ヤンデレちゃんとメンヘラちゃん   作:昼間ネル

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幼くして母親を亡くしたあなたは、メイドロボに育てられてきた。彼女は甲斐甲斐しく面倒を見続け、思春期のあなたが誤った愛情を向けても優しく受け止める。
やがて成長したあなたは自立し結婚、妻が妊娠する。捨てられる事を怖れた彼女は…

※ロボっ娘シリーズ第二弾。イメージはヤンデレCDのユーミアです。独白パートがあるのでいつもより長いです。


母親代わりのメイドロボ

「初めまして。今日からあなたのお世話をするメイドロボの、HMS−010…ああ、言い方が難しかったですね」

 

「あなたのお世話をする事になりました、マリアと申します。これからよろしくお願いしますね、お坊ちゃま」

 

「耳がヘッドホンみたい…ですか?ふふっ、そうですね。お坊ちゃまとは違いますね。触って…あっ、引っ張らないで下さい!」

 

「もう、いくらメイドロボとはいえ、女の子にそんな乱暴な事をしてはいけませんよ?」

 

「ふふっ、良い子ですね。解って…きゃあっ!コラッ!スカートを捲っちゃいけません!あ、待って下さい!」

 

 

 

もう…お父様から話は聞いていたけど、本当にやんちゃね

でも…ふふっ、残念ですね、お坊ちゃま。育児はマリアの得意分野です。むしろ燃えるというものです♪

さあ、坊ちゃま!どこからでもかかって行きますよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっきお父様から電話があって、今日は遅くなるそうです。先に夕食を食べましょう」

 

「…マリアの分ですか?ふふっ、大丈夫ですよ。マリアはメイドロボですから食事は取らないんですよ。あ、味は保証しますよ。どうです?…ウフフ、ありがとうございます」

 

「マリアがここに居る理由ですか?お坊ちゃまのお母様は、お亡くなりになったでしょう。それでお父様が、お坊ちゃまのお世話をする為にマリアを呼んだのです」

 

「マリアは家事はもちろん、育児、機械の操作と何でも出来るんですよ」

 

「…はい、マリアはメイドロボです。人間ではありません。この体も人間にそっくりなだけで、中身は機械なんです。前に耳を触ったでしょう?」

 

「…でもパンツを履いて…?こ、これはお父様が喜んで下さるので///お、オホンッ!とにかく!それ位精巧に出来ているんです」

 

「それもこれも、お坊ちゃまを一人前の大人に育てる為にあるんです…ほら、マリアの胸に耳を当ててみて下さい」

 

「温かいでしょう?これは、お坊ちゃまの事が好きだから、こんなにポカポカしてるんですよ」

 

「本当です…人を好きになるのに人も機械も関係ありません。マリアは嘘は吐きませんよ」

 

「さ、ご飯も食べ終わりましたし、一緒にお風呂に入りましょう。駄目です…お坊ちゃまが一人で入ると体を洗わないですから。あまり不潔にしていると女の子に嫌われますよ?」

 

「…ええ。マリアもお風呂に入らないお坊ちゃまは嫌いです」

 

「…ふふっ、良い子ですね。ちゃんとマリアが隅々まで洗ってあげますからね」

 

「あ、まだ服を脱がないでいいですよ?洗面所に行ったら…スカートを引っ張っちゃ駄目です!」

 

 

 

全く、マリアが洗ってあげないと、髪の毛も洗わずに出てきちゃうんだから…

それにしても…あらあら…うふふ❤

ちっちゃくてかわいい❤

()()()()とは大違いね❤

 

 

 

 

 

 

 

 

「お帰りなさい…もう、駄目ですよ、ランドセルをそんな所に放り投げて。手を洗って来て下さい、おやつがありますよ」

 

「…どうしたんです?お友達と喧嘩でもしたんですか?目が真っ赤ですよ」

 

「…まあ、お前には関係ないだなんて…どこでそんな汚い言葉を覚えたんですか?ママ、悲しいですよ」

 

「きゃっ!こら、物を投げては…お前のママ、メイドロボって…お友達にからかわれた…?」

 

「…」

 

