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伏して生きるな、立ちて死すべし。
魔神クリード・コインヘン。
最後まで、膝を付かぬ王よ。
「ナイチンゲールさん!」
はっ、と立香は気づく。
身体をすり抜けていく、風の爽やかさに。
体の火照りを冷ましていく、空の高さに。
「――どうやら、治療は終わったようですね。独りのではなく。この国全体の、大きな傷が」
透明な光が、少女たちを祝福した。
「ありがとう、ナイチンゲール。貴女がいてくれて、本当に心強かったよ」
怒りと悲しみ、歪の雪解け。
長くて短い戦争が終わり、この国にもようやく春が来たのだ。
「感謝は無用ですが謹んで受け取ります。その代わりと言っては何ですが……」
血のニオイが薄れていき。
嘆きの声が遠ざかっていく。
管制室は大騒ぎ!やったぞみんな!今回もなんとかなったぞ!
「どうか握手を。レディ立香、レディマシュ。連れ添った患者が退院するとき、こうやって手を握りあうのが、私の密かな楽しみだったのです」
「――もちろん!」
「ええ、ええ!握手をしましょう、ナイチンゲールさん…!」
大地を慰める唄が届いた。
宝具をしまう為に、傷ついた世界を少しでも癒すために、リンクの奏でるパンフルートの音色が。華やかに。
「ラーマ様!」
「シータ!」
駆け寄ってきた愛しい少女を、ラーマは万感の思いで受け止めた。
どれだけきつく抱きしめても足りないほどの思いが。想いが……。
2人の距離を0にした。今だけは、今だけは。愛を語ることを許してほしい。
「シータ、僕は……」
「ラーマ様、私も同じ気持ちです」
言わなくても分かるけど、言いたいから伝えよう。
この温もりを夢に見て、泣く日々はもう嫌だから。
「離れたくない、別れたくない…。ですが、離別の呪いはまた永遠に、私たちを引き離すでしょう」
息を吸って、吐いて、滲む視界のまま笑った。
あなたの思い出の中の私が、笑顔のままでありますように。
「でも、私はもう大丈夫です。必ず、必ず、会いにゆきますから」
「――――シータ」
「待っていてくださいますか?あなた――」
再会の誓いをここに。
幾星霜を経てもなお、この恋を否定することなどできないんだ。
「今度は私が、あなたの手を握りに駆け付けます。あなたの妻ですもの。叶えて見せますわ」
「っ、ああ……!待っている…待っているぞ……!」
「愛しています。ラーマ様。浮気しないでくださいね」
「しない!!!!!!!!」
嗚咽を踏みにじり、諦めを叩き潰す。
人間には、それができる。
現実を睨みながら戦い、願いを抱きしめながら生きる。
人間の強さを、私たちはもう知ったから。
「さようなら。マスター、マシュ。貴方たちの進む先に、どうか光がありますように」
「また会おう!お前たち!――この縁は、決して途切れぬことを忘れるな!」
「ごきげんよう、皆さま。貴方たちに出会えたことは、私にとっても最上の喜びです。どうか、お元気で――」
進もう!未来に。
また一つ。星を集められた。
第五特異点 北米神話大戦:イ・プルーリバス・ウナム 定礎復元
「先輩、一ついいですか?」
かつんかつん。足取りは軽く。
なあにマシュ?声色は明るい。
「今回の旅も、悲しい出来事が沢山ありました。なのに、こんなことを言うのは――その、不謹慎かもしれないですけれど」
横顔を見れば、上がる口角。
重力に従った桃色が、さらりと頬を滑って。
「楽しいです、わたし」
照明を反射したメガネがきらり、と光った。
「マスターと共に世界と時代を駆け巡り、様々な人間、そして英雄と出会う。今回はアメリカに行き、その土地の英雄であるジェロニモさんやビリーさんに出会いましたし……」
「うんうん」
「ナイチンゲールさんの凄まじい信念も見ることができました。敵であった方々も皆――良い悪いは別として、鮮烈な人たちばかり」
「女王メイヴとかね。すごかったよね~」
興奮して早口になる少女のスカートが、風を切る。
盛り上がる声が廊下にのびのびと反響した。
「……凄いですよね。きっと、どんな魔術師でも体験できなかった旅です」
「私も、こんな体験初めてで…。楽しいな…」
「――はい。わたしたちがした旅は、決して歴史に残らない、わたしたちだけの記憶に刻まれる旅。この思い出を、ずっと、ずっと大切にしたい。……そう思います」
「うん。私も同じ気持ち。お揃いだね」
微笑む。
彼女は花のようだ。
「それでは、わたしはここで。あ、疲れているからといって、すぐに横になるのはダメですよ?まずはシャワーを浴びて、体をほぐしてから、睡眠をとってくださいね」
「大丈夫だよ。マシュもお疲れさま」
最近はアヴェンジャーが気の利く兄のように、過保護な父のように、こまめに世話を焼いてくれるので……。
こっちも甘えきってしまい……。眠いとき髪とか乾かしてもらってる……。
「おやすみなさ、い……」
「マシュ?」
踵を返そうとした頭がふら、と揺れる。
立ち眩みだろうか。
「あ、れ……?せん、ぱ……」
身体が傾い、て――。
逆らえずに、
どさり。
椿が落ちるように。
「…………マシュ?」
「フォウ!」
「え、」
どこからともなく飛び出してきたフォウくんが、駆け寄って。白。
目の前の光景が遠くて、わからない。
黒。
「落ち着け」
「ぁ、べんじゃー……」
影から飛び出してきた男が頬を包んだ。立香の小顔をすっぽり包む手袋は暗色。
遅れて状況が追い付いてくる。視界を伝って脳に、脳に警報を鳴らす!
「マシュ!!」
「端末は持っているか?医務室長の番号を登録していただろう」
「う、うん。大丈夫。いま、いま連絡する……!」
肩を支えてくれるアヴェンジャーの体温を感じながら、震える手で電話帳を開いた。
夜闇が迫ってきていることに、まだ立香は気づかない。
配信中です。 | 上位チャット▼ 〇銀河鉄道123 マシューーーーーーー!?!?!? 〇Blue マシュちゃん!?!?!? 〇小さき爺 年寄りの心臓に悪すぎる 〇災厄ハンター 医療班ーーー!!!!! 〇オルタ デザイナーベビーの限界か 〇騎士 なああの獣 〇奏者のお兄さん それ以上いけない 〇騎士 いやあの獣 〇影姫 見なかったことにしよう 〇バードマスター マシュのことはカルデアに任せよう。解散! 〇いーくん 集合。次の特異点はどーすんの? 〇ファイ こちらからの観測も安定しません。第六特異点が、人理の流れから外れようとしてる確率90% 〇バードマスター ( °∀° ) 〇うさぎちゃん(闇) あの 〇うさぎちゃん(光) どったの 〇うさぎちゃん(闇) ユガが第六特異点で暴れてるらしくて…… 〇うさぎちゃん(光) は?殺すぞ 〇うさぎちゃん(闇) ひえ 〇フォースを信じろ わかるよ。キレた次元が一番怖いよな |
【めげない負けない】人理修復RTA【ないちゃだめ】 24人が視聴中 | |
BLEACH-45 より
次は第六特異点→ぐだぐだです