東方転雷録   作:龍覇

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18話

あれから1ヶ月後、だろうか。

神子がとうとう倒れた。過労である。

だが、医者たちなどの尽力により、回復傾向にあるようだ。

そんななか、その知らせを受け取った屠自古は気が気ではない。

現に屠自古は馬に乗ろうとしていた。

「離しなさいよ布都!」

「誰が離すか!!お主本当に心配性だな!?」

布都に取り押さえられている。

もちろん勝手に外出するのはだめである。

その為屠自古はある程度考えていた脱出経路を通って行ったが、布都に先回りをされていた。

「太子様は大丈夫じゃ!過労で死ぬようなお方ではないわ!!」

「それでも心配なのっ!!!」

「お主が来ては太子様が迷惑だろうがっ!?」

屠自古が急に力を抜けたので、力を入れていた布都は後ろに倒れた。

「いっつつ…どうした屠自古?」

「…迷惑…」

屠自古はそのまま俯いてしまう。

どんどんと暗くなる雰囲気に布都は慌てる。

「お主、太子様のこと好きなのか?」

「…!!」

布都は会話のチョイスを間違えたと後悔した。

一方で、屠自古は考える。

布都は一体どういう意図で質問したのだろうか。

神子は弟みたいな…と考えたところで、弟、という言葉に違和感を覚えた。

弟ではないのなら、なんだろうか。

弟みたいなものだから心配したのでは無いのか。

友人。合っているがそれもまた違うような。

「と、屠自古、すまん。変な事聞いたな」

「太子様のこと…」

今思えば、どうして神子に近づく女たちに心をざわめかせたのだろう。

でもこれは。

小説と漫画みたいな、そんな。

「…屠自古?」

「ねえ、布都。私のこの思いって、恋なのかなあ」

「……どうした?」

「私、おかしいの。太子様が他の女の人と一緒にいるの、嫌なの。…これは、なんなの?」

「恋、だな」

「…恋、かあ…そっかぁ…」

この思いを蓋したい。だが、神子の残した言葉がそうはさせない。

「ねえ、布都」

「ん?」

「私、太子様から…告白されたの。7歳の時に。…私、太子様が元気になったら、今更だけど返事を言うわ」

「……!!」

布都が驚いたあと、嬉しそうに輝いた。

それはもう、言った本人よりも嬉しそうで。

「そうかそうか!屠自古も太子様のこと好きになったか!!これで晴れて両想いじゃな!!」

「……布都、大袈裟ね」

「大袈裟などではないわ!!何年、お主らの焦れったい恋模様を見ていたと思っておる!!!こうしちゃおれん、馬子にも掛け合って今日は宴じゃ!!」

「ちょっと布都やめて!?恥ずかしいから!?」

今度は布都が走り出そうとし、それを屠自古が止める。

さっきまでのと逆のことが起きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「けほっこほ…んんー…」

神子は病床に就いていた。

熱は少しづつだが下がってきたようだ。

「あら.豊聡耳様。風邪をひいてしまったのですか?」

「…青娥、か。うん、まあ……風邪とはこういう感じだったんですね」

「豊聡耳様ったら風邪を引いたことがなかったのですね。それに今まで倒れなかったのが不思議なくらいですよ」

「確かに…最近は仙丹も摂り始めたから、余計に体が弱ったのか…っゴホッゴホッ…」

「さ、いまはおやすみなさいませ、豊聡耳様。あと仙丹を摂るのも今はやめてくださいね」

「分かりました、青娥…」

神子のまふだがおりていく。

最後まで笑顔の青娥が、いた。

主人公を尸解仙にする?

  • プロローグ詐欺になるし亡霊で
  • 尸解仙にする
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