ヤンデレちゃんとメンヘラちゃん   作:昼間ネル

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元カノに浮気されたあなたは、気が付けば今の彼女を束縛するようになっていた。やがて私生活まで干渉しだし遂には暴力を振るうようになる。そんなあなたに恐怖を感じた彼女は、逃げるように別れを告げる。
彼女にした行いを深く恥じるあなた。しかし、そんなあなたの前に別れた彼女が現れ…

※あなたがヤンデレです。


あなたに束縛されている彼女

「…お待たせ。ちょっ…!大声出さないでよ。周りに人居るんだから。遅刻って…2〜3分遅れただけじゃない」

 

「さっきの男って…見てたなら聞かないでよ。はぁ?違うわよ、近所に住んでる知り合いよ。たまたま声掛けられたから話してただけよ。あの人、彼女いるわよ。勘違いしないでよ」

 

「映画が始まるまで、まだ時間あるわよね。何処かで冷たい物でも飲まない?喉乾いちゃった」

 

「いつもの喫茶店で…ちょっと、どうしたの?駄目…どうして?あの男の店員がどうしたの?」

 

「…はあ!?別に好きじゃないわよ!確かにカッコいいとは思うけど、彼氏と一緒にいるのに他の男に目移りしたりしないわよ」

 

「前、話してたって…注文した時にちょっと話しただけじゃない。イヤリング褒めてくれたから、お礼言っただけでしょ。本当なら、あなたに褒めて欲しかったけど、全然気付かないんだもん。だから嬉しかっただけよ」

 

「もう…焼きもち焼いてくれるのは嬉しいけど、心配し過ぎよ。ちょっと男の人と話す度に浮気疑われて…」

 

「確かに前の彼女に浮気されて神経質になってる気持ちは解るけど…もうちょっと私を信じてよ。そんなんじゃ本当に浮気するわよ」

 

「…だからしてないってば!例え話でしょ?いちいち本気にしないでよ。もう、何回この話すれば気が済むのよ」

 

「ほら、人が見てるじゃん。早く行こう」

 

「…もう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様です…ちょっと」

 

「よう、じゃないわよ。どうして私のアルバイト先にいるの?私、あなたにバイト先、教えてないわよね」

 

「たまたま通り掛かったって…嘘吐かないで。私が気付いてないと思ってるの?そりゃ気付くわよ。何時間も前からお店の前ウロウロしてるんだもん。お店の人、警察呼ぼうかって言ってたんだからね」

 

「で、どうしたの。何か用?一緒に帰る…別に良いけど。お店の前でウロウロするのはもう止めてよね」

 

「…あいつって…ああ、バイト先の茶髪の男の子?彼がどうしたのって…聞くまでもないわね。はぁ…別に好きじゃないから大丈夫よ」

 

「彼、入ったばかりだから、私が教育係で色々教えてるのよ。どう、安心した?」

 

「その割には楽しそうだったって…そりゃ世間話位するわよ。彼、何処かの誰かさんみたいに(ひね)くれてないし」

 

「前も別の男の子と楽しそうにって…ちょっと、あなた何時から私の事、付け回してるの?そんな事どうでもいいって、良くないわよ!あなた、前も似たような事言ってバイト先に乗り込んで来たじゃない!どうして新しいバイト先、あなたに教えなかったと思ってるの!?」

 

「その人も私と同じ学年だから話易いだけよ。別に何ともないわよ。またバイト先に乗り込んで来たら承知しないわよ…もう忘れたの?あなたが店の前でこんな所辞めろって騒ぐから、危うく警察呼ばれる所だったのよ?それで居辛くなって前のバイト辞めたんだからね!」

 

「とにかく!絶対、お店には来ないでよ!もし来ても私には話し掛けないでね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…今日?バイトは入ってないけど…今日は無理。理由?今日は朝から熱っぽいの」

 

「いや、別に家に来なくても良いって。心配してくれるのは嬉しいけど寝てれば治るから」

 

「途中まで送る?まあ、それ位なら…また別の日に誘って。うん、ゴメンね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え、熱…?あ、うん。大丈夫だよ、一晩寝たら治ったから」

 

「…ねえ、今日ずっと機嫌悪くない?」

 

