真・女神転生square root   作:長月 海里

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フォロワーを真Ⅲに突き飛ばしたんですがL-N-Cの属性にめちゃくちゃショック受けてて面白かったです。
Ⅲそれないもんね。


脱兎を追うのは

「どこへ行くんだ?」

 上野駅から出たユンガブラは前を歩いていたイサカに尋ねる。

「ネリマのヒカリガオカ。あそこの団地にヒロっていう悪魔のこと色々調べとるヤツがおるん。オルトロス!」

『アォーーン!!』

 遠吠えにこの野郎ワザとだなと半目になるイサカとその後ろでひっくり返るユンガブラ。

「何?これ...?」

「仲魔。リャナンシーと大体同じ。」

「この頭が2つもあるのに碌に頭の働かない馬鹿犬と同じにしないでくれる?」

「ごめんな。」

 貶しっぱなしに唸り出したオルトロスをイサカははたくと『伏せ』のポーズをさせてユンガブラに手を差し出した。

「まさか乗っていくのか?」

「ここからヒカリガオカまで歩いたら半日かかるて。ほら痛がらんから鬣しっかり持って前乗って。オルトロス、今日巫山戯たら(東京湾)沈めるからな。」

 因みにこのオルトロス、前科3犯の凶悪犯である。

「よし行くでー。」

 事前の忠告から感じられた危機感とは裏腹に穏やかにオルトロスは走り始めた。

 

 

「このペースやと50分くらいかな〜なんにもない、とい、い...。」

 そうは言ってもやや衰弱しているユンガブラに配慮してゆったりと走らせていたイサカは笛の音に顔を上げた。

「笛?」

「他のサマナーの笛や。あんだけ鳴らしとるってことはガイアーズがまた出たか。しかも高速に上がらん場所...アラカワやな。マズイかも。」

 流石に昨日今日暴走族が現れたのはユンガブラを探していることに気が付いている。

「昨日今日って上野の悪魔言うとったからまぁまぁ辻褄合うわな。オルトロス、気をつけながら行くで。」

 見つかったらスピードの出せない今、間違いなく追いつかれる。

 イサカは普段であれば暴走族に対抗できないわけでは無いが武器の圧倒的なリーチと操縦能力で追い回すのが常だ。追われたことはまず無い。

 

 

 ブンキョーを出てトヨシマに入ろうとした頃、嫌な音が後ろから聞こえて来た。

「見つかった!」

 舌打ちをして前のユンガブラの耳に障らないように笛を吹いた。

先程よりもやや高い笛の音が街中に響く。

「まだアンタってことはこの遠目じゃ気付いてない...と思いたいな。」

 2人とも振り落とされないよう後ろからしっかりと腕と内腿に力を入れて走らせる。

 恐らく目標を探すための装置なりなんなりあるであろう。

捕まったら自分は間違いなく殺されるしユンガブラはどうなるかわかったものではない。

「絶対喋らんと手ェ放すなよ!」

 スマホを落馬しない内に素早く操作して雷撃の魔石を取り出すと後ろへ向かって投げつけた。

 バリバリバリ!後ろからの衝撃と閃光が発動を知らせる。

しかし、バイクの機械音は止まらない。

 確実に近づいて来ているのを感じる。

「ポンプアクションこういう時不便やで!」

 イサカの銃は昔の映画の様に片手では撃てない(そもそも片手で撃つものではない)構造になっているのでいまいち決定打が与えられない。

「ヤバい...!」

 腹決めて轢かれる前に撃とうかと思った時、漸くツキはやって来た。

「なにしてんのお前。」

 すれ違いざまにボソリと呟くと走って来ていたバイクの運転手1人の首を一瞬で掻き切った。

「ラッキーやわ。アイツ来るとは。」

「あの人は?」

「『騎兵』。1番器用に悪魔に乗れるやつやで。」

 

「ケルピー反転!」

 素早く身を返すと今度はバイクを追いかけ始める。

2メートル半はある槍で相手の武器を危なげなく弾くとまたスパリと首を刈ってしまいあっという間に片付けてしまった。

「くたばってろ。」

 手をはたきながらとても文面に表せない罵声を2、3吐き捨て火炎の魔石で暴走族の死体を骨まで焼き捨てると2人に視線を移す。

「よォイサカ。俺の名前覚えてる?」

「ハから始まったことしか覚えてない。騎兵。う〜ん3ヶ月ぶりくらい?あと今こんばんは。」

「ハヤトな。あと3月の末に会ってる。随分賑やかだったけどそいつ何?」

「お前ガイアーズ嫌い過ぎて面倒くさいから教えたくな〜い。」

 先程の様子かられる通りハヤトは異殻最強の騎乗能力を持つが同時に誰よりもガイア教が嫌いである。

 理由は答えることがないので誰も知らない。

「うるせー奇天烈学者。とっとと吐けや。」 

 馬上でブンブンと槍を振り回しながら不機嫌そうに迫る。

「じゃあ説明すっから護衛して?ヒカリガオカまで。」

「技師案件かよ...わかったから俺にも一枚噛ませろよ。」

「まぁ頑張るわぁ。」

 

 




上野公園〜光が丘は大体20キロないくらいです。
国道254号線使ったら40分くらい。

基本的にTwitterでフラフラしています。
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ハヤト:騎兵、七列風神
18歳の少年。非常に落ち着いていてドライな性格だが、ガイア教徒に対しては激しい感情を見せる。
騎乗しての戦闘がサマナーで最も強く、両刃のついた槍を使用するが状況に応じて竜騎兵にも化ける。


オルトロス:『速い』という意味を持つテューポーンとエキドナの間に生まれた双頭の犬。
兄弟に地獄の番犬ケルベロスや多頭の毒竜ヒュドラなどを持つ。
クレタ島で牛の番をしていたが牛を求めてやって来たヘラクレスに殴り殺されたという。

ケルピー:スコットランドに伝わる馬の姿をした魔物。
人間を大人しく良い馬を装い乗せようとするが乗った瞬間水に入り苦手な内臓以外の全てを食い尽くす。しかし、乗りこなすことができれば右に出る者がいないほどの駿馬として活躍するという。


次回はセットで書けるといいな
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