勇者リンクS’の人理修復配信RTA   作:はしばみ ざくろ

54 / 117
眼鏡イベント良かったね。


あわよくばきみの眷属になりたいな

「・・・・・・ったく。また来たぞ。宝具を好き勝手にぶっ放せりゃあな」

「ここは街中です。すみませんが、短気は抑えて下さい」

「わかってるよ盾ヤロウ。ああもう、何か、おまえに言われると変な気分だ」

「待ってください。盾ヤロウ、とはわたしの事でしょうか・・・!?」

 

この程度の戦闘は手慣れたものだ。

それでも、次々に来られると辟易してしまう。

 

「あー?だって盾ヤロウだろ、おまえ。盾で守って、盾でぶん殴ってるんだから。それとも盾オンナの方がいいか?」

「モードレッド卿、彼女の名前はマシュ、ですよ。妙な呼び名を付けては失礼です」

「うるせーぞ槍ヤロウ!黙って敵を片付けてろ!」

「(反抗期の兄と妹・・・?)」

 

場所がロンドンならば―と挙手をしてきたパーシヴァルを加えて、一行は敵を蹴散らしつつ進む。

左右からの挟撃(きょうげき)を狙ってきた敵を、二手に分れることで押しのけた。後に、マシュがおずおずとモードレッドに声を掛けた。

 

「・・・あの、少しだけお話し、良いでしょうか。・・・・・・ええ、と」

「何だ。ハッキリ言え。言いたいことがあるならまず言えって」

「・・・・・・はい。あなたに質問があります。あなたは、何故、ここで戦っているのですか?」

 

その言葉に、立香とパーシヴァルも視線を向ける。

 

「ミスター・ジキルは故郷の都市を守るため、と。では、あなたは何のために――」

「父上の愛したブリテンの都市、ロンディニウムの危機に馳せ参じた。に決まってるだろ?」

「ええ、と・・・その・・・・・・。はい、それはそうなのでしょうが・・・」

 

言葉を選ぶように、マシュが視線を彷徨わせる。

マシュが何を言いたいのかをかすかに理解して、パーシヴァルは胸中で苦い顔をした。

 

「怒らないで聞いて欲しいんですが、何故か、私・・・・・・何か・・・違うような気がして」

 

それはマシュの中に居る、サーヴァントの言葉だったかもしれない。

モードレッド卿がそんなに素直で安直な理由で来るわけないだろう、という経験則からの。

 

「・・・・・・ったく。わかったよ。ジキルにも言ってねぇんだけどな、コレ」

 

まあ盾ヤロウ(コイツ)は気づくかもな。

モードレッドはいっそ軽快な笑みを浮かべて、朗らかに言った。

 

「オレは――ああ、そうだ(・・・)。このオレは、オレ以外の奴がブリテンを穢すのを許さねぇ。父上(アーサー王)の愛したブリテンの大地を穢してもいいのは、このオレだけだ。それだけは、他の誰にも任せやしない」

「・・・・・・」

「モードレッド卿・・・・・・」

 

絶句する立香と、難しい顔をして眉間を揉むパーシヴァル。

そんな2人を見て、モードレッドは得意げに笑った。

 

「貴公がそういう人格で・・・そのような性質の英霊であることは理解していたつもりだったが・・・・・・」

優等生(イイコ)ちゃんにはわからねぇかもな。ま、安心しろ。見つけた聖杯はおまえたちにくれてやるぜ」

「いいの?」

「ああ。オレは叛逆の騎士モードレッド。でもな、今回は特別に守る側に回ってやる」

 

目を閉じれば思い出す。

欲と憎悪に満ちた母の顔。理想の王ではあったけれど、父ではないと拒絶したヒト。

飢えと戦で傷ついていく大地で、人々が縋っていたのは聖杯ではなく、たった数冊の小説。

誰も彼もが、勇者の再来を待ちわびた。けれどこの地に君臨しているのは、魔王ではなかったから。

 

