「まさかお前ら今から殴り込む気か?」
ヤマトの返信待ちの間にガサゴソと準備を始めたイサカとハヤトに呆れ顔のヒロは尋ねる。
「勿論。」
「そら、まァ、他にも人おるっぽいし?ラッキー言っても1人逃げれるくらいの相手なら2人で上等やろ。後始末はともかく。」
と、武器の手入れをしつつ持ち物確認をするハヤトと帽子とカバーゴーグル、そしてアイスピックの様な短剣を装備するイサカ。
「ともかくじゃないんだわ。被験...被害者の回収と奴等の始末にデータ回収にどんだけ手間かかるか知ってんだろ。」
何事も始める前より終わった後の方が手間が多いのは異殻でも...ましてや敵勢力との戦闘でも当然同じである。
なおかつ、今回は
「先殴り込んでおいて後始末に人連れてくればいいだろ。それこそセヲリ連れてくるとか。仲魔いるし。」
「あーセヲリ昨日新人拾て来て今日バッタバタやったから無理やと思う。」
「ウソだろ!?アイツそんな事できんの!?」
「お弟子君トラブルと説明不足で死にかけとったな。まァ、連絡はするか。」
「......。」
あーあと呟く2人と置きっぱなしにされたイスカ。
拉致被害者な事以外は基本的に一般人なので当然ではあるがなんせ場所が特殊だ。
「話ずれてんぞ人足りねぇぞ。オレはコイツいるし出ないからな。」
「ヤマト、俺、イサカ、セヲリ...あと誰?」
既に約2名を確定条件として扱って計算するヤマトに突っ込むものは誰もいなかった。
「いっそアレは?デイム。」
「却下。」
「他が良くてもオレが嫌だ。あの狗。」
バッサリと斬り飛ばされるイサカの意見。
それも当然、デイムとは現実世界で活動するサマナー...
異殻と現実世界両方で活動可能なサマナー...どんな役割をしているかは察される話だ。
「どちみちこんな面倒臭い事件バレるから今のうち巻き込んで適当にする手はあると思うけど。セヲリとマコトのオッサンの心労も考えて。」
オールドエイジとの交渉担当は主に切先セヲリと異殻最強の交渉人ことマコトだ。
マコトはともかく、セヲリはいつもブツブツと文句を言いながら始末をつけている。
イサカも役割柄、2度ほど出向いた事があるが2度とも5分と経たずにその場で乱射したいと思って過ごしていた。
「まだ早いだろ。報復でやったらなんかしてたよ、くらいで行かねえと。」
「う〜ん...じゃあ誰よ。」
そんな話をしているうちにヤマトから返信が来る。
「アタリ〜。ついでに参戦確定。」
「よし3人でもいいから行くぞ。」
「返信が来たからしゃーないしゃーない。」
言葉尻が残念そうでないのはハヤトはガイアーズを早く沢山締め上げたい為であり、イサカの方は資料と被験体の情報狙いだ。
自分達からの奇襲なら何処だろうがガイアーズ程度に負けないという自信もある。
最も、そんな相手でも状況が悪ければ先程のイサカのように苦汁を飲むハメになる事もなくはないが。
「今日平日なのを後で思い出して苦労しろ。」
恐ろしい事実を2人の背中に叩きつけてヒロは2人を見送った。