彼女への誤解は解け、期待に応えようと奮闘するあなた。しかし彼女は…
※上司より優れた部下など存在しねぇ!!
「馬鹿者!それは前も言っただろう!これで三度目だぞ!」
「商談をする時は必ず先方に都合を聞けと言ってるだろう!」
「このデータを作ったのは貴様か?数字が間違っている!必ず見直せといつも言ってるだろう!」
「…全く、入社してもう一年以上…いつまでも新入社員では有るまいに…もう少ししっかりしたらどうだ。後は私がやっておく」
「君、今夜は暇か?明日は日曜で休みだ、一杯付き合え。君のミスは私がフォローしたんだ、酒の一杯位奢ってもバチは当たらんだろう」
「飲むだけ…?貴様、一体何を想像しているんだ!だいたいそれは女の私のセリフだ、タワケ!」
「ここは私が偶に来る店でな。中々良い雰囲気だろう?フッ、そう緊張するな。幾ら私でも仕事とプライベートは分ける」
「会社では、ああ言ったが…君が頑張っている事は理解している。以前に比べれば同じミスは少なくなってきたし、ベテランの先輩に相談しているのも聞いている」
「ただ君は詰めが甘い。山を乗り越えた瞬間、一気に油断している気がする。その所為で最後に駄目になる」
「それに君は頼まれると断れない性格の様だしな。同僚に仕事を頼まれてもハイハイ引き受けてしまう。もしかして、それを仕事が出来ると勘違いしていないか?」
「それは単に利用されているだけだ。そもそも君は人の仕事を手伝ってる場合ではないだろうに…」
「…斯く言う私も昔はそうだった。だから君の事は他人事に見えなくてな」
「君は見た目的にも軟弱に見える。まずは見た目から変えてみたらどうだ?スポーツジムに通って筋肉を付けて見るとか。それだけでも印象は大分違うぞ?」
「自分に自信が付けば、はっきり断る事も出来る様になる。君はもうちょっと自己主張をだな…お、おい!」
「…おはよう。随分とぐっすり寝ていたな。気分はどうだ?」
「そうだ、ここは君の家だ。どうして私がここに…?君、昨夜の事を何も覚えていないのか?あの後大変だったんだぞ?」
「君と飲みに行って、君は酔いつぶれてしまって…何とか住所を聞き出して連れてきたんだ」
「君を介抱して帰ろうと思ったが…君に押し倒されてしまって、こうして君の家に泊まったという訳だ」
「別に謝らんでもいい。子供じゃあるまいし、一夜を過ごした程度で責任を取れなどと言わんよ。私だって相手は選ぶ。本当に嫌なら殴ってでも拒否するよ」
「ただ…君は酔うと随分積極的なんだな。いつもとは違うから驚いてしまったよ。普段もそうだと良いんだがな」
「ところで…その…昨夜の事だが…私は…どうだった?」
「何がって…何でもない!全く…ほら、簡単だが朝ご飯を作っておいた」
「何だ…意外そうな顔をして。君、もしかして私の事を仕事しか取り柄のない女だと思ってないか?」
「…君はすぐ顔に出るな。私も独身だからな、家事は一通り出来る。どうだ、少しは見直したか?」
「朝ご飯ついでだが、君の部屋も片しておいた。最後に掃除したのはいつだ?全く、幾ら男だからって、この程度の事は出来ないと彼女も出来んぞ?」
「それと洗濯とゴミの分別もしておいた。あんなヨレヨレのシャツを放置して…部屋の汚れは心の乱れだ。私生活が荒れていては仕事も身に入らんぞ?シャキッとしろ!」
「君、付き合っている女性はいないのか…?まあ聞く迄もないが、彼女が出来たらどうするんだ。こんな部屋では見た瞬間に帰ってしまうぞ」
「ほら、ご飯が冷めてしまう。さっさと食べよう」
「君、ここ間違っているぞ。ああ、私が修正しておいた。それはそうと、どうしたんだ急に。ここ最近の君は随分と見違えたな」
「以前、私に言われて…そうか。いや、何にせよ良い事だ。この調子で変わってくれると私も嬉しい。その調子なら、すぐに彼女も出来るんじゃないか?」
「作らない…?何故だ?」
「…私以外と付き合いたくない?こ、こら!周りに誤解されるだろう!そういう事は人目の無い所で言え///」
「それに…気持ちは嬉しいが、あまり年上をからかうな。私もまだ若いとは思っているが今年で30だ。君とは10才近く離れているんだぞ」
「君だって私みたいな口うるさいオバさんより、若い子の方が良いだろう」
「…今夜?空いているが…飲みに行きたい?」
「…」
「…分かった」
「昼間の話だが…あれは本当か?いや、その…私に好意を寄せてくれるのは嬉しいが…もし一夜を供にした事で責任を感じているのなら気にする必要はない…私もそんな後ろめたい気持ちで好かれては迷惑だ」
「違う…だったら何故、私なんだ?私は君より年上だし、自分で言うのも何だが頑固で口うるさいだろう?この性格のお陰で男性に負けず出世も出来たが…その代わり、私を女と見る男は居なくなってしまったよ」