「ようやく持ち主に相応しいのがやってきたんだ。聖杯はくれてやるよ」

「??」

「卿、貴公は・・・」

「それ以上言うな。お喋りはこのへんで終わりだ。蒸し返すなよ」

「――ええ。マスター、敵が接近しているようです」

「了解。マシュ、行こう」

 

そうあるべきと造られた。我こそは叛逆の騎士。予言通りにブリテンを穢して死んだ。

けれど、それは生前の話だ。

悲しいかな。あの物語のすごさに気づいたのは、勇者の偉大さに気づいたのは、死んでサーヴァントになった後。

いつかの誰かと、駆け抜けた聖杯戦争の最中。

選定の剣を抜けただけ(・・・・・)じゃ駄目だったのだ。あの人は理想の王たらんとして、振る舞っていただけのヒト。

 

「よっし、到着したな。このでかい建物がヴィクターのじいさんの屋敷だ。ジキルみたいな半端な奴とは違って、正真正銘の魔術師だから気を付けろよ」

 

大きな門ごしに見る限りでも、結界やらトラップやらが所狭しと仕掛けられている。

これではサーヴァントでも痛い目を見るだろう。なかなか、肝の据わりすぎた用心深い老人が住んでいるらしい。

 

「まずは入り口の扉だ。ほら、見ろよ。でかい扉の―――、・・・――クソ、遅かったか」

「マスター、私の後ろへ。サーヴァントです」

「あれは道化師(ピエロ)・・・?不思議な格好・・・」

 

大柄で威圧感のある男が、建物の入り口に立っていた。

角の生えた帽子に、紫の髪。原色だけを使った奇抜な衣装。青い口紅の塗られた唇が、軽薄に歪んでいる。

 

「おい、そこのカカシ。それともリビングスタチューか?どっちでもいいや。おまえさ、アホみたいに匂うぞ。血と臓物と火の匂いだ。後、じいさんの好きだった元素魔術の触媒」

 

モードレッドが剣を構えた。パーシヴァルが槍を向け、マシュがサポートできる位置に動く。

三騎から警戒と殺気を受けても、男の笑みが崩れることはない。

 

「殺したな、おまえ。ヴィクター・フランケンシュタインを」

「ええ、はい――ああいえ、どうでしょうか。少しお待ちくださいませ。確かに、確かに。かの老爺は二度と口を開かず歯を磨かず物を食べず、息をしないでしょうけど」

 

くるくると目玉が動く。

ぺらぺらと口が回る。

 

「ええ、ええ、有り体に言えば絶命しているのでしょう。残念なことです。彼は「計画」に参加することを最後まで拒んだ。しかししかし。だが、けれどもしかし。誰がヴィクター・フランケンシュタインを殺したか?」

 

大げさに手を広げ、政治家のように明るく語る。

憂いたように肩を落とし、沈痛な面持ちで語る。

 

「それはとても難しい質問かもしれません。何故なら、彼はひとりでに爆発した(・・・・・・・・・)のですからね!」

「・・・・・・ッ!」

『爆発・・・!?』

「おやおや。美しいお嬢さんを怖がらせてしまいましたか?これは失礼いたしました。わたくし、見ての通りの悪魔でございます――というのは冗談でして、ご期待に背くようで残念ですが、英霊にございます」

 

人をおちょくり絶望に落とす。当たり前のように裏切って殺す。

まさしく悪魔。最悪の悪魔!

 

「貴方様と同じくサーヴァント。クラスはキャスターでございます。・・・・・・おや?おやおや皆様、おわかりでない?」

「もういい、黙れ」

「いえいえ、おわかりでしょう。何故わたくしこうも容易くクラスを明かしたか?この聖杯戦争ならぬ聖杯戦争では道理というもの。少なくとも、そちらのお嬢さんはおわかりでしょう!」

 

けたけたけた、悪魔が笑う。

勝っても負けても怪人は困らない。

人心をかき乱し、顔を歪ませ、その愉悦に浸れれば!

