配信難しい。難しいな?本編は予告なく訂正されることがあります。
藤丸立香は一般的な少女である。
もっと言うならば、気まぐれに献血に立ち寄る程度には善良で、南極でのアルバイト募集に応募する程度には好奇心旺盛で、揺れる館内を走り回れる程度には運動神経があって。
「――――せん・・・ぱい」
「うん」
「手を・・・握ってもらっていいですか――?」
差し出された手を握り返す程度には、勇気があった。
燃えさかる街は全ての希望を拒む。
幸運の残高があるならとっくに使い切っているだろう。生き残ってしまった。私は、
悪い夢なら覚めて欲しいけど、この肌を刺す異常は何一つ目を逸らすことを許してくれないのだ。
どうしたらいい?私には何ができる?体が震えるのは寒さからじゃない。本能が生命の危機を察している。
サーヴァント、マスター、魔術師、血筋、特異点。目が回るほど未知の世界。
それでも。
「イエッサー!了解です!偉大なるマリー所長!」
「おだてようったってそうはいかないわよ。・・・ところでキミ。サーヴァントがどういったモノなのか、知識はあるんでしょうね?」
「・・・・・・・・・ないです!」
「開き直るんじゃないわよ!仕方ないわね、移動がてら教えてあげる」
所長曰く。
サーヴァントというものは魔術世界における最上位の使い魔である。
人類史に残った様々な英雄、偉業、概念。そういったものを霊体として召喚したもの。
英霊召喚とは、この星に蓄えられた情報を人類の利益となるカタチに変換すること。
人間以上の存在であり、人間に使える道具である。
そしてサーヴァントには七つのクラスがある――――。
「情報が・・・!情報が多い・・・!」
「多くても覚えなさい。こんなもの基本中の基本よ」
「うええ・・・。・・・それにしても、英霊かぁ。それって勇者リンクも呼べるのかな?」
空白のような沈黙だった。
突然おかしくなった空気に、立香だけが目を白黒させる。先に口を開いたのはマシュだった。
「先輩・・・。実は、カルデアは今までに何度も勇者リンクを英霊として召喚しようと試みています。前所長の時代から。・・・その全てが失敗に終わりましたが」
「・・・冒涜よ」
「え?」
吐き捨てるような言葉はオルガマリーの口からだった。
怒りと嫌悪に染まる瞳は、あられのように彼らを批判した。
「いくらお父様・・・前所長の方針だとしても、賛同した者がいたとしても、私はそれを勇者リンクに対する冒涜だとしか受け取れません。彼を英霊という小さな枠に収めることも、人間の道具として扱うことも、世界の危機を盾に呼び出そうとすることも。勇者リンクという偉大なる存在に対する不敬です。彼には静かに眠る権利があります。・・・召喚されなくて本当によかった」
「・・・所長は勇者リンクのこと、すごく好きなんだね」
「・・・一魔術師として敬意を払っているだけよ」
「そうだよ。所長は勇者リンクに憧れているんだ。もちろんボクもね!」
「ロマニ!」
緊張感が離散したことに安堵する。
勇者リンク。この世全ての勇者という概念の始まり。世界を何度も救ったその物語は、祈りと願いによって2015年まで届けられた。立香も当然読んだことがある。
人類最古のその書が発掘されたのは、シュメール王朝における伝説の王ギルガメッシュが君臨する時代である。ギルガメッシュはこの書を毎日のように読んでは、友であるエルキドゥと共に勇者について語り合ったという。
時に物語に涙し、時に物語に勇気をもらい、時に物語に知恵を授かり、時に物語の中の力を探し求めた。
ギルガメッシュはこの書を作るように神託を授けた時の女神に大いに共感し、当時持てる技術を最大限に使って市民や隣国にも広めていった。
今では立派な最古のリンクオタクである。
また様々な神話、史実問わず、後世に名を残す英雄たちの物語においても「ゼルダの伝説」という物語は大きな影響を与えている。
「ゼルダの伝説」を知らぬのは産まれたばかりの赤子だけ。なんて言ったのはどこの国の首相だったか。
古今東西、数えるのも馬鹿らしいほどの二次創作やファンアートが存在し、技術が追いつき「ゼルダの伝説」に登場した船や機関車が現代に完成したときは、この物語は預言書だったのではないかと言う者までいた。
これは希望である。と、とある英雄が言い。
これは私を救ったのだ。と、とある哲学者が言い。
これは愛を教えてくれた。と、とある神が言った。
それ程までに世界に愛されている物語の主人公――――それが勇者リンクである。
「所長はどの話が好きなんですかー?私はどれも好きなんですけど!」
「私だって全ての話が好きよ!というか、優劣を付けること自体が間違っているわ」
「おお・・・立派なファンの鑑・・・」
歩き続けると教会跡にたどり着いた。
小休止。レーションを囓りながらマシュに話しかける。もう骸骨兵ならなんなく捌けるようになった後輩に。
「ねぇマシュ、マシュは私がマスターでよかったの?私魔術なんて使えないよ」
「もちろんです。わたしに不満はありません。先輩はこの春NO.1のベストマスターではないかと」
「へへ・・・照れますなぁ」
「――――!ごめん、話はあと!すぐにそこから逃げるんだ三人とも!」
びり、と空気が震える。
考える前に視線がそちらを向いていた。
黒いドレスを纏う人影。武器を携え、不気味な笑みを崩さない
人を殺すカタチをしている。あれは、あれは――――。
「サーヴァント・・・!」
「っ、戦闘準備!」
女―――ランサーが視界から消える。瞬間、鈍い音が響き渡る。
間一髪盾で攻撃を防いだマシュは、ランサーが後方に飛び退いた隙に体制を戻した。
土煙と共に振るわれる鎌の攻撃を防ぐ、捌く、はじき返す!
