東方転雷録   作:龍覇

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31話

そんなこんなで、立つことも飛ぶことも出来るようになった。

青娥も、そんな屠自古を見てか、来る頻度が一気に減った。

「…ん?」

もう今日が何年だとか、何日だとかもう、分からない。

だが、この目の前にふよりと光る玉を見つけたのだ。

「…なんだったかな」

1400年の年月が経った屠自古には、もう前世の記憶など無いに等しい。

褪せて、朽ちてしまった。

だから目の前のこれは分からない。

しかもだんだんと数が増えていく始末だった。

「蘇我様〜」

「ああ、青娥久しぶ…随分とボロボロだな、どうした?」

「これは…説明が長くなりますがいいですか?」

「…いい」

「だいぶ集まっている光る玉…これは神霊というものですが…随分とまあ幻想的な風景になってきましたね」

「そうだな。たまにこちらに攻撃してくるのが鬱陶しいぐらいだ」

「ええ、それで。豊聡耳様の有難いお力が欲しくて集まってきているのでさよ。まあつまりいってしまうと。もうすぐお二人は復活します。それが今日なのか明日なのか、分かりませんが」

「…そうか」

神子が復活する。

聞いたはずなのに、屠自古は変わらぬままだった。

その様子に青娥はふむ、と考える。

(これは…あの時以上に不味いものがあるわね…)

屠自古の感情は、麻痺をしていた。

麻痺、というよりも動いていないと言ってもいいかもしれない。

屠自古の修行がてらに様子を見ていた青娥は、違和感を覚えていた。

札を貼った、あの時から。

もちろん、対怨霊には間違えてはいない方法だ。あくまで、強制成仏をさせる手法なだけであって。熱い石を冷やすだけだからだ。

だが、屠自古の場合はもはやその名の通りの焼け石に水状態。

なので、冷やすものを水ではなく、液体窒素で冷やす、みたいな方法で札を貼った。

「なら、私はここを守ればいい話だな」

恐らく、神子に向けていた愛ごと、冷やされたのか。

突き動かされるのは使命感、といった所か。

(…この異変自体はいい。でも、蘇我様がやばい具合ね)

札はもう取り替えていない。

剥がしても、もうあの時にはならないのだ。

間違いなく、青娥は失敗したと思っている。あれは、所詮抑える程度のものだったのだが。

「青娥、いってくるから太子様のこと、見ててくれよ」

「あっ、はーい…」

相変わらず目覚める兆候はない。布都の方は目覚める兆候が若干あるところか。

尸解の術は成功した。

(この異変が終わったら、もっと霊に詳しい人に聞かなきゃね)

自分は死霊専門で、詳しいとは思っているが、やはりそれでも足りないといったところか。

「さて、蘇我様…あなたはどうするんですかね」

感情を凍りつかれた屠自古に問う。

もちろん、聞いているのは神霊のみだった。

主人公を尸解仙にする?

  • プロローグ詐欺になるし亡霊で
  • 尸解仙にする
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