真・女神転生square root   作:長月 海里

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この2人が原神で言うパイモンとウェンティポジションですね。
ストーリー次も一方その頃編になりそう


主を絞め殺す

『本当にそんなのいたのか?』

 電話からヒロの厳しい声がする。

「アンタにそんなウソついたら携帯潰されるやろ。」

 腰に手を置いて若干苛つきながらイサカは答えた。

ヒロの二つ名は『技師』。

 悪魔と『COMP』の解析の他、悪魔の合体・強化を司る『邪教の館』の管理運営を行う唯一無二の人材だ。

 ふざけるのは大好きだが人を傷つけたり軽視する言動が嫌いで本気で怒らせるとアプリや邪教の館の機能を潰して来る。

 また、高い実力にも関わらずとある理由から表に出てくることは少ない。

 

『まるでオレじゃなかったらやるみたいな言い方だな。』

「心配せんでも自己保身の為しかウソは付かんから。」

『最低じゃねーか。』

 

「そんなこと言うとるヒマちゃうねん。ウソ言うからもっぺん言うで?『人が改造されたと見られる悪魔を発見』。連れてくから色々準備しといて。」

『わかったけど大丈夫か?というか本当に改造なんてあるのかね?サマナーがポカしてそうなったとかじゃねーよな?』

「イサカのことわからないサマナーなんているの?1人で歌いながら歩き回ってる人間なんてそういないでしょう。」

 リャナンシーの言う通り歌うというのは人だけでなく悪魔にも居場所を知らせる事になるため、1人でこれをやるのは実力と胆力が必要になる。

「まぁこっちは顔のわかるサマナーなんておらんけど。」

 ケタケタ笑うイサカ、実は他人の顔認識が出来ていない。声と会話の内容で人を区別している。名前覚えもかなり悪い。

『お前の顔認識はもう失認だろ。』

「これと寝汚さだけは医者に匙投げられたからな。で、改造の根拠やけどこれはまァ文献参照ってとこやな。昔分捕った資料にこういうのあった。この世のもんやないような言語やったせいで今でも碌に読めてへんくていくらか翻訳あったから辛うじて分かるくらいやけど。あと捕まえたのはとりあえず寝かして親指結束で締めといた。起こして暴れたらもっかい寝かす。」

『相変わらずの万能倉庫っぷりだけど容量いくつ使ってんだ?』

 COMPアプリにはサマナーの荷物を情報化するアイテムストレージ機能があるが魔貨とマグネタイト以外はスマホの容量を使用する。

 因みに、このアプリのデフォルトサイズは2Gもない。

そして平均使用量は精々10Gである。意外とコストパフォーマンスが良い。

「25くらい。」

『馬鹿じゃねーの?...で?資料の出処は?』

「ガイア教。」

 長い溜息が電話越しに聞こえた。

『面倒になりそうだな。』

 

 

「ホンマやで。じゃあよろしく。さて起こそかぁ。」

 電話を切るや否や薬を取り出す。

「あ、先行資料で写真だけ送っとくかぁ。肖像権働くかな?」

 と、薬をポケットに突っ込んで着ていた服(上半身)をペロッと剥くとパシャパシャとシャッターを切る。

「囚人みたいな格好してんな...うーん絶縁破壊された時みたい。」

 所謂リヒテンベルク図形によく似た模様が全身で薄く発光している。

人間は勿論、これまで見てきた悪魔とも全く違う特徴だ。

 また、イサカの顔認識では判明していなかったがこの稀人はイサカと大して歳の変わらない青年だった。

「植物に絞め殺されてるみたいね。」

「植物かぁ...改造人間も人造半魔も悪魔もアレやからとりあえず『ユンガブラ』かな。」

 しれっと便宜名をつけて写真を送りつけるとポケットから再び薬を取り出してぺっ、とユンガブラに使った。

 

 

 気付薬とは比べ物にならない効力で起こされたユンガブラはビクン、と体を震わせて目を開いた。

「!?」

「よぉ。」 

 焦って縛られたことに気づかないまま立ち上がって逃げ出そうとした途端ユンガブラは頭から転んだ。

「まぁこうなるかぁ〜。」

「もうちょっと穏やかに出来ないの?」

「交渉より説明派なんで。」

 ショットガンを背負い直すと明らかに怯え切った相手に溜息をついてイサカは腕を掴んで助け起こす。

「もう話聞かんと逃げられると困るもんで縛らせて貰たんさ。無理に取ろうとすると親指千切れんで。」

「...僕を連れ戻しに来たのか。」

「生憎人と悪魔こねくり回す程倫理観捨ててなくてな。イサカや。こっちはリャナンシー。アンタ、サマナーちゃうやろ?」

 予想アタリ〜と内心思いつつ出来る限り穏便に質問と説明を続けていく。

軽快な(軽薄とも言う)西の言葉にやや眉を顰めながらユンガブラは言葉を返す。

「サマナー?」

 対話の姿勢を見せた相手にイサカは内心ニヤリ。

「そう。このリャナンシーみたいな悪魔を使役って言うと響悪いけど色々やっとる人間でな、アンタが予想しとる連中とはう〜ん敵対しとって妙な話聞いたからやって来たっちゅーわけ。そこの公園でちょいちょい見かけた変なマグネタイト撒く悪魔ってアンタやろ?」

「...僕は悪魔じゃない。」

「公園の連中がそう言ったっただけやでわかっとぅから安心しいや。で、本題。アンタそのままここで引き篭もれんのわかるやろ?この辺は人よぉ来るしガイアーズも少ないけど現実世界に比べりゃ危なて危なて禄でもないことあらせんし何より家帰りたない?くそカルト(ガイアーズ)から守るしアンタのそれ治す方法探すから一緒に来てくれん?無理言わせたないねん。」

「...嫌って言ったら?」

 

 

「無理言わせたないねん。」

 にこりとイサカは微笑むが目は一切笑っていなかった。

「拒否権ないじゃないか。」

「そら敵のムチャクチャ見かけてほっとくなんて土台無理な話やろ。それにそのままやと見つからんでも死ぬで?さっきも言うたけど引き篭もれるようなとこちゃうねん。ほら回れ右。」

 ぐるっとユンガブラを半回転させると親指を括っていた結束バンドを外す。

「もう専門家に話はつけてあんねん。ほら行くで。」

 くいくいと促してイサカは歩き出す。

ユンガブラはやや不安げな顔をしたが覚悟を決めると背中を追った。




基本的にTwitterでフラフラしています。
感想等々待ってます。



ユンガブラ:イサカが発見した改造人間につけた便宜的な呼び名。
『改造人間』『人造半魔』に感じられる表現を避けている。
正式な発音は’’ユンガブッラ’’でオーストラリアにある地名。
カーテンフィグ国立公園という観光名所がある。
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