天使と共に彼が守るのは国民か、それとも...的な
「あぶね、間に合った。」
やや締まらない声がして男の人が僕と女の子の間に割って入る。
「お前がオールドエイジのデイムか?話通り変な格好してんな。イタいぞ。」
「いきなりなんですか貴方。」
それは僕も思った。
唐突に現れた灰色のキャップに灰色のシャツ、黒いジーンズに目つきの悪い男の人は僕(とリオン)の前に立ち女の子...デイムと睨み合う。
「俺は勇。アンタらの言う『技師』に腐れ縁で手伝いをしてるモンだ。アンタらが嗅ぎつけてコイツ狙ってる事に気づいたはいいが誰も手が空いてなくてな、俺らに鉢回ってきたわけだ。よろしくしてくれなくて良いぞ。関わりたくねえ。」
「技師の...!?」
「これどう言う状況?」
「僕も聞きたい。」
あの人達何したの?
訳のわかっていない僕らを置いて話は進む。
「一般人を巻き込んで使うなんてまた勝手な真似を...!」
「今のお前にゃブーメランだよ。用があんのは誰ぞの弟子なんだろ?2人いるなんて聞いてねぇけどな。でだ、俺らはそいつを守れとも言われたがこれを渡せとも言われた。ほれ、今ここで読めすぐ読め。」
どこからともなく茶封筒を取り出してポイと放り投げる勇。
デイムは訝しげだったが受け取った封筒を開けて中身を読む。
「...これは私に判断できる内容じゃありません。」
「言うと思ったぜ全くやっすい言葉しか言わねぇな。だったら上にさっさと聞けよ。お前らだってスマホくらい使えるだろ?」
「その人を確保した後にしますよ。」
「力付くか?辞めてくれよ警察来たら俺が捕まるんだから。」
勇もサマナー相手にやる気満々である。僕どうすればいいんだろう。加勢?
「人避けはしてありますよ。それでも、悪魔も見られない貴方に敵うとでも思ってるんですか?」
「確かに俺らはお前らの言う悪魔なんぞは見たことねぇな。が、人避けしてあるのに俺らが入って来てるからにはそういうモンは対策されてると思ってねぇのか?」
確かに。第一
「あと、お前の相方は俺の妹が相手してくれてる。妹は俺より手が早くてな、ぶちのめされてるかもしれねぇな。」
「なっ!?」
「そういえばずっと俺『ら』って言ってたなあの人。」
「そういえば言ってた。」
あの人すごい早口だから聞き流してた。
「ちょっと
「任務は遂行するから任務なんですよ。」
「撤退も出来ねぇなんて頭の悪い奴らだなあ、オイ。俺は拳だけなら広より強いぞ。第一俺の妹もいるのに勝てると思ってんのか?」
ベキベキ拳を鳴らし始める勇。
これは血が流れるやつか?下校中だってのに勘弁して欲しい。
「貴方と妹さんが私達より強い証拠がどこにあるんです?」
「脳筋みたい。」
僕の呟きに勇とリオンは吹き出した。
「偶に容赦ないよなお前って。」
「言われてるぞ脳筋。」
一瞬顔を赤くするデイム。
男3人に馬鹿にされる1人の女の子という酷い構図だが、これはもう向こうが悪い。
デイムが踏み込んだ...!と思った瞬間、電話が鳴った。
「!?」
「あぁ、やっとか。お前だぞ。出ろよ。」
じり...と踏み込んだ3倍は後ろに下がるとスマホを取り出して電話に出る。
「...わかりました。」
それだけ言うとスマホをしまい立ち直る。
「時間稼ぎが本命ですか。」
「当たり前だ。お前みたいな木っ端に誰がこんな緊急性の高い交渉なんかするか。狗。」
「
「可哀想になってくるな。」
それはない。
「桜が連れてってくれるだろ。俺はこいつら回収しなきゃいけねーんだ。ほら、消えた消えた。」
シッシッ、と追い払われるようにデイムは去って行った。
「さて、と。セヲリの弟子。」
「あ、はい。」
「お前、家遅くまで出てても平気な家か?」
「えーと連絡すれば外泊しても怒られない系の家です。」
主に夕飯の行方を心配される家です。
「じゃあ今から連れて行くから連絡しとけ。で、こっちはどうするか。」
「なぁお前弟子とかなんなの?秘密にしてたのこれか?」
そうです。結局バレちまってる。
「う〜んこっちも連れてくか。お前家は?」
「あ、うち夜中まで誰も帰ってこないんで全然。」
「よし。こっちはこっちで預かる。じゃあ来てくれ。連れてくから。」
僕とリオンは勇に連れられその場を後にした。
「どこへ行くんです?」
「お前は光が丘。広ってのがいるから従ってくれ。後でイサカ...?とセヲリも来るってよ。そっちは俺と一緒にその辺の店。仲間と集まるついでに奢ってやるよ。」
「やった、もうけ。」
「凄いなお前。」
図太い神経持ってるやつだ。僕には真似できない。
デイムって日本ではまァ聞かないですよね。私も漫画で知った。
カヅラ:デイム、五皆破神
現状で唯一の異殻で活動するサマナー『ニューエイジ』にして現実世界で活動するサマナー『オールドエイジ』である女性。
先祖代々、日本国内の霊的秩序統制を司る機関に所属しているようで非常に忠実。ニューエイジには使えない術を数多く駆使する。
ニューエイジには最も煙たがれる存在であると同時にオールドエイジとの窓口でもある。
『仲間』:技師、ヒロの協力者。
全員、悪魔も見た事のない一般人だが、異殻や悪魔、サマナーについての知識に精通しており現実世界において様々な協力をしてくれる。
東京以外にもいるらしく、そちらは地方に散ってしまったニューエイジのサポートや情報解析等を手伝っている模様。
元々何かの事件を共に解決した仲間らしく結束力は非常に強い。