※暴力描写があります。
「ううっ…え、は、はい…大丈夫です」
「あ、違うんです。眼帯だと距離感が掴めなくて…自転車で思いっきり転んでしまったんです」
「包帯に血が滲んでる…?あ、足の傷は…多分、今ので傷が開いただけです…」
「救急車を呼ぶ…や、やめて下さい!本当に大した事ないですから。それに…」
「そんな事したら、またお父さんに怒られる…」
「な、何でもありません。ご迷惑おかけしてすみません。じゃあ、私はこれで…痛っ」
「…え、今日はタクシーで帰った方が…?」
「あの…恥ずかしいんですが、私、あまりお金持ってないんです…」
「あげるって…悪いですよ、会ったばかりの人に…」
「明日もここで会えないか…?ふふっ、何かナンパされてるみたいですね」
「ごめんなさい、そんな意味じゃなくて…分かりました。自転車も取りに来なきゃいけないし」
「はい。じゃあ、お金は明日お返ししますね…名前ですか?あっ、そうですね、まだ言ってませんでしたね」
「私の名前は…」
「お待たせしました。待ちましたか…怪我ですか?大丈夫です、もう痛くありません。私、こう見えても丈夫なんですよ」
「足の怪我ですか?…階段から落ちたんです。その時に目にもバイ菌が入ったみたいで…」
「そんな顔しないで下さい。私、小さい頃からよく怪我するんで、もう慣れっこですから」
「…え?ち、違います!イジメじゃないです…でも、似た様なものかも」
「私、中学の頃から…その…怪我ばっかりしてて…クラスのみんなは優しくしてくれるけど、やっぱり私と一緒にいるのはイヤみたいで…みんなからは避けられてるんです」
「体育の授業も出れないし、私といると…その…私の世話をしなきゃいけないから…中々友達が出来ないんです」
「あなたは隣町の高校ですよね。私もその高校の制服可愛いから受験したかったんです。でも、お父さんが近くの学校にしろって言うから…」
「…ええ。うち、父子家庭なんです。お母さんが中学の時に病気で亡くなって…」
「だから、家の事も全部、私がやらなくちゃいけなくて…」
「ううん、別にイヤじゃないですよ。私、料理好きだし、お父さんは仕事で忙しいんだもん、私が家の事はやらないと」
「そう…私がお母さんの代わりをしなきゃいけないの。だから、この怪我も全部、私のせいなの。全部…私が悪いの…」
「あっ!変な事言っちゃいましたね。忘れて下さい。ふふっ、大丈夫ですよ。今日はちゃんと自転車で帰ります。はい、それじゃ…」
「こんにち…え、この怪我ですか?これは…か、階段から落ちたんです。ほっぺが腫れてるのは…か、顔をぶつけたからです!」
「はぁ…やっぱり不自然だよね…会う度に怪我が増えてるし…」
「うん…あなたの想像通り。お父さんに殴られたの。手の傷もその時の…」
「これでも昔は優しかったんだ。でも、お母さんが亡くなった辺りから、酔って暴れる様になって…お前があいつの代わりをやれって、家事を私にやらせる様になったの」
「でも、私、料理も洗濯もした事ないから、失敗する度に怒られて…その内、私の事を殴る様になったの…」
「違うの!お父さんは悪くないの!それは…殴られるのは怖いけど…お父さんは、お母さんがいなくなって寂しいんだと思うの」
「だからって…私が殴られるのは、おかしい…?私の事、心配してくれるの…?」
「ありがとう…凄く嬉しい。でも、私、お父さんの気持ちもよく解るから。お父さん、お母さんの事、大好きだったし…」
「それに私ってトロいから。お母さんは家の事は何でも出来たし…お母さんと同じ事が出来ないんだもん…お父さんが怒るのも当然だよ…」
「…ありがとう、心配してくれて。でも大丈夫。前も言ったでしょ?私、こう見えても丈夫なんだから」
「それに…お父さんは、私が憎いから殴ってるんじゃないもん。私を…私の事を…」
「アドレス?う、うん…いいけど。愚痴位なら聞いてくれる…本当?う、ううん!そんな事ない!凄く嬉しいよ。私、男の子の友達なんかいないから…」
「で、でも大丈夫?」
「何がって…彼女がいたら誤解しちゃうんじゃ…え…いない?」
「見た目は悪くないと思うのに…ごめんってば、そんなに怒らないでよ」
「でも…そっか…」
「…」
「彼女…いないんだ…」
「待った?どうしたの、そっちから会おうなんて珍しいね。え…あ、本当だ。腕に引っ掻き傷…う、うん…お父さんに…」
