そんなこんなで、立つことも飛ぶことも出来るようになった。
青娥も、そんな屠自古を見てか、来る頻度が一気に減った。
「…ん?」
もう今日が何年だとか、何日だとかもう、分からない。
だが、この目の前にふよりと光る玉を見つけたのだ。
「…なんだったかな」
1400年の年月が経った屠自古には、もう前世の記憶など無いに等しい。
褪せて、朽ちてしまった。
だから目の前のこれは分からない。
しかもだんだんと数が増えていく始末だった。
「蘇我様〜」
「ああ、青娥久しぶ…随分とボロボロだな、どうした?」
「これは…説明が長くなりますがいいですか?」
「…いい」
「だいぶ集まっている光る玉…これは神霊というものですが…随分とまあ幻想的な風景になってきましたね」
「そうだな。たまにこちらに攻撃してくるのが鬱陶しいぐらいだ」
「ええ、それで。豊聡耳様の有難いお力が欲しくて集まってきているのでさよ。まあつまりいってしまうと。もうすぐお二人は復活します。それが今日なのか明日なのか、分かりませんが」
「…そうか」
神子が復活する。
聞いたはずなのに、屠自古は変わらぬままだった。
その様子に青娥はふむ、と考える。
(これは…あの時以上に不味いものがあるわね…)
屠自古の感情は、麻痺をしていた。
麻痺、というよりも動いていないと言ってもいいかもしれない。
屠自古の修行がてらに様子を見ていた青娥は、違和感を覚えていた。
札を貼った、あの時から。
もちろん、対怨霊には間違えてはいない方法だ。あくまで、強制成仏をさせる手法なだけであって。熱い石を冷やすだけだからだ。
だが、屠自古の場合はもはやその名の通りの焼け石に水状態。
なので、冷やすものを水ではなく、液体窒素で冷やす、みたいな方法で札を貼った。
「なら、私はここを守ればいい話だな」
恐らく、神子に向けていた愛ごと、冷やされたのか。
突き動かされるのは使命感、といった所か。
(…この異変自体はいい。でも、蘇我様がやばい具合ね)
札はもう取り替えていない。
剥がしても、もうあの時にはならないのだ。
間違いなく、青娥は失敗したと思っている。あれは、所詮抑える程度のものだったのだが。
「青娥、いってくるから太子様のこと、見ててくれよ」
「あっ、はーい…」
相変わらず目覚める兆候はない。布都の方は目覚める兆候が若干あるところか。
尸解の術は成功した。
(この異変が終わったら、もっと霊に詳しい人に聞かなきゃね)
自分は死霊専門で、詳しいとは思っているが、やはりそれでも足りないといったところか。
「さて、蘇我様…あなたはどうするんですかね」
感情を凍りつかれた屠自古に問う。
もちろん、聞いているのは神霊のみだった。
主人公を尸解仙にする?
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プロローグ詐欺になるし亡霊で
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尸解仙にする
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その他(感想の方に必ず記載)