次の日。神子は今日も奔走する。
飛んでいる最中、目の前に突如ビームが放たれた。
「太子様!!」
屠自古は咄嗟に雷を放ち、ビームと相殺された。
「っ…助かったよ、屠自古」
「いえ。…何者だ貴様!この方が何者かわかっての狼藉か!!」
黒煙が晴れたと思えば、手が突然伸びる。
咄嗟のことに屠自古は反応ができなかった。
「なっ…」
攻撃されるかと思った瞬間、屠自古は抱きつかれた。
「母上っ!!」
「は…?」
突然母と呼ばれ、屠自古は困惑した。
それは後ろの神子も同じである。
少女は屠自古より少し低い。
茶色の髪はまるで神子のような色。
「……君は」
神子は能力で分かってしまった。
「片岡、かい…?」
神子は恐る恐る聞いた。
そして、元凶もまた、自分の娘だということを。
「ええ、父上。私からしたらはじめましてですが」
屠自古から離れると顔が見えた。
顔は屠自古にそっくり。目の色は神子と同じく、蜂蜜色。
だが心なしか、片岡の目に光はない。
「片岡…?」
屠自古も動揺していたが、それでも心は突き動かされない。
「大きくなったね、と言いたいところだけど…。君は、屠自古の感情を奪った、という認識でいいんだね?」
「はい」
「なぜ、そんなことを…」
「甦らせるためです。母上に会うために」
「今こうして」
「死んでるじゃないですか。それじゃダメです」
「……っ」
片岡の笑顔は一瞬で消えた。
「なので、1回感情を抜き取りました。ちょっと、儀式的に必要だったので」
神子の耳に、とても複雑な欲が聞こえた。
悲しい、寂しい、辛い、会いたい、憎しみ、怒り、喜び…相反する気持ちが、ドロドロと構成されている。
だが神子は、険しい顔で片岡を見る。
これもまた、自分のせいか。
神子は知っていた。自分の子どもたちがどんな結末を迎えたか。
その過程で、片岡は歪んでしまったのか。
「私の能力は抜き取る程度の能力です」
抜き取る程度の能力。
感情を抜き取ったりすることも出来れば、物体も抜き取ることも出来る。
そして、人の記憶も断片的に抜きとることが出来る。
しかしその能力は繊細であり、間違えれば物であれば壊すし、人であれば廃人となる。
片岡はその能力を使いこなすのに時間をかけた。
屠自古を甦らせるために。
失敗をしてはいけない、一発勝負のために。
「母上の感情はここにあります」
綺麗な、緑色の球である。キラキラと、輝いている。
「母上の感情は、完全に無くした訳ではありません。今こうして、輝きが強くなっているのは、とても強い、感情だからです。そしてこれは」
黒い、泥である。
「母上に取り憑いた怨念です。これで、我を失っていたみたいですね。これ、混ざっちゃうと危険なものです。これをとるのはかなり難儀しました。ですからこれを取り込めば、母上は元の状態に戻ります。ですが…母上の霊体は怨霊の性質があるので、私の能力できれいにします」
「……!?」
屠自古は体から力が抜ける感覚になる。
まるで、何か出ていくような。
「…いつの間に…!!」
「そして、霊体がきれいになった時。母上を蘇らせます」
屠自古の体が透け、透明な玉となった。
「父上も来ていいですよ。じゃあね」
「待て!!!」
空間が開かれ、片岡は姿を消した。
主人公を尸解仙にする?
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プロローグ詐欺になるし亡霊で
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尸解仙にする
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その他(感想の方に必ず記載)