「き、気にしないで!お父さんに、どこ行くんだって掴まれただけだから。で、どうしたの?」
「彼氏…い、いないよ!私みたいな、しょっちゅう怪我してる女の子を好きになる人なんて、いる訳ないよ…」
「え…ここに…いる…?」
「あ、あの…それって…もしかして、今日呼んだ理由って…わ、私と…付き合いたい…?」
「迷惑じゃないよ!私なんかに優しくしてくれて…わ、私も…君に会うのが楽しみだったし…」
「本当に嬉しいよ…でも、多分無理だよ…」
「お父さんが許してくれない…?違うの、それは…多分問題ないと思う…ただ…」
「君も…私の事知ったら、すぐに嫌いになると思うの…」
「そんな事ない…?最初はみんな、そう言うの」
「実は…前にも私の事好きって言ってくれた人がいたの。でも、付き合う条件を言ったら気持ち悪いって…」
「君も、そうに決まってる…」
「…」
「…本当に…引かない?じゃあ…《トゥルルルン!》
「電話?誰からだろ。ちょっとゴメンね。もしもし…」
「…ええっ?お父さんがマンションから…落ちた!?」
「待った?うん…今、病院から帰って来たの。大丈夫、命に別状はないみたい。ベランダから落ちて足を折っただけだから。暫く入院だって」
「さあ…多分、お酒にでも酔ってたんじゃないかな…それは心配するよ。あんな人でも私のお父さんだもん」
「あ、あのね!実は…今日呼んだのは、前の返事をしようと思って」
「私もね、君の事好きだったんだ。君と会うの…毎日楽しみだったの。だから君が私の事、好きって言ってくれた時、凄く嬉しかった…」
「私からも、お願いします。こんな私で良ければ付き合って下さい」
「…うん!グスッ…嬉しいよぉ…」
「え?前に言ってた付き合う条件…?あ、そうだね。エヘヘ、嬉しすぎてすっかり忘れてたよ」
「大丈夫、別に難しい事じゃないから」
「本当に…私の事好き…?」
「エヘヘ…な、なんか照れちゃうな…じゃあ、思い切って言うね…あのね…」
「私の事…殴って」
「…そうだよ。聞き間違いじゃないよ。私の事殴ってって言ったの」
「これから私と会う時は、必ず私の事、殴ったり蹴ったり暴力を振るって欲しいの」
「どうしてって…そうだよね、いきなりこんな事言われても意味判んないよね」
「私が、お父さんに虐待を受けてるのは知ってるよね?」
「中学の時に、お母さんが亡くなって、その時からお父さんが私に暴力を振るう様になったの。最初は私も怖かった。今まで殴られた事なんかなかったから、本当に怖かった」
「お母さんが亡くなって、家の事は全部私がやらなきゃいけないでしょ?気が付いたら友達と遊ぶ時間もなくなって、中学3年の時は友達が一人もいなくなっちゃった」
「学校では一人ぼっち、家に帰っても、お父さんに殴られる…何度自殺しようと思ったか解んないよ…」
「そうやって…1年位かな、私が家事が出来る様になると、お父さんは私の事を殴らなくなってきたの。段々昔の優しいお父さんに戻ってきたの」
「でもね…私が家の事を何でも出来る様になったら、お父さん、私にこう言ったの」
「『もう二度と殴ったりしない。お父さんを許してくれ』って」
「お父さんは私の事を殴らなくなった。その代わり、私にも構わなくなっていったの…」
「私ね…それが許せなかったの。ううん、本当は凄く怖かったの」
「何が怖かったか…解る?」
「お父さんは…もう私を愛してないんじゃないかって」
「今までは何か失敗する度に、私の髪を引っ張ったりビンタしたり、暴力を振るってた。とても痛かったけど、私、心のどこかで凄く嬉しかったの」
「今、お父さんは私の事だけを考えてる…って」
「私だけ…そう、私だけなの!お父さんの醜い所を受け止めてあげられるのは、この世で私だけ…!」
「なのに…今さら善人ヅラして全部無かった事にしようなんて…虫が良すぎるよ…」
「だからね…私、どうしたら、またお父さんが私の事を見てくれるか…どうしたら私の事を殴ってくれるか考えて…ワザと迷惑を掛ける事にしたの。ご飯を作らなかったり、洗濯しなかったり」
「最初は何も言わなかったけど、お父さんの仕事に使う物を捨てたり燃やしたりしたの。そうしたらね…イヒッ♪」
「お父さん、私に暴力を振るう様になってくれたの」
「私、凄く嬉しかった。お父さん、私を殴ってる時だけは、私の事だけを考えてくれてるんだもん。大好きだったお母さんの事も忘れてね」
