勇者リンクS’の人理修復配信RTA   作:はしばみ ざくろ

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書きたい部分と書きたい部分の間を書くのが1番苦労する。
これってトリビアになりませんか?


YOSORO

一人乗りの赤い船。潮風を連れて海を行く。

赤獅子の王が運ぶのは、なによりも大事なたからもの。

のほほんと背中で昼寝をする、いとしい愛しいハイラルの子。

 

「リンク、起きるのだ。島に着いたぞ」

 

トライフォースの力で特異点に来たはいいものの、地場が狂っているらしく出たのは上空。

おっとこりゃあまいったな。とまったく困ってなさそうにデクの葉を取り出して、落下の勢いを殺したのは風の勇者だ。

新生ハイラル王国の初代国王。趣味は釣りと将棋。見た目は少年だが、中身は老獪な人物である。

海上付近で赤獅子を召喚すると「あの辺に見えてる島にゴー」という指示を出して横になってしまった。相変わらず緊張感のない子である。

赤獅子は苦笑を漏らしながらも、風に押されて進むのだった。

 

 

バードマスター 海かぁ 移動に大変そうだね

 

 

空を移動する先達には敵わないよ

 

 

銀河鉄道123 先輩、赤獅子の寝心地は?

 

 

ちょうど体がすっぽり収まるサイズなので、寝返りが打ちにくいのが難点ですね。 評価★★★★

 

 

騎士 知られたら怒られそうな会話をするな

 

 

「・・・おはよう、赤獅子」

 

意識は半分ネットワークに、もう半分はまどろみのなかに。

寝起き特有の低い声で、乱れた髪を撫でつけて。

大きな欠伸をかみ殺しながら少年は船から降りた。

風にはためく金髪が、息をしているかのように揺れている。

青いエビシャツがよく似合っている背中を、赤獅子は優しく見つめた。

 

「なーんか居そうな感じ。ちょっと島を見てくるから」

「では私は待っていよう」

「んー・・・やっぱり、その必要はなさそうだよ。お出迎えありがとうだ」

 

リンクと言う強大な気配に気づいて、何かが島の奧から猛烈な勢いで近づいてくる。

障害物を力任せになぎ倒し、地鳴りを響かせて、唸り声が耳をつんざいた。

 

「ガガガガガガガガガガ!!ギギギギ――――ギィィィィィィッッ!!」

 

 

災厄ハンター うるさ

いーくん 木を折るな(シンプルな怒り)

 

 

理性を失い狂気に呑まれ、サーヴァント自身の思考は無く。

ただただ機械的に、盲目的に、目の前のナニカを。敵を排除するために斧を構える。

 

「ワガッ!ワガナ!エイリーク! イダイナル、エイリーク!」

「儂はリンクじゃよ」

「ガゴ!コロス!ジャマヲスルナラコロス! ブチ、コロス!ギギギギィィィ――!」

「えい」

 

突っ込んできたエイリークに向けてバクダンが投げられる。

軽快な声とは裏腹にとんでもない速度だった。どこぞの甲子園のピッチャーか。弾は正確にぶち当たる。

 

「ゴァ・・・ゴオオオ・・・・・・」

「そんじゃあの」

 

消滅は免れたものの衝撃でふらつくエイリークに、勇者の剣は振るわれる。

すとん。

あっけなく首は落ちた。日に照りつけられて、ほてった砂浜に静寂が戻る。

 

「リンク、あそこに船があるぞ。先ほどの男が乗ってきたものかもしれん」

「サーヴァントの備品なら、じき消滅するんじゃないか?」

 

 

ファイ いえ、どうやらこの海域にいるのは“海賊”という概念のようです

 

 

「ふうん?」

 

 

ファイ 特異点に生まれた障害(バグ)。役目を果たすだけの無限コピーの霊体です。

 

 

「なるほど。あれはヴァイキングの船、というコピーか」

「例の通信か?便利になったものだな」

「そうそう。みんなが助言してくれるからね」

 

