ヤンデレちゃんとメンヘラちゃん   作:昼間ネル

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ある日、あなたがいじめっ子と乱闘していると一人の女の子が通り掛かる。彼女はあなたに加勢し、いじめっ子を突き飛ばすが打ち所が悪かったのか死なせてしまう。あなたは彼女と共に死体を隠し事件を揉み消す。
それ以来、あなたは何故か彼女に気に入られ、あなたも彼女が誰かに喋らないか監視する名目で会い続ける。
やがて事件もすっかり落ち着いた頃、彼女はあなたとはもう会えないと言い出す。何故かと問うあなたに彼女は…

※姉、先輩枠にしてますがホラー回です。


共犯者の彼女

「きゃあっ!な、何?ちょっと…二人共何してるんですか!」

 

「あ、あなたは…あっ!やめて!彼、血が出てる!」

 

「えいっ!は、離しません!じゃあこの子を殴るの止めて下さい!」

 

「君、大丈夫?きゃあ!い、痛い!こ、この…えいっ!」

 

《ドカッ!!》

 

「あ、あの…ど、どうしよう…彼、動かない…」

 

「…」

 

「脈が無い…し、死んで…!!」

 

「お、落ち着いて!とりあえず死体を隠しましょう!そっち持って!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「どう、落ち着いた?」

 

「一緒に逃げてきたけど…君、どうして彼と喧嘩なんかしてたの?…そう、君、彼にイジメられていたんだ…」

 

「実はね、私もなんだ。私も彼にイジメられてて、先生に相談したの。そうしたら逆恨みされちゃって、ここに呼び出されたの」

 

「そうしたら君と喧嘩してるから、びっくりしちゃったよ」

 

「え?う、うん…そうだね。あの人、死んじゃったね」

 

「お、落ち着いて。君は悪くないよ。君は私を庇ってくれたんだもん。私も一緒に突き飛ばしたら…頭の打ち所が悪かっただけで…そう!これは事故だよ!あなたは何も悪くないよ!」

 

「死体も、あそこなら誰にも分からないよ。わざわざ人目に付かない所に呼び出されたのが返って良かったんだよ」

 

「だから、そんなに落ち込まないで…大丈夫、私、誰にも言ったりしないから…」

 

「ところで…君も同じ学校なの…1年?そう、私は2年。名前は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちは。やっぱり気になって見に来たんだね。うん、私も死体が見つかってないか気になって…」

 

「大丈夫?顔色悪いよ…って言っても無理ないよね。人殺しちゃったんだもん。私だって昨日は一睡も出来なかったよ」

 

「それでね、これ、スコップ持ってきたの。幾ら人目に付かないって言っても、そのままにしたら腐って匂いでバレちゃうかもしれないでしょ?だから埋めようと思って」

 

「どうして手伝うのかって…当たり前だよ。私だって共犯だもん。もしバレたら二人揃って警察だよ?私、まだ捕まりたくないもん」

 

「それに元々は、私があの人に呼び出されたのが切っ掛けだし…君はたまたま通り掛かっただけだよね…そっか、そこを彼に絡まれて…」

 

「お互い災難だったよね。今日、学校でも大変だったよ。彼が家に帰ってないって先生が。クラスのみんなも色々言ってた。君のクラスも?」

 

「でもね、良い事も二つあったんだ。一つはね、もうイジメられなくなった事。私、ずっと彼に悩まされてたから、彼には悪いけど嬉しくって…」

 

「もう一つはね…そ、その…君と知り合いになれた事…」

 

「どういう意味って…う〜ん。君、意外と鈍いんだね。はっきり言うとね…君、私の理想のタイプなんだ」

 

「私、年下の弟みたいな子が好きなんだけど、顔、声や仕草、全部…まるで私の理想の彼氏みたいで…出会い方は最悪だけど」

 

「君は…どうかな。私って…君のタイプじゃないかな?」

 

「本当に!?君も…年上のお姉さんタイプが好きなの?驚いた…こんな偶然ってあるんだね…」

 

「死んだ彼には感謝しないとね。こんな理想の彼氏に引き合わせてくれたんだから」

 

「ふう、これだけしっかり埋めれば絶対にバレないよ。あとはアリバイも作っておかなきゃね。もし警察に聞かれた時に必要でしょ?」

 

「それで…私、考えたんだけど、こうしない?私が君に告白する為にここに呼び出したって。これなら、どうして二人揃ってここに居たかって聞かれても不自然じゃないし」

 

