東方転雷録   作:龍覇

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37話

「…っ!!!」

神子は目を見開いた。

片岡を、楽にしなければ。いつまで、躊躇っているのだろう。

片岡をここで、倒さなくては。

丁度、布都たちは何とか倒すことが出来たようだ。

「…いくよ、片岡」

召喚「豪族乱舞」。

「っあ!?」

片岡が大事に抱えていた緑の球は、ふよりと神子に吸い寄せられた。

「我におまかせを!」

「…やってやんよっ…!」

布都はドヤ顔で、出てきた。

傷は思ったより少ない。

「…屠自古…」

屠自古は、泣いていた。

それも当然のことであり、屠自古の意識は刈り取られておらず、感情が戻ったまま、亡霊として再び立っていた。

一連の流れを全て、聞いていた。

「…片岡」

「母上?なんで?その足、元に戻せるんだよっ…?健康な体に、なれるんだよ…!?」

「いい…もういいんだよ…」

「…母上っ!!」

片岡は納得出来ず、叫んだ。

「…二人とも。私は今から、ラストワードを放ちます。…隙ができるので、君たちには片岡をよろしく頼みます」

「了承しました!」

「はい…」

屠自古は意を決したように、矢弾を放つ。

「すまぬ…片岡…」

布都も一言謝った後、矢弾を放った。

「っああああああああああああああ…!!!」

片岡は思い出していた。

静かな寺。

首を吊るための縄をもつ、山背。

山背の目は、諦めていた。

財も、日置も、みんな、みんな諦めていた。

【ねえ、兄上…本当に、死ななくちゃダメなの…?】

【これは、仕方の無いことだよ、片岡】

【俺たちだって死にたくない。だけどよ、仮に俺たちが生き残ったって、その先は惨い死しかないさ】

その時でも、片岡は納得していなかった。

【…大丈夫、みんなで死ねば、怖くないよ】

山背はニコリと笑った。

山背は穏やかな青年だった。両親が死のうと、心は折らせず、ただただ前を見ていた。

兄弟たちを安心させるために、笑顔で居続けた。

【じゃあ、いくよ…】

山背の言葉と共に、首を吊った、はずだった。

【…え?】

片岡は、死ぬ事が出来なかった。

片岡は間違いなく、首をつったはずだった。

だが、首を吊った紐は切れていない。

もう一回。もう一回。

首を吊った。

それでも死ぬことは無かった。そして、片岡は見てしまった。

苦しみ悶えた、兄弟と嫁兄弟、そしてその子供たちが死んでいる様を。

【兄上!!兄上!!?】

山背を、財を、日置を見る。

間違いなく死んでいた。

端正な顔立ちから予想できない、顔をしていた。

手を触れば、固い。

【義姉上!】

舂米もまた死んでいた。

誰も彼も、死んでいる。

【ゔ…あ…】

片岡はやっと現実を受けいれたのと同時に、吐いた。

【あああああああああああああああああ──aaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!】

皮肉なことに、屠自古が亡霊になったときと同じ、苦しみの叫びを上げていた。

主人公を尸解仙にする?

  • プロローグ詐欺になるし亡霊で
  • 尸解仙にする
  • その他(感想の方に必ず記載)
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