恥ずかしいことに貧血で行動不能になりセヲリに担がれて武器屋に戻ることになった僕は例のソファに双子と座らされて反省会の最中だ。
「だからあんなの来るなんてわかるわけないっつてんだろ!」
「だとしてもこいつらなんの武器使ってるかくらい覚えてんだろ目の前で人の頭潰れたら普通はひっくり返るんだよ。そもそもなんだその訓練方法は?お前は後輩を殺す気か。」
反省会というよりは言葉で殴り合っているのに近い。セヲリとミナモトが。
「セヲリに普通求めるのも無理あると思うけどな。」
「私らも知ってるからね。セヲリの話。」
何があったんだこの人は。
「んーとね?なんだっけ?色々あるよね。」
「1年目に何人かに嫉妬されてスマホ取られてチヨダのどっかの駅に放り出されたとか?」
怖すぎる。
チヨダに該当する辺りは絶対に近づくなと釘を刺された危険地帯だ。
どうやったかわからないが共謀して放り込む方もだがスマホなし...仲魔も呼ばずに帰ってきたセヲリもセヲリでとんでもない。
そういえば2度と御免とか言っていた気がするがそういうことだろうか。
「他何?妖精事件か?」
「それって協定違反した妖精を片っ端から殺したっていう?」
「あ、知ってた?それそれ。凄かったらしいね。関わった妖精はもちろん、反撃したやつも殆ど穴だらけにされたらしいよ。槍で。」
穴だらけってどういう事。
「そーよ、あの時あたしみたいにとばっちり受けた方はどんだけ怖かったと思う?立ち向かった騎士もみーんな殺されてたのよ?どっちが悪魔がわかんないわ。」
ジャックフロストと一緒にお菓子を齧っていたピクシーが膨れっ面で会話に参加する。
「そんな事あったのに僕殺されかけたの?」
「でっしょ〜?ホント虫みたいな頭してるんだから。アイツら。」
「虫みたいなのは羽だろ。」
「お兄ちゃんそうじゃない。」
「人の災難で何盛り上がってんだお前らは。」
ミナモトとの応酬に一区切りついたらしいセヲリがぬっと会話に入って来た。
「お前がどんだけ無茶苦茶か教えてた。」
「セヲリ変態だよね。意味わからなくて。」
残念な事に同意するがそれはそれとして酷い言われようだ。
「妖精事件は災難でもなんでもないと思う。」
「あたしとしてもアイツらが悪いと思うけどね。あの時点では人間の方も
「アンタら最高のコンビだよ。」
僕とピクシーのセリフに苦い顔のセヲリ。
言いたい事と言い返せない事が大量にありそうな顔だ。
「コイツの関わってる騒ぎなんて手の指じゃ足りねぇよ。なんなら片っ端から上げてやろうか?」
「私のいる所でするんじゃない。」
セヲリが再び若干の殺意を醸し始めた所でセヲリのスマホからバイブ音が聞こえた。
「お?」
「連絡?」
「ん〜...今すぐ手貸して欲しいって。ちょっと時間かかりそう。じいさん、代わりに送ってあげてくれない?家の最寄駅とかまででいいと思うから。」
そんな雑な。
「お前の急な用事なら仕方ないって言ってやる。ほらさっさと行け。」
「ありがとう〜じゃあ。」
「また来るホ。」
そう言ってジャックフロストと共に軽い足取りで出て行った。