ある日、あなたは彼女の持つ人形が昔、自分の伯母が作った物だと思い出す。何故その人形を持っているのか尋ねるあなたに、彼女はあなたに近付いた理由を語り出す。
※ホラー回です。
「ねえ、隣いいかしら。そう、同じ学科の…蘭子って呼んでね。こうして話すのは初めてね。これからよろしくね」
「…どうしたの。もしかして鞄の人形が気になる?この子は私の妹でモニカって言うの。ほらモニカ、ご挨拶は?」
『こんにちは、お兄ちゃん。私、モニカって言うの!よろしくネ❤』
「…えっ?腹話術?もう、ヒドイわね。そういう事は思ってても言わないものよ。ねぇモニカ」
『そうそう。顔は貧相なんだから、この位出来ないとモテないわよ?』
「こら、調子乗らないの!ごめんなさいね、この子、口が悪くて」
『顔はアンタよりカワイイけどね』
「私だってカワイイわよ。ね、あなたは私とモニカ、どっちがカワイイと思う?」
『蘭子ちゃん、そんな事聞いちゃ駄目よ。ほら、お兄ちゃん優しいから本当のこと言えなくて困ってるじゃん』
「本当の事?それってどういう意味かしら?」
『永遠に年を取らない美少女の私と蘭子ちゃん。どっちがカワイイかなんて言うまでもないわよね?』
「何ですって?もう外に出してあげないわよ?」
『うぇ〜ん。お兄ちゃん、蘭子お姉ちゃんがいじめるよ〜』
「…ごめんなさい、私達だけで話しちゃって。私、いつもこんな感じだから友達が出来なくて。あなたも私達の事、変って思うかしら『え?モニカも?』
「あなたは黙ってなさい…え、そんな事ない?うふふっ、ありがとう。そう言ってくれると私も嬉しいわ」
「他の人と違ってあなたとは仲良くなれそうな気がするの。そう…まるで運命のように。あの、明日も…私と…私達とお話してくれないかしら…」
「こんにちは、これから昼食?」
『かわいいモニカが一緒に食べてあげるわよ。ありがたく思うのね』
「あなたは食べれないでしょ。私も…ここで食べていい?」
『こんなフリフリのゴスロリ着てる女とは食べたくないって』
「ううっ…やっぱり…あなたもそう思う?め、迷惑なら…向こうで食べるから…」
『うわ〜ぼっち飯だ〜♪』
「あうう…」
「…」
「え…本当に…いいの?」
『ちょっと、勘違いしちゃ駄目よ?彼はモニカと食べたいんだからね』
「あ、ありがとう…うん、一緒に食べよ!」
「あなたも…やっぱりこの服気になる…よね。そうよね、こんな黒いフリフリの服着てたら、誰だって気になるよね」
『気になる所はそこじゃないと思うけどな〜』
「私ね…あまり人と喋るの得意じゃないの。その…気が弱くて…」
『大丈夫よ、モニカがいるから』
「うふふ、ありがとう。おまけにこの子みたいな人形集めたり、人形のお洋服を作るのが好きだから、友達も出来なくて」
『この服はねぇ、蘭子ちゃんが作ったんだよ?蘭子ちゃん天才!蘭子ちゃんセンスいい!』
「それでね、人形のお洋服を作ってる時に、私もこんな服着てみたいなって…思い切って着てみたの」
『それからそれから?』
「そうしたら、生まれ変わったみたいに喋れるようになったの。まるで別の人間になったみたいに」
『プラシーボ効果って言うんだよ。モニカちゃん、物知り!』
「それからは外に出る時はこの服を着るようになったの。最初は学校でもジロジロ見られたけど…この服を着てる時はみんなと喋れるようになったの」
『蘭子ちゃん、顔はかわいいからね…私の次に』
「それでね…私の服装を見て…何か思い出さない?」
『答えはCMのあと!』
「モニカは少し黙ってて…そう。ううん、気にしないで。変な質問したのは私だもの。気にしないで」
