神子が元気になった。
過労が原因で倒れたことを反省してか、神子の労働状況だけではなく、みんなの労働状況も見直された。
神子もまた、それを噛み締めたのか、平民の労働状況を見て、改善を努めた。
そんな中、休暇で神子は屠自古の元へ行った。
「屠自古、お話とは?」
「…う…あの…」
神子はもう、分かっていた。分かっていて、あえて聞こうとする。
屠自古の口から、それを聞きたいのだ。
神子はもう嬉しい気持ちでいっぱいだが、それでも顔に出さないよう、努めている。
屠自古は耳まで顔を赤くし、若干目が潤んでいる。
(ああ、可愛いな…)
本日何度目かの感想を抱く。
屠自古は深呼吸をしたあと、覚悟を決めた顔で神子を見る。
「太子様、返事が遅れてしまい、申し訳ありません。…私は、太子様をお慕い申しています。」
「……っ、嬉しいよ、屠自古」
神子の長く続く恋が、ようやく成就した。
神子は懸命に屠自古を口説き落とすのに精一杯だった。
頼れるところを少しでも見せようとしたり、詩を送ったり、時には詩集を贈ったりした。
娯楽が少ない飛鳥では、屠自古の趣味が読書となった。
といっても、屠自古が落ちたのは神子がしてきた努力ではなく。
根底の重いと7歳の告白と長い年月によるものである。
それに結婚もあと一年も残していない。
随分と自分たちは恵まれている。
その事に噛み締めつつ、神子は屠自古の顎を上げる。
ここの所、背が少しずつ伸び始めている。
屠自古よりも小さかった背は、いつの間にか追い越している。
久しぶりに会った屠自古が、意識をすれば何故だか小さく感じた。
「…屠自古、いいかい」
「はい、太子さ…」
神子は屠自古の唇に人差し指を置いた。
「二人きりの時だけでいい。私のことを、神子、と呼んでくれませんか?」
「…神子、様」
「ありがとう…。あともう少ししたら、私達は、夫婦となるんですね…」
「ええ、た…神子様」
「ふふ、屠自古は私の呼び方に慣れないとですね」
「そ、それは…!7年も呼び方が一緒だから…!」
「………」
神子は、すぅ、と目が細くなる。
それを見た屠自古は口を噤んだ。
「屠自古、改めまして。接物、しませんか」
「………はい」
きゅ、と屠自古は目を閉じる。
神子もまた、屠自古の腰を自分側に寄せる。
神子がずっと求めていたものである。
お互いの匂いがより近く感じ、影も重なり合う。
目を開ければ、お互いの目が至近距離で見える。
そしてその後、抱きしめたのだった。
(ああ…幸せだ…)
お互い、同じことを思って。
「あらあら」
青娥はたまたま近くを通っていた。
場所はあまり人の通らないところ。
隣にいた布都もまた、固まり、その後泣いた。
「…物部様?」
「やっど、くっつぎま"しだぁ"…!!」
ひぐひぐと、泣く布都。
あまりの様子に、青娥はあらあらと苦笑いしてハンカチを渡した。
(…なんか、あの子から面白そうな予感がするわね)
青娥は、遠くで満足そうに笑う屠自古に、興味を示していた。
ようやく、くっつきましたね(作中の中で)。
そろそろアンケートとるかもしれません。
主人公を尸解仙にする?
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プロローグ詐欺になるし亡霊で
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尸解仙にする
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その他(感想の方に必ず記載)