「それに私より若くて可愛い女の子は幾らでも居るだろう。君と同期の
「年上が好き…?そ、そうなのか…」
「まあ確かに君は頼りない印象があるからな、年上のしっかりとした女性の方が似合うのかも…何?今、何と言った?」
「結婚を前提に…付き合って欲しい…?」
「気持ちは嬉しいが…いや、君の事が嫌いな訳じゃないんだ///多少だらしない所はあるが、男としては嫌いではない」
「だがなぁ…さっきも言ったが私は年上だし口煩い。よく男勝りと言われるし、こんな私の何処が良いんだ…?」
「全部…?君は仕事は駄目だが、女をその気にさせる才能はある様だな」
「実を言うと、私も実家の両親からも良い人はいないのかと煩くてな。正直、孫の顔を見せるのは無理だと思っていたんだが…」
「もう一度聞くが…本当に私で良いのか?」
「そ、そうか…///」
「分かった。では、これから宜しく頼む」
「だが!まだ君を認めた訳ではない。まずは私が認める位、仕事が出来る様になる事だ。そうでなければ結婚する気はない。それに私生活もだらしなさ過ぎる。そ、そこでだ…」
「私と…同棲してみないか?」
「一緒に住んで、君のだらしない所を全部直してやろう。私は厳しいぞ?」
「…フッ、その意気だ。私の将来の旦那として恥ずかしくない様、鍛えてやる。覚悟しておけ!」
「ほら、いつまで寝ているつもりだ。まだ6時って…今日は君が家事をする日だろう。それに女は
「朝食は昨日の残りで良いから、洗濯機を掛けておいてくれ。それと帰ってからで良いが、掃除も忘れずにな」
「君、ここ間違ってるぞ。まあ、同棲を始めて何かと大変だろうし今回は大目に見よう」
「ああ、それと午後の会議で使う資料は皆に送ったか?…まだ資料が出来てない?仕方ない、私も手伝うからさっさと終わらせるぞ。昼食?そんな物抜きだ馬鹿者!」
「ただいま…すまんな、遅くなって。今日は君がご飯を…もう出来てるのか。では、早速頂くとしよう」
「…少し甘いな。砂糖はどれだけ入れたのだ…馬鹿者、私を糖尿病にするつもりか?それに、この肉も火が通っていない。これでは生焼だ!」
「作り直す?今日はこれで良い。だが、明日からは私が作るのをよく見ておけ。料理は慣れだ。コツを掴めばすぐに上手くなる」
「それと朝言った洗濯物は…干し忘れた?そんな親に叱られた子供の様な顔をするな。君は座っていろ、私がやっておくから」
「全く…」
「…」
「しょうがない奴だ…」
「おはよう…どうしたんだ、私よりも早く起きてるなんて。今日は家事をする番だから早起きした?そうか、それは良い心掛けだ。朝食は…もう出来てる?では頂くとしよう」
「…ほう、時間が無い割にはしっかり出来てるじゃないか。洗濯は…ご飯を作る前に終わらせた?随分と手際が良いな。いや、良い事だ」
「おい、どうしたんだ、そんなに慌てて。ご飯位ゆっくり食べないか…取引先との約束?そ、そうか。それは大変だな、頑張ってくれ。ああ、行ってらっしゃい」
「…」
「君、ここなんだが…いや、間違ってる訳ではない。ここは私の仕事だろう、どうして君がと思ってな」
「ついでだから終わらせておいた…?そ、そうか。あ、明日の会議で使う資料は…もう全員に送ってある…?」
「昼食…そうだな、もうそんな時間か」
「ただいま。うん?良い匂いだな。今日は君がご飯を作ってくれたのか。早速頂くとしよう」
「…い、いや、不味い訳じゃないんだ!むしろ逆だ…普通に美味しいからびっくりしてな。この間まで包丁も使えなかった君がと、驚いてな」
「それに部屋も妙に片付いて…早めに帰って来たから大掃除しておいた…?喜んでくれると思って、私の部屋も掃除した…?」
「…」
「あ、ああ…ありがとう」
「…」
「君、ここの数字間違ってるぞ?ほら、ここだ。ちゃんと見直せといつも言ってるだろう。全く、私が気付かなかっなら大変だったぞ」
「ああ、それと取引先との約束だが、一時間早くなったそうだ…知らない?先方は確かに伝えたと言っているぞ?言い訳はいい、早く準備したまえ」
「うん…?この料理、砂糖と塩を間違えてないか?それにご飯が炊けてない様だが…炊飯器が壊れた?いや、そんな事はないだろう。買って一年も経ってないぞ?」
「どれどれ…ほら、ちゃんと使えるじゃないか。てっきり水で濡れて配線不良でも起こしたんじゃないのか?」
「今日はコンビニにでも買いに行こう。謝らんでもいい、誰にだってミスはあるさ」
「ん、どうしたんだ?先方に送る資料?確か君が作っていたんだな。それがどうかしたか?」
「別の資料が届いたと苦情が来た?何をしているんだ。ちゃんと確認しろと、あれ程…」
「送った覚えがない…?部下の誰かが気を利かせて送ったんじゃないか?」
