あれから1ヶ月後、だろうか。
神子がとうとう倒れた。過労である。
だが、医者たちなどの尽力により、回復傾向にあるようだ。
そんななか、その知らせを受け取った屠自古は気が気ではない。
現に屠自古は馬に乗ろうとしていた。
「離しなさいよ布都!」
「誰が離すか!!お主本当に心配性だな!?」
布都に取り押さえられている。
もちろん勝手に外出するのはだめである。
その為屠自古はある程度考えていた脱出経路を通って行ったが、布都に先回りをされていた。
「太子様は大丈夫じゃ!過労で死ぬようなお方ではないわ!!」
「それでも心配なのっ!!!」
「お主が来ては太子様が迷惑だろうがっ!?」
屠自古が急に力を抜けたので、力を入れていた布都は後ろに倒れた。
「いっつつ…どうした屠自古?」
「…迷惑…」
屠自古はそのまま俯いてしまう。
どんどんと暗くなる雰囲気に布都は慌てる。
「お主、太子様のこと好きなのか?」
「…!!」
布都は会話のチョイスを間違えたと後悔した。
一方で、屠自古は考える。
布都は一体どういう意図で質問したのだろうか。
神子は弟みたいな…と考えたところで、弟、という言葉に違和感を覚えた。
弟ではないのなら、なんだろうか。
弟みたいなものだから心配したのでは無いのか。
友人。合っているがそれもまた違うような。
「と、屠自古、すまん。変な事聞いたな」
「太子様のこと…」
今思えば、どうして神子に近づく女たちに心をざわめかせたのだろう。
でもこれは。
小説と漫画みたいな、そんな。
「…屠自古?」
「ねえ、布都。私のこの思いって、恋なのかなあ」
「……どうした?」
「私、おかしいの。太子様が他の女の人と一緒にいるの、嫌なの。…これは、なんなの?」
「恋、だな」
「…恋、かあ…そっかぁ…」
この思いを蓋したい。だが、神子の残した言葉がそうはさせない。
「ねえ、布都」
「ん?」
「私、太子様から…告白されたの。7歳の時に。…私、太子様が元気になったら、今更だけど返事を言うわ」
「……!!」
布都が驚いたあと、嬉しそうに輝いた。
それはもう、言った本人よりも嬉しそうで。
「そうかそうか!屠自古も太子様のこと好きになったか!!これで晴れて両想いじゃな!!」
「……布都、大袈裟ね」
「大袈裟などではないわ!!何年、お主らの焦れったい恋模様を見ていたと思っておる!!!こうしちゃおれん、馬子にも掛け合って今日は宴じゃ!!」
「ちょっと布都やめて!?恥ずかしいから!?」
今度は布都が走り出そうとし、それを屠自古が止める。
さっきまでのと逆のことが起きていた。
「けほっこほ…んんー…」
神子は病床に就いていた。
熱は少しづつだが下がってきたようだ。
「あら.豊聡耳様。風邪をひいてしまったのですか?」
「…青娥、か。うん、まあ……風邪とはこういう感じだったんですね」
「豊聡耳様ったら風邪を引いたことがなかったのですね。それに今まで倒れなかったのが不思議なくらいですよ」
「確かに…最近は仙丹も摂り始めたから、余計に体が弱ったのか…っゴホッゴホッ…」
「さ、いまはおやすみなさいませ、豊聡耳様。あと仙丹を摂るのも今はやめてくださいね」
「分かりました、青娥…」
神子のまふだがおりていく。
最後まで笑顔の青娥が、いた。
主人公を尸解仙にする?
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プロローグ詐欺になるし亡霊で
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尸解仙にする
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