「所長!私、私にできることは・・・!」
「落ち着きなさい!貴方の着ている服は魔術礼装と言って、限定的ですが魔術を使用することができます。それを使ってサポートするのよ!」
背後にかばわれた立香は、オルガマリーの説明を吹き飛びそうな思考に叩き込む。
視界の端で地面が抉れた。瓦礫が吹き飛び、轟音が耳を痛める。その戦闘の激しさをまざまざと思い知らせてくる。
それでも。
「緊急回避!」
「!」
鎌を受け止めた瞬間、マシュの姿が消える。
体重をかけていた相手が居なくなったことによりランサーがわずかに体制を崩す。背後に気配。
一秒、反応が遅れる。でもそれで十分。
「はああ!」
無防備な背に重い盾を叩き込む。断末魔を上げてランサーは消滅した。
それでも、死にたくないから生きるよ。私は貴方の手を握ったことを、絶対に後悔しないよ。
オルガマリー・アニムスフィアは未熟である。
カルデアの所長としても、魔術師としても、アニムスフィアの家長としても。
それなのにプライドは一人前で、皆に認めて欲しくて、認められたくて、泥の中でもがいていた。
ある日、とあるセラピストがカルデアに就職した。元々は別の場所に行く予定だったのだが、なぜか直前で変更されてここに来たのだ。決定されたのは前所長の時の事だったので、疑問を持つ暇もなかった。
彼女はこう言った。
「オルガマリーさん。貴方が感じている無力感も承認欲求も、なにもおかしなことではありません。人として当然のことです」
「・・・わたし、どうすればいいの?もう何もわからない・・・」
「まずは、自分の事を認めてあげましょう。焦らなくても大丈夫です。貴方が貴方自身のことを、まずは許してあげましょう」
出来ないことはできない。出来る人に任せよう。
出来ることは出来る。完璧に仕上げよう。
職員にねぎらいの言葉をかける。叱責だけでは人は動かない。ロマニやレフやダ・ヴィンチに頼る。
人によっては簡単なひとつひとつが、オルガマリーには酷く難しかった。
それでも。
セラピスト――殺生院キアラに励まされながら、オルガマリーはなんとか持ち直した。
あの爆発が起きるまでは。
「ボクが作戦指揮を任されているのは、ボクより上の階級の生存者がいないためです」
「――――状況は理解しました。コフィンにいたマスター適正者は?」
「47人、全員が危篤状態です。医療器具も足りません」
「すぐに冷凍保存に移行しなさい。蘇生方法は後回し、死なせないのが最優先です」
冷や汗で寒い。
胃がキリキリと痛む。
重い重い責任を背負ってしまった。もう後戻りは出来ない。
それでも。
明らかに空元気な元一般人、現マスターの一人よりも取り乱すなどアニムスフィアの矜持が許さない。
こんな異常事態でも歩み寄ろうとしてくる少女の手を拒めない。
目に見えて強がっている少女――立香(と呼んでくれと言われた)が真っ直ぐ立っているのに、自分が膝をつくなどどうして出来ようか。
オルガマリー・アニムスフィアは未熟である。
人としても、魔術師としても。みっともなくて泣きたくて。悔しい悔しい叫びたい。
「・・・・・・そう。未熟でもいい・・・・・・仮のサーヴァントでもいい・・・・・・。そう思って宝具を開いたのね、マシュ」
真名を得て、自分が選ばれる者に――――英雄そのものになる欲が微塵もないこの少女が戦っているのに。
「あーあ、とんだ美談ね。御伽噺もいいところだわ」
オルガマリー・アニムスフィアは知っている。
世界を救うのはいつだって、小さな誰かの勇気なのだ。
美談でもいいと笑っている、御伽噺の勇者達が、皆それを教えてくれる。
だから――――歩みだけは止めないと決めた。無様でも生きていくことを決めた。キアラに、ロマニに、ダ・ヴィンチに、レフに。もうわたしは認められている。
マシュ・キリエライトはデミ・サーヴァントになった。
運命がひっくり返って、人理が滅茶苦茶になって、マスターを手に入れて、宝具を展開した。
「構えるがいい、名も知れぬ娘。その守りが真実かどうか、この剣で確かめてやろう!」
「来ます――――マスター!」
他者の事に、己の事に。思考のリソースを割けるほど、マシュ・キリエライトは精神が熟していなかった。
だからそれを初めて知ったのは、黒きセイバーが剣を振りかぶった時である。
「卑王鉄槌。極光は反転する。光を呑め!
