東方転雷録   作:龍覇

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12話

「来たか」

「ごめんなさい、父上!私…!」

「いや、いい」

パッ、と布都の手を離す。

ガーン、と効果音のつきそうな顔に、あんまりじゃ…と布都は漏らす。

その様子に馬子はクスリと笑みをこぼす。

「随分と仲良くなったな…一時はどうなるかと思ったが」

「我にかかればこんなものよ」

「調子にのるな」

「屠自古ォ…」

屠自古の素っ気ない態度に布都は落ち込む。

「まあ今は置いといてだな」

「おのれ蘇我!?」

「母様うるさい」

「さて、お前に話があるんだが…」

「無視か!?お主ら揃って酷いぞ!?」

布都はべそべそと三角座りになる。

お主らやはり親子か、親子だな…と、メソメソと言いながら。

勿論、血の繋がった親子である。

「さて、屠自古。お前は十になったら…豊聡耳様の所へ嫁ぐことになる」

「へ」

今度は屠自古がフリーズする。

「屠自古、安心しろ。太子様なら大事にしてくれるであろう」

(違うそんな問題じゃない)

カタカタと、計算する。

肉体的には同じ年齢とはいえ、精神年齢はこちらの方が高い(神子の方がたまに大人びている時がある)。

正直、おばさんと7歳の少年だ。案件物。

目の前の二人は知らないだろう。いや、絶対知らない。

もう前世の年齢は数えていないが、多分生きてればおばさん。

正直7才の少女に乗り移ってしまっただけでだめだ。挫けそう。

「ソ、ソウデスカ」

「まあ近々、豊聡耳様が挨拶にこられる。まだ他のものには知らせないが、一応念の為にな」

「ワカリマシタ…」

「おい屠自古、大丈夫か」

(大丈夫じゃない…)

「大丈夫ヨ、母様。ベ、別ニ緊張シテルワケジャナイワ」

「おい今から緊張してどうする…先が思いやられるぞ」

夫婦だ。

あんなことやこんなことだ。

エトセトラ、エトセトラ。

ブシュウウウ!!!

「屠自古ォ!?頭から煙が出ておるぞ!?」

「……もう少し習い事の方も力入れさせるか…」

布都はあたふたしながら仰ぐ。

馬子の方は思考の海へ旅立ってしまった。

はっ、と屠自古は我に返る。

「えっでも、10歳で結婚なんて早くないですか…?普通は13歳ですよね…?」

「それはだな…」

「それは我が説明させて頂こう!太子様は馬子殿の隣にたち始めている。近いうちに摂政になることも夢じゃないだろう。そこで、だ。その優秀な血を残すにあたって選ばれたのが、屠自古、お主じゃ。太子様からの推薦でもあるぞ」

「わ、私…?」

神子がどうしで自分を推薦したのか。

恐らく政策の話だろうか。

「しかし屠自古も隅におけんな。太子様の心を射抜くなどと」

「心!?ちょっと、どういうことよ…!?」

「そのままの意味だが?違うのか?」

「絶対違うでしょ、私を好きになるなんて!」

「まあその真意は、我には分からぬ。後は太子様に聞けい」

「あーもう…!」

とんでもない爆弾を落とされたまま、屠自古は悶々と過ごすことになった。

主人公を尸解仙にする?

  • プロローグ詐欺になるし亡霊で
  • 尸解仙にする
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