「で、どう…?何って返事。ううん、アリバイの事じゃなくて…告白の返事…」

 

「確かにアリバイって言ったよ?でも、もしOKならさ…付き合ってないのって変でしょ?それとも私じゃ…イヤかな?」

 

「いきなりで驚いてるかもしれないけど、私は本当に君と付き合いたいって思ってるの。何て言ったら良いんだろう…昨日会ったばかりなのに…私、君の事が本当に好きなの。自分でもどうしてか不思議な位に…」

 

「それにさ…君も私と一緒の方が何かと都合が良いんじゃないかな。ほら、私が誰かに喋ったりしないか監視しないと。もし私が誰かに喋ったら、君の人生お終いだよ?」

 

「あ、ごめんごめん、今のは言い過ぎたね。大丈夫だよ、君が捕まったら私だって捕まっちゃうもん。だから言う訳ないじゃん」

 

「…捕まるのは…君一人…な、何で?」

 

「私の事は…喋らない…」

 

「…」

 

「優しいんだね、君。ありがとう、とっても嬉しいよ」

 

「でも君一人の所為になんかしないから安心して。もし君が捕まったら私が庇うからさ。君は悪くないって」

 

「じゃあさ…改めて私と付き合うって事で…良いかな」

 

「…うん!」

 

「…そうだね、()に見られてたら、せっかくの告白も台無しだね。早く埋めちゃおっか。ほら、早く手を動かして。君のスコップ全然汚れてないよ。女の子にばっかりこんな重労働させないでよ」

 

「あなたもだよ?せっかく良い雰囲気なのに、そんな辛気臭い顔しないでよ…もう死んでるけどさ」

 

「化けて出て来ないで…ねっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっ。やっぱりここに来てたね。うん、私も同じ理由。死体が動く訳ないって解ってるけど、誰かが気付かないか不安で」

 

「君のクラスはどう?落ち着いた?そう。私のクラスは大騒ぎだったよ。彼の両親が警察へ相談したって。それ聞いたら居ても立っても居られなくて」

 

「全く…死んでからもこんなに悩まされるなんて。私も頭が痛いよ…」

 

「でも君も暇だね。私も人の事言えないけどさ、今日、日曜日だよ。どこか遊びに行ったりしないの?」

 

「あっ、待って!私が当ててあげるから。君は…友達と遊ぶよりは一人で居る方が好きで…休みの日は寝てる…彼女ももちろんだけど…女友達もあまりいないね…」

 

「えっ?本当に当たってるの?私、適当に言ったんだけど…」

 

「じゃ、じゃあさ…私の事も当ててみてよ。普段、私が何してるか?」

 

「うん…うんうん…そ、そう…驚いた。その通りだよ。何で判るの?まるで私の事知ってるみたい…もしかして私のストーカー?」

 

「凄いなぁ。ここまで気が合うなんて…君、見た目だけじゃなくて、中身も私の思う通りの人なんだね…」

 

「それに…どうしてだろう。私、君とは二日前に会ったばかりなのに…君の為に何かしてあげたいの。今日だってそう。さっきね、君が呼んでるって気がしたの。それでここに来たら君が居たの」

 

「やっぱり私達、何かあるのかな。生き別れの姉弟だったり…流石にそれはドラマの見過ぎか」

 

「あ、それとね。今日は花の種を持ってきたの。もちろんここに蒔くために」

 

「死んじゃった彼も嫌な人だったけどさ、誰にも知られずに眠るのも可哀そうかなって。だから花でも咲けば少しは慰めになるんじゃないかな。花が咲いてればそこを掘ろうなんて思わないだろうし」

 

「だから…ね?じゃあ、そっちお願いね」

 

「この花?えっとね、確かパンジーだったかな。花言葉は…アハハ、忘れちゃった。もう、またサボってる。貸して、私が埋めるから」

 

「これだけ埋めれば来年の今頃は綺麗な花が咲くかもね。でも、あまり綺麗だと人が見に来るかな…や、やっぱり掘り返そうか?」

 

「そ、そうだよね…せっかく埋めたし。何か死体掘り起こしてるみたいで嫌だよね」

 

「…じゃあ、今日は帰るね。今回の行方不明事件で親が心配してるの。私達は大丈夫だけど、どうしてかは言えないしね」

 

「うん…また、何かあったらいつでも呼んでね。君が困ってたらすぐに駆け付けるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お客さん、人を斬るなら、こっちのノコギリの方が良く斬れますよ…な〜んて♪ふふっ、びっくりした?」

 