「宝具、展開します。――――うああああああーーーーー!」
盾が展開される。未熟な、それでいて堅牢な盾が。
光の濁流が全てを飲み込んでいく、圧倒的な質量が敵意を持って襲いかかる。今までのどの敵よりも強かった。
盾が揺れる。
「マシュ!」
「せん・・・ぱい・・・?」
立香の手が右手に重なる。緊張で冷たくなった手は嫌でも現実を思い知らされた。
「大丈夫!」
「――――」
「大丈夫。一緒にいる!絶対勝てる!」
己に言い聞かせるような言葉だったのに、なぜかマシュの頭をがあんと打った。
何を勘違いしていたのだろう。この人は、先輩は、本当に普通の人で――――。
「立香!」
オルガマリーが反対側の手を握った。震えていた。でも声はその場に凛と響いた。
「令呪を使いなさい!マシュをサポートするの!」
「はい!令呪をもって命ずる――――」
わたしは。
わたしは?
わたしは――――?
マシュ・キリエライトは考えはじめる。彼女の人生は、正しくここから始まったのだ。
「マシュ、セイバーに勝って!」
「ああああああああーーーーーー!」
マシュ・キリエライトは考えはじめた。人間の事を、自分の事を、世界のことを。
「これが聖杯・・・」
「――――!?下がってくださいお二人とも!何か来ます!」
マシュ・キリエライトは考えた。
既に聖杯戦争は終わり、聖杯は一人のマスターの手に渡った。
つまりは特異点は修復され、大空洞は空間と共に崩壊を始める。
「―――先輩。聖杯に願ってください。所長の蘇生を、私たちの帰還を」
「うん、聖杯よ――――」
マシュ・キリエライトは、レフ・ライノール・フラロウスとオルガマリーが話している最中に小声でマスターに指示を出した。
それはマシュに譲渡された英霊の本能だったのかも知れないし、マシュという試験管ベビーが今までに貯めてきた知識から出した答えだったのかもしれないし、毎日のように読み込んでいた物語の勇者達ならこうすると思ったからかもしれない。
歯車は動き出した。もう誰にも止める事はできない。
でも後悔はしない。生きていてほしいから。生きていたいから。わたしの人生に、貴方たちが必要なんだ。
天啓のように意志はうまれた。光が3人の少女を包み――――――。
前回までのあらすじ:爆破オチ
いやなんでもう本編始まってんのあんな夢見せられたらまだ猶予があるんだなって思うでしょ前がそうだったんだからていうかもう所長死んでるじゃんAチームだってぐっちゃん先輩とかどうすんのどうしようもねぇ主人公がレイシフトする時には動かないと時間!時間をくれ!まだ何も決まってねぇぞ!(ここまでの思考時間一秒)
という文句をぐっと飲み込み、時の勇者はまず隣を見た。初代の見解を聞くために。
「・・・抑止が何も言ってこない」
「え?俺達は動かなくていいってことですか?駄目でしょ」
本来は英霊の座から現世の様子を見るのは不可能だ。代わりに座にいる英霊達はわりかし交流している。お料理教室を開いたり、メールでやり取りしたり、召喚された時の記憶を酒の肴にしたり。
一方リンク達はトライフォースの力で現地を見れる。抑止の手も及ばぬ
そうでなくとも今回は時の勇者が予知夢している。なればこれは相応の緊急事態。なのに呼ばれる様子も無いということは――――。
「ぼくたち以降の英霊で対処できると・・・。そう考えているようだけど」
「じゃあこっちも勝手に動きましょう。座を通らなければ抑止にもバレませんよね」
初手から裏コマンドである。
しかし誤解しないでほしい。これは必要な処置である。なぜならこのままだと所長が死ぬからだ!