「自分のパソコンから送られている?それなら君以外に送れる人間は居ないじゃないか。きっと忙しくて忘れてしまったんだよ。幸い、私もその資料を持っている。先方には私から詫びを入れておこう」
「フッ、そう落ち込むな。私に任せておけ」
「…」
「フフフ…♪」
「どうした、そんなに慌てて。何かあったのか?」
「取引先と…話が纏まった…?」
「だ、だが、あそことの話は君も難しいと…私も半分諦めていたのに…」
「数時間説得して、纏めた…?」
「そ、そうか…それは何よりだ。ああ、それはそうと、昨日頼んだ件だが…もう終わった…?私のPCに送ってある…?ほ、本当だ…」
「…」
「どうした、変な顔をして」
「私が不機嫌に見える…?」
「な、何を言っているんだ、そんな訳ないだろう。嬉しいに決まってるだろう」
「…」
「そうだ、じゃあ今日は早めに切り上げて、家でお祝いでもしないか?今日は私が料理をしよう!」
「…仲間と明日の準備がある…?」
「…そうか。では、今日は私は先に帰る。君もあまり根を詰めずに早めに切り上げるんだぞ」
「ああ…じゃあな」
「ただい…居ないのか?それにしては良い匂いがするな。これは…」
「あいつが作った料理…?こんなに豪勢に…カードがある」
「『お誕生日おめでとう。今、注文したケーキを取りに行くから待っててね』…」
「全部、あいつが作ったのか。それに部屋も掃除してある…」
「…」
《ガチャン!!》
《バリンッ!ガシャーン!!》
「フーッ…フーッ…」
「…ああ、君か。お帰り。ケーキを買ってきたのか」
「どうしたんだ、そんなに驚いた顔をして。何をしているって…ああ、そうだな、部屋が汚れているな。全くしょうがないな君は。あれ程掃除しておけと言ったのに。これじゃ食べれない」
「私が…散らかした?おい、馬鹿な事を言うな。綺麗好きの私がそんな事する訳ないだろう。失礼な奴だな」
「見ていた…そうか。なら言い訳も出来んな」
「いや、君の事が嫌いな訳ではない。私の期待に応えようとしてくれる姿…最近は君の事ばかり考えている。き、君以外の男が目に入らない程に…」
「じゃあ、どうしてこんな事を…?」
「…」
「確かに私は君に厳しく指導したかもしれん。仕事でもプライベートでも。それは君が余りにだらしないからだ」
「その結果、君はこの半年で見違える程に成長した。だがな…」
「私は成長して欲しいとは言ったが…」
「私を超えろとは言ってない!!」
「私は君に、私が認める男になれと言った…確かに言った。だが…だからって何で私より上手く出来る様になるんだ!!」
「私より先に起きるな!君を起こせなくなる!私が君の寝顔を見るのをどれだけ楽しみにしていると思っているんだ!?」
「私より料理が上手くなるな!失敗して私が代わりに作ってやる事が出来ないだろう!」
「部屋の中を隅々まで掃除するな!大好きな君の部屋を掃除する楽しみを奪うな!」
「仕事の成果を出すな!失敗しろとは言わないが、何故私に相談しない?君を助ける事が出来ないだろう!」
「砂糖と塩をすり替えたのに…取引先にわざと別の資料を送ったのに…わざと君には扱えない無理な案件を任せたのに…」
「どうして全部こなしてしまうんだ!どうして私に泣きつかないんだ!」
「仕事が出来なくてもいいじゃない…生活がだらし無くてもいいじゃない…何で…何で私に頼ってくれないの…?」
「もっと…もっと私に頼ってよぉ…私をアテにしてよぉ…君の頼みなら何だってしてあげるのに…どうしてこんな事ばっかりするの…?酷いよ…」
「…グスッ」
「…何よ。こんな女嫌いになったんでしょ。いいわよ別に。同棲だって解消してあげるわよ…」
「…」
《ガシャーン!》
「きゃあっ!」
《ビリビリッ!ガチャン!》
「ちょっ…ちょっと…何してるの?」
「…えっ?」
「間違えて、料理こぼしちゃった…?代わりに…作って欲しい…?そ、それって…」
「…」
「フ…フフフッ♪」
「全く、仕方ない奴だな君は。私が居なきゃ何も出来ない。これは一生傍に居てやらんとな」
「分かったな?嫌とは言わせんぞ?」
「全部私に任せるがいい。私が責任を持って、君の面倒を見てやろう。だから、これからもし困ったらすぐ私に相談するんだぞ?」
「この…タワケめ❤」
頼りにされる、依存される事でプライドを満たすタイプです。最後は主人公君が折れて付き合う事にしたので、何だかんだでお似合いなのかもしれません。イメージキャラはウマ娘のエアグルーヴです。
今日のお友達
大仲 美香 中堅会社の女部長。頼れる上司ではあるが、部下からは怖い存在らしい。その所為で婚期を逃している事を気にしている。主人公に対しては弟でいて欲しい。趣味は掃除。