「初めまして。僕はセイバー、アーサー・ペンドラゴン。異なる世界よりこのロンドンに辿り着いた、来訪者だ」
「つまり男の父上か。よろしくな!」
「異世界・・・。理の勇者や次元の勇者と同じように、役目をもって降り立った異邦の旅人、ということですね」
「そっか~よろしくね!」
○騎士 理解が高速
○ウルフ そういう概念が浸透してるの、助かる
○りっちゃん 急に名前出されるとびっくりするな
○うさぎちゃん(光) わかる
立香、マシュ、モードレッド、アーサーの四人は
リンクはアーサーが居るなら大丈夫だろうと、フランを送り届けるために一時離脱している。
「地面の下に地下鉄ってのがあるとは知っていたが、まさかさらに下があるとはな」
「しかもこの魔霧の濃度・・・。深く潜るごとに強くなっているようだね」
『こちらからは観測できないが、視認できるほどに濃度が上昇しているとなると・・・・・・』
『バベッジ氏の言葉は事実なのでしょう。こうして、確かに地下への通路は存在しているのだし』
○災厄ハンター 地下かぁ
○奏者のお兄さん ・・・闇の神殿を思い出すな
「そっちじゃこの地下通路、経路を追えないんだな?」
『すまない。記録が残っていない以上、君たちには探索してもらうしかない』
「知られざる地下の迷宮・・・。・・・ちょっとワクワクするね」
「わかります先輩。
誰も知らない場所にこそ、伝説のお宝が眠っているものなのだ。
迷宮の冒険は地中海でもオケアノスでもしたが、前者は女神の試練、後者はサーヴァントの宝具だ。
実は昔からあった謎の地下通路、これはちょっと胸の高鳴りが違う。周りを警戒しながら、立香達は進む。
『ミスター・バベッジの言葉が正しければ、巨大蒸気機関が存在しているはずです』
「ロンドンに満ち渡る魔霧の発生源。聖杯を動力にしたという、大型の機械だね」
巨大蒸気機関アングルボダ。
異常なほどの魔力に満ちた霧の存在と、その蔓延。サーヴァントの感知能力を狂わせ、カルデアからの各種観測を阻むほどの異常な状況。
聖杯の力を以てすれば、なるほど。可能ではあるのだろう。
「魔霧からサーヴァントが現界する、という仕組みについても説明は付きそうですね」
『ええ。聖杯を機械に組み込むことで、英霊召喚の機能が魔霧に付与されてしまったのでしょう』
「しかし、アングルボダと来たか。大層な名前だぜ」
先頭を行くモードレッドの足取りは軽い。
このアーサー王が自分の知っている方だったら流石に緊張したが、そうでないのでセーフである。
「アングルボダ?」
『北欧神話の神性さ。フェンリルや世界蛇、死の女神などを生み出した存在だ』
「ロキとの間にな。とんでもねー女巨人だ。まあ神性持ちの女なんて大概厄介か。な!男の父上!」
「・・・・・・ノーコメントで」
○海の男 こらこら
○騎士 煽りよる
「――おっと、敵か」
「数が多いな。みんな、油断しないように」
一層目、二層目、三層目、四層目――――。
地下数百メートルを潜っていく。魔霧はどんどん濃くなって、やがて発生源に辿り着いた。
おどろおどろしい気配が立香達を出迎える。邪悪と絶望を煮詰めた、行き止まりの牢獄。
「何だ、こりゃ・・・?」
「・・・冬木の大聖杯に酷似していますね。凄まじい魔力です」
魔霧の中にあってもなお、その存在を感じる。
息が詰まりそうなほど巨大な魔術炉心。
『こちらでも観測しているよ。これは凄いな・・・』
「総員、警戒を。どうやら最後の敵がお出ましのようだ」
気配薄く。
魔霧の中から男が現れた。
「―――奇しくも。奇しくもパラケルススの言葉通りになったか。悪逆は、善を成す者によって阻まれなければならぬ、と」
一歩、一歩と、近づいてきた。痩せぎすの男。青い髪の下は、光を感じられない暗い瞳。
アーサーとモードレッドが剣を構える。
「巨大蒸気機関アングルボダ。これは我らの悪逆の形ではあるが、希望でもある。ここでおまえたちの道行きは終わりだ。善は今、悪逆によって駆逐されるだろう」
「ほとほと御託が好きな連中だ。語るな。ここで終わるのは、おまえの命だ」
○災厄ハンター なんでみんな顔色悪いのかな
○ウルフ 日光を浴びてないから
○災厄ハンター 先輩がそれ言うとマジレスなんすよ
「英霊モードレッド。円卓の騎士の十三人目にして、音に聞こえし叛逆の騎士か。おまえはこちら側にいるべき存在だと思ったが・・・」
「冗談!気色の悪いことを言うんじゃねぇ!」
「あなたが「M」?」
「私はマキリ・ゾォルケン。この魔霧計画に於ける最初の指導者である」
マキリと呼ばれる一族の出身。
どこかの世界では間桐臓硯と名乗ることになる、とうの昔に人間を止めた「蟲」である。