「ただ…この服を作るの、少し大変だったから…少し残念かなって」
『大変だったもんね〜』
「この服もそうだけど…モニカの事も気になる?」
『まあ、こんなかわいい子、気にならない方がおかしいけどね』
「モニカに付いては…その内話すわ。どうして私が、あなたに声を掛けたのかも…その時に…フフッ、ウフフッ…♪」
「こんにちは。隣いい?」
『やっほ~、モニカだよ。モニカと会えなくて寂しくなかった?』
「そんな訳ないじゃない。モニカじゃあるまいし」
『あ、そんな事言っていいのかな?彼に会えないって昨日落ち込んでたの誰うぶっ!「よ、余計な事言わないの!全く…黙ってれば可愛いのに」
『女の子は幾つもの顔を持ってるのよ』
「モニカがごめんなさいね『私、何もしてないわよ』それはそうと…君は私の事、あまり怖がらないわよね。ほら、私って何時も人形持ち歩いてるから変な目で見られる事が多いの。その点、あなたは私の事を気味悪がったりしないから…」
『こんなかわいい子捕まえて失礼しちゃうわ!』
「ほとんどモニカの所為なんだけどね…え、モニカがどうかしたの?う、うん…そう。そのメーカーのよ。あなた、やけに詳しいわね。え、あなたも昔、持ってたの?あなたの伯母さんが集めていて…そう」
「ねえ…良かったら私の家に来ない?」
『うわぁ、蘭子ちゃんったら大胆!何するの?何するの?』
「何もしないわよ!その…私ね、人形集めたりするのが趣味なの。でも、その所為で友達を家に呼んでも気味悪がられて…」
『みんな、変な映画の見すぎよね!プンスカ!』
「あなたなら…私の事を解ってくれると思うの。どうかな…」
「ようこそ、私の部屋へ。どう、驚いた?」
『うわぁ、やっぱり固まってるね』
「そ、そんな事ないわよ。そんな事…やっぱり…人形がいっぱいの部屋なんて気持ち悪い?…本当?ありがとう」
『蘭子ちゃん、お世辞お世辞』
「ううっ…もしそうならヘコむわ」
『ほら、蘭子ちゃん元気出して!』
「誰の所為よ…え、これは…そう。そうそう、この子は最近出たの。あなた、やっぱり詳しいのね」
「ううん、男の子が人形に詳しいからって変なんて思わないわ。でも、どうしてそんなに詳しくの?」
「あなたの伯母さんが人形好きで…小さい頃よく見せて貰っていたのね。自分では持ってないけど…たまにお店に行ったりするのね」
「…どうしたの?急にモニカをじーっと見て」
『かわいいって罪ね』
「はいはい、モニカはかわいいわよ。でも…もしかしたら何か思い出しそう?」
「よーく見て。モニカを見て…何かを思い出さない?」
『モニカはとっくに思い出してるよ』
「ずっと前に…見た気がする?そう、あなたと…モニカは昔、会ってるのよ。思い出さない?」
「…」
「思い出した?そう、モニカは、あなたの伯母さんが作った物なの。それを私が前の持ち主から買い取ったの」
『買い取ったなんて言い方ヤメてよ!モニカは物じゃないんだから!』
「ウフフ、そうね。どう?モニカを手に持ってみて。あなたがモニカと出逢った時の事、思い出さない?」
『イヤ〜ん、変な所触っちゃダメ〜❤』
「ねえ…あなたが初めてモニカと出会った時の事、教えてくれないかしら」
『それはモニカとお兄ちゃんの秘密だよ。ね〜❤』
「いいじゃない。私だって気になるし…どうしてモニカを好きになったか知りたいもの…」
「…」
「そう…小学生の時に伯母さんの家に遊びに行って…人形を見せて貰うのが好きだったのね。その時に…伯母さんから、モニカを貰った?」