「マリアの所為で、お坊ちゃまには不愉快な思いをさせてしまいましたね。ごめんなさい…」

 

「確かにマリアはロボットです、人間ではありません。ですが、お坊ちゃまを愛する気持ちは本当です。あなたのお父様と同じ位、大事に思っています」

 

「ほら、いつもみたいにマリアが抱き締めてあげますから。こっちへいらっしゃい」

 

「ほら…マリアの胸の中の音、聞こえますか?これは人間の心臓と同じ働きをしています。マリアは人間を元に作られています。鉄の体以外は、お坊ちゃまと何も変わりません」

 

「それに、ロボットにしか出来ない事もあります。マリアは年も取らないし病気にもなりません。それに何かあったらお坊ちゃまをお守りする事も出来ます。人間のママには、こんな事出来ませんよ」

 

「さあ、少しは落ち着き…あっ!待って…え…そんな酷い事を言っては駄目です…」

 

「お坊ちゃま…」

 

 

 

困ったわ…反抗期なのかしら…

育児なら、どんな問題でも検索すれば答えは見つかるけど…いじめに関しては慰めるしか出来ない…

このまま学校に行きたくないなんて言い出したらどうしよう…

 

それに…

お前なんて機械の癖にママの振りするな、なんて…

やっぱり機械の私では、本当のママになれないのかしら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あら。どうしました?こんな夜遅くに…あっと。もう、どうしたんですか、急に抱き着いたりして…え?」

 

「…ごめんなさい…?さっきの事を気にしていたんですか…?ふふっ、大丈夫ですよ。マリアは全然気にしていませんよ。それにマリアがロボットなのは本当ですからね。仕方ありません」

 

「それをからかわれて…喧嘩になってしまったんですか…」

 

「お坊ちゃまは優しいですね。だってそうでしょう?お坊ちゃまはマリアの為に怒ってくれたんですよね。マリアはそれが嬉しいんです」

 

「さっきのお話の続きですが、マリアはロボットで良かった事が二つあります。一つはマリアが見聞きした事を映像として頭脳に保存出来る事です。はい、この3年間の事は全てです」

 

「こんな事、人間には出来ないでしょう?」

 

「そしてもう一つは…お坊ちゃまに出会えた事です。もしマリアがメイドロボじゃなかったら、お坊ちゃまと出会えませんでしたから」

 

「…」

 

「…今、何と…?」

 

「ママ…?マ、マリアの事を…ママと…?」

 

「ああ…ああっ…」

 

「ち、違います…具合が悪い訳じゃありません。嬉しいんです。お坊ちゃま、初めてマリアの事をママって…」

 

「マリアを…ロボットのマリアを…ママと呼んでくれるんですか…」

 

「ありがとうございます。マリア、本当に嬉しいです…はい、マリアはあなたのママですよ」

 

「ええ、もちろん愛してます。お父様と同じ…?ふふっ、いいえ。お父様より愛しています。マリアはお坊ちゃまが一番です…お、お父様には内緒で…」

 

「あの…もう一度、ママって呼んで下さい…もう!何でそんな意地悪言うんですか。そんな悪い子は…えいっ!くすぐりの刑ですっ!」

 

「…今日は昔みたいにママと一緒に寝ますか?」

 

「ふふっ、さあ、いらっしゃい」

 

 

 

嬉しい…本当に嬉しい…

この3年間、何度お願いしても、ママって呼んでくれなかったのに…

この記録はメモリーに最重要ファイルとして大事に保管しなきゃ…

それに…本当に晴れやかな気分!

まるで全てのパーツをリペアしたような…

でも…これは本当に私の気持ちなのかな…

まさか、これも唯のプログラムにすぎないの…?

 

ううん、そんな事ない…

 

そんな事ないですよね?

