東方転雷録   作:龍覇

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23話

「げほっ…!?」

朝から咳が止まらなかった。

口を抑えていた手を取ると、血がついていた。

「……!!」

「…ははうえ…!?」

屠自古の周りには子どもたちがいた。

その子どもたちは、明らかに異常と悟る。

仙丹を摂る量を増やした。子供たちに悟られないように、寝静まった夜に。

だが片岡を産んで半月程しか立たないこの体には、多大な負担がかかっていた。

「あにうえぇ!!」

財は驚いたのか山背に泣きつく。

山背は深呼吸する。

「…財、母上を見てて!!僕、誰か呼んでくるから…!!」

「むりだよお!!」

その光景によちよちと歩いていた日置は泣き、片岡も泣いた。

山背は途方に暮れ、目に涙を浮かべていた。

「……っは…!!」

屠自古はだるい体を起こそうとする。

母親である自分が何とかしなくては行けない。

太媛をおもいだせ。あの人はどうしていた。

「母上…!」

「山背…大丈夫…だから!!」

山背の目から見て、大丈夫とは思えなかった。

山背は知っている。口から血を吐く時点で、やばいことを。

「…なら、母上は寝ててください!!僕が何とかします…!」

山背は混乱しながら、頭の中の回転を必死に、必死に回す。

布都は来ない。執務がある。

神子も来ない。いつ来るか分からない。

「…どうした?…これは!!」

馬子が来た。

だが馬子はこの光景に目を見開く。

娘は血を吐いて倒れ、山背が目を見開き、涙がこぼれそうであり、下の子ども達は泣いていた。

「お爺様!!母上が…!!」

「屠自古!?…くっ、待ってろ!!」

馬子は急ぎで医者を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

屠自古は病に侵されていた。太媛と同じ病である。

「………屠自古………」

馬子は必死に屠自古の手を取る。

また、失うというのか。

屠自古は苦しそうに息をする。苦しすぎて、涙が出ている。

「…馬子殿!」

布都は急ぎで屠自古の所へきた。

「屠自古は?」

「……よくて、一年、だそうだ…」

「そう、か…」

布都は呆然と屠自古を見る。

(なぜ、この娘まで…)

屠自古の苦しげな姿に、胸が張り裂けそうだった。

いつ死ぬか分からない娘に、どう言葉をかけてあげればいいのだろうか。

布都の目に浮かぶのは、小さい頃の屠自古から、子どもたちを可愛がる屠自古の姿が見える。

だが、その前に。

(我も、そろそろやばいな…)

布都は走るだけで、心臓が痛かった。

これは、罰なのだろうか。

「馬子殿、酷い顔だぞ」

「当たり前だ。何が悲しくて…太媛と同じ病、同じ寿命宣告されなければいけないのだ!!」

「おい、あまり大声をあげるな。屠自古が起きてしまう…!」

これから馬子には、不幸の連続となるだろう。

娘も、布都も、神子も失う羽目になる。

(すまんの、馬子殿)

これもすべて、神子のためなのだ。

主人公を尸解仙にする?

  • プロローグ詐欺になるし亡霊で
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