勇者リンクS’の人理修復配信RTA   作:はしばみ ざくろ

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ルフィ、海賊王になれ・・・。


転生林檎

「――――――間桐臓硯。500年の妄執に囚われしものよ。其方が見た理想は最早形もなく。ここで眠るが定めと知れ」

 

静まりかえった屋敷。不用心に開かれた門。

外灯だけがうら寂しく立ち尽くしている、深夜の邂逅。

 

「―――――。・・・・・・誰、だ」

 

眩しい。目が灼かれる・・・!

何だこの魂は・・・!?

肉体を構築する蟲全てが怯えている。『怪物』にとって最も恐れる存在がそこに居る。

輝ける星となりて、人々を奮い立たせる勇者。悪鬼羅刹を打ち砕く、希望を背負いし英雄。

間桐臓硯がかつてなりたかった、夢のカタチそのもの。

 

「介錯仕る」

 

あまりにも、あまりにも!――――美しいものを見てしまった。

天色の瞳に吸い込まれそうな錯覚を覚えて、鮮烈に突きつけられる現実に脳が上手く動かなくて。ただ(おこり)のように震える手足よ。

斬られたことすら知覚することなく、間桐臓硯は死んだ。

 

「・・・・・・・・・・・・ギルガメッシュ」

「はい」

「撮影は禁止だ」

「えっ。ネットにアップしたりしませんよ!個人で楽しむ用です!」

「そのビデオカメラごと叩き斬られたく無かったら今すぐデータを消去しろ。俺はそういう撮られる奴・・・好きじゃないから・・・。光とか次元とか息吹なら喜ぶだろうけど・・・」

「いくら出したらお呼び頂けますか」

「急に真顔になるな。金で解決しようとするな。撮影の許可は個々に取ってくれ」

 

 

守銭奴 待ち時間で時間食ったな

Blue わぁー・・・蟲の死骸が・・・

 

 

「というかお前。自分のマスターはいいのか?」

「問題ありません。令呪は没収してあります」

「可哀想になってきたな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り、アインツベルンの洋館にて。

蹴り飛ばされてもなお暴れようとするバーサーカーを神明裁決(令呪)で縛り付けた後、シャルルマーニュは隠れていたサーヴァントに出てくるよう呼びかけた。

素直に姿を現したのは赤いフードのアサシン。状況が変わったことを察したのか、ルーラーに説明を求め――――。

 

「まさか、そんな・・・・・・大聖杯が反英雄に汚染されているですって!?」

「サーヴァントが脱落し続け、アンリマユが覚醒すれば、部外者を巻き込むどころの話じゃない。とはいえカルデアと抑止力の代行者が既に来ている以上、俺が出る幕はないと思っていたが・・・・・・」

 

アイリスフィールの顔色がどんどん悪くなっていく。セイバーが気遣うように背をさすった。

ライダーが思案するように顎髭をさすった後、ルーラーに疑問をぶつける。

 

「なあ、その汚染とやらは聖杯を解体しないと解決せんのか?」

「超一流の魔術師、もしくは悪神殺しの概念を持つ宝具や聖遺物があれば可能性はあるだろう。すぐに思いつくのはギルガメッシュ王の宝物庫だが・・・・・・」

「あやつはアテにならんな。・・・ルーラー、あのランサーの真名は?」

「・・・言わないぞ?彼は第三者、勝手にバラすのはルール違反だろう」

 

ようやく事態が解決しそうだ。Ⅱ世はほっと胸を撫で下ろす。

一時はどうなることかと思ったが・・・、あのシャルルマーニュが来てくれたのだ。流石にもう大丈夫だろう。

――――人はそれをフラグと言う。

 

「納得していない者も少々見受けられる。ここは1つ、直接確認しに行くことにしよう。異論があるものは?」

 

ルーラーは周りをぐるりと見渡して、バーサーカーが消滅しかかっていることに気づく。リンクはうまくやったようだ。

流石原点にして頂点の格好良い男!俺も負けてらんねぇな!