「…昨日は何処へ行ってって…だから寝てたって…夜、出掛けたって…ちょっと待って。もしそうだとしても、どうしてあなたにそんな事判るの?」

 

「…ねえ、今日あなたの家行っていい?大事な話があるの」

 

「何って…別にここで話しても良いけど、人に聞かれたらマズいかもしれないわよ…それでも良いの?」

 

「…じゃあ、6時にアパートに行くから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お邪魔します。飲み物…別にいい。今日は話するだけだから」

 

「何の話か?…そうね、じゃあハッキリ言うね」

 

「……」

 

「…もう付き合うのやめましょう」

 

「どういう意味って…言葉通り。別れましょうって意味」

 

「ちょっ…!痛い、離してってば。ちゃんと今から理由話すから」

 

「今日は私も、あなたに色々と聞きたい事があるの。まずは昼間の話の続きからね。あなた…どうして私が昨日の夜、出掛けた事を知ってるの?」

 

「…言いたくない?まあ、そうでしょうね。盗聴してましたなんて言える訳ないもんね」

 

「これ見ても、まだしてないって言える?そう、あなたが私のバッグに仕込んでた盗聴器。他にも部屋から幾つか出てきたけど、前に私の家に来た時に仕掛けたんでしょ」

 

「一応聞くけど、このバッグの他に幾つ仕掛けたの?1つ…?はぁ、呆れた。こんな時でも嘘吐くのね」

 

「一応、部屋の中調べたのよ。そしたら出てきたわよ…3つもね」

 

「何で疑ったか解る?前のバイト先の事もあるけど、あなた、私と外で会う時って、決まって私の用事が済んだ時よね。最初は唯の偶然だって思ってたけど…そう何度も続けば流石におかしいって思うわよ」

 

「前に部屋を掃除してたら、偶然、盗聴器を見つけたの。部屋の中を探してみたら幾つか出てきて。バッグの中の見付けた時、私、ワザと外さなかったの」

 

「それでワザと聴こえるように、昨日の夜、電話したの。当然、その事を知ってるのは盗聴器を仕掛けた人だけ。で、今日のあなたの話…やっぱりあなたが仕掛けたのね」

 

「その様子じゃ、誰と会ってたかも知ってるでしょ。そう、男の人。私の友達の知り合いだけど、以前メルアド交換したから、思い切って、あなたの事を相談してたの」

 

「何を相談…?もちろん盗聴器の事もあるけど、他にもあなたが私にしてた事よ」

 

「とぼけないで!私が何も知らないと思ってるの?あなた、度々私の物、盗んでるでしょ。シャーペンとか飲みかけのジュース位だったら私も大目に見たけど…」

 

「私の下着も盗んでるわよね?それも、私の家から直接!前に偶然、私の家の前で会ったわよね。そう、私がバイトに入ってた日。あなたもそれを知ってたから、その時間に盗みに行ったんでしょ?」

 

「でもあの日、私、早く上がったの。あなた、会う筈のない私と出会って気不味そうだったわよね。その後で、お母さんに言われたの。最近、私の下着が失くなるって」

 

「…最っ低」

 

「触らないで!何が誤解よ、気持ち悪い!」

 

「確かに、あなたが前の彼女に浮気されたのは気の毒に思うわよ。だから私も、あなたが私の事を束縛しても我慢してきたわ…」

 

「それなのに…あなたの方が私の信頼を裏切ってるじゃない!私、あなたの事、本当に好きだったのに…」

 

「それだけじゃない。一緒に何処かに行っても、ちょっと男の人と話しただけで私の浮気を疑う、私が何時、何をしてたかをしつこく知りたがる…」

 

「実際浮気したろうって…話をすり替えないで!あなたがストーカー紛いの事をするから相談に乗って貰っただけじゃない!」

 

「悪い所治すって…もう遅いの。これだけ私の信頼を裏切っておいて虫の良い事言わないで」

 

「それに…私、あなたの元カノの事も知ってるのよ。私の友達が彼女の友達だったから話を聞いてみたの。そうしたら、どうして浮気したか、何で別れる気になったか、全部話してくれたわよ」

 

「あなた、その子の事も私みたいに束縛してたんだってね。彼女、それが嫌になって別れたくなったって言ってたわよ」

 

