ヤンデレちゃんとメンヘラちゃん   作:昼間ネル

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歴戦の猛者であるあなたは、魔王討伐の旅をしている。あなたが傷付き倒れる度に、あなたは加護の女神に癒されてきた。再び生死の境を彷徨うあなたは女神の許へ招かれて…

※誰を愛そうがどんなに汚れようが構わぬ
最後にこの私の横におればよい!!


あなたを見守る女神様

「お目覚めですね…私の顔をお忘れですか?そうです、あなたの世界を管理する女神、エレドナです。お久しぶりですね」

 

「はい、ここは天界です…一時的にあなたの魂を天界にお招きしました。現世のあなたは深手を負い、生と死の(はざま)彷徨(さまよ)っています」

 

「それにしても…こうしてあなたとお話するのは何度目でしょう…3度目…いえ、4度目でしたか。確か以前は、町の人々が魔物に操られて…手を出す事が出来ず、刺されてしまったんでしたね」

 

「今回はどうして…まあ、信じていた仲間に裏切られ…一体何故…」

 

「仲間が何者かに力を授けると(そそのか)され、あなたを裏切って…かわいそうに…信じていた仲間に裏切られるとは、心中お察ししますわ…」

 

「…地上の様子ですか?申し上げにくいのですが…あなたを裏切った仲間は、魔王に寝返ってしまいました…申し訳ありません」

 

「…いえ、これは私の責任でもあります。あなた達に加護を授け導くのが私の役目…それを果たせず、あまつさえ魔王側に加担させてしまうとは…(ひとえ)に私が至らない所為(せい)です。女神としてお恥ずかしい限りです…」

 

「すぐに地上に戻る…?そ、そんなに急がなくても…それに今のあなたは体だけではなく、心も傷付いています。そんなあなたを地上に送り返すなどと…とても出来ません」

 

「それとも、私と一緒に居るのは、お嫌ですか?」

 

「…こんな美しい人と一緒だと気が休まらない?も、もう///そんなお世辞を言っても何も出ませんよ?全く…すっかり俗世に染まってしまって…」

 

「と、ところで…以前のお話は覚えておいででしょうか…はい、このままここで過ごすというお話です」

 

「地上の事が心配なのは解ります…仲間を放っておけないのも充分理解しています」

 

「ですが、その度にあなたは傷付き、倒れ…私はそんなあなたを見ていられないのです」

 

「思えばあなたの人生は、大変困難なものでしたね。子供の頃に父親を魔物に殺され、母親は病死…生きていく為に時には盗みを働き…」

 

「あなたに剣術を教えた師匠を自らの手で殺す羽目になり、それが元で他の人間にも信用されず…やっと出来た仲間も、あなたを裏切り魔王に寝返ってしまった…」

 

「もう充分ではないですか…あなたはよく戦いました。例え魔王を倒せなかったとしても、誰もあなたを責めたりしません…」

 

「ここに居れば…私の許に居れば、誰もあなたを傷付けません。あなたは数々の魔物を倒した功績があります。私の力で新たな神になる事も出来ます。それでも行くと言うのですか…?」

 

「…愛する人が…待っている…?」

 

「で、ですが…その人間とて、いつかはあなたを裏切るかもしれませんよ…?そんな人間をあなたが庇う必要があるのですか?」

 

「私はそうは思いません…地上の人々には申し訳ないですが…利己的な人間の為にあなたが傷付く必要はありませんっ!!私はただ、あなたを見守る事しか出来ないのが耐えられないのです…」

 

「どうか…どうか、お願いです。これ以上、自分を傷付けないで下さい…これは女神ではなく…一人の女としてのお願いです…」

 

「…」

 

「分かりました…流石は私が加護を授けた人ですね。いいでしょう、お望み通り、再びあなたを地上へ送り返しましょう。ですが、どうかこれだけは忘れないで下さい」

 

「例え全てを投げ出しても、私はあなたを責めたりはしません。あなたの無事を願う女がいる事を、どうか忘れないで下さい…」

 

「…」

 

「ああ…行ってしまった…また、苦難の旅を歩む事になるというのに…」

 

「それにしても魔王め…許せない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれほど、二度と立ち直れないくらい傷付けろと伝えたのに…!」

 

 

 

 

 

 

「何の為に私が魔王を地上に送ったと思っているのか…それもこれも、全てはあなたを私の許に呼び寄せる為…」

 

「私はあなたが小さい時から、ずっと見ていましたよ。だからこそ、私はあなたに不幸を与え続けた…あなたから両親を奪い、あなたの師を誘惑し戦わせ、信頼を奪い…あなたの心を折ろうとした…人間を見限らせる為に…」

 

「あなたが心を許した仲間を(たぶら)かし、仲間同士で争わせれば、今度こそ絶望の(ふち)に立つと思ったのに…」

 

「でも…あなたが傷付き、もがき苦しむ姿…とっても素敵でしたよ…❤ああっ…もういっその事、私が地上に(おもむ)き、彼と肉欲の限りを尽くして…!」

 

「い、いけないわ…はしたない。全く…女神である私にこのような劣情を抱かせるなんて、本当に罪深い人…///」

 

「それよりも…愛する者がいるなどと…女神である私を差し置いて…一体誰が…仲間の魔法使いの女…いや、故郷の幼馴染か…?」

 

「許さない…あなたの目に映るのは私だけでいい…私以外の女を想うなんて許さないッ…!」

 

「どうしてやろうか…そうだ、故郷は魔王の部下に焼き討ちにさせよう。魔法使いの女は私が直々に八つ裂きに…いや、また裏切らせてやろう。永遠の命を与えてやるとでも言えば簡単に裏切るに違いない」

 

「愛する者に裏切られたとなれば、今度こそ人間を見限るに違いない。そうすれば、二度と地上に戻りたいなんて思わない筈…」

 

「そうよ、あなたには汚れた地上など相応しくない。この世で最も美しく、地上の支配者である私の側こそ、彼に相応しい」

 

「待っていて下さいね…今この私が、汚れた地上から救い出してあげますからね…❤」

 




幽白の樹みたいな主人公が傷付きもがき苦しむ姿を見て恍惚としてる変態だと思って下さい。



今日の仲魔

エレドナ 地上世界を統括する超偉い神。普段は暇なので煎餅食いながら地上を覗いてる。人間が神を恐れ敬う様に定期的に魔物に力を与えている。イメージはソウルエッジのソフィーティア。

魔王 悲しき中間管理職
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