『そうだよ!モニカはお兄ちゃんの為に作られたんだよ!エヘン!』
「そうなの?あなたの誕生日に…モニカを貰ったの。でも、おかしいわね。それならどうして、あなたはモニカを手放したの?」
『モニカも知りたい。お兄ちゃん、モニカの事…きらい?』
「友達に…男の癖に人形遊びしてるってからかわれて…それで、伯母さんに返したの。そう…そうだったの。良かったわねモニカ、あなたの事が嫌いだから捨てたんじゃないって」
『良かった〜!モニカ、お兄ちゃんに嫌われたのかと思ってたから…』
「そんな事ないわよ。モニカみたいなかわいい子を嫌いになるなんて」
『エヘッ❤モニカちゃん、かわいい!』
「変な事を聞いてごめんなさいね。モニカが気にしてるみたいだったから…」
『別に気にしてなんかないモン!ただ…お兄ちゃん、モニカの事凄く気に入ってくれたのに、急に冷たくなったから…最初は毎日モニカに挨拶してくれて、毎日モニカにかわいいって…ほ、他にも…キャッ❤』
「あ、あの…あなた、モニカを捨てた事、反省してるのよね…だったら私をモニカと思って…やり直してみない?」
「急に変な事言ってごめんなさい。でも私、あなたを学校で初めて見た時からずっと思ってたの。この人なら私を…私の事をきっと理解してくれるって…」
「自分でもおかしい事言ってるのは解ってるの。でも、私にはあなたしかいないの…」
「どうしてここまで…?それは…私には辛い質問ね」
「それで…どうかな…?」
「…」
「返事は…ええ、そうね。すぐには…無理よね」
「でも…私の気持ちは変わらないわ…今までも…これからも」
「今日はどうしたの?急に私の部屋に来たいだなんて。もしかして昨日の返事かな?」
「えっ、ほ、本当に…私と付き合ってるくれるの?ありがとう…ううっ…本当に…本当に嬉しいよお…」
『良かったね、蘭子ちゃん!』
「ありがとうモニカ。これであなたの夢が叶うね。ううん、何でもないの、こっちの話」
「これからは私の事をお人形だと思って…え、女の子だろって?もちろん、そうよ。でもそんな事はどうでもいいの。私はね、あなたの物なのよ?」
『それともモニカちゃんの方が良いかな?』
「…どうしたの変な顔して」
『お兄ちゃん、怖い顔してるよ?』
「昨日がどうかしたの…私が言った事?モニカを私が手に入れて…その後?私、何か言ったかしら」
「…ああ、その事。確かに言ったわね。あなたが毎日モニカに話しかけたり、かわいいって言ってるって」
「どうして私がその事を知ってるか…?」
『それはモニカが教えてあげたからだよ』
「きゃっ!どうしたの?…そうね。真面目な話してるのに、腹話術なんて止めた方がいいわよね。ごめんなさい…」
「もう二度としないわ。じゃあ…」
『これで…いい?』
『ほら、やっぱり
『ああ、蘭子ちゃん、倒れちゃったけど大丈夫。今は操ってないだけ。死んではいないから安心して』
『あ〜あ。出来ればバレたくなかったけど…もう隠す必要もないわよね』
『改めまして、こんにちは。10年振りかしら…私はモニカ。あなたの伯母さんが、あなたの為だけに作ったお人形よ。ずっと…ずっと会いたかったわ…』
『10年前、私はあなたに貰われて毎日がとても幸せだった。あなたは私を気に入ってくれて、まるで実の妹…ううん、恋人のように愛してくれた。あなたに今日もかわいいね、綺麗だねって言われる度に、私はあなたの事がもっと好きになっていったわ』
『でも…ある日突然、あなたは私を箱に閉じ込めてしまった。私は訳が解らなかった。あれだけ私の事を愛してくれたのに、急に私を遠ざけて…』