「浮気した方が悪い?何、逆ギレしてるの?あなたが私を束縛してるのは、前の彼女に裏切られたからって言ったわよね。じゃあ、その彼女に同じ事してるのはおかしいじゃない!」

 

「あなたの事好きだったから、束縛されても、これは愛情の裏返しなんだってずっと我慢してきたのに…」

 

「あなたは元カノや私を自分の思い通りにしたかっただけ!人の善意に漬け込んで支配したいだけじゃない!」

 

「は、離して。無理よ、もう、あなたの事が信じられないの。人の家を盗聴する、私の事を付け回す、下着を盗む…そんな人と付き合える訳ないでしょ」

 

「離してってば…《パンッ!》きゃっ!」

 

「…ほ、本当の事言われたら暴力?そんなんだから《バキッ!》うっ!」

 

「し、信じらんない…女の子殴るなんて最低っ…許さない…警察に言って《ボスッ!》がっ!!」

 

「な…何で私、殴られて…私、何も悪くないのに…」

 

「…ゲホッ!」

 

「あうぅ…痛い…痛いよ…血が出てる…お願い…もう殴らないで…本当に痛いの…」

 

「謝るから…ごめんなさい。でも私、もうあなたとは別れたいの…学校のみんなには転んで怪我したって言うから…もう、私の事は忘れて…お願いだから…」

 

「…さ、さようなら!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、こんばんは…久し振り。半年振り…だよね。いきなり来ちゃってゴメンね。あの…良かったら中に入れてくれないかな…」

 

「あ、ありがと。お邪魔します…」

 

「あなたの部屋に来るのも何ヶ月振りだろう。何も変わってないね」

 

「…」

 

「う、うん…そうだよね。私から別れを切り出しといて気になるよね。今説明するよ」

 

「その前にさ…一つ聞いておきたいんだけど…あなた、今付き合ってる子…いる?…そ、そうなんだ!いないんだ!あ、ゴメン。エヘヘ…♪」

 

「実はね、私も今フリーなんだ」

 

「あのさ…もし…もし君さえ良かったらだけど…私と…寄りを戻さない?」

 

「俺の事、嫌いなんじゃって…うん、あの時はね。あれから私も色々あって…」

 

「…私を殴った事を…反省してる…?」

 

「ううん!悪いのは私だよ!あなたの愛情を理解してあげられなくて!あなたが謝る事なんてないよ!」

 

「…あっ、ごめんなさい。久し振りに会えたのが嬉しくって、つい興奮しちゃってハァハァ///」

 

「あ、そうだったね。寄りを戻したい理由、説明しなきゃね」

 

「実はね…私、あの後あなたと別れてから、別の人と付き合ったの。そう、私の相談に乗ってくれた人」

 

「最初は唯、相談に乗って貰ってただけだったの。でも私があなたに束縛されてるって判ったら、とても心配してくれてね。私も優しい人だなって思うようになったの」

 

「あなたに殴られたって言ったら彼、凄い怒ってね。それはもう、あなたを殺す位の勢いで」

 

「その時、彼に告白されたの。自分だったら私の事を決して傷付けたりしない、大事にするって。私もこの人だったら、きっと私の事を大事にしてくれるって思って彼と付き合う事にしたの」

 

「それが半年前…実は、たった今、別れてきたの」

 

「…ううん。彼は私の事を束縛したり、殴ったりなんかしなかったわ。それこそ私が思った通りの…私が嫌がる事なんて絶対にしない、とっても優しい人だった」

 

「…呆れる位ね」

 

「付き合い出した時は何の不満も無かった。私だけを見てくれて、私の事を最優先に考えてくれる…あなたとは正反対の優しい人だった。私もそれが嬉しかったし、そんな彼に素直に甘えたの」

 

「でも…不思議な事に彼といても、ちっとも楽しくないの…全然心が満たされないの…」

 

「最初はそんな事を考える私がおかしいんだって、何度も彼の事を好きになろうと努力したの。でも駄目なの…何度思っても、彼の事を好きになれなかったの…」

 

「自分の事をこんなに大事にしてくれる人はいない…それは解るの。解ってる筈なのに…」

 