「…うん、そうだよ。今までの傷も全部ワザと、お父さんを怒らせて殴って貰ったんだよ」
「あ…もしかして、お父さんがベランダから落ちたのも私がやったと思ってる?」
「うん…そうだよ」
「だって、お父さん酷いんだもん」
「『実の娘にこんな酷い事を…死んだ母さんに申し訳ない』なんて言うもんだからさ」
「私がいるのに、死んだ女の事なんか口にして…こんなの私に対する侮辱じゃん」
「私よりも死んだ人間の方が大事なの?って思ったら…お父さん、突き落としてた」
「…」
「はぁ…やっぱり君もそんな顔するんだね。今、私の事、頭がおかしいって思ったでしょ?」
「そうかもね…多分、私おかしいんだと思う」
「でもね…今さら普通に戻れなんて無理だよ。言葉でいくら好きとか大事にするとか言われても、全然響かないの」
「痛い事されてる時だけは…私、必要とされてるんだなって心が凄く満たされるの」
「あ、でも誤解しないでね。誰でもいいって訳じゃないよ。好きじゃない人に殴られても、ただ痛いだけだし」
「…ねぇ…私の事知っても引かないって言ったよね。本当に私の事好きなら…」
「私の事…殴れるよね?」
「今日も楽しかったね。また行こうね♪」
「ねぇ…また今日も…お願いね」
「…あうっ!」
「もう…ビンタなんかじゃ感じないよ。私がこんなんじゃ満足出来ないの知ってるよね?」
「え…やりたくない?何言ってるの?私の事好きなんでしょ?それに私がこんな性格って知っても引かないって言ってくれたじゃん」
「それに私、知ってるんだから。君、たまに私が苦しんでるの見て興奮してるでしょ」
「それに本当は、君も楽しんでるんじゃない?でなきゃ私と、とっくに別れてるよ。何だかんだ言ってる割には私と別れようって言わないよね」
「自分よりも弱い女の子殴るの楽しかった?無抵抗な女の子殴るの気持ち良かった?」
「君も私と同じ、頭のおかしい人なんだよ?」
「責めてるんじゃないよ。そんな君に付き合えるのは、この世で私一人だけなんだから」
「…私も好きだよ。ううん、愛してる。こんな私に付き合ってくれるの君だけだもん」
「私ね、最近は、お父さんには殴らせてないんだ。どうしてか解るよね?そうだよ、私には君がいるもん。もう、お父さんに必要とされなくても良いの」
「…それに、もし私と別れるなんて言ったら…どうなるか解ってるよね。私、学校にこの事言うから。そうしたら君、間違いなく退学だよ」
「顔殴るのは抵抗ある?じゃあ、お腹でいいよ。思いっきり殴って。胃の中の物、全部吐き出す位強く」
「…いい加減、覚悟決めなよ」
「…この腰抜け。臆病者のインポ野郎。そんな優しさなんか要らないって何回言ったら解るのよ」
「せっかくヤラせてあげたのに、全然気持ち良くなかったよ。一人で勝手にイッちゃってさぁ」
「女の私にこんな事言われて、悔しくないの?」
「あ〜あ。こんなんじゃ、お父さんの方がマシだよ。あ、そうだ!いっその事、お父さん誘惑してみようかな。実の親に犯されるなんて…想像しただけで濡れてきちゃう…」
「…え?そんな事間違ってる?うるさい!口先だけのヘタレにそんな事言われたく…へ?」
「ぶふおぉっ!!」
「うげぇ…そ、それで終わり?やっぱりアンタは腰抜けの…ぎゃあっ!」
「い、痛いっ!ご、ごめんなさい!」
「腰抜けなんか…うげえっ!思っでないがらぁ…はじべでだどに…ほんどは2回もイッぢゃいばじだぁ…うぼぉ!」
「ヴォエエエエッ…ガハッ!!」
「お、お腹殴られるのって凄い…前にお父さんに殴られた時、気絶しちゃっけど…お腹だと、痛すぎて気を失う事も出来ないよ…クヒヒ…」
「なのに…私、凄く満たされてる…本気で怒ってくれたんだね…私の事で頭いっぱいになっちゃったんだよね…?」
「ハァ…ハァ…」
「…」
「うん…お父さんなんかに指一歩触れさせたりなんかしないから。もう私に痛い事していいのは君だけ…」
「うん…私も愛してる…❤」
「くっ、苦しっ…!うぐっ…おっ…!」
「…」
「……ガハッ!ゲェッ!ハァ…ハァ…」
「…あっ…ごめんね。少し気を失ってたみたい。大丈夫、少し休ませて」
「首を絞められるのって、殴られるのとは違う痛みがあるね。殴られる時って、今から殴られるんだって身構えちゃうけど、それが無いから不思議な感じ。殴られると悲鳴が出る位痛いのに、首絞められても最初は痛みが無いの。最初はそんなに苦しくないのに呼吸が出来ない事に気付いて必死に息をしようとするでしょ」
