勇者リンクS’の人理修復配信RTA   作:はしばみ ざくろ

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FGOの2部六章をクリアし、任天堂E3ダイレクトを楽しみ、小豆長光の極に天を仰ぐ。


出囃子は鳴ってんだ

そして――。

正統ローマ帝国が進軍を開始しました。連合帝国首都への侵攻です。

既に、刑軻さんが偵察を終えました。

 

ガリアから合流したスパルタクスさんと、呂布さん荊軻さん。

タマモキャットさんに女神ステンノさん。・・・勇者リンク。

わたしを含めて七体のサーヴァントを擁した軍勢。それが、皇帝ネロの率いるローマ帝国軍。

 

通常戦力では敵う筈がない軍勢です。

なのに連合は、敵将のサーヴァントを投入しません。

レフ・ライノールの姿も見当たらず。日々、進軍は続いていきます。

 

戦況は明らかにわたしたちが有利。

帝国軍は破竹の勢いで連合首都へと進撃しています。

そんな中でわたしは、こうして――――。

 

 

 

 

「マシュ、日記でも書いてるの?」

「フォーウ!」

「あ・・・先輩、フォウさん。そうなんです。実は―――」

 

さながら、物語に愛された作家の如く。

夢中になってペンを走らせていた少女は、ぱっと顔を上げて話し出す。

 

「ドクターから頼まれたんです。戦記物っぽく、日記を付けてくれないかと」

『そうとも、ボクが頼んだのさ!せっかく君がローマ総督の一人になったんだからね!』

『ロマニ・・・貴方いつの間に・・・』

『いやー、でもわかるよ。私でも書いちゃうかもだ』

 

どうやら所長も知らなかったらしい。

医務室の長は、ダ・ヴィンチの言葉に我が意を得たりと話し出す。

 

『新・ガリア戦記というのはどうだろう。かつてカエサルが書いた本をオマージュした題だよ』

『これは面白くなりそうだね。なんてったって、とびっきりのシーンが沢山あるからねぇ』

「そ、そう・・・」

 

段々と盛り上がってきた二人に、立香はちょっぴり戸惑った声を返す。

とびっきりのシーンというのはやはり、リンクのことだろうけど。

 

『まあそれはそうとして。真面目な話をするとだね』

「ふむ」

『君たちが世界を救うことができた、としてだ。それから先のことをボクは考えてみた』

 

もしも世界を救ったとしても、カルデアを襲った惨劇がくつがえることはないだろう。

何もかも元通り、なんて。流石にそこまで都合はよくない。

 

『つまり――。ボクらの給与については保証がない』

『出すわよ!?』

『それは勿論ですよ所長。むしろ所長が頼みの綱です』

 

社会人は世知辛いよ・・・。

人理を修復する。修復したあとのことも考える。両方やらなくっちゃあならないってのが、カルデア幹部の辛いところだな。

 

「なるほど。転ばぬ先の杖、というヤツですね」

『うん。あと勇者のことをじま・・・ゴホン!報告しなくちゃいけないし』

『そうだね。そこが一番重要だ』

「・・・リンクが助けに来てくれたって、みんな信じてくれるかな?」

 

勇者リンク、もといゼルダの伝説が魔術師達にとってどれだけの存在なのか。

かつて英雄と呼ばれた彼に、彼女らにとってどれだけ輝かしいのか。立香もよく分かってきた。

故に思うのだ。下手に情報を開示したら、大変なことになるのではないか――?

 

『しかしカルデア中の記録媒体に保存している以上。言わない、という選択肢はない』

『・・・そうね。もちろん本人の許可は取りますが、その後の混乱は確かに避けられないでしょう』

『うーん。でもリンク本人がわりと自由に動いてるみたいだし、うっかり召喚されるってのはゼロに近いと思うんだよ』

「それは・・・そうだね」

 

徒歩で来た。な勇者をピンポイントで呼ぶなど、聖杯があっても難しいだろう。

前所長の時でもさんざん試して現れなかったのだ。

リンク本人がその気になってくれなければ、召喚サークルは動かない。

なら大丈夫では?

