やがて彼女と交際を始めたあなた。恋人としても彼女は理想的だった。ただ一つの事を除いては…
※「○○オチはルール違反スよね」
「あ、あのっ!今日から先輩に指導して頂く事になりました!よろしくお願いします!」
「そんな、さん付けなんてしなくていいです。私の方が年下ですし、呼び捨てで構いません!」
「今日は…外回りですね。が、頑張ります!」
「…ふう、疲れました。先輩はこれを毎日やってるんですよね…お疲れ様です…」
「いえ、大丈夫ですよ。この位、学生時代の部活に比べたら大した事ありません!まだまだ覚えなきゃいけない事は山程ありますからね。3ヶ月程で全部覚えてみせます」
「無理…?そんな事ありません。絶対覚えてみせますから!」
「あの、この後時間ありますか?分からない所を教えて欲しいんですが…」
「どうでしょう先輩。私、先輩の役に立ってますか?ここ、間違ってる…?あ、ホントだ!えへへ、い、今のは無しで」
「話は変わりますけど…先輩って、お付き合いされてる方は…いますか?」
「いえ、その…いつも私に付きっきりだし、たまに残業も付き合ってくれるじゃないですか。もし彼女さんがいたら、悪いな~って思って」
「モテない?そ、そうでしょうか。先輩、顔は悪くない方だと思いますけど…」
「男の癖に細かいって言われるんですか…それは仕方ないんじゃないかなと思いますよ。私等って数字を扱う仕事じゃないですか。逆に神経質位で丁度いいと思いますよ」
「あの…ですね。じ、実は私も…彼氏いないんですよ。どうでしょうか…」
「な、何がって…その…先輩の彼女に…立候補しようかな〜なんて…」
「私、少しトロくさく見えますが、自分ではしっかりしてる方だと思います」
「その所為で…すぐフラれちゃうんですけど…」
「他にセールスポイントは…そ、そうだ!私、高校の時からほとんど体格変わってないんですよ。もし…先輩が高校の時の制服姿見たいって言うなら…着ますよ❤」
「それに、私も同じ仕事してますから、少し位細かくても理解ありますし…ど、どうでしょうか?」
「ほ、ホントですか!?私、ダメもとで言ってみたんですけど…嬉しいです…」
「はい…これからは彼女としてよろしくお願いしますね!」
「先輩、ちょっといいですか…先輩は止めろ?ふふっ、解ってるんですけど、この方が呼びやすくて。それとも、あなたの方が良いですか?」
「私はそれでも良いですけど、私達、付き合ってるの皆には内緒じゃないですか。職場であなたなんて言っちゃったら周りにバレちゃいますよ」
「だからちゃんと結婚するまでは先輩呼びにした方が良いですって。先輩もそう思いません?」
「あ、そうそう、私、今先輩のマンションに同居してるじゃないですか。それで先輩も少し広いマンション探してるって言ってましたよね」
「それって半分私の責任ですから、私の方で色々探してみたんですよ」
「それでですね…この二つなんてどうでしょう。こっちは会社に近いから通勤に便利です。私はこっちの方がお勧めですよ。会社からは遠いですけど広いし部屋数も多いです」
「部屋数が多いのがどうしてお勧めって…もう、イヤですねぇ❤私達、ほとんど毎日…シてるじゃないですか///」
「子供が生まれたら…子供部屋も必要でしょう?」
「子供が生まれたら引っ越せば良いとも思いますが…今なら二人で働いてるので余裕ありますし、大学や保育園もあるので子育てにはもってこいの環境だと思うんです」
「はい、じゃあ日曜にでも見に行きましょう!」
「ふうっ、引っ越しも終わりましたね。ここでこれから先輩と…至らない私ですが、これからもよろしくお願いします」
「それでですね、私達って結婚を前提に付き合ってるじゃないですか。今度、先輩のご両親に会わせて貰えませんか?やっぱり報告は早い方が良いと思いまして」
「私の方の両親にも会ってほしいんですが…問題ないですよね」
「良かった。実は日曜に先輩を連れて行くって約束してあるんですよ。なので日曜は予定開けておいて下さいね」
「それと…私、そろそろ退職しようと思うんです。いえ、仕事が嫌いとかじゃなくて、昨日病院に行ったんです。そうしたら…」