「どうしてここに?そんな事どうでも良いじゃない。強いて言えば…君が悩んでるんじゃないかなって思って…気が付いたらこのホームセンターに来てた、かな」

 

「君、死体掘り起こして別の所に埋めようとしてるでしょ。顔見れば解るよ」

 

「確かにあそこじゃ絶対バレないとは言えないけど、死体どうやって運ぶ気?君、車でも持ってるの?真夜中に運んでも絶対に怪しまれるよ」

 

「それならさ…いっそ、バラバラにしちゃえば良いんじゃない?そうすれば運ぶのも楽だし、何なら頭とか身元が判る所だけ別の所に隠せば良いんじゃないかな」

 

「…だよね。だったらそのノコギリなんかどう?これだったら人の首も斬れそうだよ」

 

「大丈夫。私が付いてるから…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっほ~。えへへ、来ちゃった。もう、そんなにびっくりしなくても良いのに」

 

「実はね、事件が片付いたから、久し振りに君に会いたいな〜って思ってたの。そうしたら偶然、君を見掛けたからさ」

 

「君、この辺りに住んでるの…あの家がそうだったり…え、本当に?そ、そうなんだ」

 

「あ、そうだ!私、君の家に遊びに行きたいな。君の部屋とか見てみたいな〜」

 

「せっかく付き合ってるんだし。初めてのデートが男の子の部屋ってのも、せっかち過ぎるけど。その…カップルらしい事したいなって…アハハ」

 

「え〜?いいじゃない。親御さん、厳しい人?出来ればちゃんと紹介して欲しいな。ね、行こ?」

 

「ひゃっ!ちょっと…そんなに怒らなくてもいいじゃない。今日は都合が悪かったかな」

 

「う、うん…ゴメンね、無理言っちゃって」

 

「あ、もう帰っちゃうの?うん、またね…」

 

「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちは。図書館で会うなんて珍しいね。君も本とか読むんだ」

 

「最近、あまり私に会ってくれないよね。例の件が片付いたら、もう私となんか会いたくないかな?」

 

「ふふふ、冗談。でも半分は本当だよ。せっかく君と知り合ったのに、君、全然連絡くれないんだもん。たまに会う時もあの場所だし…もうちょっと風情が欲しいって言うか…」

 

「…ねえ、君、私の事、好きだよね?私にずっと居て欲しいよね?」

 

「う、うん…変な質問だね。でも私にとってはとても大事な事だから。私はこれからもずっと君と一緒に居たい…私の事をずっと必要だって思って欲しい」

 

「…」

 

「今日はね、ちょっと調べ事してたの。心理学なんだけど。例えば、この本なんか面白い事書いてあるよ」

 

「ある子供が親から虐待を受けてたんだって。誰も助けてくれない、逃げ場もない状況で子供は奇妙な事を考え始めたの」

 

「虐待される自分を見て『ああ、この子は虐待されて可哀そうに』『俺が守ってあげなきゃ』って…」

 

「この子供はね、虐待されてるのは自分じゃない、別の子なんだって思う事で現実逃避したの」

 

「これって…私達に似てない…?」

 

「…変な話しちゃったね。あっ、帰っちゃうの?せっかくだから何か読んでいけばいいのに」

 

「…」

 

「私達って…私って…」

 

 

 

 

 

 

「ごめんね、急に会いたいなんて言って。どうしても話しておきたい大事な話があって…」

 

「…あれから三ヶ月か。もうすっかり事件の事は忘れられちゃったね。君も肩の荷が下りたんじゃない?ふふっ、私もだよ」

 

「…どうしたの?その割には浮かない顔してるね?もしかして、また誰か殺しちゃったとか?流石に二人目は勘弁してよね〜」

 

「えっ?最近、私と会えないって…?」

 

「そうだよね。私達、一応付き合ってる事になってるし…そう言ってくれるのは私も嬉しいよ」

 

「あっ!君の事を嫌いになったとか、そんなのじゃないの。そんなのじゃ…引っ越すとかじゃなくて…ただ私達、もう会えないと思うの…」

 

「ねえ…私達が初めて会った時の事、覚えてる?うん…君があのいじめっ子と掴み合いの喧嘩してた時だよね」

 

「その後は何時だっけ…そう、君が死体を埋めた事がバレないか考えた時、死体をバラバラにしようと考えた時…」

 

「解らないかな…私は君が不安になった時、正確には君が誰かに頼りたい時に必ず現れたでしょ?」

 

