勇者リンクS’の人理修復配信RTA   作:はしばみ ざくろ

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僕は冷凍食品のたこ焼きが好きです。おいしいよね


透明よりも綺麗な、あの輝きが始まり

びりびり、空気が震える。

ごうごう、風が唸る。

 

「サーヴァントだ、マシュ、立香ちゃん!一体のサーヴァント反応を確認した!」

「はい。感じています。もう、すぐそこまで・・・・・・来た!」

 

〈真紅と黄金〉を掲げる少部隊を助けてまもなく、通信機がけたたましく警報を鳴らす。

マシュが盾を構え、立香は現地人であろう少女の手を引っ張ってその後ろに避難した。

 

「何・・・!?」

 

状況を把握するよりも早く、耳を突き抜けたのは地面がひび割れる音。

受け止めきれない衝撃に揺れる大地。ストームの如き魔力の圧。不愉快な轟音が兵士達を吹き飛ばし、まともに立っているのは盾の後ろの三人だけ。

 

 

「我が、愛しき、妹の子、よ」

 

 

土煙の中から声がする。

発される単語にしては随分冷たい色で。この晴天には似つかわしくない顔色で。

この青々しい丘でもよく目立つ、黄金の鎧と真紅のマントを翻し。

 

「余、の――――振る舞い、は、運命、で、ある」

「おじうえ」

 

喉で詰まって、ぽろりと落ちた言葉がカルデアに届いた。

即座に解析班が動き出し、立香は気押される心をふりほどくように叫ぶ。

 

「デオン!」

「もちろんだ。任せてくれ」

「捧げよ、その、命。捧げよ、その、体」

『バーサーカーよ!総員戦闘態勢!』

 

サーベルを構えて白百合の騎士が立つ。

 

 

「すべてを 捧げよ!」

 

 

弾丸の如く突進してきた肉体がネロを襲う、のを予想していたマシュに阻まれる。

シールダーでやっと捌ききれる重量が地面を抉った。連打される拳は武術というよりはプロレスのようだ。

視界の死角から鋭い剣閃が振るわれる。首を正確に狙った一撃は、気づいたバーサーカーが無理矢理腕を振り回したことで手首を切り裂く。

体勢を直したデオンの突きが右肩を貫き、マシュの盾が腰を叩き吹き飛ばす。

空中で体勢を直し着地した男のドロップキックが盾を弾き、振り向きざまのアッパーが腹めがけて放たれる。

しかしそれは首に横蹴りが入ったことで体勢を崩し当たらない。

ガチガチに詰められた筋肉の体が呼吸を妨害されたことで停止する。デオンが着地したのと、マシュが盾を振り抜くのはほぼ同時だった。

流石にダメージになったのか、立ち上がる体は震えている。

 

「あ、あ・・・・・・。我が、愛しき・・・妹の・・・子・・・・・・」

「・・・叔父上」

「なぜ、捧げぬ。なぜ、捧げられぬ。美しい、我が・・・・・・。我が・・・・・・。我が・・・・・・。我が・・・・・・。我が・・・・・・」

「消えた・・・?」

『霊体化して移動したようだ。敵の部隊も引き上げていくようだし、まずはお疲れ様』

 

すぅ、とバーサーカーは消えていったものの、遺恨とも執念ともとれる言葉はいつまでも耳にこびり付いている。

 

『バーサーカーのクラスが自ら撤退とは考えがたい。マスターが居るんじゃないかな?』

「ん?むむ?」

「な、何でしょうか」

「先ほどから声はすれど姿の見えぬ男と、女が二人・・・。雰囲気からして魔術師の類いか?」

 

仕切り直すように声のトーンを上げた少女に意識が向く。

褒美の言葉を豪勢に浴びせながら、胸を張って少女は言った。

 

氏素性(うじすじょう)を訪ねる前に、まずは余からだ。余こそ―――

 真のローマを守護する者。まさしく、ローマそのものである者。

 必ずや帝国を再建してみせる。そう、神々、神祖、自身、そして民に誓った者!」

 

同意するかのように日輪が照らした。燦々と煌めく黄金の髪は、まさにローマそのもの。

 

「ローマ帝国第五代皇帝、ネロ・クラウディウスである――――!」

(なんとなくそんな感じはしてた。王様っぽいもん)

 

しかし立香は空気の読める女である。皇帝の名乗りに拍手を添えた。それを見たマシュとデオンも真似してちょっと賑やかになる。

皇帝は満足げだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エトナ山に行き霊脈を確保し終わった後、立香たちはネロと一緒にガリアへと向かっていた。

ガリアは連合との戦いに於ける最前線の一つである。

聖杯を有したサーヴァントが敵将として暴れている可能性や、レフがいるかもしれない危険性を考えて、共に行動している。

 

「マシュ、馬って高いねぇ・・・」

「確かに馬に乗ると視線が高くなりますね、先輩」

 