「オメデタですって…///」
「はい。私のお腹の中に、私と先輩の赤ちゃんが宿ってるんです。これからはパパって呼んだ方が良いですか♪」
「そんな訳で、私もお腹の子に何か遭ったらイヤですし、色々準備もしておきたいんです」
「だから明日にでも会社に報告しますね」
「ふふっ、くすぐったいですよぉ♪まだ妊娠2ヶ月ですからお腹に耳付けても判りませんよ。それに母もとても喜んでいました。予定通りねって」
「…ですから、私が妊娠するのがです」
「どうして知ってるって…私、先輩と付き合う事になった時に報告したんです。将来、この先輩と結婚するつもりだって。それからも定期的に連絡してるんですよ…」
「毎日、先輩に抱かれてるので、一年後には赤ちゃん出来るって」
「…どうしたんですか?私、何か変な事言いましたか?」
「母に夜の生活の事を話した事ですか?そんなにおかしいですか?」
「でも先輩、私と結婚するつもりですよね?、私も最初からそのつもりですし、それなら早いうちに母にも知らせておこうと思いまして…」
「あと、結婚式も早めにしましょうね。お腹が大きくなってくると、ウェディングドレスが似合わなくなりますし、周りにデキ婚って思われるのはイヤです」
「2ヶ月…3ヶ月位先ならギリギリお腹も目立たないそうです。なのでその間に結婚式を挙げましょう」
「その後は2〜3年は専業主婦として家にいるつもりです。本当は1年でも構わないんですが…」
「もう一人位…子供作りませんか///」
「私、一人っ子だったんで兄弟に憧れがあるんです。なので子供は絶対二人は作ろうって決めてたんです」
「私も二人もいれば充分ですね。男の子と女の子の両方だと良いんですが…」
「で、でも…もし先輩が望むなら…三人目も…キャッ❤」
「…先輩。話、聞いてます?何か、うわの空って顔してますけど…」
「で、式に大学の時の友達を呼ぼうと思うんですけど…」
「あなた、お帰りなさい。ちょうどご飯も出来た所よ。もちろん、ビールもありますよ」
「…どうしたの?深刻な顔をして。何かあったの?」
「…転勤?」
「アメリカの支社に3年間…帰ってくれば部長に?」
「…」
「断って下さい」
「何故って…私の予定にないからです」
「私の予定では、あなたと結婚後、二人の子供を産み、子育てが終わった20年後に老後を過ごす為に少し静かな所にマンションを買う…孫の世話を手伝いながら定年まで過ごす、後は二人で旅行でもしながら余生を過ごす…そう決めてるんです」
「海外で過ごすなんて私の予定にありません…もしそうなら、また最初から予定を組み直さなきゃいけない…そんなの駄目よ…絶対に駄目…」
「それに…結婚する時も言ったじゃないですか。ここは子育てするには最高の環境だって。あなたも同意してくれたでしょう?」
「アメリカなんて…日本と違って治安も悪いし子供に悪影響を与える物が多過ぎるわ。私は絶対反対です」
「私はここに子育てが終わるまで住むって決めてるの。この事は子供が生まれた時に、あなたにも話したじゃない。どうして今更蒸し返すの?」
「転勤を終えたら帰ってくればいい…?」
「駄目よ、そんなの!」
「これから生まれてくる子供の為にも、生活環境はとても重要よ?ご近所の人も良い人ばかりだし、何が不満なの!?」
「栄転?そんなのどうでもいいじゃない!私はあなたと子供達と幸せに暮らせれば、それで良いの!例え出世しなくたって家族が幸せならそれで充分じゃない!」
「単身赴任…?それこそ絶対に駄目よ。あなたが浮気するとは思わないけど…あなただって男の人だもの、そういう気分になる時だってあるでしょ?」
「あなたの欲求は全部私が受け止めてあげる…それとも、あなたは3年も女に触れない禁欲生活が出来るの?」
「ほら、答えられない。図星でしょ?」
「…まさか、私に飽きて金髪の女を抱きたいとか思ってたんじゃないでしょうね?」
「…なら良いけど。ほら、早くご飯食べましょう。その後は…ね?」
「お帰りなさい…どうしたの、変な顔して。調子悪いの?それとも…」
「部下の子に…別れでも切り出された?」
