「なぜ、屠自古の足が霊体のものになっているのですか」
異変が終わり少し落ち着いた頃。
神子は布都に尋ねた。
空気は重苦しいものになっており、青娥と屠自古を同席させていた。
「…我は、屠自古の依代の壺を、生焼きの壺にすり替えました」
「今思っても、君の様子はおかしかった。止められなかった私にも責任はありますが」
「太子様。我は如何なる罰を受けます。どうか、我を、許さないでください」
「布都…」
棺を確認した。屠自古の体は朽ち果てていた。
そして屠自古は頑なに自分の体を見ようともしなかった。
更に青娥から聞けば、屠自古は怨霊となっており、放っておけば神子達にも危害を与えていたという。
屠自古は止めるため、札を貼った。札を貼ったはいいものの、今度は屠自古の感情の起伏がほぼ無くなってしまったという。
札を剥がしても、特に様子は変わらなかったという。
「多分その子抜き取られてるだけよ」
上から声がした。
「…あなたは」
「こんにちは。私は八雲紫といいますわ」
胡散臭い笑み。青娥のビジネススマイルと大差ない。
「あら、幻想郷の賢者様ですわね。」
こちらもまた胡散臭い笑みである。
「ええ、そうですわね。皆さん、幻想郷にようこそ」
さて、と紫は開いていた扇子を閉じた。
「賢者様…抜き取られているとは」
「そうね…霍青娥がやった対処は間違えている訳では無いわね。下手したら私たちが討伐しに行ってたわね」
「……」
「タイミングも別に問題はなかったみたいね。…怒りというものはね、かなりのエネルギーを身も心も使う。丁度、疲れ切ってしまっていた時に抜き取られていたと思うのだけれど」
「…誰も、いなかったと思うのだけれど」
「細工を施されていたのかもしれないわね」
紫は屠自古の棺に指を指した。
「丁度、力の痕跡みたいなものが僅かながらにあったわ」
「…屠自古の体から」
「…なにやら、邪悪な力を感じますわね。何も感じなかったのが不思議なくらい」
青娥は以前、屠自古の体を調べていた、が特に何も異常はなかった、はずだった。
だが今は力の残滓を感じる。なぜ今になって強くなったのだろうか。
「もし、蘇我屠自古の感情が抜き取られていたとしたら。恐らく取られた感情の方で何やら大きな反応をしていたんでしょうね」
「…誰だ、屠自古の大事なものをとったのは…」
神子の声は低い。布都に対してそんな声は出ていなかった。
神子は間違いなく、キレている。
「布都」
「っ、はい」
「屠自古の感情を取り戻したら今回のことは不問とする」
「…それは」
「屠自古のことを愛していたのは知っている。引っぱたいてでも止められなかった私の責任でもある」
あの時止めていれば。
今、こんなことにはならなかったのだ。
「それに、これは私が蒔いた種でもある」
布都を苦しませた怨念を作り出したのも、実質神子のせいで。
怨念を屠自古にも押し付けた神子のせいでもあって。
だからこそ、神子は過去に決着をつける。
「布都、私と共に屠自古の感情を取り戻すぞ。…これは、私に課せられた今回の試練だ」
「っっっ…はっ!!!」
「青娥は引き続き原因究明を。賢者様。」
「何かしら」
「あなたにもお願いしたい。知恵を貸していただきたい。もし、幻想郷に何があってからでは遅いでしょう?」
「確かに敵の計画も分からないものね。わかったわ」
神子の目は鋭い。
布都にとっては見慣れていた目だ。
為政者の目。
まるで誰かを、蹴落とさんとした目。
口調の方も為政者である神子の時と同じ。
隣で屠自古は少し、驚いているように見えたものだ。
主人公を尸解仙にする?
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プロローグ詐欺になるし亡霊で
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尸解仙にする
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