道は覚えています、案内はわたしが!」

「…………?」

「む?どうした三蔵。不思議そうな顔をして。何か気になる事でもあったか?」

「うーん、なにか…?」

 

マシュが先頭を行き、立香が続く。その後ろで三蔵が走りながら器用に首を傾げた。前見てないと危ないよ。

 

「この神殿かしら?ううん、多分違う。でも、知っている空気を感じたの。清らかで、爽やかで、ほんの少しの、聖なる気配」

 

御仏の加護とは違う。獅子王の聖都で感じた力でもない。

でもすごく安心する。

 

「神殿ではない…となると、人か?あるいはサーヴァント……」

「この神殿に新顔かい?オジマンディアスは聖杯を持っている。不可能な話ではないが…」

「でも、あの王さまが今更誰を呼ぶの?」

 

確かに。うーん。

各々思案顔で道を進む。階段を上って、廊下を走って、謁見の間へ。もう光は見えている。

あっ、と三蔵が気づいた。リンクだわ。リンクの気配!

着いた!勢いそのままに部屋に跳びこむ。ためらわない少女たちの跳躍。ようやく落ち着いた足音。

廊下との照度差に少し目がチカチカして、立香は腕で目を覆いながら玉座を見上げた。相も変わらず、絢爛豪華な部屋に負けぬ美丈夫だ。王はただ、不敵に微笑んでいる。

 

「――――御前ですよ」

 

ニトクリスが客人を制した。

客人達はぱらぱらと姿勢を正し、約一名ぽっかーんと口を開けていたのでトータが後ろに隠した。

 

「(どうしたのだ、先ほどから……)」

「(ト、トータ。あたし気づいちゃった。ええーっ、でもどうして?用事があるって言ってなかった?)」

「(……おい、待て、まさか、まさか!)」

 

御前だと言っているでしょう。内緒話しない!

何やらわっちゃわっちゃしだした二人を、他の三人も不思議そうに見ている。

 

「コホン!静粛に。ファラオ・オジマンディアスのお言葉に耳をすませなさい。あなた達のためにお三時を切り上げ、こうして時間をつくってくださったのですから」

「ありがとうございます」

「よい。お前達はエジプト領を出て、この世界の真実を見た。そうだな」

 

頷く。

聖杯を使うまでもなく、滅びる大地。

抗う騎士、神、民。

抗う力すらない人間。

 

「この終わった世界を、それでも掬いあげようと?たとえ聖杯があっても、空想を机上に描くには足りぬ」

「でも、諦めるなんて選択肢はない。世界を救うためじゃなく、私たちの誇りの為に」

「――――ほう。では問おう、異邦のマスターよ。貴様は何を見て、何を感じた?」

 

面白がっているようにも見えるし、皮肉っているようにも見えるし、呆れているようにも見えた。

ちっとも甘くないコーヒーのような髪に、天使の輪が浮かび上がった。立香の視線はほんの少しキューティクルに奪われて、でもすぐに戻ってくる。

 

「……たくさんの、生活を見た」

 

生きる為に奪う人。奪わなければ生きていけない人。

守る人。守ろうとしたものを殺す人。

選ぶ人。選ばれた人。

遅れてきた人。間に合った人。

聖地の民。山の民。砂漠の民。エジプトの民。

世界の端から崩れて行って、終わっていくのだとしても。ここで暮らしている人がいる。ここで暮らすと決めた人がいる。

 

「確かに真実は残酷で、彼らにはどうすることもできない。……でも、彼らの中の誰一人として、獅子王に守られる(・・・・)ためにここにいたんじゃない」

「そうだ。獅子王は異邦の神。余からすれば、魔術王と同じ侵略者である」

「なんていうか、その……。上手く言えないんだけど」

 

神だからじゃなくて。敵だと思ってるんじゃなくて。その考えには同意できない。それだけ。

そして現実問題として、彼女はカルデアの行く手を阻んでいる。だから――――。

 

「獅子王に救ってもらわなくったって、私たちは終わり方を決められる。救われなくたって、戦える。……つまり、邪魔……じゃなくて、ムカつく…これも違う…よけいなお世話っていうか……」

「邪魔……?」

「邪魔……?」

「ちがくて!ニュアンスで!」

 

あんまりにも直球な表現に、オウム返しをするしかなかったオジマンディアスとリンクである。

 

「ん?今の声はトータかい?」

「拙者ではないな」

「え?本当に新顔ですか?」

「――――く、はは、ははは。はははははははははははは!」

 

神殿に響く笑い声、ひとつ。

 

「ふっ、くくっ。あははははっ!」

 

ふたつ。

 

「え――――――」

 

さて王との問答は終わった。

ここから先はボクのターン!ではまず自己紹介から。

 