 

「先輩、バーサーカーが・・・!」

「うん。ランサーの方、解決したのかな」

「彼だけならいいが・・・アーチャーまで戻ってこられると面倒だ。さっさと向かってしまおう」

 

ギルガメッシュの兄発言うんぬんに関しては、あんな面倒な男に興味持たれてランサーも大変だな・・・。で意見が一致している。

カルデアの方の英雄王?なんか触れたらヤバそうなので全員目を逸らしています。

聖杯が保管されているのは、柳洞寺の山奥。

特異点Fのときにも決戦の場になった大空洞である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『カウンターガーディアン・・・』

「そうだ。僕は英霊の座にいるサーヴァントじゃない。守護者と呼ばれる“英霊もどき”。正しい人類史には存在しない」

 

ぴちょん。水滴が落ちる。

こんな時でなければゆっくり鑑賞していただろうと思えるほど、天然の鍾乳洞は見事だ。

ルーラーを先頭に、足下に気を付けながら進む中で、赤いフードのアサシンについて触れたのはオルガマリーだった。

 

「僕たちはいつ、何処の戦場に呼ばれようとも、常に人智を超えた理由と目的で血を流す。誰に理解されることもなく、関わる人間全てを敵に廻すことさえ珍しくない。全ては、世界を滅ぼす要因を抹消するために」

『人類史が焼却された後でもまだ、抑止力は機能しているのね(・・・勇者リンクが抑止力に選ばれた存在であるか否かは、魔術師の間で長年議論されていることではあるけど・・・。座から徒歩で来れるような人が、今更そんな力に縛られたりしないわよね)』

「(・・・ねぇマシュ。抑止力って?)」

「(以前ドクターに聞いたことがあります。この世界に人類を存続させるべく働く概念的な力・・・)」

 

生前に類い稀な功績を残した人間は、この抑止力によって召し上げられ、使役されることになるという。

彼らは人類に破滅の危機が訪れるたび、時間と空間を超えて召喚され、災厄の原因を取り除く役目を課されるのだ。

 

「(つまりマスターとの契約もなく、ただ戦う理由だけを与えられて召喚されるサーヴァントです)」

「(それは・・・・・・)」

 

殿に控える、顔色ひとつ窺えぬ男。振り返ったら気づかれてしまうかもしれないと、立香は意識して前を向いた。

死してなお、決して終わることのない戦いの使命を背負い続ける魂。

いったいどのような人生を歩めば、その果てにまで至るのだろう。

 

「(リンクは・・・、きっと違うよね。戦う理由を、他人に与えられたりしない)」

 

そこまで考えて、ふと気づく。

・・・・・・あなた、もしかして。勇者に、なりたかったの―――――?

 

「・・・だから、奇妙な気分だよ。誰かと協力関係を結ぶなんて体験、久しく・・・・・・ん?」

 

アサシンが言葉を止め、音も無く得物を抜く。

Ⅱ世とルーラーがほぼ同時に気づき、違和感を覚えたセイバーもマスターを背に庇う。シャルルマーニュにあれこれ話しかけていたライダーも、乱入者に視線をのんびりと向けた。

 

「流石だな。気配遮断もさらに上手のアサシンには無効か」

「闇に潜むのが得手なのはこちらも同じ。手の内はお互い見え透いているからな」

『・・・・・・アサシンのサーヴァント!?凄いな。こっちじゃ全然感知できないのに!』

「・・・・・・おのれ!」

 

悔しげな様子を隠しもせず現れたのは百貌のハサン。アーチャーを召喚した遠坂時臣と裏で結託している、言峰綺礼に呼ばれしサーヴァントだ。

ギルガメッシュが完全に制御不能になったことで、なんとか再起を図ろうと遠坂の指示で潜ませていたようだが・・・。流石にこれは多数に無勢。暗殺の『機』も完全に逃している。

 

「先手を防いだくらいでいい気になるな!今度こそ貴様らに引導を渡してくれる!」

「気をつけろ、藤丸。これまでの断片の連中とはひと味違う。『残り全部』を総動員する気だ」

「了解。行くよ、マシュ!」

「アイリスフィール、援護に入ります」

「ええ。お願いセイバー」

「余が出る幕はなさそうだの」

「う~~ん・・・。まぁ・・・うん・・・」

 

手を出す気のないシャルルマーニュと同じく、観戦の体勢に入った征服王を動かす言葉は、戦闘終了まで出てこなかった。

ウェイバーもまだまだである。

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