「この時代――第四の特異点を完全破壊するため、魔霧による英国全土の浸食を目指す、ひとりの魔術師だ」
『英国全土!?ロンドンだけじゃないのか!流石に、それは・・・難しいと言わざるを得ないぞ・・・』
「ロンドンのみの破壊では物足りぬ。この時代を完全に破壊することで人理定礎を消去する。それこそが、我らの王の望みであり、我らが諦念の果てに掴むしかなかった行動でもある」
・・・諦めてしまったのか。この男は。
諦めてしまったのだろう。この男は。
折れてしまったのだ。
「あなたはレフの仲間?」
「最早、語るに及ばず。アングルボダは既に暴走状態へと移行している」
魔力が立ち上る。
世界を覆い尽くすために。すべてに終焉が充ちるために。
「さあ、見るがいい。我らの望む英霊は、間もなく魔霧より現れ出でる」
「させるかよ。おまえを殺して、アングルボダを叩き壊す」
「・・・マスター、彼は人間だ。魔術師だよ」
「! サーヴァントじゃないの?・・・どうして?」
彼もまた、メディアのように敗北したのだろうか。
パラケルススのように、屈してしまったのだろうか。
己の限界を知って、立ち止まってしまったのだろうか。
それとも――――。
「無論。抗おうと試みた。だが、すべては無為と知った。私があまねく人々の救済を望んだとしても、既に、人々の生きるはずの世界は焼却されている。過去も、現在も、未来も、我らが王は存在を許さないと決めてしまった」
すべては未到達のまま滅びる。王の意のままに。王の手の中で。
誰も望んでいないのに!
「いいや、これ以上は言うまい。我らが王の力を以ておまえたちを消去する。最後の英霊を目にすることなく、おまえたちは死ぬ。破滅の空より来たれ。我ら魔神――」
マキリの姿が歪む。
現れしは、天を突き破るかのような肉の柱。世界を見下す赤黒い目玉。マキリ・ゾォルケンの中にある、醜さそのもの。
己が未来を見せられて、狂ってしまった男の末路。
「何だ・・・!?この気配、質量と魔力・・・!!」
「魔神の召喚・・・!これまでと同様です!」
「七十二柱の魔神が一柱。魔神バルバトス――これが、我が悪逆のかたちである」
人々を救わんがために肉体を捨て、しかしいずれは腐敗してしまうことが確定している魂の現し身。苦痛に耐えきれなかった妖怪の果て。
善を、他人を、己すらを、嘲笑う醜悪の極み。
「マスター!戦闘開始です!」
「うん!行こう!」
敵の目玉に魔力が集まる。地面を抉りながら襲い来る光線を、騎士達は避け、立香はマシュが守る。
モードレッドの剣に赤雷が集まった。轟いて肉柱に叩き込まれる。
のたうち回るように魔神が蠢いた。蟲が集るように魔力が吹き上がって、損傷した部位を修復していく。
「げぇ!?気持ち悪ぃ・・・!」
「蟲・・・?――っ!」
ギョロ。ギョロ。
凝視。
灼けるような熱さを感じて、マシュが苦痛の声を上げる。
「マシュ!?どうしたの!?」
「攻撃を・・・受けたようです。これは・・・火傷・・・?」
皮膚が爛れてふくれていく。
状態異常を付与されたようだ。・・・現代人には見なれないだろう。
○守銭奴 グロいグロいグロい
○フォースを信じろ キツイキツイキツイ
『立香、礼装で手当を!落ち着きなさい!』
「は、はい・・・!イシスの雨!」
「先輩・・・ありがとうございます・・・!」
「マシュ!来るぞ!」
一点集中で攻撃していた騎士達が、異変を感じて後退する。
バルバトスの十字の目玉から不気味な光が溢れだした。
何も救わない、何も肯定しない、ただただすべてを焼く魔神の権限。
「アーサー!モードレッド!」
「仮想宝具、展開――――」
騎士達が円卓の盾まで下がる。
マシュは気づいていないけれど、アーサーもモードレッドも分かっている。
そこにいる気高き存在を。それを受け継ぎ、受け止め、ここに立っている強き騎士を。
〈焼却式・バルバトス〉
地下を茹で上げる灼熱の閃光。
人間など一瞬で融かしてしまう死の熱線。
でも立香には、最高の騎士が付いているから。
「
アーサーは一瞬、目を奪われた。
今を生きる人々を守る、懐かしき白亜の城よ。
――ああ、ギャラハッド。そこに居るんだね。
「マスター、魔力を!決着を付けよう」
「わかった。――令呪をもって命ずる。アーサー、私たちに勝利を!」
これこそが、星を救う輝きの聖剣。
アーサーの周りに光の柱が現れた。
強力な武器というものは、ここぞという時に使うものだ。
「マシュ、見ていなさい」
「アーサーさん?」
「彼の勇者には及ばぬだろうけど。この剣をもって、君たちを助けよう。
○災厄ハンター そのかっこいいのなに!?!?
