みなさん、お身体にはお気をつけてください。
いい加減物語がカオスになる頃ですかね。大筋が作者の手から離れていくという(オイ)。
天元様は単行本派の方々にネタバレにならないよう、声だけの出演と少し設定ズレてるので、半ばオリキャラ化しております。
あと、エヴァ世界は2015年、この時五条先生って25歳のはず。ということはセカンドインパクト時には10歳。東京校に通ってねぇ!したがってさしす組は京都校出身です。セカンドインパクトのせいで夏油も悩むことなく呪術師やってます。よかったね五条先生。
東京都立呪術高等専門学校跡地。かつての呪術界の中心。シンジたちのいる第3新東京市からかなり離れた山の中だ。海に侵蝕されることもなく、ただ荒れ果てたテーマパークのような姿。木造だった建物は崩壊し、石畳は隙間に芽生えた植物に覆われている。
「15年、か。見る影もないね」
「もう跡形もねーじゃん」
特級呪術師である2人。五条サトルと夏油スグル。揃って黒い服に身を包んでいた。長い付き合いがあるからか、五条はいつもとは違う雰囲気である。
「
「ここの忌庫番だった術師から合鍵を預かってる。呪力を通せば、その扉が入り口になるんだって」
「ふーん」
天元の居城、薨星宮。巨大な木の幹か、あるいは根か。それらが寄り集まり、一つの城を作り上げている。その威容はまさしく呪いの
そろって我に返った2人は、木の根がばらけて奥へ続く空間が見える場所まで歩を進めた。六眼を拒絶する天元は、おそらくこの先にいる。五条はここで侵入を拒まれるだろう。
「サトル。試しに入ってみたら?」
だが夏油は、真面目な顔でそんなことを宣った。真面目そうに見えるが、五条の親友を長く続けてるだけのことはある。遊び心は、五条に負けず及ばずだ。
「はぁ? お前話聞いてた? 六眼持ちは拒まれるんだろうが」
「もしかしたら気が変わるかもしれないじゃん」
「お前なぁ……。……ったく、しゃあねぇな」
親友の頼みだと、彼も形なしだ。渋々ながらも笑みを浮かべて、入口に張られた結界に触れる。情報通りなら、彼はここで拒まれるはずだ。六眼に入る情報を目隠しでほぼシャットアウトしている現在、五条に結界の術式情報は視認できない。故にこれは、遊び半分の確認行為に過ぎない。そのはずだった。
「!?」
「おっと、これは…」
結界に手が沈む。感覚は帳のそれと同じだった。結果への驚愕をよそに、2人は顔を見合わせて進むことを決めた。
2人を出迎えたのは、無垢なパレットのように真白な空間。距離感覚、方向感覚、全ての感覚が狂いそうな白の上に垂らされる、一雫の声。
『やれやれ、久々の客人か』
「あんたが天元様か?」
「サトル、言葉遣い。…お初にお目にかかります、天元様。私は」
『よい。白いのが五条サトル、長いのが夏油スグルであろう?』
初対面の人間の名を、聞くまでもなく答える天元。五条たちに姿を現さぬまま、声だけがホールに残響するように耳に届く。五条は気持ち悪りぃと舌打ちをした。
『さて、何の用かな、若き呪術師たちよ』
「なぜ、このタイミングで復活したのか。あなたは死んだのでは無かったのか。これらの疑問に答えを頂きたい」
「正直に話せよ〜」
五条の口調を目だけで嗜める夏油。いかに五条サトルが最強といえど、この相手はこれまで呪いの世界を支えてきた存在だ。夏油の内の常識として、五条の態度は看過できるものではない。
『問題ないぞ、夏油スグルよ。五条サトルのその態度、私は許そう』
「……そうですか。では早速、質問に答えてください」
敬意はある。だが、畏まる必要はない。夏油は天元に、答えを返すように言った。天元はそれに気を悪くする素振りもなく、少し笑っているような声音で言葉を紡いだ。
『まずは、天元とは何かをお主らは知らねばならん』
そうして語られたのは、天元の正体。
『人がセカンドインパクトと呼ぶ現象の煽りを受け、私は星蔣体との同化の機を逃した。結果、天元は
そして、今結界が復活した理由。
『天元は端末たる私に、結界の力のみを残した。結界が復活したのはそれだけの理由だ。なにせ、私には他にやることもなくてな』
そう語る天元に、夏油はどことなく苛立ちを感じつつもそれを飲み込んで、話の続きを促した。
『今、天元は怒っている。天地に混じる異物が、天元の重んじる秩序を乱しているからだ』
