「屠自古ッ…」
布都は項垂れていた。屠自古は今、不知の病になってしまった。
神子もまた、玉座で先の出来事に心を痛めていた。
本当は尸解の術を布都に掛けてから、神子、屠自古は確認した後に眠りにつく予定である。
だが、屠自古がいつ死ぬか分からない状況になり、場合によっては屠自古を先にかけてもらうしかなくなったのだ。
ふと、神子は布都の欲を聞いた。
死ぬ予定を早めるか、という声に、聞き覚えのない欲。
無数の、怨念の声だった。
「ぐっ…!?」
「太子様っ!?」
こんなにも聞きがたいのは、なぜだろうか。
「布都、君は…?」
「なんでしょうか、太子様…?!」
「君は
「!?」
布都は驚いて目を見開いた。
なぜ、それをと。だがすぐに平静を取り戻し、微笑んだ。
「それは教えられません。」
「なぜ…?」
「これは我が背負うべき、業でございます」
布都の瞼に蘇るは、神の言葉と嘯いた、自分と。
神子と布都の作戦で、次々と殺していった同胞たち。中には、布都の兄、物部守屋がいた。
守屋の、物部家の怨嗟の声は今でもまた、忘れられない。
【痛いっ、痛い痛い痛い痛い痛い…!!】
【許さぬ…許さぬぞ…!】
【物部の怨念は…ここで終わると思うなっ…!!!】
【蘇我ァァァァァァァァッ!!!豊聡耳ィィィィィィィィィィィッ!!!!貴様らの血が途絶えるまでッ!!!未来永劫呪い続けてやるッ!!!決して忘れるなァァァッ!!!】
その声は段々と大きくなり、布都の心を蝕んでいった。
「しかし、布都…これは」
神子は感じていた。
いつか、布都には重大な過ちを犯してしまい、この先後悔を引きずっていきそうな。
「大丈夫です、太子様。我はこれと一生、尸解仙になっても向き合っていく所存でございます。」
ざわり、ざわり
神子の胸騒ぎが大きくなる。
「では、太子様。我は引き下がらせて貰いますぞ」
「っ、待っ…!!」
神子の言葉も聞かず、ふらりふらりと布都は去る。
布都の様子が、途端に変わった。変わってしまった。
止めねば、と神子の勘が訴える。
神子が立ち上がるも、聞きがたい無数の怨嗟の声に、神子の体も不調を起こし、崩れた。
「ふふ、はははは…」
布都の乾いた笑みが、廊下に響く。
やめろ、やめてくれと訴える声と、蘇我を殺す、殺してやるという声が響く。
相反する思いに、布都は疲れ切っていた。
ここの所、眠れていない。
なにか、入れてはいけないスイッチを押したような。
扉を歩くと、皿と壺、剣が置いてある。
布都は、その壺を手に取った。
主人公を尸解仙にする?
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プロローグ詐欺になるし亡霊で
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尸解仙にする
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その他(感想の方に必ず記載)