 

「遭遇!すなわち即座の総力戦!我らはマスターなきサーヴァントなれば、およそ地上に在って最強の戦力と呼べましょう。しかし・・・そちらには哀れにもマスターがいる模様。ようくお守りなさい。でなければ、あっという間に・・・・・・」

「御託はいい。そのニヤけた口元を今すぐに()めろ」

「はい?」

「ニヤニヤニヤニヤと!鬱陶しいんだよ!ジジイを殺るのがそんなに楽しかったのか!」

 

苛立った顔のモードレッドが、地面を踏み鳴らした。

鈍い金属音が男を責める。悪魔はこてりと首を傾げて、邪気のない声で言った。

 

「まあ、ええ。我らの計画を拒む者なれば、まあ、言ってみれば仕事のようなものでしたので」

「計画・・・?」

「ねばならない、というのは、また、これでなかなかに厄介なもの。ええ、実に。ですがそれでも、極力、楽しむ。仕事をたのしむ。そのためにあれこれ苦心しましたから。最後の瞬間のあの、表情。生から死への切り替わりを理解してしまった人間の顔!」

 

段々と大きくなっていく声が、怪人の感情の高ぶりを表している。

 

「絶望!嘆き!ああ!それこそが――!というわけで、まあ、ええ――――退屈しのぎ、程度には?なりました、でしょうか?」

「・・・・・・そうか。移民だろうが何だろうがあのジジイもブリテンの民だ。いいか、それを、テメェは・・・無断でオレのもの(・・・・・)に手を出した。後はわかるな?」

「はて?」

「おまえを殺す、って言ってんだよ。道化野郎!」

 

言い終わる前に悪魔が飛び退く。

煽るような大げさな仕草。

 

「いやはやなかなか!殺しますか、私を!殺せますか、私を!貴方様は血の気の多いお人であるようだ!よろしい、ええとも、ではご期待には応えましょう!せいぜい、爆発にはお気を付けくださいませ!我が宝具は既に設置済み!」

「・・・!マシュ!防御を!」

「我が真名メフィストフェレスの名に懸けて!皆様を面白可笑しく絶望に叩き込んでくれましょう!」

 

モードレッドが魔力放出でメフィストフェレスに飛びかかるのと、パーシヴァルが立香から飛び退くのはほぼ同時だった。

破裂音が耳を劈く。マシュの盾の中に庇われた立香は、爆風に肩をすくめた。

 

「時に煙る白亜の壁――。マスター、ご無事ですか?」

「うん・・・何がおこったの」

「モードレッドさんとパーシヴァルさんの付近・・・体内・・・?で、爆発が起こったように見えました」

『霧のためか敵の能力なのか、感知不可能!立香、マシュから離れないで!』

「了解・・・!」

 

爆発により加速を止められたモードレッドが、忌々しそうに舌打ちをした。

 

「パーシヴァル!敵を引きつけろ!」

「了解!守護騎士(聖槍)(こちらへ来い)!悪魔!」

「イヒヒヒヒ!お言葉に甘えてェェェ!」

 

刀剣のように鋭く、刃の異様に長いハサミがパーシヴァルを切り刻むために振るわれる。

槍で捌き、弾いて、胸を貫くための突きは、感じた悪寒にすんでの所で止められた。

 

「イヒヒヒィ! ヒヒ、勘がよろしいことぉ!」

「くっ・・・!」

「さァァて! ご覧あれ!微睡む爆弾(チクタク・ボム)!!」

「させるかよ!!」

 

フィールドに仕込まれた宝具――微睡む爆弾(チクタク・ボム)

魔術回路やサーヴァントの霊基に意図的なバグを仕込み、衝撃を与えることで破裂させる呪術の一種だ。

呪いに対する耐性で判定を行うため、パーシヴァルもモードレッドも体内のものは一つしか爆発しなかったが、フィールドに設置された分は別だ。いつの間にか周りを囲まれている。

 

「オシリスの塵――。モードレッド、お願い!」

「おうよ。くたばりやがれ!ゲス野郎!」

「ヘェーッヘヘヘヘヘェ!」

 