「それ…おかしいって思わなかった?どうして自分が助けて欲しい時に、必ず私が現れるんだろうって…」

 

「前に図書館で話したよね…そう、虐待されてる子の話。それって、私達に似てるって話もしたよね」

 

「うん…私が言いたい事、解ったかな。その子は心が別れちゃった、いわゆる二重人格だけど、私達はちょっと違うの」

 

「…イマジナリーフレンドって言うんだって」

 

「調べたんだけど、その人が作り出した空想上の友達の事を言うの。ほら、小さい女の子が人形に話し掛けたりするでしょ?あれと同じだよ」

 

「…そう。私は君に作られたイマジナリーフレンドみたい」

 

「君、いじめっ子を殺しちゃった時に、こう願ったんじゃない?」

 

「『誰か助けて』『自分を守って』って」

 

「多分、私はその時に作られたんじゃないかな。君が悩んでる時に都合良く私が現れる理由、そう考えれば辻褄が合うでしょ?」

 

「最近、私と会えない理由…それはね、君が私を必要としなくなったから。私に頼らなくても大丈夫って思い始めたから、私は君の中から消えかかってるんだと思う」

 

「私の体が消えかかって…?ふふっ、君にはそう見えるんだ」

 

「そんな悲しい顔しないで。もう君と会えなくなるのは私も辛いけど、これは良い事なんだよ。君の心が安定したって証なんだから」

 

「それに、私は君の中の一部なんだから、もし君が本当に私を必要としてくれたら、きっと会えるよ」

 

「だから…お別れだね。私、君の事絶対忘れないから。偶にで良いから私の事、思い出してね」

 

「さよなら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の…イマジナリーフレンドさん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

…あの日、私がいじめっ子に呼び出された時、私はこう思ったの

『誰か私を助けて』『あいつを殺して』って…

そうしたら、その願いを叶える様に、あなたが現れた

いじめっ子には君の姿は見えないから、私が誰と話してるのか困惑してたね…それを利用して、私はいじめっ子を突き飛ばした

私は人を殺してしまった現実から逃げるために、彼はあなたが殺したんだと、あなたに責任を擦り付けた…そして、あなたを庇う事で罪悪感を消そうとした

 

あなたは私が困っている時に都合良く現れたと思っていたかもしれない…

でも実際は逆だったんだね

私が困っている時に、私があなたを呼び出していたんだね

 

私がそれに気付いたのは、死体を埋める時

私のスコップは汚れてるのに、君のスコップは全然汚れていなかった…

花の種を蒔く時もそう…結局蒔いたのは私だけ…

君の家の側で会った時、私、気になってあの家に行ってみたの

でも、あの家、老夫婦が二人住んでいるだけだった…

それで解ったの…

 

君は…私の妄想が生み出したんだって…

 

前に蒔いたパンジーの花…あの花の花言葉はね…

一人にしないで…なんだって

 

人を殺した罪悪感からは逃げられないけど、君のお陰で私は立ち直れた

本当にありがとう…そして…

 

さよなら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう…旦那の奴、面倒くさい事は全部、私に押し付けて…もうっ!《ガンッ!》

 

「あ、ご、ごめんなさい!大丈夫…で…」

 

「…え、ええ!実は…旦那と喧嘩してて…もう離婚かなって悩んでまして…えっ?あなたもお嫁さんと揉めてるんですか?」

 

「奇遇ですね。良かったら少し話しませんか?」

 

「いいですよね…」

 

 

 

 

 

 

「十年振りに…会えたんだし…」

 

 




楳図かずお先生の洗礼が元ネタです。そっちは主人公の親の主治医が実は…って設定です。艦これで北上と霞の話を似た設定で書いてるので、そちらも目を通してくれると嬉しいです。
ファンタジー系の話が続いたので、暫くは現実系の話になるかもです。次はみんな大好きメイドさんの話です。
最近なえちゃんねるさんをよく聴いてます。泣き、錯乱系の演技が凄く上手いのでお勧めです。



今日のお友達

赤井 梨沙 妄想大好き高校生。友達からはちょっと変わった子と思われている。殺した彼は行方不明扱いになり内心ホッとしている。事件から10年後に結婚したが旦那と子供の事で喧嘩が絶えないらしい。元キャラは艦これの明石。

終わり方はどんなのが好み?

  • 相思相愛って、はっきりわかんだね
  • 拉致って監禁、足バッキンのミザリーエンド
  • 彼女しか考えられ あっあっ 洗脳エンあっ
  • ナッパ!あたしの言う事が聞けないの!?
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