軽く跳躍して船にお邪魔した。

こちらの会話を聞いてやいやい騒ぐ勇者(どうぞく)たちの声に、思わず口元に柔らかな笑みを浮かべる。

その大人びた笑みを正面から見てしまった海賊たちは、ただぽかんと成り行きに身を任せることしかできない。

大きな金塊よりも、輝く宝石よりも、手を伸ばしてしまいたくなる黒翡翠の瞳が。いたずらを画策する子供のように、にんまりと歪んだ。

ふわりと手元にタクトを出す。

 

「風のタクト、神の力をまとえ。――操りの唄」

 

← ・ → ・

四拍子。白い輝線をえがく。

生前は神の僕とメドリとマコレしか操れなかったが、英霊になった時逸話とか伝説とかで強化された唄。

自身よりも対魔力の低いものを操れる。霊体ならば問答無用。すべてすべてリンクの(しもべ)

 

 

ウルフ 出、出~~~wwwチート技使う奴~~~www

Silver bow この技なんでこんなに強化されてんの

りっちゃん 台パン不可避

 

 

「さて、お前たちはどこから来たのかな」

「黒髭の船長の命令で、エウリュアレを探していました」

「黒髭の目的は?」

「わかりません」

「下っ端はそこまで知らないか。じゃあ儂を船長の所まで運ぶように」

「アイアイ・サー!」

 

赤獅子の王を引き上げて、錨をあげて大船は行く。

ようそろう。ようそろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黄金の鹿号(ゴールデン・ハインド)。出航から数日。

見渡すかぎりの青い青い地平線は、どうしたって気持ちを緩ませる。

潮風に吹かれ、波に揺られ、今までとは違う船での生活に四苦八苦しながらも。

立香たちは島を探して進む。

 

「んー・・・・・・?」

「どうしました?」

「ああ、空気の味が変わったみたいでね」

「空気の味・・・ですか?」

 

違う国、違う陸地へ行くと風の色が違ってくる。

寒暖の差や海流の変化で揮発する物質も変わり、空気の成分も変わってくるからだ。

 

『マシュ、立香ちゃん。ドレイクの言葉は正しいようだ』

「違う大陸の島に着きそう・・・ってこと?」

『ああ。出発した島とは明らかに気温や海流が異なっている。もうしばらくすれば、具体的な場所も判明するはずだ』

「姉御!北西に船一隻でさぁ!見覚えのねえ海賊旗です!」

「敵か!マシュ、立香、準備しな!仕事の時間だ!」

「わかりました、キャプテン・ドレイク」

「いきまーす!」

 

陸と海では生活が大きく違う。礼装のおかげで日焼けしないのは嬉しいが。

なぜかずっと乗っていたかのように馴染んでいる虞美人はともかく、立香はようやく慣れてきたところだ。そろそろ地面を歩きたい。

謎の海賊旗を掲げる敵をあっさり伸す頃には、島が眼前に迫っていた。

 

「ぐっちゃん、船の守りを頼むよ」

「あまり待たせるんじゃないわよ。せいぜい気を付けなさい」

 

いつ敵が海上から襲ってきてもおかしくないので、散策は取りあえず三人で行くことにした。

ひらりと手を振るのは、暑くなったからとかいう理由で露出度が爆上がりした虞美人である。

なんだろうあの布だけで構成された服。いや服は布で作られているんだけど。

あまりに堂々としすぎて逆に野郎共が目をそらす始末である。さすがぐっちゃん・・・。

 

『霊脈のポイントを発見。座標を送るから、ひとまずそこを目標にしてほしい』

「了解しました。では皆さん・・・」

「んー、そのあたりかあ?」

「フォウ!?」

「ひゃ・・・!?」

「!?」

 

断りもなく放たれた、銃声の残響が続く。

思わず声を漏らしたマシュと驚いて声も出なかった立香が、勢いよく振り返る。

フォウくんは混乱してぐるぐる走り回っていた。

 

