真・女神転生square root   作:長月 海里

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メダカ捕まえようとしてた男の子達にザリガニの居場所教えたら目を輝かせていてとても可愛いかったです。でもちょっと早いんじゃないかな。


妖精の主

 結論から言うと殺意剥き出しの妖精は他にもいた。

あれから15戦くらいしたが2、3回に1度は僕のことを丸焼きや細切れにしたい気持ちを隠そうともせず襲いかかって来た。

「あ〜...無理...。」

 その辺の縁石に座って刀に寄りかかってぐったりする。

「情けないわね。」

「殺し合いなんて現代の日本人は普通しないんだよ。」

 しかも悪魔とだし。

こんなの週刊誌(ジャンプ)に任せておけばいいと思う。

「それにしてもバカなこと考えてるヤツがこんなにいるなんて...。」

 先程までそのバカを片っ端から感電死させていた妖精が深刻そうな顔をして考え込んでいる。

「3回に1回は来たね...。」

「そうよ。『3回に1度は必ず』来たわ。まさか...。」

 ダシにされたかなぁ。

流石に僕でもこれはわかる。言う事を聞かずに不満を持った妖精達を殺してもいい訓練相手に配置したんだろう。

 初心者に無茶苦茶させる連中ばっかりだ。もうやだ。

「まだいる?」

「もう終わりだよ流石にこれは。」

 パッと顔を上げるとセヲリが呆れ顔で立っていた。

「気前がいいと思ったら粛清のダシか。あんなナリして随分臭いこと考える。」

 すごく不快そうな顔だ。

無茶苦茶させてると思ったらそうでもなかったんだろうか。説明不足なのは変わりないが。

「セヲリ!アンタ契約法も教えずに何やってるのよそれでも先輩なの!?」

「それは否定出来ない。」

「ほらー!こういう大事なことはしっかり教えておくものでしょ!?ちゃんとしてよ!」

「否定できないけど妖精のくせに人間臭いヤツだな。他の妖精に嫌われてそう。」

 ほら言われた。

「あたしは嫌われてないって言ってるでしょーー!?」

「電撃属性の癖に何処の水柱だ。言った?」

「言った。」

 というか貴女の問題も棚に上げないで。

「いきなり敵地のど真ん中に放り出すって酷くないですか?」

「説明不足は置いとくとして上野に置き去りなんか優しい優しい。他の連中は初めっからガキだのチンだのと戦うしかないんやから。」

 フィールドワークを終了させたらしいイサカがとんでもない実態を暴露しながら戻ってきた。

「ふーんピクシーなあ。いいヤツ仲魔にするやん。育て方次第で攻撃、回復、支援なんでも出来る様になるで。ただし紙ッペラやから前行かせたらすぐ死ぬで気をつけなよ。」

「ピクシーって言うんですね。」

「なんで知らないのよ。」

 お前が名乗らなかったからだよ。

「お前スマホのアナライズくらい教えろや。」

「前教えてたし自分でアプリくらい見てると思って。」

「無理があるやろ、アンタと違うんやから。」

 触ったら変なことなると思うと怖すぎて見れませんでした。

「で、なんでこんなぐったりしとんの?」

「今?」

 天才(きじん)はすぐ話変わるな。

「本気で5回くらい殺されかけたからです。」

「あーねー。災難やったなお弟子君。そろそろ2年半経つからなあ。どう扱ってもいい訓練相手として処分するなんてなー。えげつないえげつない。」

 2年半?確か協定は3年前だった筈だ。

何があったんだろう。

「2年半前に何があったの?」

 セヲリとイサカが何か話している間にこそっとふわふわ浮いているピクシーに尋ねた。

「セヲリがこっそりふざけてサマナーを嬲ってた妖精達を皆殺しにしたのよ。100近くね。」

 これか!さっきコイツがキレていた理由は。そりゃ怒るわ。

「妖精ってルールに緩いの?」

「あたしはちゃんと守ってるけど...。」

 お前はどう考えてもあの中では異端だろ。

「よく覚えときなお弟子君。人間臭いってことは平気でウソ吐くいうことやで。ですよねー!?お弟子君の訓練は終わりですやろー?出てきたらどうですー!?」

「あらあら。」

「お前達には敵わんな...。」

 楽しそうな女と若干悔しげな男の声がした。

「ま、まさか...。」

「まさか?」

「お弟子君セヲリに拾われてラッキーやったなあ。新人サマナーがそうそう会えるような悪魔ちゃうで。アレら。」

 もう自分は部外者です。という顔でイサカは欠伸をしながら言った。

「説明してもらおうか?私は訓練を頼んだだけで粛清の手伝いをさせるとは言ってないけど。」

 セヲリは腕組んで大変不機嫌そうに尋ねる。

「そうは言ってもティターニアが後から言い出した事でな...。」

「うふふ、丁度いいと思ってね。殺した分だけその子も強くなったでしょ?」

 つむじ風と共に2体のえらく立派な格好と蝶みたいな羽の悪魔が現れた。

「ティターニアって、シェークスピアのアレですか?」

「そうそう、アレ。よう知っとるな。」

 初めて知ったのがSAOだからあんまりいいイメージないけどね。

「上野恩賜公園・妖精王国が(ヌシ)くそ碌でもない妖精女王、ティターニアと棚上げ悪魔、妖精王オベロンってわけ。」

「酷...。」

 初めて会う相手を紹介する言葉じゃないな。

ピクシーがまた怒るかと思ったが微妙な顔して何も言わなかった。

 成る程。

この2体、関わりたくない。

「死んでたら私がアンタらもまとめて殺しに行ってたけど?」

「その前に私が助けるつもりだったもの。それに殺されなかったからそれでいいでしょ?協定は今でも守られてるわ。それに、その子可愛いし?」

 そう言って僕を見る目にゾワっとした。こっち見ないでください。

 




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ピクシー:イングランド南西部に伝わる妖精。
姿についてはまちまちだが、小人のような小さい身体であることは共通している。悪戯好きだが概ね良いモノとされており、人間と共生関係にあるという。

ティターニア:タイテーニア、日本ではタイターニアとも。
ウィリアム・シェイクスピア『真夏の夜の夢』に登場する妖精達の女王。
誇り高い性格でオベロンと対立するがオベロンの計略からロバの頭をした男に恋させられるという被害を被った。

オベロン:オーベロンとも。
ルーツを辿ると北欧神話の神に行き着くとされる妖精達の王、またはティターニアの王配。
『真夏の夜の夢』ではティターニアとの喧嘩から配下に命じて人間に恋をさせ、トラブルを引き起こした。


SAO:ライトノベル、ソードアートオンラインの略称。
作中でとあるキャラクターのアバターにオベイロンとティターニアとして名前が使用されている。
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