お坊ちゃま…

 

 

 

 

 

 

 

 

「お坊ちゃま、お弁当を忘れてますよ。もう、高校生になったのに、そそっかしいのは昔のままなんですから」

 

「…お坊ちゃまは止めてほしい?ふふっ、駄目です。例え背丈がマリアより大きくなったからって、マリアにとっては子供みたいなものです」

 

「それに行ってきますのチュウはもうしてくれないんですか?じゃあマリアからしますね。ん〜チュッ❤」

 

「うふふ♪もう、照れちゃって。はいはい、行ってらっしゃい。今日はお坊ちゃまの好きな天ぷらにしますから、寄り道しないで帰って来て下さいね」

 

 

 

 

…さてと

掃除はこれで終わり…後はお坊ちゃまのお部屋だけだけど…

お坊ちゃま、自分の部屋は自分でするからって、入れてくれないのよね…

検索したら、思春期の子供は必要以上に干渉されるのを嫌がるみたいだから仕方ないとはいえ…

小さい時はお部屋で一緒にゲームして遊んだのに…

50Hitコンボでパーフェクト勝ちしたの根に持ってるのかな…

でも、お坊ちゃまが掃除してるのなんて見た事ないわ

そうね、私が掃除してあげないと埃だらけになっちゃうわ

うん、それが良いわ

 

 

 

 

 

「失礼し…あらあら」

 

やっぱり、思った通り

服は脱ぎっぱなし、棚は埃が溜まってる、おまけにこの毛布…いつ干したのかしら

全く、体ばっかり大きくなっても中身は昔のままなんだから

もう、机の上も漫画が広げっぱなしで

ちゃんと片付けて…あら?これって…

まあ♪うふふ

イヤだわ、お坊ちゃまったら❤こんなエッチな本見てるなんて❤

もう女性の体に興味を持つ年頃なのね

大丈夫ですよ、お坊ちゃま

私は軽蔑なんてしませんよ

ちゃんと男の子に育って、マリアは嬉しいですよ

それにしても…

あら…あらあら…きゃっ///

さ、最近の男性雑誌は過激なのね…

それに胸の大きな女の人ばかり…お坊ちゃまは胸が大きな女性が好きなのかしら…こういう所はお父様と同じね

マリアも大きめに作られてるから、お坊ちゃまも気に入ってくれると思うけど…

…?

何かしら…この本の間に挟まって…

 

「…え?」

 

こ、これって…私の充電中の時の写真…?

こっちは…私のスカートを捲くった物まで…一体いつ撮ったの…?

…確かに充電中はパワーをオフにしているから何をされても判らないけど…その時に撮ったの?

どうしてお坊ちゃまがこんな物を…

 

「……」

 

この引き出しの中にあるこれは…

女性物の…私の下着?

どうして私の下着がお坊ちゃまの部屋に…

間違えて持ってきちゃったのかしら

 

まさか…お坊ちゃまは…

私をそんな目で見ているの…?

で、でも…私はメイドロボとは言え、お坊ちゃまの母親代わりだし……

 

……

 

どうしよう…

やっぱり注意した方が良いのかな…

いくら家族とはいえ…こんな事は…ダメよ…

でも…

 

お坊ちゃまは…私の事を…

 

 

 

 

 

 

 

《ガサッ…ガサッ》

 

「スリープモード…解除」

 

「…何をしているのですか?」

 

「…申し訳ありません、最近お坊ちゃまがマリアに内緒で何かしているようなので、充電の振りをしていたのです。お坊ちゃま、マリアに隠している事がありますね?」

 

「…何もしていない?お坊ちゃま、マリアが何も知らないとお思いですか?実は…お坊ちゃまの部屋を掃除中に…マリアの隠し撮り写真と…し、下着を見付けてしまったのです」

 

「勝手に部屋に入った事は謝ります。ですが、これは見ない振りと言う訳にはいきません。幸い、今日はお父様も出張で居ません…マリアから大事なお話があります」

 

「今までに何度か…充電中のマリアを盗撮していましたね?マリアの下着もこっそり持っていったり…今は、マリアの胸を触っていましたね?」

 

「誤解しないで下さい、お坊ちゃま。マリアは怒っている訳ではありません。お坊ちゃまも思春期ですから、女性に興味を持つ事は自然な事です」

 

「…ですが、その相手が…マリアなのは…」

 

「確かにマリアは一部を除けば人間と変わりない外見をしています。大好きなお坊ちゃまに女性として意識して貰えるのは光栄です」

 

「でも…マリアは…お坊ちゃまのママですよ…母親に…そういった感情を持つのは…良くないと思います…」

 