「今日、彼女休みだったでしょ。家に来て貰ってたの。主人の事で話があるって」
「何故知ってるって…あなたの普段の態度を見てれば判るわよ。女はそういう事には鋭いの。で、話がしたいから来て貰ったの」
「あなたと別れるか、会社を辞めるか…」
「もし別れなかったら、慰謝料請求して会社や家族にも全部バラすって言ったら、彼女泣きながら別れますって頷いてくれたわ。アハハッ♪バレるのが怖いなら最初からやらなきゃいいのに」
「離婚…?馬鹿言わないで!どうして私があなたと離婚しなきゃいけないの?」
「…怒ってないのかって?ああ、その事ね。今回の浮気は私の想定内だもの。怒ってなんかいないわ」
「妻が妊娠しているこの時期は旦那が浮気する確率が高いから気を付けろって、本や大学時代の先輩に聞いてるの」
「それに今回の浮気は私にも責任があるでしょ?私が妊娠中で、あなたの相手が出来ない事も原因の一つ。私も心苦しいと思っていたの」
「だから暫くは好きにさせようと思って気付かない振りしてたの。でも、あなたのスマホのやり取りを見ていたら、彼女、あなたに本気になりそうだったから潮時かなと思って」
「ちなみに私の予想では、子供達に手が掛からなくなった頃、もう一度浮気するの思うの。その時も大目に見てあげる。もちろん、お仕置きはするけど…」
「どう?納得した?」
「私…何事もこうやって先の先まで予定を立てないと不安で…大学の時に付き合ってた彼には息苦しいってフラれちゃったけど」
「でも、全ては二人の幸せの為なの…大丈夫、私の計画は完璧だもの。どんな逆境も乗り越えてみせるから」
「それはそうと…彼女、あなたの部下の子なんですってね。年も私と大して変わらないし。私の時と同じね」
「ううん、怒ってる訳じゃないの。本当よ。ちなみに…」
「私と彼女…どっちが可愛い?」
「…本当?」
「フフッ…なら許してあげる」
《トゥルルッ♫》
「はい、もしもし…それは私の夫で…ええっ!?も、もう一度言って下さい!!お、夫が…!!」
「電車の脱線事故で…死んだ…!?」
「な、何を言って…まだ夫が死んだと決まった訳じゃ…!テレビ…今ニュースが流れてる…!?」
《ピッ、ピッ…》
「そんな…きっと何かの間違いよ…あの人が私を残して死ぬ訳が…し、死亡者リストが…」
「…!!」
「あの人の…名前…」
「…」
「う…そ…」
「そんな…そんなの嘘よ。あの人が死ぬなんて…これじゃ…」
「私の予定が台無しじゃない!!」
「何で…どうしてこんな事に…私の予定は完璧だった…あの人も満足していた…このまま一緒に年を取って…子供と孫に看取られて死ぬ筈だったのに…」
「あの人がいないんじゃ…何の意味もない…」
「早く…早く予定を修整しなきゃ…」
《ガチャッ…ピッピッ…》
「もしもし…救急車を一台お願いします。住所は…はい、妊婦が一人です。死因は飛び降り自殺です」
「見ていたのかって…いえ、違いますよ。これから飛び降りるんです」
「あまり死んだ姿を晒したくないので、早めにお願いしますねぇ…では《ガチャッ!》
「全く…本当はあの人の死ぬ所を看取ってから、私も死ぬつもりだったのに…これから40年分の予定を全部カットしなきゃ…でも若くて綺麗な内に死ぬのは、それはそれで悪くないかも…」
「まあ、あの世でやり直せばいいか。ね?赤ちゃん。あなたもパパに会いたいよね〜❤」
「こんなに早く死ぬのは予定外だったけど…待っててね、あなた。すぐそっちに行って続きを始めるから」
「大丈夫…少し狂っただけ…すぐに戻る…あなた…」
「今、そっちに行くから!!」
《ドサッ…》
心中オチはどうかなと思ったので、夫君の方に不慮の事故に遭ってもらいました。子供を自分で殺して後を追うのも考えたんですが、後味悪いなと思い生まれる前に自殺にしました。
今日のお友達
森影 光 新卒の新入社員。何事も綿密な計画を立てて望むタイプ。30歳までに主人公に出会わなければ結婚せず出世街道に行くつもりだった。親離れ出来ていない所があり、交際の進展具合を逐一報告していた。イメージキャラはウマ娘のエイシンフラッシュ。