呪術などものともせず。モードレッドが踏み込む。

突撃、一閃!道化師の首が落とされた。

怪人の体がぐらりと傾き、倒れる。同時に宝具も消えていく。

 

「ふふふはははっ死は終わりではない死は消滅ではない死はぁ――――」

「マスター、無事ですか?」

「うん、マシュが守ってくれたから大丈夫」

 

メフィストフェレスは笑っている。悲しそうに嬉しそうに。

 

「実に、実に・・・口惜しい・・・・・・!今回の現界ではそれほど楽しめませんでしたね・・・。やはり、マスターは必要なのでしょう・・・。そう、マスターとサーヴァントの絆の力がどうこう・・・ではなくて。ええ、そうではなくて」

「・・・・・・」

「切なる願いを叶えると決めたマスターに子供1人くらいは手に掛けさせなくては、ね。聖杯戦争の醍醐味を味わえないというもの。ああ、貴方様が妬ましい・・・盾のサーヴァント・・・」

 

突然水を向けられて困惑したマシュを庇うように、パーシヴァルが立つ。

モードレッドが剣を向けても、怪人の口は止まらない。

 

「貴方は、これから先、幾度でも・・・・・・。マスターを裏切り、絶望へ落とす機会がある・・・・・・!なんと・・・妬ましい・・・!」

「黙れ」

「そうだね。悪魔にこんなことを言っても無駄だと思うけど、負け惜しみにしてはみっともないよ」

 

涼風のような声が、淀んだ空気を吹き飛ばした。

霊子の粒となって消えていく、悪魔を見送る者は誰もいない。女性とも男性とも思われる声に、皆一斉に意識を向けたからだ。

 

「こんにちは、皆さん。こんばんは、かもしれないけど」

「・・・・・・ええと、こんにちは・・・・・・?」

 

金髪青目の佳人、青髪青目の少年、銀髪ゴスロリ少女、白いドレスを着た虚ろな瞳の少女が、現れた!

 

 

ウルフ 一応理由を聞いていいすか。なぜ女性に?

 

 

ぼくがリンクだって分かったら、頼り過ぎちゃうかもしれないから。スキルを使って性別をあやふやに見せてるよ

 

 

災厄ハンター 俺もそのスキル持ってるんですけど

奏者のお兄さん 俺も・・・・・・

うさぎちゃん(光) ボクも持ってる

フォースを信じろ 性別を誤認されたことのある三銃士!!

 

 

「まず伝えなくてはいけないことがあります。ヴィクター博士は生きてるよ」

「えっ」

「あのサーヴァントが屋敷を襲っているところに、ぼくたちが通りかかってね。博士を死んだふりで逃がしたんだ。その際に託されたのがこの子、人造人間のフランちゃんです」

「ちょ、ちょっとまって。早い早い。話が早い」

 

金髪の佳人にくっついている桃髪の少女は、人造人間らしい。人造人間?

確かにその情報も大事だが、その前に聞かなきゃいけないことがある。立香は両手をぱたぱたと振って、少女達に尋ねた。

 

「貴女たちは、サーヴァントでいいんだよね。フランさん・・・はともかく」

「そうだよ。ぼくはキャスターさ。そしてこっちが――」

「ハンス・クリスチャン・アンデルセン。なかなかいい戦いぶりだったぞ。円卓の騎士の名は伊達ではないな」

「こんにちは、素敵なあなた。夢見るように出会いましょう?わたしはわたし(アリス)。ナーサリー・ライム」

 

 

災厄ハンター まあいいんじゃないすか。女性のほうが有利なときもあるし

フォースを信じろ 淑女の服を普段着にしてたタイプの勇者!!

奏者のお兄さん 確かにマスターも女性の方が安心することもあるだろうし

海の男 顔の良さで人生を乗り切ってきたタイプの勇者!!

うさぎちゃん(光) リンクが美しいのは世界の共通認識なので

いーくん ドレスを堂々と着れるタイプの勇者!!

 

 

いろんな勇者が居るよね!カルデア以外には折を見て言うよ

 

 

取りあえず、落ち着くためにもジキル博士の所に帰ることになった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。