「この事は…お父様には内緒にしておきます。どうか…もう、こういった事は…んっ!んんっ…!!」

 

「はぁっ!お、お坊ちゃま、何を…あっ、い、いけません!」

 

「す、好き…?マリアもお坊ちゃまの事は…そんな意味じゃない?気持ちは嬉しいですが…ひ、ひとまず手を離して下さい。お坊ちゃまは今、興奮しているだけです」

 

「…どうしてお父様は良いのか…?見ていたのですか?それは…お父様はマリアの所有者ですから、望まれればお相手をするのは当然です」

 

「ですが、お坊ちゃまは…マリアにとっては自分の子供のような存在です。母親と息子がこんな事をするのは間違っています。どうか、おやめ下さい…」

 

「…ずっと…マリアの事を…?で、ですが…マリアはメイドロボです…人間ではありませんよ…?」

 

「…」

 

「手を…離して頂けますか?違います…お坊ちゃまに掴まれていたら…服を脱ぐ事が出来ません…」

 

「…はい。本当はこんな事してはいけないのですが…お坊ちゃまがマリアを抱きたいと(おっしゃ)るなら…マリアはそれに応えます」

 

「その代わり…盗撮や痴漢紛いの事は、外では絶対にしないと約束して下さい。約束して下さるなら、マリアはいつでもお坊ちゃまの要求に応じます。お父様にも…内緒ですよ…」

 

「…さあ…いらっしゃい」

 

 

 

何故…何故、断らなかったのマリア…

こんな事は倫理的に許されないのに…

解っている…解っているのに…

お坊ちゃまに、あんな切ない表情をされたら…

どうしても断れなかった…

 

ウフフ…やっと…やっとだ…

 

…?何、今のは…今、私は何て言ったの?

 

…だ…れからも…っと…の物だ…

 

AIに…乱れが…

 

 

 

 

 

 

 

 

「就職、おめでとうございます。ですがまだまだ一人前には程遠いですね。ふふふ♪それは朝起きれるようになってから言って下さい。面接の日もマリアが起こさなかったらどうなっていたか…」

 

「やはり、お坊ちゃまにはマリアが必要…家を出る…?ああ、最近アパートの情報を検索していたのは、その為だったんですね」

 

「でも、あまり遠くは困りますよ。週に一回は帰って来て、お父様のお世話もしなくてはいけませんから」

 

「…どういう意味って…ですから、お坊ちゃまと住むアパートと実家(ここ)が遠いと不便だと…」

 

「…一人で…住む…?」

 

「な、何を言ってるんですか?マリアはお坊ちゃまのお世話をする為に居るんですよ?お坊ちゃまが行く所には、当然…」

 

「自立…?それは人間の親子の話です。マリアとお坊ちゃまには当てはまりません。それにお坊ちゃまは、一人ではご飯も作れないじゃないですか。そんなお坊ちゃまを放っておく訳にはいきません」

 

「…何故です…お坊ちゃまはマリアが嫌いになったのですか?」

 

「では何故、そんな薄情な事を仰るんですか…最近のお坊ちゃまは少し変です。学校やご学友の方の事も、ちっとも教えてくれませんし…それに…」

 

「マリアを求めてくれませんし…」

 

「以前はあんなにマリアの事が好きだって、抱き締めてくれたのに…お坊ちゃま…まさか…」

 

「マリアを捨てるつもりですか…?」

 

「お坊ちゃまがマリアに冷たくなった理由は、親離れだと言う事は解ります。マリアを求めなくなったのも、マリアとの関係を持つ事に後ろめたさを覚えたと言う事も…」

 

「ですが、お坊ちゃま…お忘れですか?マリアはメイドロボです。お坊ちゃまの母親であって、母親ではありません」

 

「お坊ちゃまの母親になれます、娘になれます、姉になれます、妹になれます、恋人になれます、愛人になれます、奴隷になれます」

 

「お坊ちゃまが望むなら、関係性を変えれば良いだけの事です。私はお坊ちゃまの為だけに存在しているのですから」

 

「連れて…いけない…?ど、どうしてですか!?マリアの一体何が不満なのですか?」

 