騎乗スキルのあるマシュに手綱を任せながら、立香はきょろきょろと周りに視線を動かす。

マシュほどではないが、立香とてこの時代の風景は見なれない。

時折襲ってくる連合軍を蹴散らしながら帝国軍はざくざくと歩みを進めた。

 

「長旅ご苦労だったな。見えたぞ、ガリア遠征軍の野営地だ」

「おお・・・、大規模な集団が・・・」

「お疲れ様です、先輩。久しぶりにゆっくりと寝床で休めますよ」

「ネロ皇帝!」

「・・・む?」

 

目と鼻の先にある野営地から兵士が飛び出してくる。

沸き上がる興奮を抑えきれなくて、にじみ出る言葉をなんとか選んで、ようやく荒い息の合間に話す。

 

「ブーディカ隊長が敵にやられました!」

「何だと!?」

「し、しかし・・・!代わりに・・・!新たな方が・・・!」

「新たな戦士?だと?」

「どーも、ネロ皇帝」

 

かろん、と軽快な声。

甘やかな髪はさっくりと焼いたパンプキンパイ。青い瞳は森のりんごジャム。

少年特有の麗しさと精悍さを合わせた相貌には、尖った大きな耳がついている。

薄い唇からちらりと覗く犬歯、青い輪っかのピアスが大人びた艶っぽさを漂わせた。

はるばる野営地へやってきた、帝国軍たちは言葉が出ない。

 

「ブーディカ隊長のかわりとは言わないが、それなりに役に立つぜ?」

「・・・・・・・・・・・・ぇっ」

「そ・・・・・・え?」

「うそ、」

 

緑の服ではない。あの剣も持っていない。野営地のテントを背にひょっこり現れた。

白昼夢でも見ているのだろうか。現実だと断じるにはあまりにも気配が違う。

兵士の私服を適当に借りたようなざっくりとした格好なのに、なぜかみんな“そう”だと思った。

 

「名前は・・・リンク!・・・なーんちゃって。クラスはセイバーな」

『・・・・・・そうだ、そんな訳』

『そん、そんな・・・。まさかぁ・・・・・・。そんな、』

『・・・・・・・・・・・・・・・貴様が勇者リンクだと?』

「あっ」

 

ずし、と質量をもった言葉が通信機越しに届く。

そのプレッシャーをもった言葉にようやく人々が正気に返ってきた。

だって、そうだろう。その名前はあまりにも意味がありすぎる。冗談や酔狂で名乗るものではない。

でも、でもだ。この世でたった一人だけ、朝食のメニューを読むくらいの気軽さで言える人間が居る。

 

「魔術的な通信機器・・・。顔の見えない誰かさん?」

『貴様、何者だ。その名を語って許されるのは、この世で勇者達本人だけだ』

「・・・・・・あーなるほど。これバラしたほうが円滑かな」

「どこから嘘・・・?」

「まあ落ち着け、キャロットカラーのきみ。・・・来い、マスターソード」

 

左手を前に伸ばす。光が生まれた。

掌の上に集まった輝きは、美しい青を灯す。

やがてそれは手首を伝い、顔を、体を、惑星が回るように包んでいく。

握りしめた手にはもう既にその剣があった。翼を広げたような形の鍔が、唯一無二を示している。

 

「安心しろ。本物だから」

 

深い緑の衣装は彼だけのもの。

遙かなる太古の時代で産まれた、勇なる魂。

生まれ変わって空を救い、意志を貫いて大地を救い、剣を引き継いで世界を救った。

夢の中に消えた島も、並行世界の月の町も、広すぎる大海原も冒険してみせた偉大なるその背中を、もうみんな知っている。

絶望の果てに希望があった。闇も光も黄昏も、同じように抱きしめてくれた。

知恵の姫、力の王。そして勇気の剣士。小説“ゼルダの伝説”の主人公であり、神の意志さえ動かした大英雄。

“勇者”という言葉の語原になったハイラル人である。

 

『・・・・・・・・・・・・・・・ヒェ・・・ッ』

 

腰の抜けた人間が崩れる音があちこちで聞こえた。驚きすぎると人は呼吸も忘れる。

伝説が目の前にあって正気を保っていられるのは、伝説本人だけである。

ネロの背後で様子を伺っていた兵士達が、やっと絞り出した声がすべてだ。

 

「来てくれたんですか・・・・・・?勇者さま・・・・・・。このローマに・・・――――」

 

溢れた歓喜は涙となって瞳からこぼれ落ちた。

嗚咽が広がる。膝をついて泣きじゃくる。今日まで張り詰めて生きていた人々に、心のどこかで萎れていた気持ちに、それは刺激的すぎる希望だった。

そしてそれはカルデアの面々も同じである。

勇者リンクはいつだって、いつの間にか希望を持って来ている。何遍も何遍も、跡がつくまで読み返した小説に書いてある通りだった。

燃え尽きた人理の悲鳴は届いている。苦しみも無く消えた、人々の祈りは届いている。

我らは見捨てられてなかった。他の誰でも無い勇者が!勇者様が来てくれた・・・・・・!