 

 

バードマスター 僕らに近づこうとしてヤバイ術を開発するかもしれない方が可能性ある

騎士 闇を見せるのやめな?

うさぎちゃん(光) なんなら一番危険なの立香ちゃんだよね

 

 

「ではこの日記はしばらく書き続けますね。戦闘記録はダ・ヴィンチちゃんにも渡します」

「あとで私にも読ませてね」

「はい、先輩」

「フォウ」

「む、何だ?何の話をしているのだ」

 

長話に誘われて、ネロがちょこちょこと寄ってくる。

 

「立香たちはいつも楽しそうだな。余も混ぜるがよい!」

「残念だが遊んでいる暇はなさそうだぞ、皇帝。敵を発見した」

『あっ本当だ。多数の反応あり。サーヴァント反応はなし、通常兵力だ』

「むう。せっかくの談義だったのに・・・余はつまらぬ・・・」

 

しょも・・・と肩を落とすものの、気を取り直して声を張った。

 

「まあよい、まずは蹴散らしてくれる!連合の敵兵何するものぞ!降伏するものは受け入れよ!余のローマに恭順するならば命は助ける!」

「マスター、わたしたちも出ましょう。突出してきた部隊を叩けば、敵兵の士気を挫けます」

「うん、行こう!」

 

全軍前進。戦線異常なし!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闇を纏って生きている。

血を纏って生きている。

我ら暗殺者(アサシン)。世界の影。夜の中でしか息が出来ぬ。

 

誰かの影武者。名前もなく。

王家の闇を背負って。代わりに泥を滴らせる。

祖国に栄光あれ。そのためならこの身を削りましょう。

 

消費され消耗され薪にされ罪を被る。冷たいこの両手すら暗器。

いつでもそう。肝心なコトは非公開(あかされない)。それが証拠。我らの生きた跡。

 

 

 

 

「・・・以上。既に、連合軍は明確な指揮下にない。発生しているのは、我が軍と偶発的に遭遇した独立部隊との戦いばかり。戦況は明るい。そう言って良いだろう」

「うむ!余の軍は真の力を取り戻した、という訳だな!」

 

そんな我らでもページを捲った。

使えるものは何でも使い。手を変え品を変え踏破していく。

忍び込んで隠れ。壁を越えて侵入する。邪道で王道な彼を知る。

 

「いいや、マシュたちもいるのだ。最早、大逆者どもなど余の軍の敵ではないわ!」

「油断は命取りになる、ネロ・クラウディウス。いや、時には隙などなくとも命は消える」

 

やましいことなど1つもなく。恥じることなど欠片もなく。善でも悪でもない、勇者。

影の世界すら救って見せた、その姿は。闇の力すら受け入れて見せた、その姿は。

 

「連合首都の守りは未だ固い。それ故に、我が軍とぶつかる軍が脆弱とも言える」

「う、うむ。荊軻は用心深いのだな」

 

・・・希望だったのだ。確かに。

救いだったのだ。何よりも。我らにとって。

 

「貴殿は忘れたか?私は、そもそも暗殺を生業とするものだ。策は得意とするものであり、同時に最も警戒するものだ」

「も、もちろん覚えておるぞ!うむ、荊軻は頼もしいな」

 

このボロボロの誇りだってきっと勇者は、きっと認めてくれる。

私は一度、失敗したけれど――――。

今度こそは殺してみせる。必ず。必ず、この手で――――!