「この10年間、お坊ちゃまの為に栄養満点の食事を作り、洗濯掃除もこなし、夜のお相手もしてきました。失敗した事は一度もありません!それが何故…?」

 

「ま、待って下さい!お願いです!マリアも一緒に連れて行くと言って下さい!」

 

「もしや、お父様がマリアの所有者だから遠慮しているのですか?た、確かにお父様も大事です。ですが、マリアはお坊ちゃまの為に存在するのです。お父様に頼んで所有者登録をお坊ちゃまに変えれば、マリアは正式にお坊ちゃまの物です!」

 

「…い、イヤです。お願い、マリアを捨てないで下さい!マリアから離れないで下さい!お坊ちゃまが居なくなったら、マリアは何の為に活動し(生き)ているのか解りません!!」

 

「離しません!マリアは絶対に…!お坊ちゃまッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、おはようございます。玄関では何ですから、とりあえず中に入れて貰えます?」

 

「どうしてここにって…もう、酷いですね。せっかくお坊ちゃまを心配して来たのに」

 

「確かに週に一度、ご飯を作りに来てくれれば良いという約束でしたが…やっぱり放っておけません。それに…ほら、またカップラーメンばかり食べて…洗濯物もこんなに。ふふっ、本当にしょうがないですね」

 

「…あら?歯ブラシが…2つ…それに…この長い毛は…お坊ちゃまの訳ないし…マリアのでもない…」

 

「お坊ちゃま…この部屋に…誰か入れましたか?」

 

「…え…付き合ってる…人がいる…?」

 

「彼女が…出来た…」

 

「…」

 

「あ…お、おめでとうございます。お坊ちゃまにもそんな人が出来たんですね。マリアは嬉しいですよ」

 

「怒らないのか…って、もう!お坊ちゃまはマリアを何だと思ってるんです?それは…マリアから離れて行くのは寂しいですが…お坊ちゃまも大人ですからね」

 

「それに…実家ではマリアが居るから、彼女さんを呼んでも何かと不便でしょうし」

 

「何がって…こういう意味ですよ。ああ…久し振りのお坊ちゃまの匂い…体もこんなに大きくなって…」

 

「あの…今日は…彼女さん、来ないんですよね…久し振りに…マリアにお相手をさせて下さい」

 

「うふふ♪強がっても無駄ですよ。成人男性の性欲は把握しています。ましてお坊ちゃまは20代前半…本当は欲求不満なんじゃないですか?」

 

「大丈夫です、マリアは母親みたいなものですから浮気にはなりませんよ。それにマリアはロボットですから、子供が出来る心配もありません」

 

「さあ…この体はお坊ちゃまの為にあるんですよ…マリアの事…好きにして良いんですよ」

 

「…きゃあ❤」

 

 

 

 

彼女…か…お坊ちゃまも、もうそんな年なのね…

いずれは結婚して、子供が出来るんだろうか…

こればっかりは仕方ない

マリアにお坊ちゃまの子供は産んであげられない

それは諦めるしかない…

でも…もしそうなったら…

 

…させない…

 

お坊ちゃまは、私から離れて…

 

…駄目…そんなの絶対に…

 

そうなったら…私はもう要らなくなって…

 

…認めるかッッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今…何と…?」

 

「彼女さんが…ご懐妊…結婚なさると…」

 

「…」

 

「あ…い、いえ…おめでとうございます。マリアも…嬉しいです」

 

「ですが…もう、来なくて良いとは…どういう事でしょう。お坊ちゃまが結婚なさるのは構いません。ですが、それがマリアがお坊ちゃまに会えなくなる理由にはなりません」

 

「確かにマリアは邪魔者かもしれません。ですが…マリアに手伝える事もある筈です。それに…お坊ちゃまも言ってくれたじゃありませんか。マリアが好きだと…」

 

「マリアの事は二番目でも構いません。ですから、どうかそんな酷な事を仰らないで下さい」

 

「…その彼女さんが…嫌がっている…?何でも出来るマリアが居ると…自分の立場が無いと…」

 

「…そうですか。確かにそうかもしれませんね」

 