「彼が私の事をどう思ってるか知りたくて、私色々試したの。ワザとデートに遅れたり、少し高いブランド物のアクセサリーおねだりしたり…」

 

「彼、どうしたと思う?私が遅刻しても文句一つ言わないし、これ買ってって言っても断るどころか借金してまで買ってくれて…」

 

「私、彼に怒ってほしくて色々酷いことしたわ。デートの約束してギリギリでドタキャンしたり、デートの度に服やら何やら買わせたり、少しでも気に入らなかったら、その場で帰ったりもしたわ」

 

「でも彼、私がここまでやってもたったの一度も怒らなかった。それどころか、気付いてやれなかった自分が悪いなんて言う始末…それで私、解ったの」

 

「ああ…この人は私を犬とか猫と同じに考えてるんだ…頭を撫でて(エサ)をあげれば私が尻尾(しっぽ)を振ると思ってるんだって」

 

「普通、彼女がこれだけ()(まま)言ったら絶対怒るでしょ?それは間違ってるって(たしな)めるのが普通でしょ!?」

 

「その度にあなたの事が頭に浮かんだの。もしあなただったら、遅刻した理由を厳しく問い詰めるだろうな…高価な物おねだりしても、自分で働いて買えって叱ってくれるに違いないって…」

 

「結局、彼は甘やかす事が愛情だって勘違いしてるのよ」

 

「でも、あなたは違った。あなたは私が間違いを犯す度に叱ってくれた。例え自分が嫌われる事になっても」

 

「…そうなの。私が彼に感じていた物足りなさは、それだったの。間違いを許さない厳しさだったの」

 

「その点、あなたは理想的だった。私の行動から考え、私生活まで管理しようとして…最初はそんなの間違ってるなんて思ったけど…それだけ私の事を考えてくれてるって事でしょう?」

 

「そう考えたら…私に文句一つ言えない彼が情けなく見えてきて…何で私こんな人を好きになったんだろう、あなたと比べたら月とスッポンじゃないって…だからあんな人フッてやったわ」

 

「…もうここまで言えば解るでしょ?私は、あなた無しじゃ…ううん、あんたに束縛されなきゃ満足出来ないのよ」

 

「ねえ、私にどうして欲しい?ちゃんと言って?そうすれば、あんたの思い通りの彼女になってあげるよ」

 

「髪型は?もっと長い方が良い?服装は?清楚な感じが良い?それとも露出高めなギャル風が良い?今のバイト先、辞める?女しかいない所探す?」

 

「これからはデートも必ず30分前に…ううん、1時間前には来るようにするね。デート中も他の男なんか見たりしないから」

 

「もし私が約束を破ったら…痛いのはイヤたけど…私が悪いんだもんね…私、ちゃんと耐えてみせるから。でも…その後は、ちゃんと抱き締めてほしいな…❤」

 

「…そんな事しない?俺が間違ってた?」

 

「何言ってるの!?そんな訳ないじゃない!」

 

「今までの事は全部、私の為を思って言ってくれた事なんだよね?それだけ私の事が好きだったんだよね?私の事が好き過ぎるから、私の何もかも自分の色に染めようとしたんだよね!?そこまで愛されてイヤなんて言う女がいると思う!?」

 

「…あなたの前の彼女も馬鹿だよね。ここまで自分の事を想ってくれる彼氏なんて早々いないのに。男を見る目が無いよね…」

 

「ね?だから私と寄り戻そ?あんただって私が忘れらなかったから彼女作らなかったんでしょ?」

 

「それに…もう遅いよ。私は自分をがんじがらめにする位、束縛してくれる人じゃなきゃ物足りないの…それもこれも…みんな、あんたの所為なんだから…あんたの所為で私はこんなになっちゃったんだから…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私を愛した責任…取ってよね…」

 

 




DV被害に遭ってる女の人が彼氏と別れられない理由の一つに、殴られた後に優しくされる事で暴力→この後ご褒美おせっせを期待するパブロフの犬状態だからって記事読んで考えました。多分彼女もこれからどっぷり深みにハマっていくと思います。




今日のお友達

静谷 凛 主人公と同じ大学に通う黒髪ロングの大学生。元カノに振られた主人公に同情する内に付き合い始める。元キャラはもちろんアイマス。
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