※蠱惑が足りない
「あ、おはよう!ねえ、昨日のあれ見た?そうそう、マジ良かったよね〜♪うん、私もそう思った!それでさ…」
〈…あいつ、また私の方見てる。それに私と同じ電車に乗って…今日だけじゃない、もう一週間。毎日あいつ私と同じ電車に乗ってる〉
〈それだけじゃない…いつも私の後ろにいる。たまたま同じ電車に乗ったからって、毎日同じ位置なんて偶然ある訳ないじゃん…バレバレだっつーの〉
〈車両変えようかな…でも、逃げてるみたいで
「あ、何でもない!うんうん、でね…」
「はぁ、体育ダルいよね〜…って」
〈アイツ、また私の事見てる…もしかして、ジャージ短パンだからガン見してるの?キモッ!〉
〈でも…そんなに私の事が気になる訳?ま、まぁ確かに私、クラスの中でもスタイル良い方だと思うけど…〉
〈うわっ!めっちゃ見てる!キモいキモい!〉
〈急にこっちに向かって走って…ちょっと、まさか我慢出来なくて…いや、授業中よ…イヤー!〉
《バシッ!!》きゃあっ!」
〈え…な、何?もしかして…男子のサッカーボールが飛んで来たのを…庇ってくれたの…?〉
「あ、その…ありがとう…」
〈何こいつ…私のストーカーの癖に…ちょっとカッコいいじゃん…って、何考えてんの私!あいつ、只のストーカーよ?キモいキモい!〉
「あはは、分かった!じゃあね〜♪って…」
〈また居る…あいつ階段の下で何して…もしかしてスカートの中覗こうとしてる!?キモいキモい!〉
〈…〉
〈前、助けて貰ったし…ちょっとサービスしてあげよっかな…〉
〈ほら、この角度ならパンツ見えるでしょ…気付いてない振りしてあげるから1枚くらい写メ撮ってもいいよ…〉
〈フフッ、どう?ちゃんと撮れ…って、居ない!こっちが勇気出して見せてやったのに…!!〉
「あ…あんた、私の下駄箱の前で何してるの?まさか、私の靴、盗んで変な事する気じゃ…」
「…」
「話があるから、ちょっと付き合ってくれる?」
「…あのさ、あんた、私の事、好きなの?いいわよ、トボけなくても」
「あんた私の事ストーキングしてんじゃん。気付いてないとでも思ってる?」
「だ〜か〜ら〜!言い訳はいいから!別に責めてる訳じゃないから。でなきゃ人目の無い所で話したりしないって」
「で…さっきは何してたの?」
「下駄箱に…ラブレター入れようとしてた…?何か随分古典的ね…RINE知らない?そ、そう…」
「もしかして、鞄から見えてるその手紙がそうなの?ちょっと見せなさいよ」
「別に照れなくてもいいじゃない。それに、こんな手紙必要ないから」
「どういう意味って…だから、OKしてあげるって事。何って…だから告白をよ。付き合ってあげても良いって事…こんな事言わせんなバカ!」
「か、勘違いしないでよね!別にあんたの事、好きって訳じゃないけど…そんなに私の事好きなら…それにあんた、よく見たら顔も悪くないと思うし…」
「だから、この手紙無駄になっちゃったって事。もう捨ててもいい…あっ!ちょっと!」
「な、何よ急に…そんなムキになって手紙取って…ふふっ、もしかして読まれるの恥ずかしいの?じゃあ、ちゃんと読んで…え、違う…?」
「違うって何が…?その手紙…」
「私の友達に…書いたもの…?」
「え…え?何言ってるか分からないんだけど…あんた、私が好きなんでしょ?だから、ずっと私の事付け回してたんでしょ?」
「一緒にいた…友達を目で追ってた…?」
「は…はあっ!?嘘つかないでよ!私が好きで追っかけ回してたんでしょ?じゃあ通学の時にいつも同じ電車に乗ってたのはなんなの!?」
「あの子と同じ電車に乗ってただけ…?体育の時は…そ、それにあんた私のスカート覗いてたでしょ!?それは悪かったけど…あれも…彼女を見てた…?」
「じゃ、じゃあ、体育の時、何で私を庇ったの?私の事好きだから庇ったんでしょ!?」
「あれは…只の偶然…?じゃあこの手紙…!私宛じゃない…」
「え…え?まさか、私の勘違い…そんな訳ない…そんな訳…う、うるさい!あんたは黙ってて!」
「…」
《ビリッ!》
「何してるって…手紙破いてるのよ。当然でしょ、こんな手紙あの子に見せる訳にはいかないでしょ。何でって…あの子があんたの事好き…かどうかは分からないけど、ストーカーの事好きになる訳ないじゃない」
「はあ?何口答えしてるの?付きまとってた事には変わりないでしょ?じゃあ、あの子に判断してもらう?あの子にあんたがやってた事全部バラしても問題ないわよね?」
「…ほら、答えられない。自分でも自覚あるんじゃん、サイテー」
「彼女にバラさないでほしい?いいわよ、でも条件があるわ。まずあんたはストーカー、その事を認めなさい。そう、物分かり良いじゃん♪それともう一つ…」
「私と付き合って…」
「何でって…あの子は私の親友よ?そんな子をあんたに紹介する訳ないでしょ!そう、これはあの子を守る為なんだから…」
「それに…あんたは私のストーカーだったんだから、私と付き合うべきでしょ…それは誤解…う、うるさい!言い訳するな!」
「あんたが彼女を好きなのは分かってる、私も自分がおかしい事言ってるのは分かってる、分かってるけど…!」
「そりゃ最初はあんたの事キモいって思ったけど…その…付きまとわれてる内に…私の事そこまで想ってくれるんだって…気が付いたらあんたの事…キモいキモいって思いながら目で追う様になってて…」
「今日も会えるかな、この髪型気に入ってくれるかなって、見られても良い様に下着も気を使って…」
「気が付けば、あんたのキモい視線に晒されるのが堪らなくなってきて…」
「元はと言えば、あんたが悪いのよ…あんたの所為で、あんたみたいな冴えない男のキモい視線に晒されるのに興奮する様になっちゃったのよ…責任取って付き合いなさいよ…付き合って、私の事、舐め回す様に見つめなさいよ…ハァハァ///」
「でないと、この事、あの子にバラすからね…」
元ネタはわたモテのうっちーです。ストーカーされてる側が逆にストーカーになるの面白いかなと。
本編と関係ないんですが、最近2000文字程度にしてるのは、読んでもらった時を意識しているからです。以前、初期の5000文字くらいのを台本に採用して貰った際、動画の時間が20分超えでした。一方で2000文字程度のは10分強だったので、読む際、採用する際は短い方が良いのかなって打算で短くしています。話によっては以前の5000文字に復活するかもしれません。物足りないと思った方すいません。
今日のお友達
内田 絵美 高校2年。男の趣味は普通にイケメン好きで主人公は対象外だったが、主人公の所為で一種の被虐趣味に目覚める。友達とは中学からの付き合い。自分の方がイケてると思ってる。