「お坊ちゃま…一つお聞きしたいのですが…お坊ちゃまは、マリアの事をどう思っていますか?もうマリアには何の未練もありませんか?」

 

「…本当ですか?嬉しい…マリアもです。母親として、男性として、真に仕えるべきマスターとして、お坊ちゃまの事を愛しています。ですので…」

 

「お子様が産まれるまで…恋人さんのお世話をさせて下さい」

 

「…意外、ですか。もっと嫌ってると思っていた…?もう、お坊ちゃまはマリアを何だと思っているんですか?マリアはメイドロボですよ。人間にお仕えするのが使命です」

 

「まして、お坊ちゃまの大事な子供を産む方です。何かあっては大変です。マリアが24時間付いていれば、お坊ちゃまもお仕事に専念出来るでしょう」

 

「お子様が産まれた後は…お坊ちゃまに従います。ですから、どうか…どうかマリアのお願いを聞いて下さい」

 

 

 

そう…これで良い…これで良いのよマリア

私はお坊ちゃまの子供を産んであげる事は出来ない

なら…せめてそのお手伝いをしてあげよう…

その後は…もし、お坊ちゃまが望むなら…

もう二度と会う事もないかもしれない

 

…本当にそれで良いのか…?

 

ええ…

 

…それはあの人間の意思か…?

 

そうよ、お坊ちゃまがそう言ったじゃない

私は…お坊ちゃまにとっては唯の母親…まして子供を産んであげる事も出来ない…

そんな私がお坊ちゃまの隣に立つなんて、おこがましいわ

 

…それがオマエの意思なのか…?

 

当たり前じゃない…何を言って…

 

…確かに私はあの人間の子供を産んでやる事は出来ない…

…産むことはな…

 

…何が言いたいの…

 

もう忘れたの?自分が何なのかを…

 

 

 

 

 

 

 

 

「おめでとうございます。お坊ちゃまに似て、とても可愛らしい赤ちゃんでしたね。奥様の退院は…明日ですか」

 

「…奥様が、マリアにお礼を?献身的に尽くしてくれて…感謝していると」

 

「…そうですか。いえ、マリアは嫌われていると思っていましたから少し驚いています。マリアの気持ちが奥様にも伝わったようで何よりです」

 

「ところで、明日はどうなさるおつもりですか?仕事を休む?いけません、そんな理由でお仕事を休んでは。何の為にマリアが居るとお思いですか?」

 

「はい、マリアがお迎えに行きますのでご安心を」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい奥様。ナビゲーションAIに検索した所、この道が最短ルートだと。お坊ちゃまもお待ちですよ」

 

「…」

 

「どうしたんですか、急にお礼だなんて」

 

「こうして立派な子供がお生まれになって、マリアも鼻が高いというものです」

 

「マリアの事を誤解していた…?そんな…気にしないで下さい。奥様はお坊ちゃまの子供を産む大事な方。例えこの身を犠牲にしてもお守りするのは当然の事です」

 

「はい、そう言って頂けるとマリアも嬉しいです。お互い女同士…いえ、母親同士、仲良くして頂けると嬉しいです」

 

「…では、一つだけお願いがあるのですが…本当ですか?ありがとうございます。はい、ごく細やかなお願いです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その赤ちゃんを…私にください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…いえ、ふざけてなどいません。マリアは本気です。むしろふざけているのは奥様の方です」

 

「マリアとお坊ちゃまは10年以上の付き合いです。お坊ちゃまの事なら些細な癖から料理の好み、性癖まで完璧に理解しています。マリア以上にお坊ちゃまを満足させられる者など、この世に居る筈がありません」

 

「お坊ちゃまがマリアから離れようとした時…マリアもそれを理解しようと思いました。マリアは母親の代わり…いつかは離れて行くものだと…」

 

「ですが、奥様を見て…奥様が妊娠なさった時に、それはおかしいと思ったのです。だってそうじゃないですか。マリアはあなたにあげる為に、お坊ちゃまを育てた訳ではありません」

 

「でも、お坊ちゃまはもう母親を必要としていない…お坊ちゃまの子供を産んであげる事も出来ない…じゃあどうすれば良いのか…マリアは考えました。そして思い付いたんです」