「まあ確かに?世界を救うというのなら、それくらい強気でいなきゃいけないね。こんにちは、新顔だよ」

「え、え、え、え、え、」

「リンクさん……?」

「おーーーーっとぉ…………。いや、もしかしたらそうかなーだったら嬉しいなーとは思ってたよ?でも本当に出てこられるとびっくりするなぁ本当に」

「リンク~~~!!来てくれたのね!!」

「勝ったかもしれん…………」

 

立香とマシュが徐々にその人を認識する。びっくりして声が上ずる。

ダ・ヴィンチは嬉しさを噛み締めて、噛み締めて。いつもみんな、こんな気持ちだったんだね……。

三蔵が大きくぶんぶんと手を振り、トータが勝ちを確信した。フラグだぞ。

 

「ある時は次元の勇者。ある時はハイラル一の鍛冶屋。またある時はドレース王国の勇者。リンクだよ。よろしくね」

「「おおおおおお!」」

「立香ちゃん、マシュちゃん。歓声ありがと~!」

「認知!?」

「ひゃい!?」

「さすがにもう覚えるよ。他のリンクが世話になったね」

「それはこっちのセリフぅ!」

 

いえーいと手を振り返すリンクに、割って入るべきかニトクリスは迷う。気持ちはわかります……!ものすごく……!でも一応御前で……!そうだファラオ……!

 

「フン……流石勇者。万雷の喝采こそ、其方に相応しい」

「後方理解者顔……!?」

 

びっくりするくらい気にしていなかった。むしろ満足そうである。

 

「さて太陽王。カルデアは獅子王と対峙する資格を有している。もちろんボクも力を貸す。だから貴方も、一緒に世界を救おうよ」

「いいだろう。余は勇者を無下には扱わぬ。持っていけ」

「! 聖杯……」

 

光で満たされた聖杯を 受け取った!

 

「おまえたちには余の神獣兵団を貸しだそう。余も戦場にて王威を示したいところだが、他にやるべき事がある。聖都攻略は貴様らだけで行え」

「ありがとうございます!」

「では、ボクも行くよ。お邪魔しました。またね」

「ああ――――」

 

オジマンディアスは、相も変わらず美しい笑みを浮かべて言った。

 

「気が向いたら、また顔を見せよ」

「ええ、また」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、それじゃあ聞かせてくれるかな。君たちがこの世界で知ったことを」

 

リンク~!あたしたち色々あったのよ~!と飛びついてきた三蔵をトータがこらこら後にしろとと引きずっていった。マシュも先に離席して、ランスロットに作戦成功を伝えに行くという。その間、一室を借りて情報共有だ。飲み物は紅茶でいいかな?砂糖とミルクもセットして。

 

「2004年の聖杯戦争、か」

「私がカルデアに召喚されたのは2012年の事だ。前所長との面識はわずかしかない」

「あれ?そうなの?」

「そうとも。その年の暮れにマリスビリーは亡くなったからね。ロマニと前所長の関係はよく知らない」

 

マシュに英霊を召喚したのは2016年。

その時にマシュの容体が悪化して、前所長がロマニに助けを求めたらしい。

 

「ロマニはその時に英霊実験を知り、自分の愚かさを嘆いたそうだよ。カルデアに何年もいるのに、そんなセクションがある事に気づきもしなかったって。無論、私も呆れた。そして怒った。カルデアになんか召喚されなきゃ良かったって」

「でも、残ったんだよね?」

 

ほんの少し苦笑を浮かべて、女史は続けた。

 

「それは……まあ、英霊召喚は本来絶無の可能性だし、学術的興味があるのも否定しきれなかった」

 

砂糖を溶かした紅茶を手慰みにかき回して、水面が揺れるのを見ている。

 

「でも、一番の理由はロマニだった。私には一目で分かった。“ああ、いろいろと無理をしている人間だな”って」

「わかるよ」

 

注がれたミルクのような、優しい声。

 

「ロマニ・アーキマンはただの人間だ。魔術師でもないただの医者。ボクらからしてみれば、立香ちゃんと同じだよ」

「私と……」

「そう。頑張って、時には強がって、逃げたくても逃げないと決めた、応援したくなる後輩さ」

「…この言葉を本人が聞けないのは、残念だね」

 

よかった。リンクは、ロマニの事も見ていてくれる。

ダ・ヴィンチは本当に、安心した。

 

「私は。……私も、そんなロマニを見捨てられなかった。だからカルデアに残ったのさ」

「…………ドクターは、善人?」

「どちらでもなく、どちらでもある。だって、それが人間だからね」

「そう。人間を善と悪で分けるなんて、本来ナンセンスなことなのさ。ボクたちだって、聖都に入れないしね」

「えっ?」

「えっ?」

「ん?」

 

ん?何かおかしなこと言ったかな?