「異物? それは何らかの呪物ですか?」
『そうとも言えるが、呪術師はそれを知らんだろう。だが五条サトル。お主は見たはずだ』
「……使徒ってやつのことか」
「使徒?」
五条は自分の知る、そして考えた使徒についてを語った。夏油は怪訝な表情をしながらも、なんとか理解するまでに落とし込んだようだ。
『その使徒と呼ばれる超常は、ある場所を目指して現れる。その場所にあるものは、かつて天元に怒りの矛先を向けられたものだ』
「かつて…? いや、それで、その正体は」
天元は間を置いて、語りを紡ぐ。
その正体に、2人を驚きを禁じ得なかった。
『それは、【月】と。そう呼ぶそうだ』
月。当たり前のように夜空に浮かぶそれが、天元の矛先。あまりにも壮大になったスケールに、2人はもはや他人事である。
『正確には、月の元となったもの。詳細はしらぬがな。そして今や天元の怒りの矛先は、15年前に理外の地と成り果てた南極にも向いている』
「……サトル、この話、どうする?」
「どうするもこうするも、僕たちだけで判断出来るレベルじゃないし、そもそもこの話自体が本来の目的から外れてる。僕たちが持ち帰るべき情報は得ただろ」
目隠しをしていても、どんな目をしているかが夏油には察せられた。
真面目な気質の夏油とは違い、五条は面倒を抱え込むことを嫌う。それが自分のしたことが原因か、あるいは自身に大きく関わる若人のものなら別かもしれないが。
ともかく、この話は持ち帰らねばなるまい。天元の変質と怒りは、呪術界にとって見逃せるものではないのだ。
『碇シンジ』
「……は?」
突如口にした弟子の名に、五条が振り返った。
『これからの世界、碇シンジがその中心にいることになるだろう。いうなれば運命の子。よくぞ育て上げたな、五条サトルよ』
「…………、僕の生徒は強い。舐めんなよ」
「はぁ」
天元と別れを告げ、薨星宮を後にした2人。そのまま地上に出ると、退廃した世界が出迎えた。なんてことはない、ただ東京校だったものがあるだけだ。まるで呪術界の行く先を見ている気分だ。青い空と白い雲は残酷なまでに普通で、自分たちの違和をより強く感じた。
「さて、珍しく暇だけどどうする?」
「……第3新東京市に戻ろうかな」
「やっぱり、シンジが気になるかい?」
天元から直々にその名を口にされ、世界を変える運命の子とまで呼ばれた少年。ただの弟子から、愛弟子へ。そして自身を超える期待を込めた少年。五条はふっ、と薄く笑った。
「流石、
「サトル、彼まだ高専生じゃないんだけど」
「そこには突っ込むなよ。つか、スグルはどうすんの」
五条は夏油の忙しさを思い出しながらそう言った。夏油スグルは特級呪術師の中でも、さらには呪術界全体を通してみてもまともな人間である。それはブラック企業が欲しがる社畜精神の持ち主と言ってもいい。期限内に書類の類は提出されるし、それも大体丁寧な代物。高専時代は問題児として五条とともに名を馳せたが、比較的常識を弁えている分、五条より重宝される存在だった。呪術界は何よりも人材不足なのだ。
今でも「五条と混ぜるな危険」と言われることはあるが、それでもそのうち危険成分の大部分は、五条サトルのものと信じられている。
夏油はスケジュール帳を頭の中で巡りつつ、自分、ないし特級呪術師が必要とされる任務がないことを確認した。イレギュラーがなければ、久しくなかった長期休暇だ。
「ホントに暇になってる……。せっかくだ、私もシンジの顔を見に行くよ」
「うっわマジで?」
「殴るよサトル? 元はと言えば君に回るはずだった任務もあったんだから」
爽やかそうに笑みを浮かべながら、その顔には怒気が籠っていた。器用だね〜と五条は笑ったが、夏油はそれを見て五条の肩を割と本気で殴った。痛がる五条に自業自得だと吐き捨て、夏油は手持ちの呪霊の中から移動手段として扱き使っているものを呼び出した。
「乗るだろ? サトル」
「仕方ねーな、スグル」
呪霊は空を切るように飛んでいく。2人は呑気に空の旅を楽しんでいた。
「向こうに着いたら、サトルの家に転がり込もうかな」
「……え"」
使徒殲滅から数日後。NERVからしばらくの暇を与えられ、シンジたちは傷と疲れを癒やしていた。