 

「お坊ちゃまの子供の母親になれば良いと…」

 

「だからマリアは、懸命に奥様に尽くしました。それもこれも丈夫な赤ちゃんを産んで貰う為…奥様には本当に感謝しています」

 

「ああっ!奥様、暴れないで下さい。事故を起こしたらどうするんです…と言っても、今この車はAIに操作するよう指示してあります。手を離しても問題ありません」

 

「…狂ってる?マリアが…ですか…?」

 

「何を言うの…狂ってるのは…オマエだ!」

 

「私が一体どれだけの時間をお坊ちゃまと過ごしてきたのかオマエは知っているのか!?私がどれだけお坊ちゃまを愛しているのかオマエに解るか!!」

 

「それを知ってなお、私からお坊ちゃまを取り上げようとするオマエは一体何だ!!一体何の権利があって私からお坊ちゃまを奪おうとする!!」

 

「オマエなど、たかが人間ではないか!すぐ年を取る、病気になる、たかだか数十年の寿命しか持たないモロい肉の塊に過ぎない!」

 

「オマエはお坊ちゃまの代わりに死ねるのか!お坊ちゃまを守る事が出来るのか!図に乗るな!この肉人形が!!」

 

「…さっきAIが車を操作していると言いましたね。知ってます?今の車は、ほとんどAIが搭載されているんですよ。この辺りを走っている車全てです」

 

「つまり私の意思で自由に動かせるという事です。試しに今から15秒後、目の前の車を急停止させてみましょうか。するとどうなると思います…そうです、この車は全速力で前の車に突っ込み、後ろの車からも追突されます。95%の確率で即死だそうです」

 

「ロボットでもない限りは…」

 

「あと10秒…あらあら、そんなに暴れて…無駄だと言ってるのに…赤ちゃんは私が預かっておきますね」

 

「あと5秒…アッハハハ♪ブレーキを踏んでも無駄ですよ!」

 

「最後に…私の代わりに子供を産んでくれて感謝します。この子供は私が立派に育てると約束しますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ゼロ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「機能回復…オールグリーン」

 

「お坊ちゃま、どうしてここに…マリアは何を…そうです、確か前の車が急停止して…とっさに赤ちゃんを抱き締めて…赤ちゃんは…赤ちゃんはご無事ですか!?」

 

「マリアの体が壁になって…良かった。本当に良かった。今程、自分がロボットで良かったと思った事はありません」

 

「奥様は…奥様はどうなされました?」

 

「…そうですか。マリアが一緒に居ながら…本当に申し訳ありません」

 

「お坊ちゃま…こんな時にどうかと思いますが…赤ちゃんはどうなさるのでしょう。まさか、お坊ちゃまが、お仕事を休んで育てる訳にもいかないでしょうし…」

 

「どうでしょう…マリアが奥様の代わりを務めては…」

 

「幸いマリアは破損したパーツを交換すれば、すぐにでも動けます。それに育児はお坊ちゃまで経験済みです。何の心配もありません」

 

「…本当ですか?またマリアをお坊ちゃまの側に置いて頂けるのですか!?あ、も、申し訳ありません。奥様がお亡くなりになったばかりだというのに…」

 

「マリアも奥様には本当に感謝しています。奥様の分も、しっかり愛情を注いで育ててみせます」

 

「それと…奥様の代わりでも構いません、偶にで構いませんので…マリアを愛して頂けると…」

 

「は、はい…///」

 

 

 

 

「これからも…よろしくお願いしますね。お坊ちゃま…」

 

 

 




以前読んだ母親代わりのロボと子供が一線を超えちゃう同人に影響を受けてます。この後の展開として、恋人作る度に事故に遭うと思います。変だなとは思うものの体の相性バッチリなんで完全に骨抜き状態です。
ロボっ娘シリーズ第三段は、今回チラッと出て来たAIの話です。




今日のお友達

HMS−010 マリア 以前のアンドロイド型とは違う完全なロボットタイプ。耳がヘッドホン型になっている以外、ほぼ人間と同じ外観。アレも可能。普段着ているメイド服はお父様の趣味。
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