 

「恐れながら皇帝陛下に申し上げる!前方に敵軍の影あり!そして後方にも、敵軍!」

「後方・・・?」

『確か、後方には呂布将軍が控えていた筈だね。スパルタクスも。いけない、このまま放っておくと――』

「まずいな、これは」

 

雑然とし始めた後衛に、荊軻は眉をひそめる。

ひとたび戦いを始めれば、あの二人は敵を追って何処までも進軍しかねない。

 

「����������――ッ!!」

「な、何だ、この音は・・・!獣の咆哮か!」

 

さらにサーヴァントの気配が1つ。

強者か?敵将か?皇帝か?身を震わせる獣の遠吠え。

 

「いけない!兵を引かせてください!人間ではサーヴァントに勝てません――――」

 

 

空気を裂く、鋭い音。

少女の言葉を遮った。

 

 

「・・・えっ」

「・・・何?」

 

兵たちの向こう。軍の後衛で、弓を構える人が居る。

一矢はバーサーカー達を通り過ぎ、しかし気を引くには十分だった。

 

「・・・こら、二人とも。迷子になったら大変だろ」

 

敵軍が土煙と共に迫るのに、その声は立香たちまで届く。

地響きを涼しい顔で受け流して、リンクは剣を抜いた。

 

「さあ、戦闘だ。敵を阻み、拒み、ここで食い止めろ。帝国軍!」

「ウオオオオオオオ!!」

 

その凜々しい姿に魅了され、兵が雄叫びを上げる。

勇者と共に戦える事実よりも、輝かしい誉れはなく。その勢いは破竹の如し!

 

「リンクだ・・・!」

「さすが勇者だな!」

 

その大きな安心感に、みな胸を撫で下ろす。

挟み撃ちするかのように、前方からも連合軍が迫ってくる。彼が居るなら後ろは任せよう。

 

「ネロ、前からも来るよ!」

「わたしたちは前に出ます!」

「あいわかった!余の軍よ、ここが踏ん張りどころだ!」

 

漆黒の巨人が進軍する。

全身を禍々しい刺青と黄金で彩り、三白眼は睥睨し。

 

「おー、強そうだな」

 

 

銀河鉄道123 金ぴか 黒い 巨人 検索

いーくん グーグルを過信しすぎだろ

奏者のお兄さん siriもわかりませんって言うぞ

 

 

戦斧が連合の兵士を斬りつける。暴雨のごとく戦線を乱す。

もしやただの野良サーヴァントなのだろうか?

象が蟻を踏みつぶしているようだ。人が小石のように吹き飛ばされていく。

実に、狙いやすくていい。

 

「����������――ッ!!」

光纏う宝物の弓(トワイライト・アロウ)

 

喉を振るわせるのは断末魔か。

無防備な額に吸い込まれるように矢じりは刺さる。

全身に油断なく闘志を漲らせていても、所詮狂化に浸されたバーサーカー。

コンマの速度で弓を射る、リンクの敵ではない。

 

 

海の男 ヒューッ!

フォースを信じろ フーウッ!

災厄ハンター Yo! Yo!

 

 

チェケラッチョ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荊軻が発見した拠点を目指し、帝国軍は歩みを進める。

辿り着いた砦にサーヴァント反応は1つ。

扉はまるで歓迎するかのように開いている。今にも拍手喝采しそうな喜色を露わにして、その少年は現れた。

 

「こんにちは。ネロ皇帝」

「・・・この砦の将か?逃げも隠れもしないその態度に免じて、名乗ることを許す」

「名乗らせてくれるのかい?ううん、そうだな。どういう風に言おうかな。僕は名前が複数あるんだ。」

 

紅顔の美少年は、赤髪を揺らして考えるそぶりをした。

 

「僕はアレキサンダー。正確にはアレキサンダー三世という」

『アレキサンダー・・・。征服王イスカンダルか!マケドニア王国の若き王子!』

「連合国に呼び出された将さ」

 

敵対しているとは思えないほど、少年は快活に笑う。

その爽やかさに、なんとなく立香たちも出鼻をくじかれた。

 

「本当は君と色々話をしたかったんだけど――。彼が居るのに、それは失礼だね」

 