立香とダ・ヴィンチが「聞き間違えかな??」の顔をしてこっちを見ているが。

 

「ボクたちリンクの属性は中立・中庸だから、獅子王に選ばれることはないよ」

「エッ!?!?!?」

「なる、ほど……。君たちのアライメントについて深く考えた事はなかったけど、もしかしてゼルダ姫が善で、ガノンドロフが悪に振り分けられているのかい?それなら納得だ。ん?そういえば君、クラスは?まだ聞いてなかったよね」

「じゃあ……ダメじゃん!!獅子王の政策、ダメじゃん!!!!」

「よし、落ち着こうか。ほーらお菓子だよ」

「むぐっ」

 

一旦立香の口にクッキーを納めて鎮静を計った。

 

「そのあたりも話しておこうか。ボクのクラスはエクストラクラスの一つ、勇者(ブレイヴ)。でもこのクラスで十全に動くには、今のカルデアでは圧倒的にリソースが足りない。ボクたちが英霊召喚に答えない……答えられない一つ目の理由」

「もぐもぐもぐ」

「二つ目は?」

「魔術王に目をつけられないため。ボクたちを追い払うためにカルデアに直接攻撃!なんてされたら困るでしょ?」

「確かに……」

「ごくん!あのさ、あのね!」

 

お口が空っぽになってから堰を切ったように話し出す少女は、教えたがりの子供のようで、兄に甘える妹のようだった。

 

「所長から聞いたんだけど、前所長の時にリンクを召喚しようとしたことがあったんだって!」

「そうなの?どのリンク?」

「時の勇者、さ」

「時!?よりにもよって英霊の座に居ないやつを?ピンポイントに?」

「ごほっごほっ」

「ちょっと今日は衝撃的な出来事が多すぎるな。もうなんか…聞かなかったことにしたい」

 

立香は紅茶を飲もうとして盛大に吹き込み、ダ・ヴィンチは現実逃避を始めた。

 

「居ないってどういうことだい?彼ほど偉大な人物が……。あっちょっと待って聞きたくないかも。理由によっては私、退去しちゃうかも」

「時の勇者だけが、居ないの…?」

 

 

やべなんかシリアスになりそう。軌道修正軌道修正

 

 

〇奏者のお兄さん なんかいい感じに説明しといて

〇Blue 情緒乱高下

 

 

「時はコキリの森に帰ったんだよ。デクの木さまとコキリ族と、コログのいる森へ。妖精郷って言った方がわかりやすいかな」

「妖精郷……、精霊や妖精が棲むとされる領域のことだね」

 

通常の世界とは遮断された別のテクスチャに存在しており、極まれに人が迷い込んだり、門を通して人が招かれたりすることもある。

 

「たまに出てくる時もあるけど、トライフォースが封印されている時の神殿に見回りに行くくらいだ。ああもちろん、今回の件は把握しているよ。ボクたちの霊基の根幹は“リンク”という名前で繋がっているからね。英霊になれないわけでもない」

「……そうか、帰れたんだね。故郷に」

 

死してようやく、彼の運命はトライフォースを離れた。

魂はコキリの森に導かれ、家に帰ったのだ。

 

「そっか、それなら居ないのも納得」

「……安心した?」

「うん」

 

 

〇奏者のお兄さん 応援ありがとう!お家にいます

〇ファイ ファイもお傍にいますよ

〇ウルフ よかった

〇災厄ハンター そうじゃなかったら暴れてた

 

 

「さて、他に話しておくべきことはあるかな」

 

リンクの質問に、ダ・ヴィンチが手を挙げた。

 

「実は、ロマニは一つ切り札を持っている。それは…まあ、聖杯のようなものだ」

「……ほう」

「彼は一度だけ、願いを叶える手段を隠し持っている。本人は怖がって、考えようともしないけどね」

「どうして?」

 

至極当然の立香の問に、ダ・ヴィンチは落ち着いて答えた。

 

「簡単さ。それを使えば彼は消える。だから使えない」

「…………死ぬ、ってこと?」

「――――そうだね。それくらい、単純な話ならいいんだが」

 

ロマニ・アーキマンはリンク達から見てもただの人間だ。

ただしそれは彼がカルデアに来てからの話で、それ以前はわからない。まだ、ブラックボックスに包まれている。

 

「ともかく、ドクター・ロマンの過去は謎だが、彼自身に裏はない。彼は最後までキミの味方だ。それだけは私が、天才の称号にかけて保証する」

「もちろん信じるよ」

「私も、ドクターを信じる」

 

 

あとでこっそり教えてもらおう。ボクなら問題ないよね

 

 

〇海の男 気になりすぎる ぜひ聞いてくれ

〇バードマスター 死ぬよりも大きなデメリット…?

〇うさぎちゃん(闇) ヒン!ロマニ、死ぬな!

〇災厄ハンター ヒンッ!ロマニ、生きろ!

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