ちなみにFGOのオチは2部5章まで知っています。地球国家元首とかね、よくないよ。うん。
『システム レイシフト最終段階に移行します。
座標 西暦2004年 1月 30日 日本 冬木』
画面の向こうで炎が暴れている。無事なのはカルデアスだけだ。
「冬木。誰を送ろうか。ファイ、どう思う?」
「目覚めの勇者はどうでしょうか。彼はマジックマントを持っています。情報収集に徹せられるかと」
『アンサモンプログラム セット。マスターは最終調整に入ってください』
俺が見た・・・、もとい話したのは「人理が崩壊すること」「カルデアの人達だけが生き残ること」「犯人はソロモンを名乗っている」ということだけだ。
ソロモンの目的や中身まではまだ分らないので(俺は知っているけど)この判断に異論は無い。
下手に動いて未来が変わりすぎたら困るし、主人公やマシュの成長にもならないだろう。
俺たちはもう過去の死者。勇者だからといって、出しゃばりすぎてはいけない。
『適応番号48番 藤丸立香 を マスターとして 再設定 します。
アンサモンプログラム スタート。霊子変換を開始 します』
藤丸立香と呼ばれた少女と血に塗れた少女が手を取り合っている。
火の粉に煽られながらも、堅く堅く握りしめていた。
「ぼくは一度席に戻るよ。ファイ、他の勇者への通達は」
「既に」
「では後は目覚めの勇者に任せましょう」
『全行程
炎に蹂躙された市街地に、一人の少年が降り立った。
少年はあたりが無人であることを確認し、赤いマントを背に羽織る。――瞬間、その姿は見えなくなる。透明化、というシンプル故に無敵の道具である。気配で察せる?トライフォースの隠蔽力をぶち抜ける存在なんて(現状は)いません。
○奏者のお兄さん まずカルデアの子達を探してください
○海の男 多分だけど現地民いないよ
○小さきもの ハ?勝手に世界滅ぼすの止めて欲しい
○バードマスター それ
人理が燃えてても特製通信機器による配信は順調だ。まあ電波で動いている訳ではないので。
さて自己紹介を始めよう。
少年の名前はリンク。人々には目覚めの勇者と呼ばれている。
封印戦争後のお話「神々のトライフォース」と「夢をみる島」の主人公だ。今のブームはモンハン。新作楽しみだね。
しばらく瓦礫の山を越えながら崩壊した街を歩いていると、二人の少女を見つけた。早速スネイクを始める。
「――・・・いえ、戦闘訓練はいつも居残りでした。逆上がりもできない研究員。それがわたしです。わたしが今、あのように戦えたのは―――」
「ああ、やっと繋がった!もしもし、こちらカルデア管理室だ、聞こえるかい!?」
ピピッ、と軽快な音を立てて声が割り込んでくる。
青年の名はロマニ・アーキマン。カルデアの生き残りの一人だ。
「わたしはサーヴァントと融合したことで一命を取り留めたようです」
融合?
カルデアでは英霊と人間を融合させる実験も行われていたらしい。魔術師の考えることはわかりませんね。
○騎士 人間は強欲なので・・・
○災厄ハンター あれって盾?盾が有名な英霊って誰だろ
スケルトンを蹴散らしながら、少女達は霊脈地に向かうようだ。後を追いかける。
道中でまた白髪の少女と合流した。彼女の名はオルガマリー・アニムスフィア。カルデアの現所長である。
・・・なんだか気配がおかしいなぁと少年は首を捻った。具体的に言うと死霊の気配がするなぁ・・・と思って思いついてしまって天を仰いだ。
○ウルフ 気のせいじゃないです。俺のセンスも反応しています
○りっちゃん 勇者特有のアイデアの高さが憎い。憎くない?
○うさぎちゃん(光) 目を背けるな!!!!現実を見ろ!!!!!所長が死んでることから!!!!!!!
○いーくん 見たくねえから背けてんだよ!!!!!魂だけで存在してるってこと?どぉして?
○バードマスター 肉体がなくなったから転移できたのか・・・
○奏者のお兄さん 個人的には助けてあげたいですね・・・。しかしどう介入したものか
三人の少女は港跡にたどり着いた。街の調査は順調なようだ。
「聖杯戦争・・・?聖杯というのは、その、伝説にいう聖杯ですか?所有者の願いを叶える万能の力。あのトライフォース、または“ねがいのぼうし”を参考にして作られたという魔法の釜?」
「ええ、その聖杯です」
○守銭奴 聖杯
○フォースを信じろ 聖杯
○銀河鉄道123 チキチキ聖杯を使って所長を助けようミッション~上手いことサポートしろリンク~
○ファイ シャドウサーヴァントですね。この地に召喚されたサーヴァント達が、聖杯の泥に侵されているようです。
○バードマスター 勝たないと進めないので・・・。手を出しちゃ駄目だよ。経験を積ませないとね
○災厄ハンター すいません今聖杯の泥って言いました?それ流していい奴ですか?