 

 

どうしようこれ。どうすっかな。収拾つかねぇわ~アッハッハ

 

 

Silver bow このクソボケ

うさぎちゃん(光) SNS炎上しろ

いーくん 運営に通報した

 

 

おいなんだ運営って。どこだよ運営。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ずるい!!!!代われ!!!!!何でお前ばっか!!!!!』

『王様!あの!私も!後で!あの!!』

『ぐすっ、ずぴっ、うっ、ひっく。・・・うっ、うっ、勇者リンク・・・』

『何いつの間にかそっち行ってるんだ抜け駆けするなクソオタ!!!!!!』

『それはさすがにブーメランでは・・・?』

「サインください」

「外野が沸き立ちすぎだろ」

 

なんとかどうにか周囲を落ち着かせて、テントの中に座ったリンクの前にサイン色紙が差し出された。

相手はもちろん先ほど「貴様・・・?勇者の名を騙る偽物か・・・?証拠見せろ」とふっかけてきたギルガメッシュである。

あまりにもなめらかに頭を下げて謝罪され、そのまま滑るように色紙が差し出された。コワ・・・。

 

「あ、そうだネロ皇帝。スパルタクスは大人しくしてるぞ。圧政に備えて兵士を鍛えてくれるってさ」

「エッ!?アッ、そっそそそそうなのかうんいいことだ」

「ほいサイン」

「ありがとうございます!」

「そういえばそっちの子らは名前聞いてなかったな」

 

ギルガメッシュはほくほくとした顔で色紙を受け取ると、そのまま座った。居座る気マンマンである。

 

「藤丸立香でしゅ!アッ噛んだ。カルデアのマスターです!」

「マシュ・キリエライト、です。カルっ、カルデア所属、の、デミサーヴァント、です」

「光の勇者、リンク。なんか人理がやべーと聞いて代表で来ました。よろしく~」

「勇者。代表、とは?」

 

そわそわもぞもぞと落ち着かない様子で名乗った少女、立香と。

滅茶苦茶どもりながらも、顔を紅潮させきらきらとこちらを見てくる少女、マシュ。

そして勇者の言葉は一字一句逃したくないという態度のギルガメッシュの言葉に発言を返す。

 

「そのまんまの意味。知っての通り、リンクは一人じゃないから。話し合ってとりまオレがいきま~すってなったの」

「勇者達の会談!?み、み、見た過ぎる・・・!」

『あっ、あのっ。あの!ゆ、勇者リンク。質問してもいいですか?』

「どうぞ。カルデアの方?」

『所長のオルガマリーです!あの、勇者達は、人理が焼却されたことを召喚されずとも知っていた、ということでしょうか・・・?』

 

 

ヘイ文殊

 

 

りっちゃん ごめんもうベッド入っちゃった

海の男 ごめんニンテンドッグスで忙しい

銀河鉄道123 テトリス永遠にできる

 

 

はーーーーこれだから緊張感のないやつらは。言ってやってくださいよ先輩方!

 

 

小さきもの やっぱ粉もんはうめぇな

守銭奴 タコパしよ。たこ焼き器もってくわ

 

 

∪(´・ω・`)∪< クゥーン・・・

 

 

奏者のお兄さん 俺が予知夢したって言いなさい。隠すことでもないし

 

 

ฅU•ﻌ•Uฅ< ワン!

 

 

「俺の先代、時の勇者が予知夢を視たんだ。あの人は歴代でも特にそういう力が強い」

「と、と、時の勇者・・・!」

『うわうわうわやっぱそうなんだ知ってる知ってるすごい!すごい・・・!』

『そうだったんですね・・・!ありがとうございます・・・!』

「皇帝方、失礼します。申し上げます!敵斥候(せっこう)部隊を発見!」

「ん、追撃は?」

「ゆっ、・・・敵兵の速度に!追いつけていません!このままでは離脱されてしまう可能性が!」

『あっ本当だ。野営地から離れる一団あり!こちらの陣営の情報を持って行かれるぞ!』

 

ぱっと意識を切り替えた横顔を、幼い少年のような瞳でギルガメッシュが見ている。

それに気づいて内心苦笑しつつも、リンクは立香を振り返る。

 

「立香、マシュ。ガリア遠征部隊に力をアピールするチャンスだぞ。ちゃんと役に立つって教えてあげないとな」

「・・・! がんばります!行こうマシュ!」

「はい先輩!マシュ・キリエライト、出ます!」

 

勇んで飛び出して行った少女達を見送った後、背伸びをして立ちあがる。

 

「さて、長旅でお疲れの援軍と皇帝のために、食事の準備でもしようかな」

「なぬ!?」

「勇者の料理!?」

『勇者さまの料理ですってぇ!?!?』

『ギルガメッシュ代われ!!!!!』

「断る!!!!!」

 

ネロ皇帝はともかくお前は客将なんだから手伝えと、ギルガメッシュに包丁と野菜が手渡されるのは3分後の話である。

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