その間、シンジは回復した呪力から反転術式を捻出して不自然にならない程度に傷を塞いだ後、呪力をコントロールする鍛錬をしていた。どうせ暇であるからか、食事や風呂以外の時間を全て鍛錬に費やしたが、なかなか手応えが得られずしかめ面を晒していた。丁度戻ってきた五条と、連れ立ってきた夏油に教えを乞うことが増えていた。
アスカはそんなシンジの様子をしつこいまでに観察していた。1番軽傷のはずのアスカよりも先に身体を動かしているシンジを不思議に思ったのがその始まりだが、何をしているのかは遠目では分からなかった。流石にシンジもその視線には気づいており、いい加減鬱陶しく思っていたところなのだが、当のアスカは明日はもっと踏み込んでみよう、とすら思っていた。
綾波は以前口にした味噌汁の味が忘れられないのか、ミサトとリツコを言い負かして葛城家に転がり込むことになっていた。以前よりも少しだけ感情表現が上手くなった、というのはシンジの言。
ちなみに綾波が説得の際に口にしたのは
『碇君。あなたの作ったお味噌汁が食べたい』
という、ベタなプロポーズのような台詞だ。ミサトは缶ビールを傾けつつニヤニヤしていた。アスカはその言葉の持つ意味をミサトに教えてもらい、顔を赤くした。
男女逆じゃない?という疑問がシンジの脳裏に過ぎるも、それはリニアモーターカーも驚くほどのスピードで彼方へ消え去った。以来、葛城家のメニューには味噌汁や豚汁、そしてシンジのミニアレンジ汁物がスタメン入りしたのだった。
──さて、今日の献立は……と。
シンジの主夫思考は中学生にしては完成されているだろう。以前はそういう暮らしだったことを加味しても、そもそも葛城家の面々は家事のレベルが恐ろしく低い。特に料理の場合、ミサトとアスカはまだいいとして、綾波は評価規格外。
『力入れないと切れないわ』
こう
このように、女3人、男1人の空間は、思春期の男子から見れば天国かと憧れるのだろう。だがこの面々の場合、現実はそうは行かないのだと、シンジは遊びに来たトウジとケンスケに語った。2人揃って空気が死んだのはいい思い出だ。
そんな日々が明け、変わらぬ常夏のある日。式波・アスカ・ラングレーは早々と第壱中学校へと編入した。そもそも彼女は飛び級で大学を卒業した身だ。いまさら勉学に励む意味はなく、その本意は同年代との触れ合いを通じた精神的な成長を促すものだ。
アスカはトウジやケンスケらとすでに顔見知りであったが、それ以上にシンジによくつっかかる。それをみた周りが、夫婦喧嘩と煽るのが日常であった。シンジは異を唱えるものの、アスカが尻に敷いた形だ。
そんなさなかに、ある少年がやってきた。
「初めまして」
白い髪、白い肌。ミステリアスな雰囲気は、シンジとは別の意味で同年代とかけ離れていた。
少年は名を、渚カヲルと名乗った。
シンジはその容姿に驚く──ことはなかった。白髪の美丈夫というなら、シンジの師がまさしくそれなのだから。
彼が最も目を見張ったのは、既視感。懐かしいとすら思ってしまったその感覚。会ったことは無いはず、と何度も考えるが、自分は彼を知っているという結論に至ってしまう。その異常に、シンジは驚いたのだ。
渚カヲルは指し示された席へ向かう途中、シンジの側を通り、何事かを囁いた。
「久しぶりだね。碇シンジ君」
「……君は、何者かな?」
その問いに少年は笑みを浮かべるばかりで答えることはなく、そのまま自席に向かっていった。
シンジは目でそれを追うも、我に返ったのか、すぐに黒板へと向き直した。
──歓喜? 愛情? よく分からないけど、その類の感情だった。何だってこんな、もう……。
「なんやシンジ、自分の知り合いかなんかか?」
「……さぁ。僕は会った覚えはないけど」
休み時間、トウジがそう尋ねるも、シンジにはこう返すしかできなかった。
考えるのをやめたシンジは太陽に手を掲げ、徐に影絵を組む以外に、やることを見出せなかった。
綾波は葛城家に転がり込みました。シンジの味噌汁パワーです()。
綾波にはあんな台詞言ってもらいたいし、料理下手であってほしい。ここまで極端じゃなくていいけど。
アスカは平均的中学生レベル。ミサトはいわずもがな。やらないだけ。
まだルートは確定してないよ。分岐で全部書き出すのもありかもしれない。(やるとは言ってない)
あとカヲル君召喚。ロンギヌス、カシウス、13号機、碇シンジが揃えば勝ち確。エグゾディアか何かかな?
シン・エヴァ見てると分かりやすいかもしれません。