東方転雷録   作:龍覇

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13話

「ふぅ………」

神子は今日の作業を終えて、一息ついていた。

この歳で昇進をどんどん進めていき、やがて馬子と同じ地位に行くだろう。

それなりに心労が積もっていくが、それでも理想の為ならばといくらでもやれた。

(…婚約の件、届いたかな)

神子はいずれ、無理が祟って体にガタが来るだろう、ということで周りは7歳である神子に婚約者を見つけろと言われた。

神子としては霍青娥をなんとしてでも見つけて、仙術を少しでも早く会得したいところだが、中々そうはいかない。

仕方なしが半々、屠自古なら一番マシだと半々。

そういうことで屠自古を婚約者にした。

馬子はとても驚いていたが、喜んでくれた。

「屠自古、か……」

正直会いたい。

何故こんなにも会いたいのだろう。

それを聞こうにも、布都はいない。いや、布都は知っているのだろうか。

「……うーん……」

他の、女性たちを考えてみる。

欲は家の誇りだの、顔だの、身分だのと醜い部分がある。

屠自古はどうだろう。

会えないのでなんとも言えないが、神子を神子として見てくれる。

文面からしても、周りの話とか、そんなもの。

明らかに媚びたものはない。

「…考えても仕方ないか。…さて、もう眠ろう。眠ってしまおう。」

神子はさっさと寝床へ行った。

 

 

 

 

 

 

次の日。

「太子様。やはりそれは恋では?」

その事を布都に話した。

鯉。濃。乞。鱣。

「……こいとはどの?」

「おっと太子様とあろうお方が。恋は恋ですぞ。恋愛の、恋ですぞ」

「………」

思わず書類から手を離してしまった。

「でも動悸はないですよ?」

「それは屠自古に会っていないからでしょう。屠自古に会えば自ずとわかるでしょう。屠自古も隅に置けませんなあ」

また、黙り込む。

布都の欲が騒がしい。

両思い、夫婦、やった、これから会わせるの楽しみだ…。

「……両、思い?」

「太子様…聞こえてしまいましたか」

「ああ、ごめん。…で、両思いとは?」

「それは昨日、屠自古が固まってしまいましてな。それはもう、頭から煙が出るくらいで」

「それは人間の構造的に大丈夫ですか?」

「その後はいつも通りでしたから問題はありませんぞ。多分」

「………」

顔が、熱い。

熱があるのだろうか。

「といっても屠自古の方は無自覚ですな。太子様は今日自覚なされたみたいですが。」

布都は神子の顔を見るとニヤリと笑う。

「太子様。お顔が真っ赤ですぞ」

「…ちょっと頭を冷やしてきます」

ふらりとした足取りで執務室を出る。

書類は今日出さなくてはいけないものではない。

神子は気を紛らわせるために、黒駒の所へ行った。

主人公を尸解仙にする?

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