勇者リンクS’の人理修復配信RTA   作:はしばみ ざくろ

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大丈夫、すぐ終わるよ。体感3日で解決します。(シャドーボクシング)


雀のお宿の活動日誌~閻魔亭繁盛記~
閻魔亭復興RTA


「チュンチュン、ようこそお客様!ここが地獄の番外地、どんな御霊も安らぐ秘湯!」

「ほう」

「人の世に言う神隠し、数ある迷い()のお家元!紅閻魔女将の預かる、大割烹『閻魔亭』でチュン!」

 

どどーん!と眼前に広がる立派な温泉宿を見て、ミドナは感心したように頷いた。

 

「ようこそ閻魔亭へ。歓迎するでち――――」

「こんちは~。女将さん?」

「・・・・・・ハッ!も、申し訳ありまちぇん。女将の紅閻魔と申しまちゅ。どうぞ中へ!」

 

着物の袖を翻し、ぱたぱたと先導する少女をリンク達は追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「温泉が閉まってる?ここは温泉宿って聞いたぞ」

「申し訳ありまちぇん・・・」

「なんか訳ありっぽいな?女将、良かったら話してくれる?」

 

白米をぽふぽふと盛りながら、紅閻魔はため息をついた。

お座敷で振る舞われる料理はどれもこれも逸品だ。ちまい雀たちを侍らせながら、ミドナは機嫌良く箸を進めている。

 

「以前、武蔵という羅刹が酔っ払って暴れ回り」

「もう見えてきたな」

「残留思念となって残り“自分より強いもの”と戦わないと満足して消えないのでちゅ」

「あっ真面目な話か」

「“相性の問題で負けただけだからぜーんぜん悔しくありません!私は私が納得するまで温泉(ここ)で美男美女を待ち続けるのです!何度でも仕切り直すのです!やだーーー!ずっとここにいるーー!”」

「ちょっとしばいてくるわ」

「おう」

 

緑の勇者服に着替えて出ていった青年を見て、女将はもじもじとした。

しかし自分もプロ。プライベートに不用意に踏み込まないのが一流というもの。聞きたいこともお願いしたいもあるが、ここはぐっと我慢・・・。

 

「女将、アイツが気になるのか?」

 

けれどそんな遠慮もミドナには関係ない。

美味しい料理とお酒で気分も上向いたし、ちらりと見た部屋も趣があった。ぜひ長居したい。

そのためにも懸念は払っておかねば。

 

「き、気になる・・・ことはありまチュが、慰安中のお客様にご迷惑は」

「アイツがそんな小さいことを気にするタマか?・・・この旅館全体に、良くない気配が漂っているな。借金でもしているのか?」

「!」

「聖遺物が1つ。この建物の心臓部だな。しかし妙に陰りがある」

「・・・そこまで見抜かれているのなら、隠すのも無意味でちゅね。実は・・・」

 

500年前に起こった盗難事件。それが全ての原因だろう。

当時の宿泊客、竹取の翁が物取りに遭ったと言う。

“仏の御石の鉢” “蓬莱の玉の枝” “火鼠の裘” “龍の首の珠” “燕の子安貝”

しかし犯人は見つからず、翁は宿側に賠償を要求した。

とても払えない金額だった。閻魔亭は借金を背負わされた。

物盗りの悪評が立った宿からは客足が途絶え、もう利息分を払うだけでせいいっぱい。

 

「・・・勇者様のお知恵をお借りしたいでち・・・。あちきと雀たちではもうどうすることも・・・」

「フン。いつの時代も意地汚いヤツはいるもんだな。任せておけ。ワタシから話しておこう」

 

マジックアワーも恥じて隠れる、見事な髪を揺らして、黄昏の姫は笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「500年前の物盗りかぁ」

「どうにかしろ」

「ひゅー無茶ぶり」

 

窓から見える美しい山の景色は、姫の心を癒やす。吹き込む風が気持ちいい。

備え付けの急須でお茶を入れながら、リンクはむむむと考える。

 

「まず本当に宝は盗まれたのか。竹取の翁が嘘をついているかもしれない」

「そうなると罪が重くなるな。ふふ、裁くときは手伝ってやる」

「まあ一番無難なのは、宿の復興をしつつ同じ宝を集めることかな。・・・いや、集める必要もないか?ほかのリンクがどうにかできるかも」

 

ほこりと湯気を出すお茶は温かい。

ミドナの体がぽかぽかとしてくる。・・・ちょっと眠くなってきた。

 

「んじゃ女将を手伝ってやれ。ワタシは昼寝したあと温泉に入る。あ、夕食は魚が食べたい」

「はいはい。おやすみ相棒。なんかあったら呼べよ」

 

可憐な微笑みは月下美人のごとく。

愛しい姫の安眠を守るため、ううんと伸びをして立ち上がった。

 

 

フォロワーーー!!!集合!!!!

 

 

Silver bow 誰がフォロワーだ

うさぎちゃん(光) やだ・・・ブロックしなきゃ・・・

災厄ハンター 何すか。温泉行ったんじゃないんすか

 

 

かくかくしかじか

 

 

Silver bow 説明をサボるな

いーくん 分かるのが嫌

海の男 ・・・で?

 

 

どうにもこうにも人手が足りないんですよ。由々しき事態だと思いません?

 

 

Silver bow 思いません

海の男 解散

奏者のお兄さん 英霊の座に従業員募集のチラシ配った方が早いよ

 

 

確かに!あざす!

 

 

バードマスター 解決した

騎士 無事返済したら教えてくれ。温泉は俺も入りたい

 

 

「という訳でチラシを作りました!雀たち、後はよろしく」

「任せるチュン!」「チュンチュン!」「がんばるチュン!」

「どれどれ・・・。宿の警備員、厨の料理人、お部屋係、清掃員・・・。ずいぶん細かくわけてありまチュね?」

「まず、これなら自分でも出来そう、って思ってもらわないとな。とっつきやすさは大事だ」

「なるほど・・・!さすが勇者様でち!頼もしいでち!」

 

ようやく表情が明るくなった、紅閻魔に安堵する。

この小さな体でよく500年も堪えたものだ。――――その背中を蹴飛ばそうとする、魔性を斬るのはこちらの役目。

円卓が英霊を集めるように、勇者のもとには勇あるものが集まる。すぐに人手も潤うだろう。

 

「(・・・さて、)」

 

まずはこの場に張られている、武者よけの結界を斬っておこう。

猿長者、蛇庄屋、虎名主にも話を聞かねば。

あそこまで力の落ちた存在なら、リンクが聖剣の勇者だと分かってもどうしようもできないだろう。

 

「チューーン!女将!女将!さっそく面接希望者が来たチュン!」

「なんでチュと!一体どなたでちか?」

「“斎藤一”って名乗ってるチュン!」

「人材ガチャ神引き過ぎる。さすがオレ」

 

 

 

 

幕間特異点 雀のお宿の活動日誌~閻魔亭繁盛記~

 

 

 

 

 

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