○ウルフ オイオイオイ詠唱最強かよ
「───承認。ベディヴィエール、ガレス、ランスロット、モードレッド、ギャラハッド」
○海の男 マスソにもあれ付けて
○ファイ サポート外です
「是は、世界を救う戦いである」
「承認」
○うさぎちゃん(光) ところであの人だれ?
○奏者のお兄さん 異世界のマーリン(女性)
光の柱が、承認に呼応して消滅していく。
「
両手で振り上げて、放出。
超高密度の光の断層による究極の斬撃。
眩く、しかし美しい金色の奔流が魔神を消し飛ばした。
〈オ、オオ、オオオオオオオオオ――――〉
この断末魔は誰のものか。
魔霧を吹き飛ばし、霊核ごと肉柱は消滅した。
後に残ったのは、倒れ伏すマキリだけ。
「まだ生きてんな。しぶとい奴だぜ」
「モードレッド」
「む・・・」
アーサーに諫められて、モードレッドはちょっとばつが悪そうな顔をした。
口の端から垂れる血もそのままに、マキリはゆっくりと起き上がる。
「・・・さあ来たれ。我らが最後の英霊よ。我が悪逆、完成させるに足る・・・星の開拓者よ・・・!」
「マスター!警戒を!何か・・・良くない感じがします・・・!」
「・・・汝、狂乱の檻に囚われし者・・・我はその鎖を手操る者――」
霧が揺らぐ。濃厚な殺意を纏って。
霧が呼応する。その望みに応えよう。
「汝三大の言霊を纏う七天!抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!!」
血を吐きながら男は叫んで、そのままうつぶせに倒れた。
事切れたとわかっても、不気味な空気は消えやしない。
『マシュ!立香ちゃん!サーヴァントが来るぞ!』
『このレベルは・・・!大英雄クラス・・・!』
魔力が爆発した。
鳴り響くのは活性化した魔力か?雷が落ちたかのような光が地下を裂く。
「――私を、呼んだな」
暴風が吹き荒れる。
マシュをモードレッドが、立香をアーサーが抱えて距離をとる。
「雷電たるこの身を呼び寄せたものは、何か。天才たるこの身を呼び寄せたのは、何だ?叫びか。願いか。善か。悪か」
崩れ落ちていく地下空間。
地に降りしは星の開拓者。
「なるほど――。今こそ、それらのすべてが私を呼び付けたと言う訳か。この私を。天才にして雷電たる、このニコラ・テスラを!」
○銀河鉄道123 陽気なお兄ちゃんだな
○いーくん 陽気とかいうレベルか?
「なかなかに面白い。碩学たちが揃いも揃って私を呼ぶか!人類に新たな神話をもたらした者!インドラを超え、ゼウスさえも超えるこの私!」
『立香ちゃんたちに気づいてない?』
『気づいてないっぽいわね・・・』
「ハハハ――ハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
この堂々とした美男子こそ、電磁を制した天才科学者。
現代を電気を中心とした機械文明として捉えれば、その礎を築いた人物と言えるだろう。
「面白い!我が哄笑をもたらしたぞ、碩学ども!私は天才であると同時に奇矯を愛する超人である!ならば、良かろう!お前たちの願いのままに!天才にして雷電たる我が身は地上へと赴こう!ハハハ!ハハ――はははははははははははははははははッ!!」
マキリの詠唱によって狂化スキルに似た効果を付与されているようだが、それはそれとして尊大なのは元々のようだ。
高笑いをしながらテスラは進む。
崩壊した空間を抜け、地上への移動を開始した。
○銀河鉄道123 そういえば初代様は?
○いーくん 出るタイミングを逃してる
○災厄ハンター 雷無効のアイテム使います?
○災厄ハンター はぁい