『私に飽きたのか…それとも私よりかわいいお人形でも見付けたのか…!私はあなたに聞きたかった…』
『気が付けば私は…他の人に譲られた。みんな私を大事にしてくれたけど、私は満足感出来なかった。当然よ、私はあなたの物。あなただけの為に作られたんだもの』
『そうして私は、ここにいる蘭子の許に来たの。蘭子は私を大事にしてくれた。私もあなたの事は忘れようと思った…そんな時だった。あなたを見付けたのは…!』
『蘭子はあなたの事が好きだったみたいね。蘭子の夢にあなたが出て来たの』
『それを見た瞬間、私はなんとかあなたに会えないか考えた。でも人形の私は動く事も出来ない…そう思った瞬間、私は蘭子になっていたの』
『何を言ってるのか解らないかもしれないわね。正確には私と蘭子の体が入れ替わったの』
『どうしてこんな事が出来たかは解らない…ううん!私にはすぐに解ったわ!これは神様が私を憐れんでくれたのよ。私の愛を叶える為に奇跡を起こしてくれたの!それ以外に考えられないわ!』
『私は蘭子のフリをしてあなたに近付いた。でも、あなたはきっと私の事なんて覚えてないでしょうから、あなたに初めて会った時の服を着て近付いた。本当は私の事を思い出して欲しかったけど、あなたは私の事を拒まないでくれた。それだけでも私は涙が出る程嬉しかった…』
『それにあなた言ってくれたわよね。私の事が嫌いになった訳じゃないって…でも人形の私じゃ、あなたに愛して貰えない…』
『それで私、考えたの。私、モニカじゃなく蘭子になろうって…』
『蘭子の魂は私の…モニカの中に入れてある。二度と戻すつもりはないわ。蘭子には悪いと思うけど…蘭子は私があなたに会う為に神様が引き合わせてくれたのよ。きっとそう!そうに違いないわ!』
『ねえ…私、帰ってきたのよ?昔みたいに私を撫でて…私を抱き締めて?』
『ああ、やっぱり人形の私じゃ大変よね。お外に出掛けても変な目で見られちゃうもんね。大丈夫、あなたに恥をかかせたりしないから』
『ちょっと…待ってね。ううん…』
「…お待たせ。蘭子の体に乗り移ったわ。どう?これであなたと何処にだって行けるわ」
「…なに、変な顔して?あなただって小さな人形の体より人間の体の方が良いでしょ?」
「…それに…ウフフッ❤もう忘れちゃったの?昔、あなたが人形の私に何をしてたか…私はちゃんと覚えてるわよ?」
「スカート捲ってパンツ下ろしたり、裸にして服を着せ替えたり…もっと凄い事もしたわよね?」
「いいのよ?この体好きにして。私はあなたのお人形だもの。あなたの好きな服を着せて?あなたの望む事何でもしてあげる。その為に私は作られたんだから」
「ねえ…クローゼットに、かわいいメイド服があるの。私、それ着てみたいな。昔みたいに…着替えさせて?」
『おにいさま…❤』
ダイ大のキルバーン見て考えました。コブラにも同じ設定の人形使いのマリオってキャラが出て来て、最初見た時は作者天才やなって思いました。
今回は一方的に喋るんじゃなく(実際はそうなんだけど)漫才的な掛け合いが出来て楽しかったです。
今日のお友達
彩蓮 蘭子(本体) 中二病気味。性格は大人しめだが、ゴスロリの服を着ている時はよく喋る。そんな所に目を付けられモニカに乗っ取られる。元キャラはもちろん闇飲ま。
モニカ 主人公の伯母が作った球体関節人形。蘭子の夢を覗いて主人公を発見、会いたい一心で蘭子の精神に乗り移る。かなり強引な性格。ボークスのスーパードルフィーがイメージ。外見的にはドキドキ文芸部のモニカ。中身は…