ばちりと目が合ったので、リンクは不敵に笑ってやった。

少年の頬が紅潮する。ぎゅっと服の裾を握って、そろりと離した。

 

「僕に与えられた兵は残りわずか。対して君の軍は損害も軽微。・・・ううん、劣勢だな」

「降伏するなら受け入れよう。余は寛大だ」

「ありがとう。でも、せっかくだから戦いたいな。彼が居るのに、みっともない姿は見せたくない」

「そうか。――――来い!」

「行くよ、連合軍!蹂躙を始めようじゃないか!」

 

鬨の声がぶつかり合い、ビリビリと大地を振るわせる。

一拍開いて金属音が響き渡った。鋼の咆哮。

 

「ゲオルギウス、お願い!マシュはネロの側に!」

「ええ、マスター。私が護りましょう」

「了解しました、マスター」

 

ゲオルギウスと共にベイヤードに跨がり、立香は戦場を駆ける。

 

「帝国軍のカバーを!」

守護騎士 A+(お任せを)。・・・マスター、指揮が様になってきましたね。私も誇らしいですよ」

「えっほんと?・・・えへへ」

 

守護騎士に褒められて、立香は相好をくずす。

ネロと、彼女を守るマシュを。兵士たちを庇うようにゲオルギウスは戦う。

他者を守ることこそ守護者の矜持。聖ゲオルギウスの剣はいつだって、人々守る希望である。

 

「(勇者リンクに気を引かれてしまうなんて、私もまだまだですね)」

 

それはそれとして視界の端にいるリンクのことは気になる。

女神ステンノを抱えて移動するようだ。一体何を見せてくれるのだろう。柄にもなくわくわくしてしまう。

写真撮影はOKだろうか?後で聞いてみよう。

 

 

ここで影に入り、アレキサンダーの側に移動します。混戦しているので楽勝ですね

 

 

小さきもの アレキサンダーの周りには兵士が居ないので余裕で近づけます

奏者のお兄さん そのために先ほど襲ってきた連合軍を、全て片づけておく必要があったんですね

 

 

「あっははははは!隙だらけだよ、君!」

 

雲を吹き飛ばすかのように、ブケファラスが(いなな)いた。

じりじりと距離を詰めてくる王子を止めるのは、女神の甘い囁き。

 

「ねえあなた。こっちを向いて?」

 

余りにも至近距離で聞こえたので、アレキサンダーは肩をびくっと振るわせた。

考えるよりも先に顔をそちらに向けてしまう。驚きに染まった思考を引き戻せない。

黒い狼に跨がったステンノが、1m先からこちらを見ている。

 

女神の微笑(スマイル・オブ・ザ・ステンノ)

「(! しまっ――)」

 

物憂げな視線を貴方に。蕩ける程の囁きを注いで。

 

不還匕首(ただ、あやめるのみ)

「―――――」

 

零れた隙を刃が裂く。霊核(心臓)を毒華が貫く。

 

「・・・・・・・・・参ったな・・・。悔しいな、思ってたより・・・・・・!」

「気にやむことはない。女神が気を引いてくれなければ、私の刃も届かなかった」

「・・・そっか。うん・・・。・・・ねぇ君、また会える?」

「オレか?それはお前次第だよ。お前の幸運次第だ」

「・・・ふふ」

 

アレキサンダーは幼い微笑みと共に消えていった。

ステンノを抱え直して、リンクは荊軻を労う。

 

「さすがアサシン荊軻。一殺、見事」

「・・・・・・そうだろうか」

「そうだよ」

「そうか・・・」

 

・・・それなら、まぁ。勇者リンクがそう言うのなら。

失敗した私でも、呼ばれた義理は果たせたのだろう。

―――――嗚呼、酒を飲みたい気分だ。浴びるほど!

荊軻はからりと笑って、勇者はいける口かなぁと呟いた。

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