○ファイ 恐らく聖杯を守っている者の影響でしょう。排除すれば泥も消えるかと。
○海の男 泥に侵されると性格も悪くなるの?こんなんいじめですよ
死角から撃たれた魔術の光弾が泥を叩く。
青い髪のキャスターが場をひっくり返す。杖を振るい、神聖なるルーンを操る!
○奏者のお兄さん 座での交流は無かったの?
○ウルフ なんか俺ら遠巻きにされてるんですよ・・・恐れ多いとかなんとか
○うさぎちゃん(光) でもクソオタは話しかけてきます。平伏で
○奏者のお兄さん 何て?
○奏者のお兄さん いつからリンクは宗教になったんですか?ますます座に行きたくなくなりました
○騎士 俺が引きこもってる気持ち分るだろ。勝手に神聖視されるこっちの身にもなれ
○いーくん それ引きこもりじゃなくて謙虚に思われて格が上がってますよ。
○騎士 は?
○小さきもの もう何しててもリンクageなんですよ世の中は。開き直った方がいいですよ
そうこうしている内にマシュの修行が終わり、天然と人工の鍾乳洞を進む。
話題はセイバーのサーヴァントに移ったようだ。後ろをついていきながら耳を傾ける。
「王を選定する岩の剣のふた振り目。おまえさんたちの時代においても有名な聖剣。その名は、」
「
「!?」
言葉の続きを並べたのは侵入者を睥睨するアーチャーであった。
広まった場所で待ち構える、その目は殺意に満ちている。
「
瞬間、ありとあらゆる剣の雨が落ちる!
キャスターが防壁のル-ンを張り、マシュが盾を構えた。地響きは洞窟を揺らし、しかし二人の少女には届かない。
○災厄ハンター まず出会った瞬間に斬り込むので撃たせないです
○ウルフ 本体を叩いた方が速くない?無視して突っ込みます
○海の男 遠距離からアイテムで殺ります
○守銭奴 盾を使え(懇願)
「考えたな花の魔術師・・・!まさかその宝具に、そんな使い
○ファイ 特定できました。マシュ・キリエライトと融合した英霊はギャラハッド卿と推定します。
洞窟を抜けると、そこには大聖杯があった。
大空洞に鎮座する、アインツベルンが製作した超抜級の魔術炉心。・・・もっとも、トライフォースという神器の足下にも及ばないが。
その正面に立ちふさがる存在がある。
アーサー・ペンドラゴン。変質してもなお、王としての格を失わない。
「―――――面白い。その宝具は面白い。構えるがいい、名も知れぬ娘」
「来ます――――マスター!」
最後の戦いが始まる。
それを横目にリンクは大聖杯へ接近する。セイバーが消失した瞬間に動けるように。
○災厄ハンター みんながんばぇ~
「セイバー、キャスター、共に消滅を確認しました」
○バードマスター (カーン)
○守銭奴 ナイシュー
「聖杯も回収しました――――!?下がってくださいお二人とも!何か来ます!」
○騎士 もうお腹いっぱいなんだが
○バードマスター ラスボスの部下的なアレですか?戦闘はいる?
「わかるかな。君は死んだ事ではじめて、あれほど切望した適性を手に入れたんだ」
「・・・・・・・・・
「何?」
「そんなこととっくに気づいている。そして―――レフ。貴方は敵なのね」
オルガマリーが震える体で、なお真っ直ぐに立つ。
それを見てレフ・ライノール・フラロウスは不愉快そうに顔を顰めた。
やはりあのセラピストは排除するべきだったか―――。昔に比べて、精神が随分安定している。
光が少女を包んだ。
「!?」
「何―――――!?・・・やってくれたな屑どもが・・・!」
特異点が崩壊する前に少女達は帰還した。後に残されたのは油断を突かれた男だけ。
舌打ち。
瞬きの合間に男も去って行った。
○災厄ハンター これは恥ずかしい
○海の男 無能乙
○ウルフ ねぇどんな気持ち?今どんな気持ち?
○奏者のお兄さん ナイスだマシュ。お兄さんが褒めてあげようね
特異点F 炎上汚染都市 冬木 定礎復元