「ドレイクさん、敵ですか!?」

「いや、なんとなく気配がしたから撃ってみた」

「“なんとなく”“撃ってみた”・・・!?」

「悪い予感がしたら銃声で打ち払う。それが生き残るためのコツだよ?」

 

悪びれもせず笑うドレイクに、マシュは口をぱくぱくとさせた。

 

「なんて乱暴な・・・。それは無法者の精神構造です・・・!」

「マシュ、マシュ。海賊って無法者だと思うの。で、当たった?なんかいた?」

「あはは、そんなの見るまでわかるもんか!死んだか殺したか、ちょっと見てくるよ」

 

さくさくと砂浜を進んで様子を見ているドレイクの姿は、ジャンヌやネロとも違う。

マシュにとっては初めて接するタイプだ。まだなかなか掴めない。

 

「おーい!マシュ、立香!こっち来てみな-!」

「呼んでるね。行こうか」

「は、はい」

 

風に乗ってくる声を辿れば、小高い丘が目に入る。

海の青になれた瞳に、緑は鮮烈に焼き付いた。

 

「広いねぇ。島とは思えないわこりゃ。それに良い風だ」

「・・・・・・そうですね。マスター、この感覚は少し前の――」

「ローマに似てるね。なんだか懐かしいな」

「・・・ええ」

 

三人の足取りは自然と穏やかになった。

しばらく心地良い沈黙が続く。地面をしっかり踏みしめて、指定座標に到着する。

召喚サークルを設置。ポイント生成を完了。

 

「あ、そうそう。先ほどの謎の海賊旗を調べてみたんだけど、あの■は」

「・・・ドクター?」

「伝説の大■賊“■■”の■■。つまり、あの海賊■ちは■■■■■という■■■」

「ドクター?ドクター、通信の調子が――」

「■■――――■――」

「ドクター!?先輩、通信が切れて・・・!?」

 

不快なノイズが声を遮り、そのままぶちりと切れた。

間髪入れずに大地が揺れる。

 

「きゃっ!?」

「地震!?・・・先輩!」

「伏せな、かなり大きいよ!」

 

地の底から突き上げるような揺れ。まるで島が泣いているかのような轟音。

とっさにマシュの懐に抱えられて、立香は数秒の地鳴りを過ごした。

 

「・・・収まった、ようです。マスター、大丈夫ですか?」

「うん。マシュのおかげで怖くなかったよ。ドレイクは?」

「荒れた海に比べりゃそよ風さ。・・・・・・ん?ありゃ何だい」

 

ドレイクの視線を追いかけると、上陸した浜とは反対側に人工的な建物が出来ていた。

あんなに大きな建築物なら来てすぐに気づくはずだ。つまりこの地震の後に現れたもの。

 

「・・・見るからに怪しいのがあるじゃないか。よし、行こう!」

「ま、待って下さい。一度船に戻ったほうが良いのでは?」

「船にはぐっちゃんがいるから大丈夫だよ!」

「・・・マシュ、通信は回復しそう?」

「・・・いえ、変わらず途絶しています。誰かに妨害されているのかもしれません」

 

あんなにも朗らかだった空が、今は妙に暗く見える。

まるで嘲るかのように、風がびゅうと鳴った。

 

「・・・二人とも、原因を探しにいこう。もしかしたら敵の罠かもしれないけど」

「おや、立香。やる気だね」

「・・・正直不安だけど、でも、マシュと船長が一緒なら大丈夫」

「・・・!」

「言うじゃないか!キャプテンってのはそうじゃなくちゃね!」

 

不安に胸元の服を握りながら、けれど強がりなマスターの顔をして立香は言った。

ならば応えなくてはいけない。応えてあげたい。マシュは、立香のサーヴァントだから。

 

「――はい、先輩。行きましょう。必ずわたしがお守りします」

 

いざ行かん。未知なる島の冒険。

果たして出るのは鬼か、怪物か――――。

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