「さーこっからがサマナーの基本や。悪魔と会話して利点妥協点を見つけ出す。通称、『悪魔交渉』。」
「悪魔と交渉ってそうそうできるもんなんですか?」
ごそごそと机を漁ってスマホを持ってくるイサカに僕は訪ねた。
「向こうから話しかけてくることもあればこっちから積極的に行くのもありや。ボコボコにしたったらやめてくれるならって言うてくるときもある。」
どっちが悪魔かわかんないなそれ。
「交渉そのものはセヲリの方が上手いから実技は向こうに任せるとして交渉に必要なのはこれ。」
と、スマホからコロコロコロンと何かを取り出した。
...スマホってアイテムボックス機能あったっけ。
「おもろいやろ?スマホからこんなもん出てくんの。これは
渡されたマッカを翳したり手に転がして見る。
「つまり、これをあげるから仲魔になってって言うわけですか。」
「そうそう。まぁ他に物欲しがったりするやつもおるけどこれが基本。で、次は『生体マグネタイト』。」
と、もう一つの塊を僕に手渡した。
「これは悪魔が肉体を保つ為のエネルギー。人が生きてくにタンパク質が必要なんと同じ感じで欠乏してくると弱るし無くなると召喚出来んくなる。」
悪魔は情報が
「この2つは悪魔を倒しても出てくるし、然るべきところで交換も出来る。その辺に落ちとることもあるけどな。」
金落としてんじゃないよ。不用心な。
「さっき千代田が悪魔すごいって言ってたでしょ?あれマグネタイトがあそこにすごいいっぱいあるからなわけよ。マグネタイトは精神のエネルギーが固まった物でね、
「ちなみに複雑な思考と感情のモン程よく取れるらしくてな、人間は美味しいらしいで?二重に。」
シャレにならんのでやめてください。
「で、あとは月。悪魔は満月に近なるほど興奮して話が出来ん代わりにマグネタイト保有量が増えて新月ほど逆になる。お弟子君、ここから導き出せる答えは?」
おちゃらけて尋ねるイサカに僕は少し考えて答えた。
「マグネタイトを稼ぎたい時は満月に、仲魔が欲しい時は新月にってことですよね?」
「そう言うこと。...さて、座学の基本はこんなもんやろ。次ゃお師匠殿の時間やで。」
「明日が終わるのは大体現実世界の4時頃。休む時間も含めてたっぷりあるからそっちの基本もじっくりやるよ。それとも一眠してからやる?」
時間気にしなくていいのは便利だな...課題とかもゆっくり出来そうだ。
「ああ、実際やるで?こんな便利なもん使わんの損やさかい。課題がちんたら出来るの最高やで。」
考えることは皆同じだな。
それはそうとして。
「今からで。」
「じゃ、下行くよ。まずは武器見繕わないと。」
「あ、おもろそうやで一緒に行く〜。」
「勝手にして。」
下に降りてきた3人衆を傍目にミナモトはタバコを吹かせる。
「終わったか?早いな。」
「今から実戦。...で、我が弟子殿にいい武器ある?銃以外にして欲しいんだけど。」
銃の方が安全そうだけどな...?
「弾切れ怖いし反動半端ないからな。サブで持つくらいが丁度いいんさ。」
ソファでぶらぶらするイサカに2人が総ツッコミを入れる。
「お前が言うか?」
「アンタに言われたくない。」
「てへ。」
ペロっと舌を出すイサカ。
何者なんだこの人。
「刀だな。槍は今長いか重いのしか無いんだよ。」
「それでいいでしょ。どうせ我流で身につけてくものだし。」
それでええんかい。
ちょいちょいと手招きするミナモト。
「はいこれ持ってみろ。」
「えっ重っ。」
出した手に漫画で見るような刀を持たされた。
「思ってたより重い...。」
「これが1番普通なやつだよ。慣れてくれ。」
「金は私が全部出すからちゃんとした準備品出して。」
「出されなくても初めはちゃんとしてやるよ。他に薬と簡単な防具と石と...。」
ばさばさカウンターに出されていく物品にヒヤヒヤする僕。
「身につける物以外はスマホに入れておけるから。あと、イヤホンマイク持ってる?こういうの。」
と、セヲリは帽子の左耳を上げて片耳イヤホンを見せた。
「家になら。」
「じゃあ今度から付けてきて。音声機能で出し入れとかよくわからない悪魔の翻訳とか出来るから。」
今時の携帯ってすごいよなぁ。
持ち物の保管とか悪魔の翻訳出来るんだから。
マッカ:魔貨。悪魔達の使用通貨。
1マッカあたり現実世界換算で10円程度。
悪魔との交渉、売買の取引の際に使われるが武器屋でもある程度は使用可能。
生体マグネタイト:通称、マグネタイト、MAG。
悪魔達の肉体を構成する物質にして精神エネルギー。
欠乏した悪魔は段々身体を維持できず弱っていき、サマナーと契約していない限り最後には消滅する。
複雑な精神構造を持つ物から大量に発生しており、人間が悪魔に狙われる一因となっている。
サマナー達も戦っているうちにこれを体に取り込んでおり、能力を強化して行っている。