「私も本能で必死に君の手を振り解こうとする、でも君は手を離してくれない…段々目の前が真っ白になって何も考えられなくなる…一瞬、私死んだって錯覚しちゃった」
「…しょうがないじゃない。殴るのはまだ抵抗があるみたいだから。これだったら傷も付かないし、君も気が楽なんじゃないかなって思ったんだもん」
「でも、やっぱり殴られたり蹴られたり直接痛みを感じられる方が私は好きかなぁ。あ、何度も言ってるけど、殴られる事自体が好きなんじゃないよ」
「私を殴ってる時、君は罪悪感と興奮で頭いっぱいでしょ。私はそれを感じるのが好きなの」
「最初は何処か遠慮して、力を抜いてるのが解るけど、私が馬鹿にする様な事して挑発すると、本気で…まるで男の子同士の喧嘩の時みたいに本気で殴るでしょ?」
「その時ね、私、君の愛情を凄く感じるの。今、この人の頭の中は私に対する感情でいっぱいなんだな…私の気持ちに必死に応えようとしてくれてるんだなって」
「そう考えると、私は本当に満たされるの…」
「だから首を締められるのは、私はあまり好きじゃないかな。力を籠める君の手の感触は大好きだけど、痛みが来ないと…気持ちが伝わって来ないって言うか…」
「ゴメンね、こんな異常な趣味に付き合わせちゃって。大丈夫、こんな事しなくても君の愛情は感じてるから。ただ、ちょっとだけ…確認したいだけなの」
「だからこれからも…それこそ、死ぬ程愛して…ね?」
「どうしたの?あっ、もしかしてエッチしたくなっちゃった?もう、エッチなんだから❤」
「…違うの?じゃあ…大事な話…何?」
「…」
「え…今、何て言ったの…?私と…別れたい…?」
「何言ってんの?別れる訳ないじゃん。あんな酷い事しといてさぁ」
「私が言ったから仕方なく?…ふふっ、馬鹿みたい。本当は楽しかったくせに」
「前も言ったよね?嫌ならやらなきゃ良かったじゃん。どうしてやったの?私と別れたくないから?お父さんに取られたくなかったから?違うよね?」
「…本当は楽しかったんでしょ?そうでなきゃ、女の子を本気で殴ったりなんか出来ないよ」
「本当最低だよ…女の子殴って喜ぶなんて」
「でもね、大丈夫だよ。そんな最低の君を受け止めてあげられるのは、私だけなんだから。ね?だから、そんな事言わないで?」
「…」
「そう…まだ、そんな事言うんだ…じゃあ、こうするしかないね」
「これ?果物ナイフだよ。家から持ってきたの…え?違うよ♪私が君の事刺す訳ないじゃん」
「じゃあ、どうするかって…私を刺すんだよ。こんなナイフでも首を斬れば死ねるよ」
「…私だってやめたいよ。でも君と別れたら、二度と君みたいな人に会えるか解らない…」
「私は一生誰にも愛されず生きて行くしかない…」
「だったら…もう生きてたってしょうがないよ。出来たら君に殺して欲しかったけど…」
「私が死んだ後に誰かと付き合っても…君はきっと、その人を殴りたくなるよ。でも君は、一生それを隠して生きなきゃいけないんだよ」
「かわいそう…もう君を理解してくれる人は、この世にいなくなっちゃうね…」
「私を裏切った罰だよ…さよ《ガシッ!!》
「…え、えっ?な、何で…どうして止めるの?」
「た、大変!手が斬れて…血が、早く拭かなきゃ!えっ…?このままでいい?」
「…それって…もしかして…私と…同じ…?」
「…」
「ふふ…ウフフ…フヒッ♪やっぱり…君も私と同じだったんだね…」
「ねえ、今度は私の事斬って。私も…君の愛を感じたいの…」
「やっぱり、私達は一生離れられないんだよ。大丈夫…私は君のどんな酷い所だって受け止めてあげる」
「だから、これからも…ずっと一緒にいようね。うん…私も…」
「愛してるよ…」
自分はSでもMでもないですが、子供に戻れたら教育ママみたいな女の先生に、わざと宿題を忘れてお尻ペンペンされたいです。
今日のお友達
白峰 麗子 元来はかなり明るい性格。父親の暴力を最初は嫌がっていたものの、自分を納得させる為に『暴力でしか愛情を表現出来ない駄目な父親』と『そんな父親の醜い部分を理解してあげられる健気な自分』の構図を作り出す。お腹よりも顔を殴られて派手に倒れる方がヒロインぽくて好き。首絞めックスは嫌い。イメージキャラは空飛ぶ巫女。