お互い、13歳を迎えた。元服である。
いつもよりも整えられた衣装と化粧。
そして布都の咽び泣く声である。
「ちょっと布都うるさい」
「だっで…っ!!あんなに小さくてお転婆だった屠自古が〜っ!!!」
今は準備をしてくれた使用人はいなくなり、いまや残るのは布都と屠自古と馬子のみ。
馬子もまた、無言で目頭を抑えて俯いている。
あんなに花のように笑っていた小さい屠自古が、かつて亡くなった太媛が着ていた衣装に身を包んでいた。
「父上?」
「…っく…」
「父上!?」
馬子はとうとう泣き出した。
元々神子に娘を嫁がせる計画でいたが、この希薄な親子関係の中で唯一と言っていいほど、屠自古は心から馬子のことを父として愛していた。
(太媛よ…見ているか)
天国にいる太媛に向けて、話す。
太媛はなによりも屠自古のことを愛し、成長を楽しみにしていた。
「屠自古様、そろそろ時間でございます」
「…はい」
緊張してきた。
屠自古は片唾を飲む。馬子は屠自古の肩を置く。
大丈夫だ、とは言わんばかりに。
「…父上」
屠自古は馬子に向き合う。
「ここまで、育てていただきありがとうございました。」
馬子の前で頭を下げた。
「私はあなたの娘で幸せでございます。」
屠自古が微笑むと、馬子の目から滝のように涙が溢れる。
「母様」
「お、おう」
布都も鼻をすすりながら返事をする。
「母様もありがとう。…私の背中を、押してくれて。あなたがいなかったら、私はこの思いに気づくことは無かった。…だから、ありがとう」
「屠自古ォッ…!!」
布都は屠自古を抱きしめた。
「…ちょっと、服にシワ着いちゃう。…それにもう時間よ、行きましょう」
「ああ」
馬子は涙を止めた。
婚儀の直前、神子は屠自古に会うことが出来た。
「──っ…」
目の前の屠自古を見て、息を飲んだ。
まだ、あどけなさは残るものの、化粧によって大人の色香が出されていた。
屠自古の表情には凛々しさがある。
衣装も相まってか、とても綺麗だった。
だから神子は屠自古に声をかける。
「綺麗ですよ、屠自古」
「…ありがとうございます。神子様も、とても素敵です…」
屠自古は少し照れながら神子のことを褒めた。
(ああ、ついにこの時がやってきた)
神子も屠自古も両想いになり、恋人になってあまり時間がかかってないが、今日から夫婦となる。
自分の役目も、尸解仙になるための目標も。
屠自古がいるなら、もう、大丈夫だと確信している。
厳かな雰囲気の中、神子はそう思っている。
あちこち聞こえる欲の声に耳が痛いが、耐えられる。
「愛しています、屠自古」
「…私も、愛しています」
その二人の声に、会場は大きく盛りあがり、拍手が起きる。
今、この二人に降りかかるはまさに、祝福だった。
主人公を尸解仙にする?
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プロローグ詐欺になるし亡霊で
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尸解仙にする
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その他(感想の方に必ず記載)