神子は当然ながら乗り込んだ。
無謀なのは分かっていた。だが、屠自古が連れ去られたのだ。
片岡は気づいていないのか。
それは、屠自古の思いを踏みにじるものであり。
それは、屠自古をこれ以上にない程悲しませるものであり。
それは、さらなる悲劇を産むものであり。
それは、世界の理を根本的に壊すものであり。
そうなれば、幻想郷の賢者や有力者たちが総出で出ることになる。
閻魔も、死神も出るかもしれない。
蘇ってしまった屠自古は無事で済まないし、片岡と共に地獄に落ちる可能性が高い。
「くっ、怨霊が多いっ…!!」
目の前にはおびただしい量の怨霊。
神子を呪い殺さんと、牙を剥く。
「邪魔だ!!」
光符「グセフラッシュ」で、自分の周りだけではなく、辺り一体を蹴散らしていく。
「太子様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「布都っ!」
天符「雨の磐船よ天へ昇れ」で爆速とも言える速さで突っ込んできた。
「私達もいますわよ〜」
「おー」
「……君たち…」
神子は目を見開いた。
急な事だから援軍は出ることがないだろうと思っていた。
しかも、青娥や芳香が来るとは思わなかった。
「中々おもし…良くない気配を感じたので」
「占いをしていたところ、皿が木っ端微塵に割れましてな。嫌な予感がしたので参上しました」
青娥の理由は間違いなく愉悦目的だが、布都の方は物部の秘術を使った占いで黒幕を特定しようとしたらしい。
その時に用意した緑の皿が見たことがないくらいに割れたらしい。
「太子様、先に行きなされい。ここは我らが道を開きましょうぞ!!」
「……ありがとう」
布都は訳を聞かなかった。
誰が黒幕なのか、屠自古をどうするつもりか聞かなかった。
「屠自古をお願いします。ここを切り抜けたら我も直ぐに向かいます」
「わかりました」
片岡。
君の道がそれ以上踏み外さないように。
私は君の元へ行く。
「……ふぅー……」
片岡は緊張した面持ちで、眠る屠自古の前にいた。
これは失敗できない。
まずは、取り出していた感情の球と屠自古の魂を閉じ込めた球を合わせる。
光り、合わさると薄い黄緑色の大きな球となる。
「よし、次は…」
肩唾を飲む。
足は朽ちているが大丈夫だ。
魂を入れた瞬間、元に戻る。
「片岡、待ちなさい」
「父上、遅いですよ」
「しょうがないだろう、あれだけお客様がいると、対応もかかるものだよ」
あのね、と神子は言葉を続けた。
「片岡だけじゃない。山背も、財も、日置にも。とても申し訳ないことをしたと思う」
「ならなんで…」
「言い訳だけど…あの時はしょうがなかった、としか言えない。私達は仏教など信仰をしていない。君たちが産まれる前から。尸解仙になるにあたって、薬は3個しかない。作るにしても布都も、私も、屠自古も、時間などとうになかった。」
「しょうがなかった…?」
「それに、君たちを…」
「ああ、やっぱり…父上が憎い!!」
「っ!」
緑と黒の大きな弾幕が飛び出した。
恨符「置いてかれた者」。
速い弾幕と、不規則に動く緑の弾幕。
「片岡!」
「私たちは…!」
怨符「斑鳩の首吊り死体」。
茶色のビームと左右に揺れ動く密度の高い赤い弾幕。
神子は避けて、接近していく。
「いつまで、首を絞められるような痛みと苦しみに、耐えなければいけないの!?」
チラリと見えた片岡の首には、締め付けられたあとがあった。
主人公を尸解仙にする?
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プロローグ詐欺になるし亡霊で
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尸解仙にする
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その他(感想の方に必ず記載)