「ヒローーッ!」
「イサカうるさいなんだお前。」
玄関を蹴飛ばすような勢いで開いた所に転がり込む音と声を奥の部屋で聞いたヒロはキーボードを叩く手も止めずに叫び返した。
「あ、失礼しまーす。」
「なんで挨拶だけは律儀なんだよ。」
「ばあちゃん厳しいから。」
ガタガタと音がして3人がヒロのいる部屋までやってきた。
ユンガブラはともかく、3人ともどこか草臥れた様子だ。
「お前も来たのか。」
「途中クソバイクに追い回されてたからな。」
「早速か、どうりで草臥れてるわけだな。で、そっちが例の?」
異形の青年に興味も恐怖も見せない医者のような顔で指差すヒロにイサカは頷いた。
「オレはヒロ。悪魔と情報の調査をしてる。元に戻せるよう出来る限りのことはさせてもらうから。よろしく。なんて呼べばいい?」
「あだ名でもええで。」
勝手知ったる他人の家と床に座り込んだイサカが2人の下から呟く。
「お前が聞いとく事なんだよ。」
チクチクと攻める声に耳を塞いで知らん顔のイサカ。
異殻一の学者も開いてみればとんでもないろくでなしである。
「イ...イスカです。よろしく...。」
「...で、俺も聞かされてないんだけどソイツ、何?ガイアーズに関係してるんだろ?」
「説明するからとりあえず仕事してくれん?」
早く暴れたそうなハヤトを抑えつけてイサカは言ったら。
「な〜る〜?確かにマグネタイト生成してるし外見はどう見ても人間だが反応は狂ってるしこの線と目は人間じゃないな。」
説明を聞きながらユンガブラ—イスカを調べてはキーボードを叩いていたヒロは呟く。
「バサッと言いやがった。」
「オブラートがない。」
「お前が言うな。」
「お前が言うなお前が。」
戻ってきたブーメランに胡座をかいていたイサカは仰反る。
仰け反りすぎて床に頭をぶつける様子を見てハヤトはバカじゃねぇのと呟いた。
「しかもまたセンスあるのかないのかわからん名称つけて...。」
「まぁ、駅で見つけて追いかけられながら連れてきたってだけやからあとはそちらからきいて。」
「...この人の名前は?」
「一字違い?」
「......。」
どうにも締まらないイサカを見て溜息を吐いたヒロは質問を開始した。
「ここに...いや、攫われたのはいつかわかるか?そしてそれは何処だ?」
「ゴールデンウィークの最終日だったと思います。代々木公園駅の側で友達と別れて歩いてて気づいたら暗い部屋に転がされてました。」
「渋谷じゃん。」
出張して来たのかよ。と呟くハヤトにまァ目と鼻やもんな、と返すイサカ。いつの間にかレポート用紙数枚とボールペンを取り出してつらつらと何か書いている。
「じゃあ、『何』があったか聞いていいか?そしてどうやってウエノまで逃げて来たかも。」
「...連れられて来て半日位した頃だと思います。急に扉が開いて地下みたいなところに連れてかれて...あれは多分病院の手術室でした。」
「新宿は病院多いぞぉ...。」
新宿区は東京3位の病床数を誇る自治体であり、大きな病院自体もかなり多い。
これからの苦労を考えてイサカは顰めっ面。
「僕以外にも何人か連れてこられた人がいました。そこで...。」
ぐっ、とその時を思い出したのかイスカは黙り込んだ。
しばらくイサカのペンの音のみが響く。
「気味の悪いヒルみたいでした。瓶のなかで僕らの方に向かってうぞうぞ動いてて...それを...。」
「ヒルか...。」
その後を察してか察さずかイサカはペンを止めて呟いた。
「心当たりあるか?イサカ。」
「大分違うけどカミキリムシみたいなクワガタみたいな頭のイモムシみたいなんが例の資料と一緒にぶんどったやつに描いてあった。それかもしれん。続きも教えて。聞こえとるから。」
そう言って立ち上がって隣の部屋に行くとガチャガチャと勝手にコピー機をいじり始めた。
書いててほんまコイツロクでもねぇなと思ってました。
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